【感想・ネタバレ】スタッフロールのレビュー

あらすじ

私たちは映画に魔法をかける

『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』著者が放つ、
才能や評価で悩んだことのある、すべての人へ贈る物語
圧巻のエンターテインメント長篇!


【あらすじ】
1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界で
もがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。
現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに
自分の才能を見失い葛藤する
CGクリエイターのヴィヴ。
映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が
一本の映画を通じて繋がり合う。
創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。

文庫化にあたり、2024年にアカデミー賞〈視覚効果賞〉を受賞した
『ゴジラ-1.0』などについて熱く語った「文庫版あとがき」を収録。

単行本 2022年4月 文藝春秋刊
文庫版 2025年3月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

この作者の作品を順番に読んでいるが、丁寧な描写にいつもホッとする。
読者として丁寧に読もうと思っていたのに、いつものごとく、中盤から加速するようにして読み終えてしまった。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

特殊造形師とアニメーター、映像に関わる仕事をする草分と現役の二人の女性
リアルとCG 手法は違うけれど自身の感性が物を言う世界なんだろうなと思う

二人の女性をとおして、
懐かしい世界であり深くは知らない仕事の世界に浸っていられたし
一人一人の思いに寄り添っていられた

読み終わってからしばらくボーーッとなったのは久しぶり
映画を見る時は最後までみて、席を立つのは照明が明るくなってからだったなあ

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かった。
何より、描写がすごくて、制作の現場が丁寧に描かれていて、特殊造形の舞台裏を覗かせてもらっているようだった。
ヴィヴがなぜそんなに落ち込んでいるのか、マチルダがなぜ辞めてしまうのか、少し納得できない気もしたけれど、そんなことは気にならなくなるような臨場感だった。
あらためて、『2001年宇宙の旅』を見てみたいと思った。

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

SFX、VFXの世界を初めて知ったので、とても興味深く読みました。

携わる人みんなが誇りを持って仕事をしている様子がひしひしと感じられました。

SFXとVFXの過渡期が描かれていて、新しい技術をすんなり受け入れる人と頑なに拒否する人が登場していました。

受け入れるかどうかによって、進退も決まるシビアな世界だと知りました。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

映画のスタッフロールは最後までしっかり観るようにしているけれど、名前が載っている人々がどのような努力をして、どのような葛藤を抱きながら映画を作っているのか想像したことはなかったように思う。
当たり前のように享受しているエンターテイメントも、自分には才能があるのかと苦しみながら、お互いの才能をリスペクトしながら作品を作り出しているクリエイターの方々がたくさんいるんだよな。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

規模が全く違うけれど同業者。監督や演者の物語は数あれど、特殊造形やCGが主人公って新しいな!?ということにまず驚いた。ちゃんと説明してくれるけど、CG知らない人にリグやらIKやら分散レンダリングやらわかるのかな?と余計な心配をしてしまった。文庫版あとがきが楽しく、作者さんの視覚効果賞への情熱と、改めてゴジラ-1.0の凄さが感じられた。(山崎監督の「自分でやりたくならないようにスタッフには天才しか置かない」という話良すぎる)

女性が映像業界で生きていくことが大変なのはわかるけれど、マティもヴィヴもメンタル弱めなのであまり共感できず。自分にとっては遙か頭上のお方たちなのでそんなに悩むことないのに…と思うけれど、アナログへの劣等感や、スタッフロールに名前が出る喜びは業界あるあるだよなぁと感じた。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

偏見まじりですが思いつくままに感想!
SFやファンタジー映画が好きな身として、書店で本棚を眺めていたときに、表紙の絵柄に惹かれ、あらすじにも読み応えがありそうな印象だったため購入。
登場人物も9割は西洋人で、文体も英語の日本語訳のような印象で、日本人が日本語で書いたことを確認して不思議な感じを覚えた
ただ、ストーリーに引き込まれた。
主人公が2人とも女性で、どちらもSFやファンタジー映画が好きだという設定や、ちょうどリバイバル上映を観に行く予定だったスターウォーズの話が出てきたりと、共感部分がたくさんあり
主人公たちの悩みは、私の悩みとどことなく似た部分があり、主人公が同僚に励まされるシーンでは思わず感情移入して号泣してしまった。
深緑さん、男性なのかと思っていたけど女性作家さんだと知り、意外な反面、納得。

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2025年04月21日

Posted by ブクログ

映画に夢を見た女性たちの物語。ところどころ、本当の話、特にスターウォーズまわりの話がたくさんあって、良かった。
解説を著者自身が書いていて、ゴジラ-1.0のことについていっぱい書かれていたのも良かった。

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

第一幕の俳優の型取ってるシーンが好きだった。
普段あんまり意識しない、読んでて世界を作ってく感覚が、海外が舞台の小説だとより感じられることを初めて発見。
自分が存在した証拠が欲しいと思うのは当然で、でもいいもの作れたらもうなんでもいいとも思うけどそれって結局証拠になるんだよなきっと。
どんな分野も、それに惹かれる人によって在ることを分かっておきたい。

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2025年08月20日

Posted by ブクログ

自分ごとだが、映画を見に行った時は必ずスタッフロールが終わるまで席は立たない。

素晴らしかった映画はもちろんだが、どんな映画であれ、それを生み出す苦労や困難は必ずあったはずで、映「像」制作者の端くれとして、それは素直に「お疲れ様」という気持ちと、関わった人への敬意と感謝を込めて最後まで見ることにしている。

特殊効果が、実写のクリーチャーのアニメーションから、CGに移り行くお話でもあるが、自分もすごくそれは実感する。機材や技術が表現を変えていくというのが実感で、それは今後もずっと続くと思うし、しかし映画というスクリーン表現はまだしばらくは無くならないと思う。

自分は映画には関わったことはないので、銀幕に映されるスタッフロールに縁はなかったけど、羨ましさは少なからずある。
スタッフロールに名前が刻まれることは、やはり映画人にとっては誇らしいことだと思うし、それが映画に対する責任の証でもある。

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

映画、特にアカデミー賞レースが好きだけれど裏方や映画制作の内情を理解せずに、映画を批評してるなぁ…良いのかなぁ…と気になっている日々。書店で見かけて、物語として楽しみながら映画のことを知れるの良いな!と思い手に取りました。

映画の特殊メイク、CG制作の人の心のうちや、作業を知らなかったのでフィクションとはいえ参考になった気持ち。
CGに温かみがないとは鑑賞者として思ったことない(自覚ないだけか?)けれど、CGがすごいから映画もすごいとはならないなとは強く思っている。
映像美が凄くても、そこまでで映画を観た感動としては古い映画の方が勝る時がある。
制限がある状況で創意工夫して、捻り出した発想の転換みたいなアナログの凄さはまたCGとは一味違うのかなと。
目まぐるしく動くカメラワーク、CGで作れる景色があってこその画角と、ドローンとかCGのようなダイナミックなカメラワークができないからこその魅せ方の違いとか…。

でも、CG作業の大変さ、日本映画のCGが海外に見劣りする理由、など驚きました。
特に後者はこの本で語られる内容が腑に落ちました。すごく、軽視しそう、日本の業界。一人一人は野心があって技術が高くても、お金の話を通そうとすると理解してない人には暖簾に腕押しで通じない…。
お金もなさそう…。
だからこそ、ゴジラ-1.0の評価は感動しましたし、データ量凄いと思っていたら そこを工夫していたとあとがきでわかり、最後まで興味深かったです。

ただ、辻一弘さんの名前を挙げられてましたが現在は日本国籍ではなくアメリカ国籍で、カズ・ヒロという名前で活動してらっしゃるようなので、カズ・ヒロ氏(2018年の受賞当時は辻一弘)など書いた方が誠実な気がしました。アメリカ国籍にした動機を読んだ限りでは、その点はクリアに記載する方が彼に誠実だと思っています。

登場人物みんな、共感できないのと、行動が理解できないまま終わりました。
マチルダの衝動的すぎる行動や、CGへの過剰な反応、モーリーンの土足で踏み込む感じ、リーヴがあんなダメダメからどうやって立ち直ったのか、なのになんであんなにマチルダの名前を載せたくなかったのか、なのに最終納得してるのか、ヴィヴが警戒心薄すぎではないか?とか。。
クライマックスの事件?的展開が起きるまで長いし、事件が起きてから収束するまでがめちゃ短い気がしました。構成のバランスは、私にはちょっと偏ってる感じがしました。

p446

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「〜賞や役職は関係ない。賞を獲っていなくても、役職についていなくても、それは時の運であって君の実力を左右するものじゃない。〜」の部分印象に残りました。
第97回アカデミー賞が、本命なしと言われているのを目にして実際各作品をちょこちょこ見て事実そうだなと思いました。
もし、違う年だったらANORAはノミネートされた中でマイナーだけど面白い!という知る人ぞ知る陰ポジションだったかも。
教皇選挙も もっと受賞あったかも。
たまたま同じ公開年なだけでより比べられてしまうの不思議だなと。組み合わせ次第では激戦の年もあるし…。それがまた運命的で面白いかもしれないけれど恒久的な映画の評価にはつながらないかもと思えた。

受賞した人のスピーチは、素直に受け止めていたけれど、その発言次第ではほかの映画人の心を抉ることもあるのかと気づくきっかけになった。
攻撃性を意図しなくても。。
ノミニーとして画面に映され、誰かの名前が呼ばれた途端ほぼ映らなくなる。その、名前を呼ばれなかった人たち一人一人の心のうちとか、映画界に身を置く人たちとして思うところとか。それぞれあるんだろうなと想いを馳せる契機となった面白い本でした。

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2025年04月02日

Posted by ブクログ

時代の変遷と映画作りの背景は主人公達を通してとても良く描かれていたと思うのですが、特殊造形師やCGの仕事を良く知らないので、かなり専門用語や業界内のやり取りが出てきて、正直読み進めるのがきつかったです。

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2025年03月29日

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