あらすじ
私たちは映画に魔法をかける
『戦場のコックたち』『ベルリンは晴れているか』著者が放つ、
才能や評価で悩んだことのある、すべての人へ贈る物語
圧巻のエンターテインメント長篇!
【あらすじ】
1980年代のハリウッド、圧倒的に男性優位な映画界で
もがき奮闘する特殊造形師のマチルダ。
現代ロンドンで、ある出来事をきっかけに
自分の才能を見失い葛藤する
CGクリエイターのヴィヴ。
映画の特殊効果に魅せられた二人の人生が
一本の映画を通じて繋がり合う。
創作者の情熱と苦悩を、リアルかつ力強く描いた直木賞候補作。
文庫化にあたり、2024年にアカデミー賞〈視覚効果賞〉を受賞した
『ゴジラ-1.0』などについて熱く語った「文庫版あとがき」を収録。
単行本 2022年4月 文藝春秋刊
文庫版 2025年3月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
とても面白かった。
何より、描写がすごくて、制作の現場が丁寧に描かれていて、特殊造形の舞台裏を覗かせてもらっているようだった。
ヴィヴがなぜそんなに落ち込んでいるのか、マチルダがなぜ辞めてしまうのか、少し納得できない気もしたけれど、そんなことは気にならなくなるような臨場感だった。
あらためて、『2001年宇宙の旅』を見てみたいと思った。
Posted by ブクログ
規模が全く違うけれど同業者。監督や演者の物語は数あれど、特殊造形やCGが主人公って新しいな!?ということにまず驚いた。ちゃんと説明してくれるけど、CG知らない人にリグやらIKやら分散レンダリングやらわかるのかな?と余計な心配をしてしまった。文庫版あとがきが楽しく、作者さんの視覚効果賞への情熱と、改めてゴジラ-1.0の凄さが感じられた。(山崎監督の「自分でやりたくならないようにスタッフには天才しか置かない」という話良すぎる)
女性が映像業界で生きていくことが大変なのはわかるけれど、マティもヴィヴもメンタル弱めなのであまり共感できず。自分にとっては遙か頭上のお方たちなのでそんなに悩むことないのに…と思うけれど、アナログへの劣等感や、スタッフロールに名前が出る喜びは業界あるあるだよなぁと感じた。