あらすじ
夫も仕事も失い、生きる気力をなくした美紀。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の片隅で、台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」を見つけ、魅入られ、働き始める。お茶や着物、古都の穏やかな日常に触れ、明るさを取り戻す美紀。そんな彼女に、年齢も性格も違う二人の男性が好意を持ち始めた。今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い? ――苦みを知るから、決められない。名手が描く、大人の恋。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
お茶の素晴らしさが伝わる物語でした。
過去にとらわれず、今を楽しむマダムの心粋に後半は痺れました。
母国語の祈祷を昇華していくいい物語でした。
Posted by ブクログ
季節を彩る鎌倉の木々や草花の描写がちりばめられていて、読んでいてなんだか心洗われるような。
そして季節に合わせた着物の着こなしの表現が、なんとも美しい。上質な布の質感にまでこだわる描き方が素敵。
さらにはお茶の馥郁たる香りや味わいが漂ってくるような、芳しさがいたるページに。
そして何と言っても、大人の恋にきゅーん。
これまでとこれからを見つめる40代の葛藤と、
五感が刺激される文章に、いろんなときめきがあった。
Posted by ブクログ
なんですかこれ。年増の女に若いのと同じくらいの歳の人が言い寄る。そして別れ。ハーレクインですか!?なんだかな
人生に疲れ果てた美紀が、鎌倉茶藝館にたどり着く。求人募集の張り紙があり、ここで働くことになった。オーナーは林淑恵。隣に文筆業の孫の高橋紫釉が住んでいる。オーナーが階段を踏み外して骨折、入院。休業にしたが、毎日茶藝館に通って細々忙しく働いている。
オーナーは施設に入ったが、美紀は茶藝館を続ける。紫釉にお茶を教わり、和服の片付けなどする。夏乃子ちゃんと台湾から来ているコハルちゃんが手伝ってくれるという。
元彼の息子の直哉が近づいてくる。紫釉も交際を申し込んでくる。
Posted by ブクログ
「香りや色が薄れても、そこにもまた美しい味わいがあります。人もまた同じ。そんなふうに私は教わりました。」
『茶藝館でマダムに初めてお茶を入れてもらったとき、散り散りになっていた自分の気持ちがまとまっていった』
『自分の人生をもっと愛したいという気持ち』
美紀が出会う鎌倉の茶藝館。台湾のお茶たち
マグカップで飲むお茶とは違う、飲杯でいただくお茶。中国茶の流れるような作法がなんとも素敵だ
直哉、紫釉との出会い、そして夫をケンちゃんと呼ぶ姪の玲奈との再会。
玲奈の存在にはらはらしたが、美紀が最後に生きる場所を見つけてほっとした。
台湾茶の魅力にも包まれた一冊でした。
Posted by ブクログ
大人の恋愛ストーリー。良かったです。鎌倉に行きたくなりました。台湾茶も飲みたくなりました。何回も楽しめるお茶を女性に例えていて面白いと思いました。
Posted by ブクログ
う〜ん なんとも40代後半のまだ女としての男性に対する想いと もう更年期の始まる中年に入る狭間でゆらゆらと揺らぐ気持ちが切実に描かれている
自分の気持ちだけでは突き進めない、相手の親やら周りの人の目や また、子供が産めないからだのことなど 悩む要素は事欠かない
男の人はあまりこういうことは考えられないのだろうなぁ
直哉とダメになって すぐに乗り換えたら嫌だな と思っていたが それはなかった
2人は時間をかけていい関係が続いて欲しい
鎌倉だからこそ こんな素敵なお話になるのだろう
Posted by ブクログ
この作家さんすごく好き!
なので贔屓目な感想ではあるけれど、とても良かった。
文章が文学的な美しさで、贅沢な気分になる。
彼らの関係がどうなったのか、微妙にわからない終わりだけれど、まあ、それでいいのかも。
Posted by ブクログ
台湾茶についての説明、実際にお茶を淹れるシーン、お茶を飲むシーン、着物の美しさについての表現、その一言一言が想像力を掻き立てる作品だった。
途中からは大人のエロス要素が濃くなっていく。いろんなことを経験してきた年齢の人間であるからこその深みや強さ、そして弱さが鎌倉という舞台でお洒落に描かれている。
老いは少し悲しいものだけど、自分らしく誠実に生きていこう。
Posted by ブクログ
ちょうど鎌倉旅行で行った銭洗弁財天〜葛岡原神社までの参道が舞台で読み返すたびに鎌倉の街並みが頭の中で広がって本当に癒される。鎌倉大好き。でも終わり方が曖昧なので結局どっちの男に行ったのかは知りたかった。
Posted by ブクログ
中高年向けの恋愛もの、なのかな?
孤独死が3件も出てくるし、主人公の美紀は48歳にして、夫も家も仕事も失い、死に場所を求めてかつての恋人の故郷である鎌倉へ赴く。そして、彼の面影のある男性を見かける。
いつ死んでもいいとまで考えていたのに、雨宿りに招かれた台湾茶カフェでマダムに心にしみるお茶を淹れてもらい、やはり生きていたい、と思う。そして、そこで働く事にする。
マダムの孫である髙橋紫釉(しゆう)は年齢不詳のちょっと素敵な中年男性だった。
新しい土地で新しい仕事と新しい人間関係。やむを得ずとはいえ、羨ましいかも。まぁ、健康だからよかったのよね。
恋愛小説ならではのドキドキの展開と台湾茶と着物や布の知識がふんだんに盛り込まれ、高等遊民という説明がピッタリの紫釉さんとの会話など、知的な雰囲気の小説。
お茶は奥が深い。茶器も蓋椀?など日本のものと違い、小さめの飲杯で何回かに分けていただく。一杯目、二杯目と重ねていくたびに香りも変化して味わいも変わるとか。こんな素敵なカフェが近くにあれば通っちゃうよねー(^-^)
なんとなく疲れていて人生を半分くらい投げてる人におすすめします。立ち直る気になれるかも。恋人が出来るかはわからないけど(´∀`*)
Posted by ブクログ
大人の本格的なお茶の世界を通して、マダムになっていく流れが素敵だった。
五十音を味わい尽くした「をんな」という世代の存在がキラキラしたものであることを教わった
-お茶も人も煎を重ねるたびに、さまざまな味と香りが花開く-
Posted by ブクログ
魯肉飯が食べたくなった。台湾茶も惹かれるし、着物も着てみたい!いや、いっそのこと、茶藝館で暮らせば早いか。
人間模様はあまりすっきりしなかったけど、キャラもそれぞれ特徴的で魅力的だった。うん、溺れたい。
Posted by ブクログ
台湾茶葉の種類と作法に則り淹れたお茶の一煎毎の表現が何と豊富な事か。
人生に疲れた美紀が思い出の鎌倉で出会った茶藝館。
死への思いに囚われていた美紀も、マダムの淹れたお茶を飲むうちに少しずつ癒されて行く。
鎌倉に引っ越し、茶藝館で働くようになった美紀はだんだん自分の人生にも前向きになって行く。
マダムは美紀のメンターのような存在だ。時に優しく包み込み、時には大胆に美紀をけしかける。
同い年の紫釉とのお互いの弱みを見せられるやり取りも、元カレの息子の直哉との溺れるような恋も、美紀は一煎毎に開いてゆく茶葉のようだ。
奥深さに虜になったお茶とずっと携わって来た大好きな着物が再び仕事となり、居場所を見つけた美紀。マダムの言う所の、女として「菩薩」を目指すか「をんな」の業を背負って行くか、どちらを選ぼうが自分の選んだ道を行くだけだ!
Posted by ブクログ
京都も好きだけれど、鎌倉も好き。
一口に古都と言っても、その町々によって違った雰囲気をまとっているもの。
鎌倉の特徴はやはり、湘南の海に面していることだろうか。
海はキラキラと輝いて、いつでもサーファーが浮かんでいる。
そして、さしたる距離もないところに小山の間の谷戸や切り通しといった仄暗い場所がある。
光と闇のコントラストを強く感じるのが鎌倉だろうか。
仕事を失った、48歳の美しき未亡人・相生美紀(あいおい みき)は生きる意味を見失い、東京の自宅を片付けて身辺整理をし、初恋の人との思い出の地である鎌倉に向かった。
そこで、『鎌倉茶藝館』という店にたどり着き、マダムから心と身体を癒やすお茶のもてなしを受ける。
お茶は、一煎目、二煎目と味を変えた。六煎目、七煎目もまた違った味わいがある。
でもいつかは出がらしになるでしょう?
するとマダムは「香りや味が薄れても、良いお茶はどこまでも美しい味わいを残すのですよ。女が死ぬまで女であるように」と言い切った。
物語を彩る男たち。鎌倉出身の、昔の恋人・伊藤智也(いとう ともや)三つ上。
茶藝館の離れに住む、美紀と同年代の男性・高橋紫釉(たかはし しゆう)はマダムの孫で、普段は和装で過ごしている。
そして、伊藤智也とそっくりな青年実業家・篠崎直哉(しのざき なおや)
紫釉に求婚され、直哉との肉欲に溺れ、常連客の元カメラマンの老人にはセクハラをされ・・・(いや、「カメラの先生」はこの際どうでもいい)
美紀って、魔性の女?
堅物が四十を過ぎて恋に溺れると始末に追えない、と昔から言われ、ある種の皮肉と憐憫と滑稽味を持って描かれてきた。
「いい歳してみっともない」と。
そうやって描かれる対象は、多くは男性だった。
台湾茶の香りと、和服の描写、日本古来の色を表す名前、七十二候の言葉といった優雅なものに彩られているが、美紀の恋も四十過ぎて開花した悪あがきである。
死の「陰」への反動は「陽」の官能に向かうと紫釉は言っていた。
女としての死への反動で、燃え上がった欲求なのかもしれない。
それとも、鎌倉の「光と影」がなせる技なのか。
物語に登場する女たちは、美紀も大概だが、彼女の元夫の姪・玲奈や、直哉の母親・志津子は強烈なキャラクターである。
元夫を慕っていたらしき玲奈は、美紀を蛇蝎の如く嫌い、「おばさん」」と呼び(続柄的には正しい)とことん金を吸い上げようとする。
直哉の母親はセレブ。ミュージカルに通い詰め、マツエクで容貌を盛り、甘ったれた声で息子を言いなりにしようとする。
押しも押されもせぬ大物はやはり、鎌倉茶藝館のマダムこと林淑恵だろう。「はやし としえ」と読んでいるけれど、中国語読みもできそう。
美紀の女性としての生き方に、道案内の灯りを掲げてくれる人でもある。
Posted by ブクログ
いわゆる人生に疲れたアラフィフ女性が、鎌倉の人里離れた?場所に佇む場所で、人々と交わりながら自分を取り戻していく話でした。和服にも茶にも全く知識がないですが、楽しく読めました。最後の言葉が良かったな。
Posted by ブクログ
自然がたくさんの鎌倉も行きたいし香り豊かなお茶も楽しみたくなる。最後の、誰かわからない目線はなんだろ?茶藝館は、そういう場所になったよ、って事かな。
なぜか、美紀に子供ができていなくてホッとしたし、直哉と別れを選んでホッとした。直哉の母の気持ちになってしまったのか、小説の中だとはいえあまりの歳の差は男女のどちらが上でも下でもなんかソワソワさせられるからかな。
追記、この本と女王様の休日を読んで本当に台湾に行ってしまった。九份でだけど台湾茶を入れてもらえて、優雅で良い経験ができた。
Posted by ブクログ
台湾茶、着物、鎌倉 魅力的な物が
いっぱい詰まってる
恋愛ってダメだって思うほどのめり込んでしまう
ものなのかも‥
自分なら紫釉さんを選ぶなw
Posted by ブクログ
台湾の色々なお茶や文化、着物の話が多く盛り込まれていて興味深かった。40代の女性が2人の男性から思いを寄せられて、心が揺れ動く様子が良く分かった。
ただ、年齢を重ねても若く見える美しさ、体格やスタイルの良さ、社会的地位や収入の高さ、というものに価値を高く置いているように思えて気になった。他者に対する思いやりや気遣い、居心地の良さ、お金や物に対する価値観、人生経験、そういったものを相性として大切にしたい自分にとっては、主人公の選択肢は疑問を感じた。まあ、それが恋なのかもしれないけれど。
マダムの言葉『思秋期を越えた女は、性欲から離れた「菩薩」を目指すか、恋の喜びと業を背負った「をんな」でいるか。』『さなぎの時期を越えれば、人生の紅葉の時の始まり。「菩薩」も「をんな」も、春以上に麗しい。』
Posted by ブクログ
鎌倉と京都って、こーゆーありそでなさそな時間がどこか止まった雰囲気が成り立つよね。
優しさに触れて人生再生物語り、を期待してて、ある意味そうだったんだけど、そこにそぐわないドロドロラブがあったなぁ。エロスがダメなんじゃなくて、親子は勘弁してほしかった。これね、都会だったらまた感じ方が違ったの。ある意味生々しさが調和してた。
それが鎌倉っていうので余計に厭らしさが増したきがします。直哉の親子関係もあまり好きじゃなかった。
なんで紫釉さんとの大人ラブにしてくれなかったんだ。。。
っていうモヤモヤ、
でもお茶コンセプトはとても好きだった。
2026.8.29
135
Posted by ブクログ
生きる気力を無くした主人公が鎌倉で自分の居場所をみつけていく。その過程には葛藤や理不尽もあるけど、受け入れつつ冷静に選択していく。
昔の彼の息子に溺れる場面もあり。なさそうでありそうな?でもやっぱりなさそうだなーという個人的感想も。
主人公は人としても女性としても魅力的に描かれていて人間像として好印象でした。
Posted by ブクログ
伊吹さん、こうゆう小説も書けるんだなぁ〜
引き出しが多彩で、全く別の人の作品を読んだような感じ
そしてやっぱり鎌倉は物語の舞台にピッタリ
台湾茶も一度ちゃんと味わってみたくなった
Posted by ブクログ
鎌倉が舞台。鎌倉と着物というだけで大人の恋を連想させる。でもこの主人公はあまり好きではないな。ずるい。綺麗な人であろう。でなければ起こらない話だと思う。多分、綺麗だけではない、心も美しい人なのだろうとも思うが、やっぱりあざといと思う。
Posted by ブクログ
煎を重ねるたびに、さまざまな味と香りが花開く。
四季折々の花、景色、海、そしてお茶。鎌倉に行きたくなる。
恋も仕事も自分探しも年齢制限はない。
Posted by ブクログ
舞台とか空気感は好きですが、主人公がどうしても好きになれなかった。……というのは個人の好みの問題なのかしら。感情移入しにくかったのでひとつ残念なところです。
でもお茶を淹れるシーンは美しくて。
これを読んでいる途中、台湾茶を購入して楽しみました。
Posted by ブクログ
夫と死別した相生美紀(48歳)は、初恋の人の面影を求めて鎌倉へやってきた。そこで出会ったのは、中国茶でもてなす館の女主人と、その孫。
色々な中国茶が出てきて、そこでおもてなしする喫茶店の話、かと思ったら、大人の恋愛の話になっていく。
初めて身を焦がすような恋を知る美紀と、それを静かに見守るのは、女主人の孫、紫釉。
美紀が恋した男とは・・・。
民放ドラマか、映画になってもおかしくない内容。キャスティング、よろしくお願いします。
Posted by ブクログ
惹かれた目次
難しい⁉︎章のタイトル
台湾茶、谷戸
鎌倉の茶藝館さげいかん
小美シャオメイとマダムによばれるようになる50近い相生美紀の恋愛話
〜最後の一煎、死ぬまで情を注ぐのです〜
登場人物よりたくさんでてきたお茶の名前
マダムとの出会いは生態東方美人
マダムの孫 紫釉(阿紫アズィ 紫紫)普段飲むという凍頂烏龍茶
ー人に力をつけ、志こころを悦しくさせるー
たびたびでてくる川端康成の小説『母国語の祈祷』
〜ずっと好きでいるけど、もう忘れてほしい〜
直哉とはチョコ 蜜蘭烏龍茶
ー山笑う 花笑うー
碧螺春
茉莉花茶
白毫銀針
ー田舎から親が出てきたー
〜官能は陰陽の陽の極み〜
〜死の対極にあるエロス〜
直哉と美紀の初めて 桃の酒 烏龍茶割り
原住民野生茶
〜何をしたって、悪くいう人は悪く言う〜
〜男は女の養分よ〜
言えるようになれますよぉーに
別れの 紅烏龍茶
〜性欲から離れた『菩薩』を目指す〜
〜恋の喜びと業を背負った『をんな』でいる〜
女子のテーマ
アタシの…
Posted by ブクログ
鎌倉にある台湾茶のカフェ「鎌倉茶藝館」が舞台のお話。
最初は台湾茶の名前が読みにくいな…と思いましたが、鎌倉の紫陽花が咲いている情景を思い浮かべながら、台湾茶を自分も一緒にいただいている気分になって読み進めました。
日本茶とも紅茶とも違う作法と香りや味が変わっていく台湾茶に興味津々。その上、登場人物が着ている着物の数々が古くても素晴らしい物のようで見てみたい、触れてみたいと思いました。
ストーリーは50歳を目前にした美紀が元恋人と似ている20も歳下の男性と、自分と同い年の男性との間で揺れ動く大人のラブストーリー。美紀が元恋人にそっくりな歳下男性に惹かれてしまう所までは理解出来るのですがね…。
鎌倉という素晴らしい舞台に高尚な文化。そこに20も歳下の男性との濃密な場面が同じ小説の中に一緒になって描かれている。あ〜ちょっと残念。個人的には濃密な場面がない方が雰囲気を壊さず読めた気がします。