風待ちのひと

風待ちのひと

704円 (税込)

3pt

“心の風邪”で休職中の39歳のエリートサラリーマン・哲司は、亡くなった母が最後に住んでいた美しい港町、美鷲を訪れる。 哲司はそこで偶然知り合った喜美子に、母親の遺品の整理を手伝ってもらうことに。 疲れ果てていた哲司は、彼女の優しさや町の人たちの温かさに触れるにつれ、徐々に心を癒していく。 喜美子は哲司と同い年で、かつて息子と夫を相次いで亡くしていた。 癒えぬ悲しみを抱えたまま、明るく振舞う喜美子だったが、哲司と接することで、次第に自分の思いや諦めていたことに気づいていく。 少しずつ距離を縮め、次第にふたりはひかれ合うが、哲司には東京に残してきた妻子がいた――。 人生の休息の季節と再生へのみちのりを鮮やかに描いた、伊吹有喜デビュー作。

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風待ちのひと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月06日

    辛い経験を経て失うものとそこから得るもの、人生で起こる小さな出逢いや縁の大切さを気づかせてくれました。

    小説の中にしかないでしょ?といった筋ではなく、親近感が持てる人物像と現代家族の描写に、隣の家を覗いているようなリアル感を得られました。

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    Posted by ブクログ 2024年03月14日

    伊吹さんの小説、2冊目。読み終えて感じたこと。

    美鷲の風景描写が、想像できるくらいの表現の素晴らしさに惹かれた。
    家族を失った貴美子と心の風邪をひいてしまった哲司。
    貴美子の優しさと気遣い、テキパキとこなす仕事。かっこいいと思った。
    お互いに欠けているもの、大切なものに気付き前に進もうとするストー...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月20日

    伊吹さんの作品は人の心情の移り変わりなどが大変上手いので作品を読み終えるたびに上手いなあと感じます。

    今回もそれぞれが感じていた寂しさや、やるせなさなどがとても上手く表現されています。

    ハラハラ、ドキドキしながら迎えるラストにとても心が癒されます。

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    Posted by ブクログ 2022年09月28日

    哲司39歳、銀行員、出世コースから外れ、外資に勤める妻の年収の方が多くなった。うつ状態になり休職することになった。三重の田舎に家を建てた母が死に、その家の始末に来た。喜美子39歳、息子に死なれ、あちこち転々としていた。たまたま会った哲司を助け、家の片付けを手伝うようになった。自称オバチャン

    ある種...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年08月21日

    著者の作品を読むのは雲を紡ぐに続いて2回目です。エリートコースを歩んできたサラリーマンが、うつ病になり、妻にも浮気され男としての自信を失い、自殺するつもりで亡くなった母の住んでいた街、美鷲(おそらく三重県の尾鷲市)に訪れます。休職期間中のその街での出会いや恋愛を綴った、切なくも優しいストーリーです。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月10日

    まさにツボ、満点でした。
    哲司と同じ業界で働いていました。そして途中で道を外してジ・エンド。音楽ではクラシック大好き。昨秋はショパンコンクールにハマっていました。コロナの前はオペラにもよく行きました。最も聴いているのはトラビアータ、ウィーンやパリでも聴きました。事実なのですがヴェネツィアフェニーチェ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月21日

    伊吹有喜さんのデビュー作。四十九日のレシピが有名ですが、個人的にはこちらの方が好きです。
    オススメ!

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    Posted by ブクログ 2020年07月18日

    随所に現れる瑞々しい表現が心を掴む
    瓜の汁を指で拭うシーンは美しい映像が浮かびました
    誰かの大事な人になるタイミング、過程
    少女漫画以上にときめきました

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    Posted by ブクログ 2020年07月10日

    二人の視点から描かれるストーリーにより、互いに抱える問題、過去にできた傷が読み取れる。
    美しい風景が目に浮かび、人の温かさを感じることができる作品。

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    Posted by ブクログ 2018年11月16日

    「何もかもコースアウト。
    道を踏み外したよ」

    『踏み外したんじゃないよ。
    風待ち中。
    いい風が吹くまで
    港で待機してるだけ』

    あぁ
    そんな考え方も あるんだな
    って
    ちょっと 楽になった

    そのうち
    いい風 吹けばいいなぁ~


    オトナ様の恋愛小説
    オトナ様の再生物語

    0

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