【感想・ネタバレ】カンパニー(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

リストラ対象になったサラリーマンが、クビをかけて畑違いのバレエ団の公演をマネージメント。そこで出会うダンサーたちの、華やかさからかけ離れた境遇や、ひとつの舞台に向けた真剣勝負に、『縁の下の力持ち』としてどこまでも裏方のまま奔走する彼。
公演の目玉となる世界的トップダンサーに、もう一人の『力持ち』として付き従うのは、こちらもリストラ対象のトレーナー。持てる知識と経験を駆使して、若く熱い闘志で支えようとする彼女。
二人とも、職にしがみつくために出向いたはずなのに、立場そっちのけでダンサーたちのために、自分に出来る最大限の事をしようとする。そんな彼らを、読み手はひたすら応援してしまう。
脇役であるはずの、主役級、準主役級のダンサーたちが放つ強烈な個性も、とても魅力的に描かれていて、それぞれ目が離せない。
もう一度読みたい。エピローグの先の彼らを見たい。

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2021年09月17日

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ネタバレ

リストラ要因の二人が出向先のバレエ劇団で見失っていた人生の生きがいを見出す。ついでにバレエ劇団も公演が大成功、出演したダンサーやらエグザイルみたいな(というかモロエグザイルと三代目)連中も次のステップに踏み出せてみんなハッピー。リストラ仕組んだ悪役エリートサラリーマンと主人公を見捨てた元妻は割りを食わされザマーミロ…

こんなベッタベタな話やのに、なんでこうもオモロく描ける?伊吹小説なので筆の冴えは間違いなくあるんだろうけど、それを気づかせない熱量。

やっぱ努力は夢中に勝てない、そういう物語、成功譚が好きなんやなぁ、俺は。

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2021年06月23日

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 綿密な取材をもとに、細部まで気が行き届いた伊吹有喜らしい作品。

 テンポがよく展開にも飽きが来ないし、読者心理をきちんと汲んで書かれている。

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2021年09月01日

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よかった。バレエの講演にかける人たち
バレエをする人だけでなく周りで支える人たちにも目を向けて
「カンパニー」の意味
どんなところでも言える

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2020年02月02日

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ていねいさ、誠実さ、仕事にも生きるのにも大切だなと思わせてくれた内容です。エンターテイメントとしても、舞台の表も裏側も面白かったです。

一生懸命に生きていたら、素敵な人たちとの出会いがあって、それがまた未来の自分を知らず知らずに変えてくれる…そういう希望を伝えてくれる物語です。でもそこには、ほんの少しの素直さが必要ということに、私たちも自覚できるといい、と思います。

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2023年09月10日

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ネタバレ

青柳誠一
有明フード&ファーマシューティカルズ(有明F&P)に勤めている。総務部第七グループの課長。妻に逃げられた。リストラ候補。敷島バレエ団に出向。

脇坂英一
青柳の入社当時上司で、現在は取締役。青柳の仲人を務めた。

青柳悦子
青柳の妻。旧姓は根本。愛称はネモちゃん。かつてはともに脇坂の下で働いていた。都内の短大を卒業後、縁故採用で入社した。

青柳佳奈
誠一の一人娘。
密かに両親の復縁を願っていた。

高野悠
世界的バレエダンサー。世界中の女性から『黒髪の貴公子』『世界の恋人」と呼ばれている。突如ホテルの部屋に入ってきたグラビアアイドルと揉み合い腰を負傷した。あだ名はハルカチン。

有明紗良
敷島バレエ団プリンシパル。バレエ団に協賛している有明F&Pの社長の娘。

敷島瑞穂
敷島バレエ団主宰。スタジオの二階でダンサーの夫が自殺した。

田中乃亜
敷島瑞穂の秘書。現役のダンサー。

瀬川由衣
基礎体力を培うフィジカルトレーナー。担当していた鈴木舞の引退によりリストラ候補となったトレーナー。二十八歳。

鈴木舞
マラソンランナー。ふわふわした茶髪のショートヘアと大きな瞳が愛らしい。愛称は「マイマイ」。二十二歳。妊娠し引退する。

スミト
間内澄人。鈴木舞と結婚する。インナービューティー・アプローチャー。

山田芳正
有明F&Pの健康増進課を統括する取締役。

大塚三朗
由衣の二年先輩。格闘技選手を担当するトレーナー。三十歳。

高崎美波
敷島バレエ団で大人向けバレエ教室の講師をしている。敷島バレエ団所属の実力者バレリーナ。夜は近所のコンビニ、レッスンのない週末はホテルで宴会や結婚式の配膳をしている。

長谷山蒼太
敷島バレエ団団員。ファーストソリスト。

阿久津仁
バーバリアン・Jのパフォーマンスリーダー兼プロデューサー。

水上那由多
アイドルグループ・バーバリアンJのスピリッツ(研究生)。

有明清治郎
有明F&Pの社長。紗良の父親。

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2023年04月27日

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ネタバレ

那由多が最終あたりでリフトをやりたいと言い始め、あげく失敗して自分は精神的に滅入って吐き気により演じられなくなったとき怒りが湧いてきましたが結果それぞれがよい道を歩む出すことができ最後はほっとした。
仲間のカンパニーから最後は会社のカンパニーにも通じており考えさせられる。
バレエがやりたくなったけど時すでに遅し。

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2022年02月14日

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妻に出て行かれ、窓際部署に移動か社が支援するバレエ団体への出向か迫られた主人公。
バレエには全く興味がなかった男性が、「白鳥の湖」公演を成功させるべく、自分の殻を破って奮闘するお話。

バレエって舞台では華やかなイメージだけど、実際は裏舞台では実力や権力の熾烈な戦い。
窓際に追いやられた会社員たちの根性を見せられた様な気持ちになりました。
バレエ観劇したいなぁ。

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2021年12月30日

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伊吹さんの作品なので期待して読みましたが、期待を裏切られることはありませんでした。とても素敵な作品。
特に本番の舞台に立ったカンパニーのメンバーたちの素敵さたるや。それぞれが自分の精一杯を出し尽くしている姿は感動。互いにリスペクトし合い、高め合う姿に涙が出てでした。
とてもよかった。

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2021年12月24日

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窓際に追い詰められて、バレエ団に出向したしがない会社員と素敵なダンサーたちのお話。元気がでる。
2021/9/29

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2021年09月29日

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お仕事小説。
久々にバリバリサラリーマンが主人公。

バレエ団に出向になって、
そこで出会った人たちに刺激を受けて
変わっていく。

人が変わるスイッチは自分の中にあって、
自分で押すしかないんだろうけど、
押そうと思うきっかけは、
やっぱり出会いなんだよなあ。

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2021年08月23日

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宝塚の演目の原作とあるが、テレビドラマにもなった作品のようだ。
ストーリー、キャラクターが魅力的で、絵になる場面も多い。
なるほど、人気があるのもうなずける。

主人公は二人いる。
製薬会社勤務の青柳は、リストラ寸前。
おまけに妻子に見捨てられる。
そんな彼にとってはまったくお門違いのバレエ団運営に出向させられる。
もう一人は、青柳と同じ会社のトレーナーの瀬川由衣。
彼女も会社が後援していたマラソンランナーのマネジメントに失敗し、崖っぷち。

初期状態がこれなら、浮揚するしかないわけで。

新たに担当となった世界的バレエダンサー、高野のマネジメントにがむしゃらに取り組む由衣。
悩みながらも「王者の才能」を持つ人を支えることに自分の存在意義を見出していく様はすがすがしい。

一方の青柳。
命じられたことは完璧にできるが、それだけだ、と上司に切り捨てられた彼も、新しい仕事場でバレエに出会い、その美しさに開眼する。
抜群の才能がありながら、いざという時に力を発揮できない美波に導かれるように。
抜け目のない上司に手柄を横取りされても、自分は裏方に徹して仕事を完遂する。
この仕事ぶりもまた、すがすがしい。

ボロボロバレエカンパニーにボーカル&ダンスユニットのアイドルが乗り込んだり、世界的なプリンシパルを迎えたりと、にぎやかで華やかなお話ではある。
が、こういった世界の人たちが、自分の能力を冷徹に測ったり、自分の体の感覚に神経を研ぎ澄まして調整している様も描かれていて、興味深い。

トップに立つ人たちの苦労ばかりではない。
バレエダンサーたちが、本業だけでやっていけず、コンビニやホテルの配膳のバイトなどを掛け持ちしている現状も描かれている。
こんな細部が、物語の奥行きを作りだしている。

私にとっては本作が最初の伊吹作品。
実は以前、ご本人の声を聞く機会があった。
とても美しい声の人だったことが印象に残っている。
来月にはウェブ配信でトークショーを見ることになっているので楽しみだ。

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2021年07月23日

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ネタバレ

伊吹さんのおかげでまた新たな世界を知ることができました(^ ^)最後のキュンとさせる場面は伊吹さんにお馴染みですね。希望が持てる終わり方に毎回ほっとします。

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2021年05月25日

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すき。
主人公の不器用ながらもマメで手際は良いところも、プリンシパルの性格も、人想いなトレーナーも、EXILEを思わせる集団の若者も、それぞれのキャラクターがしっかりでてていい。

2021.5.2
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2021年05月02日

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バレエは全く未知の世界。読み終えてバレエを実際に観てみたくなりました。

思うようにいかない事態にも黙々と対処するリストラ要員で出向中の青柳。一方、予期せぬ事態で同じく崖っぷちのスポーツトレーナー瀬川。
共に社が後援するカンパニー(バレエ団)の舞台を成功させるべく奮闘する。
舞台は無事成功するの?二人の進退も気になるしチラホラと見え隠れする恋の予感の方も気になる。

作中にでてきた「日本で受け入れられないなら海外で」という発想が良かった。自分次第で可能性は広げられる。
みんなで1つのものを作り上げる一体感が気持ちいい。そして舞台裏をちょっと覗いた気分です♪
面白かった!

『気持ちさえ決まれば、どうにでもできる。「今こそすべて。ほしいと思ったらためらうな」』

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2021年01月18日

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『雲を紡ぐ』がとても良かったので、伊吹有喜さんの2作目として手に取りました。
バレエ団とそこに協賛等関連するグループ会社が、バレエ公演の成功に向けて切磋琢磨していくお話です。
様々な企業、そしてその中でも立場の異なる人間が出てきて、それぞれの発言や対立するシーンはサラリーマンなら誰しも体験のあるようなリアルなものが多かったです。特に、主人公の中堅サラリーマンである青柳の、仕事での立ち回りや各方面との調整の仕方、仕事のまわし方は勉強にもなります。

バレエの華やかな世界や雰囲気というのはあまりなく中盤まではわりと淡々と話が進んでいきますが、最後の公演をトラブルありつつもそれぞれが知恵を絞って熱意を持ち乗り切っていくシーンは圧巻で素晴らしかったです。ロマンス系はほんのり匂わせる程度にしているのも爽やかで私は好きでした!

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2021年01月18日

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妻子に逃げられリストラ部署へと肩をたたかれ
公私共に崖っぷちの40代サラリーマンが会社が後援しているバレエ団へと飛ばされた
馴染みのないバレエの世界が垣間見れたのがなんだか嬉しかった
読みながらも読んだ後も何度となく胸を張りたくなる作品
面白かった

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2020年05月14日

Posted by ブクログ

普通の会社員がバレエ団に投げ込まれ、バレエを知らない目線から、舞台裏を垣間見る感で面白い!白鳥の湖見てみたくなりました。
コロナで舞台がない今、彼らがどうしているか心配になります。

最後には元気になれる小説で今!オススメです。

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2020年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

通勤のお供のはずが、面白い題材にやられてしまい一気に読み切ってしまった。
伊吹作品は私ツボにぴったりハマり過ぎててこわい位です。楽しい小説をありがとうございました。

青柳さんはもちろんのこと高野さん、紗良お嬢様と皆さん格好良い。
素敵おじさん達には是非美波さん、瀬川さんをガシッと掴みに行っていただきたいですね!

本の世界にいる時は気にもしなかったけど、今になって自分の仕事ってなんだろう…と虚無感が襲ってきた。
努力もしない私に王者の才能なんて当然にしてあるわけなく。よし、仕事はただの収入手段だ、掴める何かを外部に探そう。

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2020年01月22日

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あなたって、どこでも傍観者なのね。家を出た妻にそう告げられ、47歳の会社員・青柳誠一は呆然と佇む。そして災厄は会社でも──。窓際部署に異動か、社が後援するバレエ団への出向、どちらかを選べと迫られた青柳は「白鳥の湖」公演の成功を目指すことに。スポーツトレーナーの瀬川由衣や天才バレエダンサー・高野悠らと共に突き進むが、次々と困難が……! 読めば力湧く崖っぷちお仕事小説。

著者の作品を読むのは「ミッドナイト・バス」に続いて二冊目。これは元気をもらえる小説です。前の本のつながりではないが、宝塚月組で舞台化されたんですね。

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2020年01月19日

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なんだろう、このシンクロ感…。ここ数日、読んでいる本が、「居場所」や「居ること」、「どう生きたいか」などなどを考えさせられるものが続いているの中、このペースで実家に戻ったら読む本が足りなくなるかもと思い、駅ナカの本屋さんで手にとったら…その系譜につながる物語だった。
崖っぷちに立たされた主人公で肩たたきにあっている会社員の青柳誠一、スポーツトレーナーの瀬川由衣、身体の変化に戸惑う世界のバレエダンサーの高野悠が、ひとつのバレエ公園を「成功」させるために、ひとつひとつの出来事と向き合う中で、自分の存在を「ただ居る」ということを受け入れ、次の道、「希望」を見つけて進んで行く。右往左往するような出来事も盛り込まれているのに、心は凪いだままページをめくった。高野さんや美波さんの凛とした踊りを見てみたいと思った。まさかこんな物語だとは思っていなかった。人は、きっと出会うべくして出会う。そんなことを静かに思いつつ、とても満たされた気持ちになった。変わりたいと思ったら「まだまだ変われる、心も身体も。」

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2019年12月31日

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この作者の他の作品がとても良かったので、少し期待が大き過ぎたかなぁ。中年男に訪れる急な変化は、自分でもヒヤッとしたがバレエの世界にイマイチ入れなかった。

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2023年10月21日

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青柳は真面目な性格で、企業の課長として仕事をこなし、妻と娘と暮らす平凡なサラリーマンである。
順風満帆な日を送っているかと思いきや、突然会社からバレエ団出向という名の戦力外通告の部署に辞令が出され、妻からも離婚をつきつけられることで
環境が一気に変わる。生きる希望がなくなりかけている時に、バレエで出会う仲間たちに元気をもらう。最終公演の後は退職を覚悟し、未来のことを考えると不安になるが、目の前の仕事に懸命に打ち込み、周りの誰よりも働き、裏方としてサポートすることで、むマイナスな思いを払拭し、力強く生き抜く青柳の強さと優しさに心が熱くなる一冊である.

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2023年07月30日

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知らないバレーの世界を知りました。アスリート、舞踏家etc.華やかに見えてそれでいて、強い精神力。すごい世界だな。

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2023年04月08日

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ネタバレ

職を失ったら、どうなるのだろう。最近、始終思っている。働けない自分に価値はあるのだろうか。働けても働けなくなっても、自分に価値を見出してくれる人はいるのだろうか。それが家族だったのかもしれないのに、、。

「 もしかしたらお役に立つかもしれない。そのためのグッズです。いつ、どこで、どんな状況であろうと、自分のところに来た球は必ず拾う。そのためのもの。気にしないでください」

「 でも子供を産んだり、人を育てたりできる人は強い。どちらもできない人間は仕事とプライベートが行き詰まると、身の置き所が見つからない」

「 あらたまった話じゃないんで、イチさんの席がいいです。みんなよく隣に座ってしゃべったり、弁当食ったりしてるじゃないですか」

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2021年08月16日

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「雲を紡ぐ」が良かったので伊吹さんをもう一度。
一番大事な場面を書かずに想像させるのね。世界で戦うソリストとバレリーナとダンサーがつくる世界。サラリーマンは会社から言われたらなんでもできる。強く心惹かれる場所で生きる。

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2020年12月14日

Posted by ブクログ

11月-10。3.5点。
会社が合併し、リストラの対象になった主人公。
スポンサーになっているバレエ団の公演を手伝うことに。
一方、マラソン選手のトレーナーの女性、選手が妊娠、引退しバレエ団の手伝いへ。

ただの再生物語かなと思ったが、そこはさすが。
ヒネりながら、上手くまとめて盛り上がる。

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2020年11月11日

Posted by ブクログ

面白かったです。誰かの為や夢に向かって頑張ることを思い出させてくれました。もう少しロマンス的な場面もあれば、と思いました。

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2020年08月01日

Posted by ブクログ

失敗するとリストラが見える中で、出向先で頑張ってね、という話。出向先はバレエ関係業務。

物語と関係無いが、総務課で言われた仕事を完遂できる能力を評価されなくて左遷の候補に挙げる会社ってすごいなぁ。

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2020年05月10日

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