あらすじ
夫も仕事も失い、生きる気力をなくした美紀。最後の旅のつもりで訪れた鎌倉の片隅で、台湾茶カフェ「鎌倉茶藝館」を見つけ、魅入られ、働き始める。お茶や着物、古都の穏やかな日常に触れ、明るさを取り戻す美紀。そんな彼女に、年齢も性格も違う二人の男性が好意を持ち始めた。今の私に必要なのは、安らぎ? それとも、灼けるような想い? ――苦みを知るから、決められない。名手が描く、大人の恋。
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Posted by ブクログ
初めて読む作家さんで、自分が鎌倉好きなのと、緑が映える爽やかな装丁に心惹かれて手に取りましたが…いい意味で裏切られました笑
ただ、大人の恋愛模様に戸惑いながら読んでいくと、美紀が直哉に溺れるかのごとく、物語に前のめり気味でのめり込んでいっている自分に気付き、苦笑い。
美紀さんは、よっぽど美人で雰囲気のある人なんだろうなぁと推測。
今の40代は若いと言いますが、20〜30代をどう生きたかの通知票が40代で帰ってくると言うように、それまでの人生にどう向き合ってきたかが表情に出ますよね。
学生時代の恋人との突然の別れから、結婚生活、死別、その後の姪とのいざこざ。
すべて一筋縄ではいかないながらも、丁寧に向き合ってこられたのかな、と。そして1人で大切に抱え込むのにも限界がきての鎌倉移住。そこからの目眩く世界に翻弄されつつ、自分のこれからの人生への向き合い方を探っていく様子は応援したいものがありました。
直哉は、一見スマートな若者なんですが、肝心なところで決めきれないというか、言葉を選ばずに言うなら『ダサい』笑
もう、随所でママが出できちゃうとかあり得ませんからね。でももはや外野から見ればモンスター級のママに対しても非情になりきれないところが彼の優しさでもありますね。
だからこそ、父親にも美紀にも寄り添えたんだろうなと思います。
紫釉さんは、『もしかして、紫釉さんこそ実はこの世のものではない存在なのでは?』と思ってしまうほど、人間ではあり得ないほどの懐の広さを感じてしまいました。もしくはそれ相当の変態か?
だって、自分の思い他人が20程度も年の離れた若者と激しく愛し合ってるのを知った上で、美紀の相談にも乗るわ、押しつけにならない程度に、でも確実に心に響くアプローチができるこのセンス。
すごい。私が美紀だったら、絶対最初に言い寄られたときに靡いてる。笑
ラストは明確には書かれてませんが、それも美紀が過去は過去で整理を終え、しっかりと鎌倉の地で自立している姿が描かれているような気がして清々しい気持ちになりました。
普段ミステリーばっかり読んでるから、とっても新鮮な読書体験でした!
Posted by ブクログ
うひゃ~、伊吹さんの大人の恋愛小説。官能小説ともいえるじゃないですか。伊吹さんが書くとこんなに上質になるんですね。
台湾のお茶に関する知識が豊富で、これだけでも読む価値ありです。
紫釉を演じられるのは井浦新さんしかいないなあ、とか主人公に合う女優さんは誰かなあとかいらぬことをずっと考えていて、けっこう時間がかかりました。
今の40代後半って、まだまだ綺麗でいけてますわよ。更年期を迎える人たちへの応援歌でもありますね。
Posted by ブクログ
美紀が直哉に惹かれたのは無意識ではあるがそこに智也を感じたからだろう
直哉も美紀に父を見た
でもなんだかな…
美紀の魅力があまり伝わってこない
最後、「シユウさん」と呼びかけた男性は誰?
彼が帰ってきたの?
Posted by ブクログ
素敵なお店に、情緒豊かな鎌倉の風景、物語の背景としては私好みのはずですが、ストーリー自体は、著者の他の作品ほどには入り込むことができず…。
夫の姪が、ドン引きするぐらい性悪なのと、元恋人の息子であることを隠して、美紀に求愛する直哉の行動が理解しがたかったからか。紫釉さんが、余裕ぶって、若い男をつまみ食いしてみたらと言うのも、残念に思ってしまいました。
マダムはとても魅力的に描かれているので、主人公がマダムと関わり合いを持つ中で、自分の人生を見つめなおし、紫釉さんとの仲を深めていくというストーリーであった方が私好みではありました。
他方で、一煎毎に違う景色を見せてくれる、お茶の楽しみ方はとても新鮮で、心惹かれました。鎌倉茶藝店のようなお店がないか、アンテナを張ってみようと思います。