あらすじ
夫も仕事も失い、生きる気力をなくした美紀。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の片隅で、台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」を見つけ、魅入られ、働き始める。お茶や着物、古都の穏やかな日常に触れ、明るさを取り戻す美紀。そんな彼女に、年齢も性格も違う二人の男性が好意を持ち始めた。今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い? ――苦みを知るから、決められない。名手が描く、大人の恋。
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うひゃ~、伊吹さんの大人の恋愛小説。官能小説ともいえるじゃないですか。伊吹さんが書くとこんなに上質になるんですね。
台湾のお茶に関する知識が豊富で、これだけでも読む価値ありです。
紫釉を演じられるのは井浦新さんしかいないなあ、とか主人公に合う女優さんは誰かなあとかいらぬことをずっと考えていて、けっこう時間がかかりました。
今の40代後半って、まだまだ綺麗でいけてますわよ。更年期を迎える人たちへの応援歌でもありますね。
Posted by ブクログ
最初はお茶の説明とか着物の説明とか難しいかなと思っていたら、少女漫画を読んでいるようなキュンキュンした気持ちになる素敵な本でした。
美紀さんと紫釉さんの大人の関係がたまらなく好きでした。
年齢が行くほど自分に自信がなくなって身動き取れなくなる気持ちが何だか共感したし、マダムの的確なアドバイスに自分も応援されてる気持ちになりました。
大人になっても恋はしたいですね。
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ラストに、直哉が出てきたと言うことは……そういうことでいいのかな!?
美紀さんには幸せになってほしい……!!
最後の3人がどういう関係なのか気になるところ!
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茶藝館なる存在を知らなかったので興味深く読みました。
しかし、私なら絶対に紫釉さんを選ぶ!
なぜこんな魅力的な人ではなく元カレの息子に惹かれて行くのか理解できませんでした。
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死の刹那に初恋の人のことを思い出す「母国語の祈祷」、そういう瞬間にあると思っていた美紀が道に迷って鎌倉茶藝館を訪ねることにより、マダムや紫釉、直哉と出会い、再び前を向いて生きていく物語。
台湾の茶藝や和服についてもっと知りたくなり、美味しいお茶を味わいたくなる。
マダムや紫釉が魅力的。
鎌倉が素敵に描かれていて、いつか自分も住めたら、、、と思ってしまった。
美紀の恋にはどきどきはらはらしたけれど、恋だけじゃなくて、物語り全体が、作中で描かれている台湾のお茶のように味わい深い。
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お互いを支え合え、安心感を与えてくれる同年齢の紫釉と初恋相手にそっくりで若く情熱的なアプローチで女を思い出させてくれるひと回り以上年下の直哉。
大人の恋愛は自由だけど不自由さもあってなかなか苦しい場面も多くあった。
でもいつまでも女でいたければ女でいていいのだと励まされた。
長く生きていると誰しもが傷を持っている。
その状態がまだジュクジュクしている人もあれば乾いて跡だけ残っている人もいる。
でもそれが疵物ではなく経年による味わいなのだと思えるように年を重ねていきたい。
登場するお茶は高価そうで簡単に手が出せそうにないけれど、たまには何もせずただお茶を愉しむ時間があってもいいなと思った。
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伊吹有喜さんの本を読むのはこれで13冊目。今までの12冊と比べると、主人公 相生美紀がいまいち好きになれなかった。
美紀は学生の時にアメリカに留学した恋人に振られ、その後結婚した夫は32歳という若さで亡くなる。そして、48歳の時、長年働いた会社が倒産。何もかも失ったと思い、最後の旅にと選んだのが、かつての恋人だった人との思い出の地・鎌倉。
そこでの出逢いから、2人の男性に好意をもたれるのだけれど、1人は美紀と同い年、もう1人は18歳ぐらい年下。美紀が選んだのは年下。けれど、その彼に関わる事実を知り・・・。
現実的に考えてお付き合いするとしたら年齢の近い人でしょと、思いながら読んでいました。だって、あまりにも年下過ぎると、明るい未来は予想できないから。どれほど年下の彼が今は想っていてくれようが。
でも、ラストはとても上手く描かれていて、流石は伊吹有喜さんだと思いました。このラストの続きを描いてほしいと思いました。
『なでしこ物語』みたいに3部作とまでは言わないけれど、その後を知りたい。
私は紫釉さん推しです。
Posted by ブクログ
鎌倉の親しみある地名が出てくるのが嬉しい。
著者の着物や中国茶の知識はかなり深いので小説なのに読んでて勉強になる。
章題も季節や花の名前を取り入れてて美しい。
途中中年のおばさんに都合良すぎるストーリーだなとちょっと胸がムカムカする感じもあったけど、大人の恋愛としてありだなと思う。同年代の女性とか結構共感するような気がする。
Posted by ブクログ
人生いろいろあるんたな〜
騙される時は用心していても騙される。あれ、おかしいなとおもったら立ち止まる必要があるかな〜
人の良し悪しを見極める目が必要
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あーー
台湾行って、本格的なお茶を飲みたくなりました。
以前行った時よりも、きちんと味わえる気がする…
いろんなことで打ちのめされて、自死覚悟で訪れた鎌倉で、すごい展開…
モテモテでいいなあ。
…にしても、素敵な小説だったわ。
Posted by ブクログ
おとなの恋のお話です♡
美しいお着物に、
かぐわしいお茶と品の良いスイーツ、
そしてお庭のお花や鎌倉の四季。
凛とした所作に衣擦れの音が響き、
茶葉の香が鼻孔をくすぐります♡
艶っぽい誘いに惑う女心。
女は、いつまでもオンナなのです。。。
相生 美紀(あいおい みき)さん(48歳)は、3ヵ月前に職を失いました。
和装小物をつくっていた勤務先が倒産したのです。
夫の賢一さんが亡くなってから16年が経っており、相談できる人もなく、美紀さんは「この先どうなるのだろう」と、不安な気持ちで過ごします。
3ヵ月後、美紀さんは家を片付け、持ちものを処分して、戻らぬ覚悟で旅に出ました。向かった先は鎌倉です。10月下旬「霜降」の頃でした。
鎌倉を選んだのは、そこが二十歳前後に、恋人の伊藤 智也(いとう ともや)さんと訪れた思い出の地だったからです。
美紀さんは源氏山を訪ねますが迷ってしまい、「鎌倉茶藝館」という名の薄緑色に塗られた屋根の洋館にたどり着きます。
そこは、台湾の功夫式(ゴンフーしき)のお作法で楽しむお茶と、上質な日本茶や紅茶を扱っており、茶道の『さ』と台湾の茶藝の『げい』を合わせて、『さげいかん』と呼ばれているのでした。
美紀さんは、老婦人から「東方美人」というお茶を振舞われました。
清々しい緑と甘い花のような香りが美紀さんを癒します。
そして、美紀さんは、茶藝館で働かせてもらうことにしたのです。。。
老婦人は、茶藝館の二階に住むオーナーの林 淑惠(はやし としえ)さんで、マダムと呼ばれています。
茶藝館の離れには、マダムの孫の高橋 紫釉(たかはし しゆう)さんという中年男性が住んでいて、中国風の愛称で「阿紫(アズィ)」と呼ばれています。
鎌倉茶藝館にくるお客は、週末は観光客、平日はマダムと顔なじみの年配の人たちです。
お客はそれほど多くありませんし、建物も老朽化しているので、紫釉さんはマダムに閉館をすすめています。人を雇うことにも反対していました。
ある夜、紫釉さんは持病のパニック発作を起こします。
息も絶え絶えに、紫釉さんは、美紀さんに傍にいて欲しいと頼み、美紀さんはそれに従います。
そして、落ち着きを取り戻した紫釉さんが美紀さんに「凍頂烏龍茶(とうちょうウーロンちゃ)を淹れてくれた時、美紀さんは「茶藝館を閉めないでください。」と頼むのでした。
すると、紫釉さんは。。。
また、同じ夜、美紀さんのかつての恋人、智也さんにそっくりな若者が茶藝館を訪れてすぐに姿を消しました。
その若者というのは、実は。。。
美しい言葉で綴られた、
ちょっぴり際どくて、お洒落なおとなの恋模様。
やけどしそうな熱いお茶と、
取って置きの極甘のお菓子を召し上がりながら、
ゆっくりとお話をご堪能くださいませ♡
〔作品紹介・あらすじ〕
夫も仕事も失い、生きる気力をなくした美紀。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の片隅で、台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」を見つけ、魅入られ、働き始める。お茶や着物、古都の穏やかな日常に触れ、明るさを取り戻す美紀。そんな彼女に、年齢も性格も違う二人の男性が好意を持ち始めた。
今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い? 苦みを知るから、決められない。
名手が描く、大人の恋。
Posted by ブクログ
50歳を目前に仕事も夫もなくしてしまい行き場をなくしてしまった美紀が鎌倉の山奥にひっそり営業中の「鎌倉茶藝館」で働くことに。台湾茶って3度も4度も入れて飲むんだ。
美紀の着物の知識もすごい伊吹さんの話はいいよね。
Posted by ブクログ
夫と死別し、勤務先も倒産。深い喪失感の果てに、かつて元恋人と過ごした鎌倉を訪れた美紀(48歳)。自死を覚悟した最後の旅の途中、鎌倉の台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」でマダムに救われる。そこでマダムの息子と、さらに同じ場所で直哉とも知り合う。直哉は、かつての元恋人の息子だった。二人の男性から好意を寄せられ、揺れ動く美紀。アラフィフ女性の禁断の恋。「女は恋して、最後の一煎、死ぬまで情を注ぐ」その言葉が妙に生々しい。美紀の悲壮感と再生の描かれ方、そしてこれら関係の非対称性には、強い違和感が残った。④
Posted by ブクログ
主人公48歳
過去と、今と、これから
これからは、将来なのか、老後なのか
物語は予想しない展開で、先が気になり一気読み
この年代の女性ならではの葛藤を興味深く味わった
文中に登場する台湾茶、中国茶を経験してみたくなり、専門店を訪れた。幸運にも台湾の東方美人に出会えて、一煎目、ニ煎目、三煎目と、飲むたびに印象を変える香りや飲み心地を楽しむことができた
茶葉や茶道具の名前がなかなか覚えられないので
繰り返し読みたい
鎌倉にも行ってみたくなった
Posted by ブクログ
鎌倉のタイトルに惹かれて読んでみました。
中年女性で未亡人の恋愛話でしたが、私の好みではありませかでした。なんならちょっと気持ち悪かったです。
お茶や着物に知識興味があれば、もう少し楽しめたかもしれません。
Posted by ブクログ
「思秋期」…ね。無理して恋愛する必要はないけどトキメキは必要だよね。3人の色恋はまあ、まあ、まあってかんじだけど紫釉さんが入れるお茶の手つきとお着物の着こなし方はステキだったな。
古都鎌倉の四季の風景も渋みがあっていいね。
Posted by ブクログ
マダムがね、更年期を
「思春期ならぬ『思秋期』の到来ね。おめでとう」って。
更年期をおめでとう、って。
私がこの本を読んで良かった、と思った部分です。
一般的に更年期って、もう嫌なイメージしかないじゃないですか。ホルモンバランスが崩れて、いろいろ症状が出てきて。やっと月経を完結させた(ある韓国のラジオで言ってたこの表現が好き)と思ったら、体に不調が出てくるし。
この小説では閉経によって、子供が持てなくなるというところに主人公の美紀は落ち込むんだけど、そこにこの言葉。
その後に
おめでとう、の意味を「それはね、さなぎから蝶になるための時期だから...」って。
長い長い人生の中で更年期なんてまだまだ成長過程のひとつってことなんだろうな。
人生をそろそろ終えていくマダムが始終、この小説の癒しでした。
なぜこの本を読もうと思ったのか...
「お茶」好きだから読んでみたいと思ったんじゃないかな・笑
台湾茶がめちゃくちゃ出てくるんだけど、台湾茶...
名前だけは知っていてもこんなにお茶の種類があって、しかも名前も魅力的だし存在も魅力的!だってお茶が主人公を慰めて、寄り添ってくれるんだよ。そんなお茶、私もほしくなっちゃうよね。
あらすじは...
夫をなくして16年。
一人で過ごしてきた美紀はいよいよ勤めていた着物会社も倒産して人生に絶望する。そんな美紀は自分で人生を終わらせようと初恋人との思い出の地、鎌倉へ出掛けるのだが、そこで思いがけず「鎌倉茶藝館」というお茶屋にたどり着き、そこで働くことに...
あらすじからは分からないけれど
中年の恋愛がメインなのではないかと思うんだけど(それを癒すのがお茶って感じ)。主人公美紀とそろそろ同年代に入る私が没入して読んだ部分です。この年代の恋愛への考え方が共感できる部分もあるし、自分にはなかった考えが発見できたり(更年期とか)もして楽しかったです。
ただ、なんか私は終わりはすっきりさせたい派なので、そこがちょっと私のスタイルではなかったです。
初めましての著者、伊吹有喜さん。
どうしてこんなに中年の気持ちが分かるのか。
同年代なのかな...
他の作品も読んでみたいですね。
Posted by ブクログ
馴染み深い鎌倉が舞台なので、読んでいて情景が浮かんで楽しめました。
中国茶の豊かな味わいや茶藝館の建物、鎌倉の空気感、着物の質感などが素敵に描かれていて、読んでいてうっとり。
ザ湘南!な海側より鬱蒼とした山側の鎌倉の方が好きので、常連客ヨシノさんが語る「湿度と翳りと緑があるところに、あの世とこの世がつながる扉がある。ほんの一瞬、私たちの世界と交差する空間が」という言葉に深く頷いてしまった。
そういう全体的な雰囲気はとても好きなのだけど、途中から軸が恋愛に移って行って、美紀がどんどん美女扱いになっていったことには違和感がありました。
文庫本になったら、この本を持って鎌倉散策したいなと思いました。美紀と紫釉が紫陽花散策していた葛原岡神社から浄智寺へ抜ける道を歩きたい。
Posted by ブクログ
スミレ、桜、紫陽花、花火…。今年もこれから巡るであろう季節の鎌倉を読むことができます。電車に乗ってる時には、ここで読んで大丈夫か不安になるような場面もありましたが…(*ノェノ)キャー
伊吹有喜さんの大人な恋で、デビュー作「風待ちのひと」を思い出しましたが、「鎌倉茶藝館」の方が読みやすかったです。
『「お茶も人も似たようなものでしてね。何煎でも飲めるし、そのたびに味わいが深まっていく。…香りや味が薄れても、よいお茶はどこまでも美しい味わいを残すのですよ。女が死ぬまで女であるように。」-霜降の青竹 生態東方美人-』
ジャスミン茶や烏龍茶を飲むことはあっても、大体ペットボトルだから、何度も煎じて楽しむお茶の旨味がとても気になりました。寒い今、お湯を沸かしてお茶を淹れたいなぁ。
2026.1
Posted by ブクログ
素敵なお店に、情緒豊かな鎌倉の風景、物語の背景としては私好みのはずですが、ストーリー自体は、著者の他の作品ほどには入り込むことができず…。
夫の姪が、ドン引きするぐらい性悪なのと、元恋人の息子であることを隠して、美紀に求愛する直哉の行動が理解しがたかったからか。紫釉さんが、余裕ぶって、若い男をつまみ食いしてみたらと言うのも、残念に思ってしまいました。
マダムはとても魅力的に描かれているので、主人公がマダムと関わり合いを持つ中で、自分の人生を見つめなおし、紫釉さんとの仲を深めていくというストーリーであった方が私好みではありました。
他方で、一煎毎に違う景色を見せてくれる、お茶の楽しみ方はとても新鮮で、心惹かれました。鎌倉茶藝店のようなお店がないか、アンテナを張ってみようと思います。
Posted by ブクログ
色々なお茶が、登場人物のその時の状況や心情にあわせてくれて出てくる。
男女の関係は色々あるけど、当人の本当の思いだけで動けたらどんなにいいか…
茶藝館のマダムとオーナーがどこまでも優しいくてすてき。
本当に美味しいと思えるお茶を体験してみたいと思った。
Posted by ブクログ
この作者の作品、今まであまりテンポが合わない印象があったけれどタイトルに惹かれて読み始めました。
鎌倉の街が描かれていて お茶の魅力も伝わってきて、でもやはりテンポが合わず止めようかなと思っていたところに、思いもよらず艶かしい展開に驚きました!始めは特に魅力も感じなかった主人公がどんどん美しくなっていく様、奥深いお茶の世界、堪能しました。
Posted by ブクログ
心情はよく解る 情景描写も美しい 主題にあるお茶についてももっと知りたくなり、実際に飲みたくなる 一気に読み進めましたが、主人公である女性が素敵すぎて自分を投影することができなかったところが唯一残念
Posted by ブクログ
鎌倉の雰囲気に浸りながらお茶や着物の蘊蓄をたっぷりに堪能していたら恋愛要素が入ってきて、なんだかがっかりしちゃったかな。煮え切らない態度だったり、欲望にまみれたりスイッチの入れ加減が不可解で、共感できないままにラストまできてしまったかな。恋愛パートの占める割合がおおくなってくるにつれ自分の中では失速。
Posted by ブクログ
鎌倉に台湾茶に着物、心惹かれるものが満載で楽しみにしていた本。鎌倉茶藝館の雰囲気も、マダムや紫釉も、鎌倉らしい魅力的で神秘的な場所と人物。ただ主人公の美紀や直哉の人物像が掴みきれず、心を逆撫でされるような気がして、物語にどっぷり浸れなかった。さらに、美紀の元夫、姪、直哉の母親は、あまりに感じ悪くて、素敵な設定が台無しだと感じた。装丁は素敵。
Posted by ブクログ
伊吹有喜さんが描かれる、古き良き趣を大切にした世界観が好きだ。
今回は、お茶と着物の美しくて繊細な描写が多く、
古都鎌倉が舞台とあって興味深く読み進めた。
まぁ最近の鎌倉は、混みすぎで風情も何も感じにくいのが残念ですが・・・
2人の男性の間で揺れる主人公の相生美紀は御年48歳。幾つになっても艶っぽい話があるって素敵だなぁとつくづく。
ただ、お相手に少々難ありなので、何となく結末は予想出来てしまうのだが、途中のたがが外れたかのような燃え上がる大人の恋模様は、エロスというより成熟した艶のある美しさが描かれていて素敵だった。
心根の悪い女性が複数出てくる一方、常にブレない軸で存在感を放つ紫釉に何度も救われた。
更に、その祖母であるマダムが、考え方も生き方も、とっても魅力的な女性だった。
私も、年の離れたこんな素敵なマダムみたいな方と、色々とお話ししてみたい。
少し気になったのが、主人公の美紀本人の人となりや輪郭が掴みづらかったため、なかなか感情移入しづらく物語に没入しにくかったところ。
そんな中、生きる気力をなくし、自死を覚悟で鎌倉に来た美紀に対して、2人の男性からの求愛があまりに唐突で違和感を感じてしまった。
まぁ、大好きな伊吹さんの作品なので、再読したら感じ方が変わるのかも知れない。
少し落ち着いた大人の方にオススメしたい作品。
余談ですが、私も着物姿にはめっぽう弱い。
街角や電車などで、颯爽と着こなしている方を見かけると、ついつい目が奪われてしまう。
洋服と違って、着慣れているかどうかが一目で分かってしまうのが、和装の良さであり奥深さだと思う。
気軽に着られて使い勝手のいい洋服ばかり着ているからこそ、日本の民族衣装でもある着物の良さを、改めて気付かせてくれる作品だった。