深緑野分のレビュー一覧

  • 百合小説コレクション wiz

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    かなり好き。特に斜線堂有紀さんの「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」、南木義隆さんの「魔術師の恋その他の物語(Love of the bewitcher and other stories.)」、宮木あや子「エリアンタス・ロバートソン」の三編が好き。心中したり不幸になったりしない、でも社会的な背景も踏まえた百合小説で好感度が高い。百合小説というよりビアン小説と言ってもいいなもしれない。わたしはふわふわした王道女子高生百合にどうしてもハマれないたちなのでこういうのはとても趣味に合うし、日々異性愛前提の社会に生きていると心が救われる気持ちになる。

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    2023年11月04日
  • ベルリンは晴れているか

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    登場人物一人一人の生い立ちが回想として語られ、シリアスな場面では外国語としてのロシア語の会話に訳がなく、臨場感のある演出にハラハラさせられる。後半にかけて、先の見えない曲がりくねった下り坂のように罪が次々暴かれていくが、爽快に感じるよりも、戦時中ドイツの過酷な環境への憐憫の情を禁じ得ず、戦争への関心を強く持たねば、と思いを改めた。

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    2023年09月27日
  • 注文の多い料理小説集

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    2023/7/21

    食事を摂る人々の短編集。

    不倫やワンナイトを狙う男たちが若い女を連れてやってくるワインと寿司の店。
    そこへ赤子を抱いた女が「卒乳祝い」にひとりやってくる。
    柚木麻子「エルゴと不倫寿司」がインパクト強かった。

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    2023年07月22日
  • 百合小説コレクション wiz

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    百合短編小説のアンソロジー。一番好きなのは『あの日、私たちはバスに乗った』。ユアのぶっ飛び具合がいい。『魔術師の恋その他の物語』も裏魔女宅みたいで面白かった。

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    2023年06月28日
  • 百合小説コレクション wiz

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    ネタバレ

    楽しみにしていた百合アンソロ。
    一番好きな作品は櫛木理宇さんの「パンと蜜月」。現実味があったし、当事者同士が一番幸せそうだったので。
    斜線堂有紀さん宮木あや子さん深緑野分さんはやっぱり安定感ある。
    アサウラさんの「悪い奴」そうくるか!って唸る学生百合でよかった。

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    2023年06月12日
  • 戦場のコックたち

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    第二次世界大戦、アメリカ兵として志願するティムは、味音痴のエドと知り合い技術兵(コック)に所属することになる。戦線に出て兵士として活動しながら、仲間の腹を満たすコックとしても活動する。見下されながらも、祖母のレシピをお守りにして仲間と過ごしていた。

    ノルマンディー作戦や、名前は忘れたけど失敗に終わった壮絶な作戦を実行していたメンツだということにトリハダが立つ。その中で少しホッとするようなミステリーを解決することがティムの心の拠り所だった(実際に答えを出してるのはエドだが)。

    おかしなことに、戦争が結びつけてくれた仲間の絆を感じられた。明日(ていうか今この瞬間)命を落とすかもしれないのに、一

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    2023年04月04日
  • ベルリンは晴れているか

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    人捜し×1945年7月のベルリン。殺害された人間の甥を探しながら、当時の様子がむざむざと伝わってきた。私は何も知らなかった。むしろ知らなかったことの罪悪感が大きい。そうか、ベルリンは連合国が分割して統治してたのか。戦争は女の顔どころか人間の顔をしてない。いや、、これが本当の人間の顔かもしれない。

    ヒトラー率いるナチスによるユダヤ人の迫害は誰もが知っている。ナチスを支持するドイツ人もまたユダヤ人を迫害し、逆にナチスを支持しないドイツ人を非国民扱いしていた。そしてドイツ人にもユダヤ人にも密告者はいる。自分が信じたいものを信じられなくなる悲惨な時代だ。特に、本当はアーリア人なのにユダヤ人を演じてい

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    2023年03月27日
  • 百合小説コレクション wiz

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    初めて読んだ百合小説。ドロドロ系から社会派、ファンタジーまでこんなにいろいろあるんだな〜〜という率直な感想。おもしろかった!
    どの女の子にも影があるのが、性的指向に関係なく現実を生きる私たちにとってリアルで、そこに百合がはやる理由があるのかなという気がした。特に斜線堂有紀さん「選挙に絶対行きたくない〜」と、小野繙さん「あの日、私たちはバスに乗った」が好きだった。
    あと帯キャッチも素敵。「名前をつけたい関係も、名前のいらない紐帯も。」

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    2023年03月26日
  • 百合小説コレクション wiz

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    恋愛小説読みたくて手に取ったら、すごく好みで大正解でした。アンソロジーなので、色々摘み食いできます。
    男女の恋愛よりも面白く感じるのは、やっぱり2人を隔てる障壁があるからでしょうか、日本って舞台がその障壁になっていたりして、改めて日本は海外に比べて不自由なのかもと思ったりしました。
    舞台が海外の作品もあって、翻訳された外国の小説の雰囲気も楽しめました!

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    2023年03月12日
  • 戦場のコックたち

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    身内に勧められて読みましたが、本のタイトルから想像するお話とは少し違いました。本書にも描かれているように人間の憎悪は連鎖し止まることはなく、同じことを何度も繰り返すのが人間の性であるのだと思います。

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    2023年03月07日
  • オーブランの少女

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    深緑先生のデビュー短編集。
    まずそのバラエティ豊かさに驚かされる。第2次世界大戦下のフランス、ヴィクトリア朝時代のイギリス、昭和初期のの女学校の寄宿舎、中世北欧の辺境地と舞台も時代も自由自在だ。飽きることなく読ませていただきました。以下、特に印象に残った感想を

    「オーブランの少女」
    表題作。非常に映像喚起力の高い文章。
    緑の庭園、白い館、マロニエ並木、キングサリの藤棚、白いスカート、青い瞳、赤いリボン、軋む歩行具。
    なぜ海外が舞台?と思いましたが、なるほどこの残酷な世界はフランス郊外がしっくりきます。
    そして残酷な世界には少女達がぴったりなのです。

    「仮面」
    本当に最終番になってから、ただ

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    2023年02月22日
  • ベルリンは晴れているか

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    巻頭の地図がありがたい。小説としても楽しめますが当時の資料をよく調べて描かれたのが分かりますしベルリンの惨状、ドイツ国民の置かれた状況など色々なことが勉強になりました。

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    2023年02月09日
  • オーブランの少女

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    本書収録の「オーブランの少女」で2010年に第7回ミステリーズ!新人賞で佳作に入選した深緑野分が2013年に発表した短編集「オーブランの少女」の文庫版。少女をテーマにした「オーブランの少女」「仮面」「大雨とトマト」「片想い」「氷の皇国」の5作品を収録。時代や場所を変えて描かれる少女たちは妖しい魅力に溢れています。基本はミステリーですが、作品ごとにホラー、ダークファンタジー、エスなど色々な要素が混じりあい独特の雰囲気を漂わせています。

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    2023年02月02日
  • 注文の多い料理小説集

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    どれも面白かった。
    井上荒野さんの作品は本人の短編集「小説家の一日」に入っているので既読でした。
    柚木さんと伊吹さんは短編を読むのは初めてだったのだけれど、印象が違ってそれも面白かったです。

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    2023年01月31日
  • オーブランの少女

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    ミステリーも短編小説も読んだことがなかったが、全て面白かった。
    これがミステリーの醍醐味なのだと思うが、最初に読んだ時は全く気にも留めなかった一文が、最後、謎が解決した後で伏線だったと気づいた時の爽快感が素晴らしかった。
    短編だからすぐに二度目を読み始めてどこに伏線が張られていたのか確認することができたのも良かった。
    ミステリー沼第一歩としてはとても良い作品だったと思う。

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    2023年01月30日
  • ベルリンは晴れているか

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    ミステリーというより戦争文学。
    前半は「卵をめぐる祖父の戦争」と似ている。
    「戦場のコックたち」の方が好み。

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    2023年01月28日
  • オーブランの少女

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    「少女」をモチーフとした短編集。イギリスの、フランスの、北国の、大正時代のそれぞれの場所の描写も雰囲気が目に浮かぶし、ちょっとしたミステリーも粒が揃ってて良い感じ。初の深緑野分の本だったから最初の印象が強いのかな、表題作が一番好み。

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    2023年01月15日
  • 戦場のコックたち

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    戦争とコック。あまり見慣れない言葉の組み合わせに惹かれて購入しました。コックといえども現場は戦場。激しい戦争の光景に、胸が痛む場面も多いですが、戦争を他とは異なる視点から知れる一冊だと思います。

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    2022年11月13日
  • ベルリンは晴れているか

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    ネタバレ

    第二次世界大戦敗戦直後1945年7月のドイツ。
    ヒトラーは自死を遂げ、英米仏露の連合軍に分割統治されるベリリン。

    幼い頃から英語版『エーミールと探偵たち』を読み耽っていた主人公アウグステは、その英語力のおかげでアメリカ領のダイナーで職を得ることができ、なんとか食いつなぐ生活基盤を持つことができた。
    くたくたに疲れて帰ったある夜中、ロシア軍管轄の警察に有無を言わさず連行され、NKVDの将校ドブリギンに告げられたのは、かつて世話になったクリストフの毒殺死。
    クリストフは戦時中はその富を隠蓑に反ナチ地下活動を支持し、戦後は同志文化部のチェロ奏者としてロシア軍の庇護下にあった。

    妻のフレデリカが疑

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    2022年08月20日
  • ベルリンは晴れているか

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    あたかもその時代に生きていたような1945年前後のドイツの描写に驚かされる。その描写ゆえに戦争の悲惨さがひしひしと伝わる。
    ドイツがポーランドに不意打ちで侵略した際の話で、作中に下記のような記述がある。
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    ゴミ捨て場の前にいた婦人たちは「だって、ポーランドが悪いんでしょう。総統は『平和のための攻撃』とおっしゃったし、国を守るためにやむなくよ」と話していた。
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    現在のプーチンの発言とプロパガンダに汚染されたロシア人と全く同じ。
    まさにプーチンは現代のヒトラーだ。

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    2022年07月23日