雲を紡ぐ

雲を紡ぐ

小説・文芸
800円 (税込)

4pt

壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるのか?
第8回高校生直木賞(2021)受賞作!

羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。
ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行ってしまう。
美緒は、祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。

「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。
その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語るように、読む人の心を優しく包んでくれる1冊。

文庫版特典として、スピンオフ短編「風切羽の色」(「いわてダ・ヴィンチ」掲載)を巻末に収録。

文庫解説・北上次郎

※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    雲を紡ぐ
  • タイトルID
    :
    1209072
  • ページ数
    :
    432ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年09月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

雲を紡ぐ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    岩手県盛岡市、岩手山を背景に、ホームスパンを通じて心と心を紡ぎ合う親子3代の物語。
    ホームスパンの様に、心がふわっと柔らかくなり、とても温かい話だった。

    自分の気持ちを言葉で表現できない主人公、美緒。
    人のことが怖い美緒。
    何が好きで何がしたいのか分からない美緒。
    美緒の性格は、母親の影響が大きいのだろう。

    私も子育て中は、いつも子ども達を急がせていた。自分の考えを押し付ける、美緒の母親、真紀と自分の姿が重なった。

    美緒は、岩手の祖父や、裕子先生、息子の太一くんの温かさに包まれ、少しずつ自分らしさを見つけていく。
    中でも、祖父は美緒にとって偉大な存在だった。

    幾多の細かい作業工程を経て出来上がったホームスパンは、大切に使われることで、時間が経ってさらに良い物に育っていく。
    祖父は、孫の美緒にも愛情をかけ、せがずに待った。美緒が自分を知り、自分らしく生きる日が来ることを信じて待った。
    偉大な祖父に心が熱くなった。

    実在するカフェやパン屋さん。
    古き街並み、建物。
    四季折々の風景。
    おじいさんのコレクションの鉱物や織物。
    その中から美緒が選んだ黒い漆塗りのスプーン。
    漆塗りのカフェオレボール。
    宮沢賢治の絵本。
    外国の絵本。
    おじいさんの優しい言葉の数々。
    この本は、たくさんの宝物に溢れていた。

    本を携えて、盛岡に行きたくなった。

    0
    2026年10月18日

    Posted by ブクログ

    両親との確執や思春期の葛藤からの打開、自分の力と自分の力を信じて待ってくれる人。
    未来を信じられる。誰かの救いになると思う。良かった。

    0
    2026年10月12日

    Posted by ブクログ

    一言で言うと「温もりを感じる話」
    とにかくおじいちゃんの言葉ひとつひとつに人間としての深みを感じる。順風満帆な人生だけでなく辛い経験もしてきたからこそ伝えられる言葉なのだろう。
    「自分はどんな好きでできているかを探して、身体の中も外もそれで満たしてみろ」 「話してもわからない相手がいるなら離れるべきだ」と言う祖父、一方で「辛いことから逃げてばかりではダメ」と考える母や母方の祖母、思っていることを言葉に出来ない美緒や父の気持ちもよくわかる。
    どう生きるかに正解なんてないのだろうけど、自分で選んだ人生に潔くありたい思った。

    0
    2026年06月18日

    Posted by ブクログ

    人間関係から不登校になった美緒。その美緒が自分の道を探す成長の物語…かと思っていたら、視点は父母、そして祖父へも移り、壮大な家族の物語へと広がっていた。手仕事を大切にする人々と、岩手の美しい風景。心を動かされる一冊でした。

    0
    2026年06月16日

    Posted by ブクログ

    朝の連続ドラマを見ているような物語だった。悲しいことはあったが、岩手の風景を感じて、読後感は爽やかだった。

    美緒の心情、両親の美緒に対する想いや夫婦間の気持ち、祖父、裕子さん、太一君の生活が織り物のように交差して感動した。

    実際にホームスパンとか見たことはないが、羊毛の感触が伝わってくるような優しい文章で好きな小説になった。

    0
    2026年06月11日

    Posted by ブクログ

    暖かくなるお話だった。おじいちゃんが死んじゃいそうなフラグ立てた時にこんなに人に死んで欲しくないと思ったことない辛かった。死に方はあっさりしてたけどそこも良くていいね感動。また読みたい。

    0
    2026年06月03日

    Posted by ブクログ

    岩手県の柔らかで朴訥として温かい雰囲気がそこかしこに表れていて、岩手県好きとしてはたまらない作品。手触りの感触や心地よさを素直に感じ取るとこで、主人公美緒は癒やされ、また前を向ける。どの登場人物も優しくて不器用で、愛らしかった。岩手旅行の折に、また読み返そう。

    0
    2026年01月11日

    匿名

    購入済み

    とても素敵なおはなしでした。彼女にお祖父さんとの出会いがあってよかった。苦しい時に素敵な出会いがあれば救われると思います。今苦しんでる人達にも、そんな出会いがあればいいなと思ってます。

    #ほのぼの #切ない #タメになる

    0
    2025年12月27日

    Posted by ブクログ

    高校に行けなくなった17歳の美緒は、家族との折り合いが悪く、一人で新幹線に乗って父方の祖父が住む盛岡へ向かう。
    祖父が営む「山崎工藝舎」では羊毛を手仕事で染め、紡いで織るホームスパンを作っていた。
    盛岡の美しい景色と、膨大な量の手作業から羊毛が一本の糸になっていくその魅力にどんどん引き込まれ、羊毛の感触までもが手に伝わってくるようです。

    これは、三世代の家族の物語です。
    家族は時に激しくぶつかり合ったり離れたり、だけど羊毛の糸のように切れてもつながるものなのです。
    物語の中で、おじいちゃんが美緒やその両親に語りかける温かく包み込むような言葉がたくさんあります。
    中でも、「今は決められない、それも選択の一つだ」という言葉が心に残りました。
    ひとつ屋根に暮らしていても、親も子も年を取り、いつかはそれぞれの道を行くことになる。
    だけど離れて暮らしても、家族への愛は決して消えたりはしないはず。

    盛岡に行ってみたい…。宮沢賢治のイーハトーブの町。
    この物語に出てくる、隠れ家的な美味しいコーヒーの店を探してみたいです。

    0
    2025年12月03日

    Posted by ブクログ

    この間プチ旅行に出かけたお供に読み始めたら止まらなくなってしまった。
    激しく温かい気持ちで本を閉じられた。

    読み始めてずっと息もできないくらい苦しくて。
    美緒ちゃんは私だった。
    人の顔色を伺ってしまう、言葉尻で自分に対する負の感情を感じ取ってしまう、詰められると言葉は胸の中に沢山あるのに何も言えなくなってしまう。
    決めつけてかかってくる母親。
    辛いよね。
    苦しいよね。
    好きなものが分からない、心地いいが分からない、自分がどうしたいか分からない。
    自分を大切にするってことがそもそも分からない。

    美緒ちゃんはホームスパンに出会った。
    私は音に出会っていた。
    自分の心地いいことに気付ければ、理解してくれる人に出会えれば。

    それでいくと私は半分美緒ちゃんのお母さんとも似てるのかもしれない。
    誰にも甘えられない。頼れない。

    こうやって文字に起こして客観的に見ると私かなりやばい人ね。
    何が好きなのか、どんなことが心地いいのか、自分はどうしたいのか。少しずつ分かってきた。
    本を読むのもそのひとつ。
    それすら分からなかった。
    人に頼るのはまだまだ。
    これが一番難しい。
    まだまだ育て直し中だけど、客観視できるようになっただけまだマシかな。

    娘達もそうなんだよね。
    黙っちゃう。
    娘達がぽつりぽつりと話し出すのはお風呂の時間と寝る時。
    だから大きくなってきたけど、お風呂も寝る時間も未だに一緒。
    いつでも受け止めてあげられるように。

    「言わで思ふぞ、言ふにまされる」(言えないでいる相手を思う気持ちは、口に出して言うより強い)

    黙っているという向こう側に豊かな森が広がっている。と「ことばのかたち」にも出てきたな。

    もしも私が何か言い返した時には相当な勇気を振り絞っているんだなと思って褒めてくれたら嬉しい。

    雲を紡ぐ、言葉を紡ぐ、人と人とを紡ぐ。
    そんな物語だと思った。

    0
    2025年03月28日

雲を紡ぐ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    雲を紡ぐ
  • タイトルID
    :
    1209072
  • ページ数
    :
    432ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年09月01日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

伊吹有喜 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す