深緑野分のレビュー一覧

  • カミサマはそういない

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    何の音もしない。靴音も、笑い声も、唱和も、歌も。
    ただ、ただ、静かな見張り塔の中で、僕の咀嚼音だけが響いた。

    (伊藤が消えた/潮風吹いて、ゴンドラ揺れる/朔日晦日/見張り塔/ストーカーvs盗撮魔/饑奇譚/新しい音楽、海賊ラジオ)

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    2024年11月02日
  • ベルリンは晴れているか

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    アウグステの生き様に色々と考えさせられました、戦争後を舞台としていますが、回想シーンでは戦時中の悲惨な様子もありありと描かれており胸が痛くなるようなシーンも多かったです。結末には色々と驚かされました。
    文章構成が難しい本だったのでなかなか読み終わるのに時間を要しましたが、読んでおいて良かったと感じます

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    2024年10月25日
  • 戦場のコックたち

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    美味しい食事でも紹介してくれるような本なのかと思ったら...
    浅はかな思いで読み始めた自分を一喝したい。

    戦禍の中で起こるちょっとした謎をコック仲間と一緒に解きながら話が進んでいく。

    戦争は、なんでも奪っていってしまう。
    家族も家も居場所も思い出すらも。

    戦い、引き金を引くということは
    誰かの家族を奪うこと。
    それに気づいた時の気持ちなんて、私には一生わからない。

    読んでいて凄く胸が苦しくなる話だった。
    それでも、希望を見出せる結末もいくつかあってよかった。

    胸にグッと来た文章

    「家族が笑っていられるのは、レンズの先にはお前がいると知っているからだ。お前がこの世からいなくなったら、

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    2024年10月13日
  • カミサマはそういない

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    伊藤が消えた/潮風吹いて、ゴンドラ揺れる/朔日晦日/
    見張り塔/ストーカーVS盗撮魔/饑奇譚/
    新しい音楽、海賊ラジオ

    各話に表紙のページがある
    何だかモヤモヤと闇の世界にいる感じのまま読み進む
    最終話だけ違う表紙
    ゆめも希望もない世界で微かな灯りが見える気がした

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    2024年09月26日
  • 戦場のコックたち

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    戦争は日常の隣にある。
    17歳のアメリカの青年が、まるでイベントにでも参加するかのように志願し、戦争へ赴く。
    昨日まで、横にいた仲間が死んでいく。
    昨日まで、ただ普通に生活していただけの人が死んでいく。

    現実の戦争が、かの国で起きている。
    戦争が無くならないことを知ってしまった今、読み続けるのは辛かった。

    今この瞬間にも、ティムたちのような思いをしている人々がいるのだと思うと、胸が苦しい。

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    2024年09月25日
  • カミサマはそういない

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    短編集だが、それぞれ違う世界観で描かれていて飽きることなく読めた。
    ファンタジーというか異世界というか、現実離れしているのに妙に現実感がある感じですごく不思議な世界観。
    背筋がぞくっとするような話しが多く、ホラーっぽい不気味な感じもする。
    短編なのに、短いストーリーの中ですぐその世界観に引き込まれてしまう。
    どれもそれぞれ違って面白かった。

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    2024年09月06日
  • 注文の多い料理小説集

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    アンソロジーは「名前も作品も初めて知った」作家のほうが断然面白く感じる。この本では坂井希久子『色にいでにけり』がそれで、普段読まない時代ものだがとても面白かった。主人公の境遇と芯に持つ矜持、江戸の色名と和菓子の描写が実に生き生き、しみじみと描かれていて、このシリーズが読みたくなった。

    他は伊吹有喜『夏も近づく』、深緑野分『福神漬』も滋味があってよかった。井上荒野『好好軒の犬』はラストが上手い。柚木麻子『エルゴと不倫鮨』はトップバッターとして勢いがあり好印象。柴田よしき『どっしりふわふわ』はラストが安直な気がしたのと、中村航『味のわからない男』は好みが合わなかった。

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    2024年08月20日
  • ベルリンは晴れているか

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    1945年7月ベルリン…敗戦直後のこの国にはソ連・イギリス・アメリカ・フランスと色々な戦勝国が入り乱れ…


    て、ごめんなさい。難しいことは分かりません^^;
    その分からないながらの感想をぜひ!m(__)m

    とにかく、敗戦後のこの地に力強く生きる17歳の少女がとあるきっかけで、ある人の訃報を1人の少年に伝えに行く物語。

    これ、たった2日間なのにP523。
    こりゃ時間かかるな。と思いつつ…ま、まとまった休みも利用しつつではありましたが、あっという間でした。

    あれ?これって著者さん日本人だったんだ⁈と後になってから驚いたのは…そう、この物語に日本人は出てこなかったから…ですね。

    確かに

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    2024年07月20日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    舞台は読長町にある御倉館。
    主人公は、御倉一族であり、本嫌いの御倉深冬と真白という不思議な女の子。
    御倉館には、先代御倉嘉市が集めた膨大な蔵書があった。
    この本には、本について厳格な考えを持ち一般公開されていた御倉館を閉鎖した祖母御倉たまきの手によってブック・カースという呪いがかけられていた。
    ある日、本が盗まれ、本の世界になった読長町。
    その中で、元の世界に戻るべく、泥棒を探す、深冬と真白。
    物語終盤には、ブック・カースの謎やましろの正体などが解決され、面白い。
    ただ、本の中に複数の別の話があり、設定も様々に複雑なので、結構ファンタジー好きで、且つ、本を読み慣れている人でないと難しく良さに気

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    2024年07月14日
  • カミサマはそういない

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    短編。
    誰かの後ろめたさに徐々に気づいていく怖さが癖になる。
    時系列がバラバラの世界、全員が誰かを監視している街など、少し突拍子がない不思議な話もあるのは好みが分かれる。

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    2024年07月12日
  • カミサマはそういない

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    ドストライクな作風。
    仄暗く、救いようのない絶望に漂う耽美な残香。
    1番と2番の話が好き。長編で読みたい

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    2024年07月11日
  • カミサマはそういない

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    バラエティに富んだ短編集。終末モノが好きな方におすすめ。
    解説を読むまで「オーブランの少女」の人だって気がつかなかったけど、静謐で耽美な雰囲気が確かに共通している。
    ストーリーに意外性はないが、セカイ系として素晴らしく美しい。
    「見張り塔」がとてもすきです。

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    2024年07月08日
  • この本を盗む者は

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    私としては珍しく つっかえつっかえ 休み休み読みました。
    不思議なくにのアリス 苦手だったなあ!
    なんて思い出しました。
    不可思議な登場人物
    犬になっちゃう真白
    お父さんの妹のはずの ひるね
    主人公の深冬のおばあさんの たまき
    そして一番変じゃないはずなのに 核心を握っている父親の あゆむ
    有名なほんのコレクターで 御蔵館を作ったのが曽祖父
    おばあさんのたまき は 本がぬすまれるのにがまんができずに 呪いをかけた。
    本が盗まれると 現実の世界が 父親の書いた本の世界になってしまう。
    何冊も書いているので 今度はこんな物語か!
    となってしまう。
    町の人たちみんなを巻き込んで 本の世界が繰り広げら

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    2024年07月05日
  • この本を盗む者は

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    単行本の時から気になっていたので読んでみた。
    んんん、濃ゆいファンタジー小説でした!
    舞台は読長町という、古書店や新刊書店、ブックカフェ等々溢れる本の街。
    主人公は本の蒐集家御倉家に生まれた本嫌いの深冬。
    おばあちゃんがかけた本の呪い、”ブックカース”から街を救うために、嫌々本と向き合います。
    読長町がいろんな雰囲気の種類に様変わりする様子が事細かに描かれていて、色んな世界観を楽しめました。
    本のことを愛している人ならワクワクするような光景が沢山出てきます。
    読むのに時間がかかりましたが、こってりこってり楽しめました。

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    2024年06月04日
  • 戦場のコックたち

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    表紙はポップで可愛らしい感じだけど、その名の通り戦争のお話。ただの料理本だと思ったら痛い目をみる。料理本にしては出てくる料理がどれもこれも不味そう。過激な表現も沢山あるのでそういうのが苦手な方にはおすすめしない。

    第二次世界大戦の様子がアメリカ兵の視点で描かれている。これを日本人の作家が考えてるっていうのに驚き。

    兵隊の戦争に対する向き合い方や思いは、みんなやりたくないとか、行きたくないとか、そういうものだと思っていたけど、これを読んでから覆った。実際に戦場にいた人にしか分からない意外な考え方を知れる。

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    2024年05月25日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    本を盗んだどろぼうを追いかけ、さまざまな本の世界を冒険するという帯の文を読んで『文学刑事サーズデイ・ネクスト』のような話かと思ったのですが、違いました。
    本の世界に入っていくサーズデイ・ネクストが本の世界に入り込んでいくVRの世界だとしたら、こちらは現実世界に本の世界が重なりあうMRのような感じ。
    時代といえば時代なのかも。

    それにしても、ファンタジーというのは難しいジャンルなんだなあと思う。
    現代小説も時代小説も上手い宮部みゆきも、ファンタジー小説となると今一つといつも思ってしまうけど、深緑野分もファンタジーは向かないかも。
    書き込みが丁寧過ぎて、読者の側の自由度がないんだなあ。
    特に視覚

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    2024年05月18日
  • オーブランの少女

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    短編集ながら読み応えがあり、楽しめた。
    表題作は言わずもがな、「大雨とトマト」「氷の皇国」がとても印象的。訳あって長く積読本化しており、重い腰を上げたつもりがページを捲る手が止まらなかった。

    表題作は思いつきで逆から読んでみたのだが、これがストーリー的にも思いのほか効果的で、最終的に「こういうことだったのか」と腹落ちした。

    解説もとても良いのでおすすめです。

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    2024年05月10日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    この作家さん、いろいろと書き分けられるとは分かってましたが何とこれは思ったよりも
    ファンタジー色が強かった。
    好き嫌いは分かれるけれど、もっとミステリー寄りだと思ってた、勝手に。

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    2024年05月07日
  • ベルリンは晴れているか

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    ほんと救いがなくてヘビーな内容だったけど、なぜ?と疑問がいっぱいあったので、ラストが気になり最後まで読めた。
    人間の生への貪欲さ、強さ、目を背けたくなるような残虐さ。
    戦争になれば、普通の人もこうまでなれるんだろうか?
    ウクライナ、キーウも出てくるし、今も戦争してる地域ではこのようなことが行われてるのかもしれないと思うと、胸が痛むけど、私に何ができる?
    ナチの支配下にあったドイツの人たちもあの状況にあって何ができた?
    虚無感に襲われる。

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    2024年04月21日
  • ベルリンは晴れているか

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    『同志少女よ、敵を撃て』を読んだあとに、この本を読んだ。この時代に起きていたことを、小説を通して知る。日々、勉強です。

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    2024年04月20日