雲を紡ぐ

雲を紡ぐ

800円 (税込)

4pt

壊れかけた家族は、もう一度、一つになれるのか?
第8回高校生直木賞(2021)受賞作!

羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげた「時を越える布・ホームスパン」をめぐる親子三代の「心の糸」の物語。
いじめが原因で学校に行けなくなった高校2年生・美緒の唯一の心のよりどころは、祖父母がくれた赤いホームスパンのショール。
ところが、このショールをめぐって母と口論になり、美緒は岩手県盛岡市の祖父の元へ行ってしまう。
美緒は、祖父とともに働くことで、職人たちの思いの尊さを知る。
一方、美緒が不在となった東京では、父と母の間にも離婚話が持ち上がり……。

「時代の流れに古びていくのではなく、熟成し、育っていくホームスパン。
その様子が人の生き方や、家族が織りなす関係に重なり、『雲を紡ぐ』を書きました」と著者が語るように、読む人の心を優しく包んでくれる1冊。

文庫版特典として、スピンオフ短編「風切羽の色」(「いわてダ・ヴィンチ」掲載)を巻末に収録。

文庫解説・北上次郎

※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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雲を紡ぐ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     伊吹有喜さんの作品は、「ミッドナイト・バス」「風待ちのひと」「犬がいた季節」を読んでいて、「雲を紡ぐ」が4作品目でした。2020年の直木賞候補作品でもありました。
     私は「犬がいた季節」がすごく好きなのですが、「雲を紡ぐ」もとても良かったです。
     親子といえど言葉なしでわかりあえるようになるには難

    1
    2024年06月05日

    Posted by ブクログ

    やまびこに乗って東京に紘治郎と戻ってきたときの最後のシーン。
    夜家族での会食後に美緒は紘治郎とは宿には止まらず、実家で一夜を過ごすことになったとき。それまでの美緒だったら、寂しそうな祖父に思うことはあっても行動は起こせなかっただろう。でもその時は後から一度玄関で見送った祖父を追いかけて、言葉をかける

    0
    2025年04月29日

    Posted by ブクログ

    この間プチ旅行に出かけたお供に読み始めたら止まらなくなってしまった。
    激しく温かい気持ちで本を閉じられた。

    読み始めてずっと息もできないくらい苦しくて。
    美緒ちゃんは私だった。
    人の顔色を伺ってしまう、言葉尻で自分に対する負の感情を感じ取ってしまう、詰められると言葉は胸の中に沢山あるのに何も言えな

    0
    2025年03月28日

    Posted by ブクログ

    美緒の不登校をきっかけに三世代の確執が明確になりつつも、「切れたってつながる」ホームスパンの糸のようになんとか紡がれていくお話。つらい過去があったからこそ?の祖父の偉大さ、温かさはとても沁みました。
    私も黙ってしまう人を急かしてしまう側なので、「言はで思ふぞ、言ふにまされる」を心に刻みました。
    さて

    0
    2025年03月02日

    Posted by ブクログ

    私はずっと人の目が気になっていたり、たくさん人がいると緊張してトイレに駆け込んでいたりと中学生の頃から悩んでいました。そして、とある神経疾患があると診断されてから夜眠れなくなったり急に涙が出たりと不安定な時期にこの本に出会いました。この本は私が本屋さんで表紙がとても素敵だからという理由で買った本だっ

    0
    2025年03月01日

    Posted by ブクログ

    自分に自信がなくて、いつも笑顔を貼り付けて過ごすことで友達から揶揄われて学校にいけなくなる。母も父もそれぞれに仕事で大変さを抱えていて、逃げるな、と言われながらも耐えられずに新幹線に乗って盛岡にいる祖父の家に訪れる。
    祖父はホームスパンを作る職人をしており、驚きながらも暖かく迎え入れ、本人が置かれて

    0
    2025年02月02日

    Posted by ブクログ

    主人公の美緒が不登校になる過程や母親、祖母との関係は胸が苦しくなったけど、
    盛岡の祖父を頼ってからは優しく支えてくれる祖父がとても暖かくとても心地いい読書感でした。
    厳しかった母や祖母も敵ではなく、味方なんだよ。親や祖父母、みんなの面影が残るあなたはみんなが味方で居てくれてるんだよ。みんなあなたのこ

    0
    2025年01月13日

    Posted by ブクログ

    伊吹さんの作品は初めて読みました。
    なんか凄くいいなと思いました。
    特に祖父鉱治郎の会話の一つ一つが優しく、すっと入ってきました。
    その中でも「大事なもののための我慢は自分を磨く、ただつらいだけの我慢は命が削られるだけ」という部分は強く印象に残りました。
    美緒の名前の由来も素敵だなと思います。
    また

    0
    2024年12月26日

    Posted by ブクログ

    今年の1番

    不登校になっている美緒が それにくるまると落ち着くショールを作っているおじいちゃんちに1人で向かい、そこで織りを習って 自分の今後を考えていく

    岩手のウール、ホームスパンという存在を知らなかった

    おじいちゃんが美緒に対して話す言葉が優しく救われる

    「…中略…何をするとお前の心は喜

    0
    2024年12月22日

    Posted by ブクログ

    主人公や父母や祖母、裕子さん、太一君、先生など色々な登場人物の感情や言葉が面白かった。雪や雲や天気などの描写が美しく良かった。

    0
    2024年11月04日

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