あらすじ
あなたって、どこでも傍観者なのね。家を出た妻にそう告げられ、47歳の会社員・青柳誠一は呆然と佇む。そして災厄は会社でも――。窓際部署に異動か、社が後援するバレエ団への出向、どちらかを選べと迫られた青柳は「白鳥の湖」公演の成功を目指すことに。スポーツトレーナーの瀬川由衣や天才バレエダンサー・高野悠らと共に突き進むが、次々と困難が……! 読めば力湧く崖っぷちお仕事小説。(解説・藤田香織)
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Posted by ブクログ
リストラ要因の二人が出向先のバレエ劇団で見失っていた人生の生きがいを見出す。ついでにバレエ劇団も公演が大成功、出演したダンサーやらエグザイルみたいな(というかモロエグザイルと三代目)連中も次のステップに踏み出せてみんなハッピー。リストラ仕組んだ悪役エリートサラリーマンと主人公を見捨てた元妻は割りを食わされザマーミロ…
こんなベッタベタな話やのに、なんでこうもオモロく描ける?伊吹小説なので筆の冴えは間違いなくあるんだろうけど、それを気づかせない熱量。
やっぱ努力は夢中に勝てない、そういう物語、成功譚が好きなんやなぁ、俺は。
Posted by ブクログ
青柳誠一
有明フード&ファーマシューティカルズ(有明F&P)に勤めている。総務部第七グループの課長。妻に逃げられた。リストラ候補。敷島バレエ団に出向。
脇坂英一
青柳の入社当時上司で、現在は取締役。青柳の仲人を務めた。
青柳悦子
青柳の妻。旧姓は根本。愛称はネモちゃん。かつてはともに脇坂の下で働いていた。都内の短大を卒業後、縁故採用で入社した。
青柳佳奈
誠一の一人娘。
密かに両親の復縁を願っていた。
高野悠
世界的バレエダンサー。世界中の女性から『黒髪の貴公子』『世界の恋人」と呼ばれている。突如ホテルの部屋に入ってきたグラビアアイドルと揉み合い腰を負傷した。あだ名はハルカチン。
有明紗良
敷島バレエ団プリンシパル。バレエ団に協賛している有明F&Pの社長の娘。
敷島瑞穂
敷島バレエ団主宰。スタジオの二階でダンサーの夫が自殺した。
田中乃亜
敷島瑞穂の秘書。現役のダンサー。
瀬川由衣
基礎体力を培うフィジカルトレーナー。担当していた鈴木舞の引退によりリストラ候補となったトレーナー。二十八歳。
鈴木舞
マラソンランナー。ふわふわした茶髪のショートヘアと大きな瞳が愛らしい。愛称は「マイマイ」。二十二歳。妊娠し引退する。
スミト
間内澄人。鈴木舞と結婚する。インナービューティー・アプローチャー。
山田芳正
有明F&Pの健康増進課を統括する取締役。
大塚三朗
由衣の二年先輩。格闘技選手を担当するトレーナー。三十歳。
高崎美波
敷島バレエ団で大人向けバレエ教室の講師をしている。敷島バレエ団所属の実力者バレリーナ。夜は近所のコンビニ、レッスンのない週末はホテルで宴会や結婚式の配膳をしている。
長谷山蒼太
敷島バレエ団団員。ファーストソリスト。
阿久津仁
バーバリアン・Jのパフォーマンスリーダー兼プロデューサー。
水上那由多
アイドルグループ・バーバリアンJのスピリッツ(研究生)。
有明清治郎
有明F&Pの社長。紗良の父親。
Posted by ブクログ
那由多が最終あたりでリフトをやりたいと言い始め、あげく失敗して自分は精神的に滅入って吐き気により演じられなくなったとき怒りが湧いてきましたが結果それぞれがよい道を歩む出すことができ最後はほっとした。
仲間のカンパニーから最後は会社のカンパニーにも通じており考えさせられる。
バレエがやりたくなったけど時すでに遅し。
Posted by ブクログ
伊吹さんのおかげでまた新たな世界を知ることができました(^ ^)最後のキュンとさせる場面は伊吹さんにお馴染みですね。希望が持てる終わり方に毎回ほっとします。
Posted by ブクログ
職を失ったら、どうなるのだろう。最近、始終思っている。働けない自分に価値はあるのだろうか。働けても働けなくなっても、自分に価値を見出してくれる人はいるのだろうか。それが家族だったのかもしれないのに、、。
「 もしかしたらお役に立つかもしれない。そのためのグッズです。いつ、どこで、どんな状況であろうと、自分のところに来た球は必ず拾う。そのためのもの。気にしないでください」
「 でも子供を産んだり、人を育てたりできる人は強い。どちらもできない人間は仕事とプライベートが行き詰まると、身の置き所が見つからない」
「 あらたまった話じゃないんで、イチさんの席がいいです。みんなよく隣に座ってしゃべったり、弁当食ったりしてるじゃないですか」