【感想・ネタバレ】注文の多い料理小説集のレビュー

あらすじ

小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ
とびきり美味しいアンソロジー。

うまいものは、本気で作ってあるものだよ――
最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス……
おやつに金平糖はいかがですか?
物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。

「エルゴと不倫鮨」柚木麻子
「夏も近づく」伊吹有喜
「好好軒の犬」井上荒野
「色にいでにけり」坂井希久子
「味のわからない男」中村航
「福神漬」深緑野分
「どっしりふわふわ」柴田よしき

【本書登場の逸品たち】
塩むすびと冷たい緑茶
ハルピンのイチゴ水
全粒粉のカンパーニュに具を挟んだサンドイッチ
きときとの富山の海の幸・ゲンゲ汁
生クリームと栗の甘煮のパンとアイスコーヒー
食堂のカレーライスと福神漬
星屑のような白い金平糖

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Posted by ブクログ

このお店(書籍)、絶対おいしいに決まってますっ!
だってワタシ一度胃袋つかまれてるから♡

✨柚木麻子
『あまからカルテット』
『ランチのアッコちゃん』 
『BUTTER』

✨伊吹有喜
『BAR追分』

✨井上荒野
『チーズと塩と豆と』

✨坂井希久子
『たそがれ大食堂』

✨中村航
『僕の好きな人が、よく眠れますように』

✨深緑野分
『この本を盗む者は』

✨柴田よしき
『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌』

本棚への登録の有無にかかわらず、どの作者さまもお料理の描写がお上手なことをワタシは知ってるのです…。
(*´艸`*)♡

ほんとうにおいしゅうございました
どの作者さまもおなじ料理はひとつもなく、しあわせ♡
お腹が減ることはあっても、満腹にならない、肥らない
シアワセ♡

ぜひ多くのひとに食べていただきたい

個人的なオススメは
『エルゴと不倫鮨』
『夏も近づく』
『どっしりふわふわ』

『どっしりふわふわ』は、『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌』の続編で、読めて嬉しかったです

ほんとうにご馳走様でした
(๑❛ڡ❛๑)

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

話題の作家さんたちによる短編小説集。
テーマが食べ物であるが、時代は江戸や現代など様々。
あーそんな風に思えるのか…というものや、このシチュエーションでそれきたら〜となるものまで、食べるという事を含めてちょっと考えさせられました。

短編小説ではあるがなかなか濃い一冊です。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

なんかすっごく満ち足りた。
“夏も近づく“清涼炭酸水的に澄んでる。

“どっしりふわふわ“パン食べたいなぁ〜って読み進めてたら「え?!」「んえぇぇ?!」ってフランスパンで殴られたぐらいの衝撃やった!

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

食がテーマの本を読むと幸せになる気がする。
自分の食事もとても大切に思えて、人生が豊かになる気がする。
なので、最近は食事の本をよく手に取ってしまう。
パン好きとしては、やはり「どっしりふわふわ」が好き。

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2023年01月31日

Posted by ブクログ

7人の作家が「料理」をテーマに描いた短編小説集です。今迄に他の作品を読んだことのある作家もいれば、この小説集が初めての作家もいます。読んでみたい作家の作品を、この様な作品集を読んでからと、思う人もいるかもしれません。この短編集では柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」が最初に登場します。柚木麻子さんの作品は数冊読んでいましたが、この作品は今迄で一番笑った作品です。柚木麻子さん以降の作家の作品は、どのような物語なのか興味が出てきたので、どんどんと読み進んでいきました。

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2022年08月28日

Posted by ブクログ

お料理にまつわる短編集。そしてアンソロジー。
どれも味があって面白かった。
エルゴと不倫鮨、夏も近づくが特に面白かったです。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

食べ物や食事にまつわる短編のアンソロジー 読後感はすっきりとして続きを読みたいと思うものから、うーんなんだかモンヤリ⋯というものまで様々。 季節の移ろいを感じられる「夏も近づく」と、形を変えてもパンへの情熱を持ち続けた人生の途中を描いた「どっしりふわふわ」が好み。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

料理と絡んだ7つの話。
最後のパンの話がジンときた。
そして最後の最後、これは本でしか味わえない。
気に入ったのは水出しのお茶、ぜひ真似してみたい。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

エルゴと不倫鮨がよかった。元気になれる作品だった。そして思いがけず井上荒野の作品と出会えて嬉しい。どこか不気味な感じが良い。深緑野分の福神漬も心に残った。他の作品も読んでみたい。色んな作家さんとの出会いがあるから短編集はいいなぁ。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

料理にまつわるアンソロジー
どのお話もひとくせ、ふたくせあって
興味深いおはなし
中でも、伊吹有喜さんの
「夏も近づく」がおいしそうでたまらなかった
塩おにぎりや、水出しかぶせ茶、ブロッコリーのオリーブオイル漬け、春キャベツのピクルス、たけのこご飯、手作りベーコン
どれも自家製で少し地味かもしれないけど
間違いなく美味しいってわかる
食をきちんと考えられる人に悪い人はいないですね

この頃はどんなに単純な料理でもいいから
自分で家で作って食べたいと思うようになった
なんでだろうな
けして美味しいものを作れるわけでもないのに
この本を読んでさらに思う
食に対して考え直すいいキッカケになりそう

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

料理にまつわる短編のアンソロジー。
小洒落た創作寿司屋、土鍋ご飯、金平糖、蕗の薹(ふきのとう)、パン…。
どれも美味しそうで、お腹がすいてくる本だ
★5が2本
★4が2本
★3が3本
やはり大好き作家さんのは面白かった!

男たちの下心が渦巻く隠れ家的な高級寿司屋。
男たちが落としたい女性にお寿司のウンチクをスマートに披露している場面に、唐突にのしのしと現れたのは…。
乳児を抱っこ紐で抱え、母乳で汚れたカットソーにスウェットを履いた体格良い中年女性。
ドスンとマザーズバッグを置き、ツウなお料理を野太い声で次々と注文し始める。
お母ちゃんに支配されていく店内の様子が痛快!
このストーリーは柚木麻子さんの。

伊吹有喜さんのは唐突に始まった中年男性と中二男子の同居生活を軸にした素朴でほっとするストーリー。
井上荒野さんの小説家の妻の話はジワジワくる。日常にかすかにサスペンス要素が見え隠れするような…。

時代小説も挟み込まれて、それぞれの作家さんの個性ある短編集で飽きずに楽しめる。
ちょっとした時間つぶしにも適した1冊。
装丁もすき。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

読後感が良く楽しかった!
もっと前後を読みたくなるようなお話もあり、おいしいとこどりできるアンソロジーの良さだなと思いました。柚木麻子さんが好きで手に取ったけれど、読んだことのない作家さんのお話も良かったです。

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2024年12月29日

Posted by ブクログ

アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。

他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。

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2024年08月20日

Posted by ブクログ

2023/7/21

食事を摂る人々の短編集。

不倫やワンナイトを狙う男たちが若い女を連れてやってくるワインと寿司の店。
そこへ赤子を抱いた女が「卒乳祝い」にひとりやってくる。
柚木麻子「エルゴと不倫寿司」がインパクト強かった。

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2023年07月22日

Posted by ブクログ

どれも面白かった。
井上荒野さんの作品は本人の短編集「小説家の一日」に入っているので既読でした。
柚木さんと伊吹さんは短編を読むのは初めてだったのだけれど、印象が違ってそれも面白かったです。

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2023年01月31日

Posted by ブクログ

美味しい食べ物が出てくる小説が大好きなので気になって読んでみました。
こういうアンソロジーは、今まで読んでこなかった新しい作家さんを開拓するきっかけにもなっていいですよね(^^)

7つのお話のうち、最初の2つ、柚木麻子さんの「エルゴと不倫鮨」と伊吹有喜さんの「夏も近づく」が自分的に特に好きでした。

「エルゴと不倫鮨」はおしゃれな高級寿司店が舞台で、自分では食べたことのないものややったことのない食べ合わせがたくさんでてきましたが、どれもめちゃくちゃ美味しそう♪
気取った男たちを圧倒するグルメなお母さんのキャラクターが最高で、スカッとできるお話でした。

「夏も近づく」は、田舎の美味しいものが詰まったお話。
青竹を割って作ったコップにめんつゆを入れて、自然の中で食べる素麺、シイタケのバター醤油焼きとタケノコご飯の焼きおにぎりの夜食、カリカリに焼いた手作りベーコンなど、読んでいるとお腹が空いてきちゃうこと必至の飯テロ小説です笑
最初はぎこちなかった拓実と葉月くんの関係が、食べ物をきっかけにして少しずつ近づいていく感じもとても良かったです。

あと、最後の柴田よしきさんの「どっしりふわふわ」は、前から気になっていた『高原カフェ日誌』
シリーズの登場人物が出てきてるっぽかったので、そちらを先に読んでおけば良かったかな。
また近いうちに読んでみようと思います。

美味しいものがたくさん出てきて幸せな読書タイムを過ごせました。
ごちそうさまでした!

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2022年06月11日

Posted by ブクログ

いろいろな作家さんの、しかも私の大好きな料理をテーマにした作品が、一冊で読めるのが嬉しい。

お話として好きだったのは、夏も近づく。ほんもののご飯、って感じ。
あと、どっしりふわふわも良かった。ラストにはびっくり。

エルゴと不倫鮨は、お料理がとにかく美味しそうだった。豪華すぎて想像できないのも多かったけど、雰囲気は堪能できた。ラストも好き。

色にいでにけりは、分からない色名がたくさん出てきたりして若干読みづらかったけど、昔の人たちの強さとか粋とか感じられて、良かったです。

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2022年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美味しいものや料理が好きなのでよかった。
和洋折衷、スイーツも登場するが、自分が1番心惹かれたのは和食!
心を込めた美味しい料理が作りたくなる♪

「夏も近づく」と「どっしりふわふわ」がすごーく良かった!




・エルゴと不倫鮨 ★★★★
なんか、爽快!
子連れのボロボロのお母さんが登場した時には、なんか嫌な感じやなーと思ったけど、食に対する知識が豊富でだんだん魅力的に!!

女性客たちが、仲良くなって不倫相手を放って歩いて帰る所が良き!!

ついこの間、高いお鮨屋さん行ったばっかやし、美味しいもん食べるのいーよなーって思いながら読んでた。


・夏も近づく ★★★★★
むっちゃ良かった〜〜〜
夜に呼んでたんやけど、塩おむすびと水出しのお茶がすごーく食べて飲みたくなった!

田舎暮らしの素晴らしさを感じさせられる。
特に食べ物と料理!
やっぱりきちんとした生活をするのは素晴らしいな〜と思うし素材を生かした料理がしたくなった。

最後もハッピーエンドで良かった!!!


・好好軒の犬 ★★★
春の食べ物ですごく美味しそうなのに反して、不穏な空気がずーと流れてて面白かった!


・色にいでにけり ★★★
江戸っ子の話。
時代モノの話って、物語の中に入り込むまで少し時間がかかる〜
今はカラフルなお菓子は普通だし、むしろ着色料すごそーとしか思わない。
そこまで和菓子に魅せられなかったが、色に対する日本語の表現がたくさんあるのが面白いなーと思った!


・味のわからない男 ★★★
富山に行って地のものを食べたくなった。
岩上さん、せっかく頑張ってたのに可哀想〜と思う自分は貞操観念バグってるかもー



・福神漬 ★★★
福神漬は添加物を感じるから別に好きじゃないけど、山盛りのご飯にお味噌、漬物が食べたくなった。
一瞬のタイムリープ?楽しそう。
もう大人なのに、こーゆーのワクワクする!


・どっしりふわふわ ★★★★★
良かったー!ハッピーエンドでさらに良かったー!
ヒロが女の人ってのは驚きだったけど、ラストのカフェのオーナー視点が良かった。

朋子とは理由は全然違うが私も来月から地元に帰るし、出来るだけ家族で晩御飯だけは食べようと思った。

朋子のお母さんが作る美味しそうな和食とパンが対照的やけど、美味しそう!という共通点。
やっぱり美味しい食べ物とか料理っていいな〜

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2022年04月16日

Posted by ブクログ

料理をテーマにしたアンソロジー。
女性作家ばっかりかなと思ったけど、中村航さんは男性かな?色んなテイストの作品が詰まっていて、美味しくて嬉しいアンソロジーでした。

以下お気に入り作品。
柚木麻子「エルゴと不倫鮨」
不倫を嗜む男たちの隠れ家的鮨屋に、明らかに場違いなくたびれたおばさんが襲来する。そのおばさんはなぜかとても料理に詳しく、次々と美味しそうなオリジナル創作鮨をオーダーしはじめ…まさにタイトル通り注文の多い料理小説。ラストのオチも痛快でよい。

伊吹有喜「夏も近づく」
悠々自適な田舎暮らしをしている主人公が、兄から半ば押し付けられる形で甥っ子を預かることに。田舎の豊かな自然と触れ合うことにより2人が打ち解けていく様子が微笑ましい。伊吹有喜さんらしい、爽やかで優しいお話。

坂井希久子「色にいでにけり」
はじめましての作家さん。時代物で、美しい色彩と和菓子の融合。短編なのにキャラが立ってて、シリーズもので読みたいと思った。

中村航「味のわからない男」
岩上が脳内で原田○二に変換されて笑った。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

料理をテーマにした7人の作家さんによるアンソロジーです。

こちらのお目当ては柚木麻子さんと伊吹有喜さん。あと未読の井上荒野さんが気になってました。装丁のデザインとタイトルがなかなか洒落てますよね。

『エルゴと不倫鮨』柚木麻子
最初は不倫の話かぁ…ちょっと嫌だな、と思いきや、さすがの柚木さん。吹き出しそうになるくらい痛快でおもしろかったです。

『夏も近づく』伊吹有喜
自然の中で食べるちゃんと手をかけた料理が本当においしそうでした。

『好好軒の犬』井上荒野
初めましての井上荒野さん。最初から最後まで独特で不穏な雰囲気のあるお話でしたね。

『色にいでにけり』坂井希久子
こちらも初めましての坂井希久子さん。時代物で和菓子が本当においしそうでした。食がテーマというよりも、色がテーマなのかな?なかなかおもしろい着眼点で続きがありそう…と思っていたら、シリーズで文庫本が4冊も出てるんですね。そちらも読んでみたいです。

『味のわからない男』中村航
グルメレポーターが地方ロケに行くお話で、う〜ん、実際にもこんなことあるんだろうな、と思わせるお話でした。

『福神漬』深緑野分
苦学生の食のお話かと思いきや、不思議な展開に…。

『どっしりふわふわ』柴田よしき
初めましての柴田よしきさんはパンのお話。どっしりもふわふわもどちらも大好きです。ちょっとだけ最後やられたーとなりました。『高原カフェ日誌』というシリーズのスピンオフらしいので、そちらも気になります。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

料理にまつわるアンソロジー。
柚木麻子さん、伊吹有喜さん目当てだったけど、柚木さんは既読だった。
好きだったのは伊吹さんの「夏も近づく」。
お料理小説の中でも、こういう温かい感じがする家庭料理のものが好みみたい。
葉月のその後を描いた物語も読んでみたいと思った。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

料理をテーマにしたアンソロジー。
柚木麻子さん『エルゴと不倫鮨』…安定した著者の「反権力(=男性)」「女たちの結束」鉄板ネタ。安定した漫才を見ているよう。
伊吹有喜さん『夏も近づく』…一番飯が美味そうだった。柚木さんの後に「義姉から性的虐待を受ける少年」が登場するので、並びとして良い。
井上荒野さん『好好軒の犬』…文学的。悪い犬じゃないんだよ、かわいそうな犬なんだよ が無意識的な嫌味、斜めな見方。おもしろかった。
坂井希久子さん『色にいでにけり』…金平糖の着色や和菓子の着色。江戸時代の話。粋。
中村航さん『味のわからない男』…こういう芸能人、いそう。リアル。
深緑野分さん『福神漬』…表現がうまい。そして後の作品『どっしりふわふわ』にもなんとなくつながっていくのだが、主人公の「私」が男なのか女なのか判然としないまま終わる。それもうまいな、と。
柴田よしきさん『どっしりふわふわ』…前半部分、悩める50手前の女主人公に、感情移入。パンの描写もうまい。だがオチはいまいち、だと思う。同性愛者である必然性が、まったく無い。単純に同性愛者を「オチのネタ」として使うのは、驚きを起こすには技術としてアリ、だが、テクニカルすぎて興ざめ。

☆気になった表現
私が小説なんて書くようになったら、妻である部分は少なからず損なわれるはずだ。

時に飢えるほどの貧乏暮らしだったという少年時代を持つ光一郎は、今は自分が稼いだお金でたべたいものを食べられる、という現実と時々うまく折り合えなくなる。

『好好軒の犬』井上荒野


見事だった本棚はがらんどうとなり、お腹を空かせて恨めしそうに私を見た。

『福神漬』深緑野分

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2025年04月18日

Posted by ブクログ

 アンソロジーは初めてかも。柚木さんの『エルゴと不倫鮨』が最高に面白かった。柚木作品に限らず、今まで読んできた短編の中でも1、2を争うほど好き。おしゃれな創作寿司の店で完全に自分のペースに持っていくママがカッコ良すぎる。次点は『色にいでにけり』と『夏も近づく』。なぜかお彩は北川景子で脳内再生された。料理がテーマなので、ほっこりと終わる話が多い。よだれが出そうなほど美味しそうな料理の描写は柚木さんがダントツだった。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

巻頭の柚木麻子「エルゴと不倫鮨」の勢いがいい。エルゴは抱っこ紐。食に対するスタンスは生き方に通じるものがあると思う。だから伊吹有喜「夏も近づく」のように食べることを通じて繋がり合う2人の関係性が描かれた作品もすき。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

2018〜2019年オール読み物に掲載された短編から登場する料理が魅力的な小説で編んだ文春文庫オリジナル・アンソロジー。あんまり読んだことのない作家ばかりが収められており、読んだことがあるのは深緑野分くらいだった。冒頭3作がイマイチでどうなることかと思ったが、コミカルなネタをうまくまとめた「味のわからない男」(中村航)、叙述トリックが嫌味でない程度のいいアクセントになっている「どっしりふわふわ」(柴田よしき)、一瞬のタイムスリップを描いた「福神漬」(深緑野分)はこの順に良い。

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2023年09月07日

Posted by ブクログ

料理にまつわる小説短編集。どれも美味しそうな描写があり食欲がそそられた。時代小説に分類されるのか『色にいでにけり』はなかなか読み進められず時間がかかってしまった。やはり時代小説は苦手なんだと再認識できた。

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2022年12月31日

Posted by ブクログ

食が彩る短編小説集。
すべて日本が舞台の作品だけれど、坂井希久子さんの作品は江戸時代とかの物語で、深緑野分さんの作品は、昭和か明治とかにタイムスリップしてバラエティ豊か。
初めて読む作家さんもいて、読書の幅を広げるきっかけになりそう!

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2022年09月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人生を彩る料理に乾杯。

7つの個性的な短編が収められている。登場する料理も様々。お酒からお菓子、パン。時代も場所も様々だ。読み終わると美味しい料理を食べた後のように満足している。

柚木麻子「エルゴと不倫鮨」ある程度の年収の男と歳が離れた若い女性が集まる店。そこにやってきた招かれざる客は——。卒乳祝いの女性がパワフルでそこにいる人すべてが巻き込まれていく。世界をひっくり返すようなお客にコロリと順応するのはまた女性たち。疲れ果てた男性たちの顔が目に浮かぶ。

伊吹有喜「夏も近づく」三重県の自然の中に暮らす拓実のところに兄が訳ありの少年を連れてきた。美味しい水と自然の中で育ったものを食べるうちに2人は距離を縮めていく。気付いた葉月の回復が嬉しく、ラストの再会まで柔らかな光に包まれた作品。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

美味しい料理が縁を結ぶ、7つの物語。
お腹がぐうぐう鳴るくらい美味しそうな料理が出てくる作品ばかりで、その中でも伊吹有喜さんの『夏も近づく』が好みだった。
温かい食卓を通して心の距離が近づく様子を丁寧に描いていたところが素晴らしかったのはもちろん、出てくる料理の美味しそうなこと! たけのこご飯、果肉ごろごろのバレニエ、青竹のコップで食べる素麺ーー。身体の隅々まで染み渡るような滋味あふれる料理が恋しくてたまらなくなる。
テレビやスマートフォンを眺めながらささっと食事を済ますのも悪くはないけれど、目の前の料理の香りと素材本来の味に、もっとじっくり向き合って食事をしようと姿勢を正した。

伊吹有喜さんの書く、料理がテーマの本をもっと読んでみたくなったので、『BAR追分』を手に取ってみようと思う。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

私は昔から食が細く、料理もあまり得意ではありません。でも食べ物が出てくる話が大好きなので、わくわくしながらページをめくりました。
特に「夏も近づく」は何度も読みました。高級食材や珍しい調味料なんか使わなくても、経験と少しの手間で身近な食材を美味しくいただく術を知ってる拓実はすごく生命力の強い人だと思う。そんな拓実と暮らす葉月がどう成長していくのか楽しみで、読むと爽やかな気持ちになりました。

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2023年12月23日

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