深緑野分のレビュー一覧

  • この本を盗む者は

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    本泥棒が現れると呪いにより様々な世界観の本の世界に町が変わってしまうという趣向のファンタジー小説
    後半の物語全体の真相に迫っていくあたりは面白かったが、コミカルなキャラクター描写が自分にはあまり合わず少々読みづらさがあった
    このテーマであればもう少し本を読む楽しさが湧き出るような楽しさが欲しかったが
    深冬が最終的に没頭したのも、どちらかというとファンタジー世界そのものでは…?

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    2024年09月02日
  • カミサマはそういない

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    ネタバレ

    全体的にホラー、もしくはホラー一歩手前のミステリーを集めた小説集。
    「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」とか、「朔日晦日」とかはもうホラー。だって悪夢が無限ループしてたり、兄ちゃんがやばい奴に連れてかれてたりしてるもん。

    個人的に好きだったのは「鐖奇譚」。なんとなく千と千尋っぽい。物を食べると大放出で消えるのを免れる的な話とか、主人公の親がやってる店の雰囲気がそんな感じ。台湾の九份をイメージしながら読んだ。
    過去の自分の行動が実は別の人の命を助けることに繋がってた、とわかって、なんだかイイ話?と途中まではなるのだが、最終的には自分が望む未来に向かってその人たちを簡単に見捨てるし、そんなことしたのに

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    2024年08月13日
  • この本を盗む者は

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    本を貯蔵する館を管理する一家の娘が主人公。館の本が盗まれるとファンタジーの世界に入り込み、犯人を見つけないと出ることができなくなってしまうという話。ファンタジーの世界の話は面白いところがあるが、戻ってからの現実世界での話の展開はそこそこ。

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    2024年08月10日
  • 注文の多い料理小説集

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    巻頭の柚木麻子「エルゴと不倫鮨」の勢いがいい。エルゴは抱っこ紐。食に対するスタンスは生き方に通じるものがあると思う。だから伊吹有喜「夏も近づく」のように食べることを通じて繋がり合う2人の関係性が描かれた作品もすき。

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    2024年07月31日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    面白い話だな、と思って読んだのだが、ラストになってそもそもの設定が今一つ。全部神社のせい?ひるねって何者?なんで深冬だけすべての記憶が残っているの?疑問ばかりが浮かぶ。

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    2024年07月31日
  • 戦場のコックたち

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    戦場のコックたち
    **著者**: 深緑野分

    1944年6月、ノルマンディー降下作戦**から始まるこの物語は、特技兵(コック)として戦場に立つ新兵ティムと同年代の兵士たちの過酷なヨーロッパ戦線での経験を描いています。冷静沈着なリーダーのエドとともに、彼らは戦場や基地で奇妙な事件に遭遇し、時には謎解きに興じます。

    ティムたちは戦場で、忽然と消えた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件、塹壕戦の最中に聞こえる謎の怪音など、様々な不可解な出来事に直面します。死と隣り合わせの状況で、若き兵士たちは戦場の「日常の謎」を解き明かすことで気晴らしを見つけます。

    戦場という過酷な背景の中

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    2024年07月26日
  • カミサマはそういない

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    短編集だから気軽に読めるが何か物足りなさも感じた。
    1番お気に入りの短編集は戦争の話だった。もしもその話の長編集があるならぜひ読みたいと感じるほどだ。

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    2024年07月24日
  • カミサマはそういない

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    体調が悪い時に見る悪夢のような話だと思った。世界観の描写がやけにリアルで、ありえない世界がありえるように思えてくるのは読んでいて面白かった。カメムシの話が好きかな。あと、海賊ラジオの話も良かった。

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    2024年07月18日
  • カミサマはそういない

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    登場人物が身につけているメガネだったり描写が、後から付け足されていくので、最初にイメージしている人物からまた頭の中で描き直さなければいけないのが少しストレスだった。言葉が良い意味でも悪い意味でも軽く感じる。

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    2024年07月16日
  • カミサマはそういない

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    初めてイヤミスと呼ばれるジャンルを読んだ。
    2作目の「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」が好きだった。日常世界とは別の時間軸で動く終末世界のような絶望感が物語の進行と共にだんだんと深まっていくのが読んでいてゾッとした。

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    2024年07月11日
  • カミサマはそういない

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    感想
    神様は見放す。祈りはきっと届かない。歴史の中で人類が見つけた最も不都合な真実。だけどどこかにはいるかもしれない。その人を探す。

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    2024年07月02日
  • 戦場のコックたち

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    前情報なしで読みました。
    コックとタイトルにもあったように、料理系の小説かと思いましたが、戦争とその中の友情がメインでした

    戦争。ナチスとの戦いを書いていて、仲間が死んでいく辛さも生と死が隣り合わせの状況で最後らへんは涙が止まりませんでした。

    ただ、推理小説なのか、戦争小説なのか、料理小説なのか。曖昧な感じでした。

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    2024年05月20日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    書店などの売り場で、このタイトルの本が置いてあるのは面白かった。そうゆう意味でタイトルのつけ方はユーモアがあり上手いと思う。思わず盗みたくなってくる。(しないが)

    内容としては、主人公が現実主義者で、ヤング向けによく登場する「そんなのありえないでしょ!」とファンタジー要素に否定から入るキャラクターなので苦手だった。
    章が進むごとに理解が深まって否定は少なくなるが、それでも精神的に幼いなと思ってしまう。

    ブック・カース。
    盗まれた古書の世界観に入っていき、盗まれた本と盗んだ者を探し出せば元の世界へ戻れる。
    何故か盗む者は毎回狐の姿になっている。
    そして世界が変わる時、真白という少女であり犬の

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    2024年09月14日
  • ベルリンは晴れているか

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    第二次世界大戦直後のドイツ・ベルリンを舞台にしたあるドイツ人少女が主人公のミステリー。
    合間にある戦時中のストーリーも合わさり、かなり読むのが辛く、途中で何度も挫折しそうになりました。
    ただただ苦しかった。
    以前訪れたダッハウ強制収容所を思い出し、つらすぎました。

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    2024年03月20日
  • ベルリンは晴れているか

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    時代背景があんまり理解できないまま読んだせいなのか入り込めなかった。
    ミステリーというよりも、ロードノベルというべきなのか。

    戦時下の生活や、敗戦国のたどる状況などの悲惨さはリアルな描写です。これを書くには相当な当時の国家関係や市井を理解していないと書けないだろうなと想像しました。

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    2024年03月19日
  • ベルリンは晴れているか

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    私は数年前までベルリンに住んでいたので、舞台の地理的感覚がよくわかって読みやすかったが、そうでない人は相当頻繁に地図の頁を振り返る必要があるのではないだろうか。また、あまり日本人に馴染みのないドイツ語をそのままカタカナで表記しているところも多く、読みやすさよりも異国情緒を大事にしているように感じたが、それでいて登場人物の言動や描写が現代的過ぎて白けてしまう場面も…
    ストーリーはまあ、あっと驚くラストってほどでもなく、伏線回収も好みが分かれるところかも。ただ、戦時中〜連合国占領直後のベルリンの混乱ぶりは臨場感たっぷりに描かれており、「日本は鬼畜イワンどもに占領されなくて良かった」とつくづく感じさ

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    2024年03月10日
  • 百合小説コレクション wiz

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    ――

     アメリカの俳優ニック・オファーマンが出演作品について、「なぜ同性愛者の物語にする必要があったのか?」と訊かれて「そういうくだらない質問するやつがいるからだ」って言い返したというニュースを気に入ってたんだけれど消えてる…フェイクだったのかな?

     久々に百合アンソロジーなどを。百合でなきゃ得られない養分が…とかってわけではないけれど、やはりなんというか、この関係性じゃないと生まれない痛み、のようなものがある。でもそれって普通の恋愛小説と何が違うの? と思うことも。純度の問題なのだろうか? LGBTQに配慮も忖度もしないオレのような者が、しかしなぁ。
     全8編。特に気に入った(そして気に

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    2024年03月08日
  • この本を盗む者は

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    本好きのためのファンタジィ。
    本好きなら一度は夢想するであろう、空想の物語。
    兄があゆむなのに、妹がひるねだなんて、この辺りからきな臭い。
    最終章の怒涛の謎解き説明ラッシュ。説明せずに文脈の中から読み取れる結末へ導かれた方が個人的に好みの締めだったのだが…。

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    2024年03月08日
  • ベルリンは晴れているか

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    同著者作の、『戦場のコックたち』を読んで自分好みの文章を書く人だと思い、同年代の設定の話であるこの作品も面白いだろうと考えてこの作品も読んでみたがあまり面白みを感じられなかった。

    第二次世界大戦中後のドイツの薄暗さ、饐えたにおいのする生っぽさを強く感じられる文章ではあったが、その演出がくどく没入感が得られなかった。

    ドイツ人の戦後に晒される加害性は、日本人のそれと同様であり、歴史を見つめる上で無視して生きることは不可能なのだと強く思う。

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    2024年03月04日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    本をめぐる冒険ファンタジー。
    子どもの頃にワクワクした、物語の世界に入っていく感覚を思い出すようなお話だった。
    内容が盛りだくさんで、想像の力でグッと集中する前に次の場面に行ってしまう感覚があった。
    ブック・カースの世界でもっと深く没入するファンタジーとか、神ではない何者かの存在をもっと怖くしたホラーとか、御倉家に焦点を当てた人間ドラマとか、色んなパターンで単独で読んでみたい。
    もっと知りたい、と思わされているのは確かだ。
    これは呪いの話ではあるけれど、物語を愛している人の話でもあって、最後はちょっとウルっとした。真白ともひるね叔母とも、ずっと一緒にいられたらいい。

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    2024年02月07日