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Posted by ブクログ
国家が、名も無き大衆が、冷静に考えれば違和感のある方へ、道義的ではない方へと歩み始めた時。暴走しだした時。
あなたは、私は、それを止めるべく動けるか。
それとも日常に埋もれて、考えることを放棄するか。力なき一市民にできることなどないと、我が身を守るだけか。
Noと言える人、立ち向かえる人が多数派になったとき、きっとようやく人類世界から虐殺や戦争がなくなるのだろう。
いや、どうだろうな。結局のところ、変えられるのは自分の言動だけで、ひとたび何かを強く思い込んだ他人を説得することは、同じ風土の中に暮らしている人同士でさえこんなに難しいのに、そんな日は来るのか。来て欲しいのだけど、正義はそれぞれにあって、だからこそ人間は、たとえ善人でも残酷になることがある。
ならばせめて、お前は何を選択し、どう振る舞うのかと、自問自答を放棄しないべきか。
戦争を決断する時、負けた場合を考えないやつらに、舵取りを任せてはいけない。どんな時でも、最もひどく犠牲になるのは、私たち庶民なのだ。民主主義に生きるなら、私たちは考え、主張することを放棄してはいけない。
他人に刃を向けるとき、その刃がいつか自分に向くかもしれないことを、忘れてはいけない。なぜ人はいつも自分は迫害できる側だと思ってしまうのだろう。
そんなことを思った、考えた作品だった。
ナチスが政権をとる前夜から、戦中、降伏後のドイツを舞台に、それぞれの情勢下に生きる人々が克明に描かれる。大きな政治や軍事の話ではない。日々を生きる一人一人の姿だ。監視され、密告され、飢え、連行され、殺されていくユダヤ人。反ナチズムの人たち。"アーリア人"でない民族。社会の役に立たないと決めつけられた人々。
違和感を感じつつ、ナチズムの過激化をついに止められなかったドイツ人。そして爆撃に脅え、飢え、過激に批判され、陵辱されていくドイツ人。
膨大な資料を元に、史実に誠実に、敬意をもって書かれた作品であることが分かる。
簡単に善悪を語らない点も素晴らしいと思った。
深緑さん、お見事でした。
Posted by ブクログ
第二次世界大戦で敗戦後間もないドイツでの物語
幕間として、主人公視点で戦前、戦中、そして物語の冒頭に繋がるまでが断片的に描かれる
以下、公式のあらすじ
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戦争が終わった。
瓦礫の街で彼女の目に映る空は何色か
ヒトラー亡き後、焦土と化したベルリンでひとりの男が死んだ
孤独な少女の旅路の果てに明かされる真実とは――
読後、きっとこのタイトルに心が震える。
1945年7月。ナチス・ドイツが戦争に敗れ米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ソ連と西側諸国が対立しつつある状況下で、ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が、ソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれた毒により不審な死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、彼の甥に訃報を伝えるべく旅立つ。しかしなぜか陽気な泥棒を道連れにする羽目になり――ふたりはそれぞれの思惑を胸に、荒廃した街を歩きはじめる。
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日本での戦争に関する様々なエピソードは好むと好まざるに係わらず子供の頃から知る機会はあったわけだけれども
同盟国であったドイツの状況に関しては、ナチスの行ったユダヤ人の虐殺をしってはいても具体的にどんな状況だったのはは詳しく知ろうとしなければ知る機会がない
この物語がどこまで事実に基づいているのかは不確かだけど
巻末の参考資料を読めばその確からしさがわかるのだと思う
アーリア人から見た戦争とはどんなものだったのか
戦時中に自ら積極的に行った事ではなかったとしても、「戦争だったから仕方がない」のか
戦後に断罪される「善良な市民」と、その「責任」
指導者を選んだ責任
そうせざるを得なかった社会の風潮
そして自己を納得させるための理屈
いくら抗おうとしても、個では難しかったのかもしれないけど
迎合していた大多数はどのようにすればよかったのか
ユダヤ人を「移住」させていたというけれども、善良な市民はどこまで真実を知っていたのか
優生思想に基づく差別や断種
人は自分が差別されない立場であれば、差別とは思わないのかもしれない
戦後の分割統治された混沌とした社会
日本もアメリカ、ソ連、中国で分割統治されていたらどうなったのだろうか
結果論ではnあるけれども、アメリカ単独というのはマシな選択だったのだろうなぁ
主な登場人物
アウグステ・ニッケル
デートレフ・ニッケル
マリア・ニッケル
イーダ
クリストフ・ローレンツ
フレデリカ・ローレンツ
ファイビッシュ・カフカ
(ジギスムント・グラス)
ドブリキン大尉
べスパールイ軍曹
エーリヒ・フォルスト
それぞれの信念や思惑
物語が進むにつれて読者がわかってくる事情
最後はまさかそんな展開になるとは全く予想していなかったなぁ
ストーリーよりも、ナチス・ドイツという国の出来事が衝撃的だった
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