深緑野分のレビュー一覧
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ネタバレSFではない短編もあるが、SFとして読む。
宮内悠介 「国境の子」
対馬と韓国は近いのね。
藤井太洋 「月の高さ」
お金のない劇団って大変そう。影のない太陽を見てみたい。
小川 哲 「ちょっとした奇跡」
自転が止まった地球で生き残った人類のたった2隻の船が180度離れて燃料が無くなる1200年後まで走り続ける。ちょっとした奇跡があってもいいじゃないか?でも本当にちょっとした奇跡だ。
これが一番好き
深緑野分 「水星号は移動する」
移動式宿 水星。 人情物で連載はできそう。マーキュリーの意味を調べる
森 晶麿 「グレーテルの帰還」
ヘンゼルとグレーテルを読み直さなきゃ!
老人は殺しても良い?だめでしょう。
石川宗生 「シャカシャカ」
地表が突然シャッフルをはじめた!? 設定が奇抜で、構成も奇抜で、
最期まで読んで、そうきたか! でも救われない。 -
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◼️深緑野分「カミサマはそういない」
イヤミス風にしたというダークな物語集。
深緑野分は「オーブランの少女」「「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」を読んでいる。後の2作は戦争もの、戦時もので外国人が主人公。どちらも直木賞候補作となった。今作は女性ばかりの「オーブランの少女」と真逆、すべて男性が主人公の物語集となっている。
危害を加えないストーカー行為、SNSにある情報から個人を特定してリアルに顔を見ることを趣味としている男は、今回もターゲットを絞り、その男のアパートへ出向く。しかし、身を隠そうとして入った藪で、ターゲットの男の部屋を盗撮している男を見つけるー。(ストーカーvs盗撮魔)
紹介したのは現代劇だが、SF的な要素の話も満載だ。見張り塔での狙撃兵の話、危険な太陽の光が1年に1度降り注ぐ世界と隠り世のような空間、自分をいじめる仲間と異次元の遊園地に入り込み、殺人鬼に追われるホラーものなど。ラストの、陸の大半が海に沈み、規制の厳しい政府が、官製の少ない音楽しか流さなくなった中で海賊ラジオ放送を探す篇では少し希望が見えて終わる。
ストーリーの成り行きはダークで、救いが無い。イヤミス風の短編集を意図したそうで、なるほど嫌な感覚があふれ苦い味が残る読後感。ストーカーと盗撮魔はまだコミカルな方だ。
暗さの中にほのかな灯りが見えそうでも握りつぶしたりする。のだが、この絶望感のある設定の中どこかに希望を探すのが人のさがで、この手の話はその希求を目的としているのかも知れない。だから最後には少々のカタルシスが心地よく感じるのかも。
ホラーも多少読むから、読んだことのない展開というわけではなく絶望感の表現も惹かれるものはある。恒川光太郎「南の子どもがよく行くところ」のディスペア度合いといったらなかなかだったし。思い切った設定も結構好みではある。
まあまず、ふむふむ、といった読書でした。作家として深緑野分は興味を持ってるので、また折にふれ読もうかな。 -
Posted by ブクログ
キャッチーなタイトルに惹かれて読んでみた。アンソロジーは読んだことのない作家さんに出会えるよい機会なので、ときどき読むようにしている。
よかった順に、「夏も近づく」、「味のわからない男」、「好好軒の犬」、「どっしりふわふわ」、「エルゴと不倫鮨」。
「夏も近づく」に出てくる料理はどれもシンプルで美味そう。塩むすびとか、筍ご飯とか。可哀想な生い立ちの葉月くんが、叔父さんの料理で癒されていく姿が清冽でよい。
「どっしりふわふわ」は年の差20位のパン職人カップルのお話。ラスト2頁で種明かしされるミスリードについては、これがあるのとないのとでは、どれだけ読後感が違ってくるのか、オチを知ってしまった後では何ともよく分からないが、ない方が良かった気がする。
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ネタバレ本の町 読長町にある巨大な書庫「御倉館」は本の盗難を防止するための警報装置を有しているが、それは普通のものではない。「御倉館」を管理する御倉家のひとり深冬は本が好きではないが、その警報装置によって物語の世界を巡ることとなる。
2021年度本屋大賞ノミネート作品。2025年にはアニメ映画化もされている。ファンタジーな内容がすごくアニメ映画に合っているなあと思う。
結局、たまきと契約しておかしな警報装置を作り上げてしまったのは、読長神社の神様だったという話だけど、元は稲荷として奉られていたものが、本の町としての町おこしによって別の神様を祀るようになったという経緯も影響してそうだなあと思った。なんか大人たちの至らなさに子どもが振り回されてしまったというストーリーになってて、かわいそうな感じもしたけど、それによって再び本と向き合えるようになったのは良かった(もともと本を嫌いになったのも祖母のせいだけど…)。ファンタジーな要素が結構あるけど、最後にはそれぞれに納得のいく形で説明がなされて、TRPGのシナリオみたいで良かった。