深緑野分のレビュー一覧

  • 戦場のコックたち

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    第二次世界大戦の戦場で、コック兵として従軍する主人公の視点から描かれる物語は、戦争文学としてもミステリーとしても新鮮でした。
    戦場の緊張感の中で繰り広げられる日常の描写がリアルで、特に食事を通じた人間関係の描き方が素晴らしかったです。
    ただ、前半の展開がやや冗長に感じられ、物語に没入するまで時間がかかりました。
    それでも後半にかけて戦争の過酷さと人間ドラマが丁寧に描かれており、読後には深い余韻が残る一冊でした。

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    2026年07月03日
  • 注文の多い料理小説集

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    面白かった。料理に纏わるアンソロジー。

    まず一話目の柚木さんの文章に勢いがあってグイグイ読ませてくる上に、どの話も興味深くて一気読み。

    柚木さんの「エルゴと不倫鮨」、江戸時代を舞台にした坂井希久子さんの「色にいでにけり」が好きだった。

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    2026年07月01日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    「食」がテーマのSFアンソロジーです。SFを読み慣れない私でも、「食」という身近なテーマで、さらに短編なので、読みやすかったです。

    どれが好きというのはあまりなかったのですが、作家さんごとに描く世界観の違いを楽しめました。近未来な世界観では、どうしても「食」を楽しむという概念が薄れていくものなんですかね。。

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    2026年06月22日
  • 旅する小説

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    ネタバレ

    SFではない短編もあるが、SFとして読む。
    宮内悠介 「国境の子」
    対馬と韓国は近いのね。

    藤井太洋 「月の高さ」
    お金のない劇団って大変そう。影のない太陽を見てみたい。

    小川 哲 「ちょっとした奇跡」
    自転が止まった地球で生き残った人類のたった2隻の船が180度離れて燃料が無くなる1200年後まで走り続ける。ちょっとした奇跡があってもいいじゃないか?でも本当にちょっとした奇跡だ。
    これが一番好き

    深緑野分 「水星号は移動する」
    移動式宿 水星。 人情物で連載はできそう。マーキュリーの意味を調べる

    森 晶麿 「グレーテルの帰還」
    ヘンゼルとグレーテルを読み直さなきゃ! 
    老人は殺しても

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    2026年06月19日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    本の愛書・蒐集家一族の四代目で祖母のせいで読書嫌いとなった女子高生深冬が、童話、ハードボイルド、スチームパンク、心象小説風(父あゆむの)私小説、(あゆむの)手記と本の世界に迷い込み、一族の書庫から盗まれた本を取り戻そうとする額縁小説。作中作は文体に技巧を凝らしているが、わざと拙さを残しており、最後の手記であゆむの作とわかる。さらに最後にこの小説自体が深冬の書いた小説と額縁小説の技巧満載。主人公の直情、考えなしには高校1年生とはいえイライラする。

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    2026年06月19日
  • ベルリンは晴れているか

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    ちょっと難しかったです。
    また、登場人物が海外の方なんでカタカナ名前が頭に入って来なくて、すでに登場していた人も、新しい人と勘違いしてしまうことが何度もありました。

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    2026年06月05日
  • カミサマはそういない

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    ◼️深緑野分「カミサマはそういない」

    イヤミス風にしたというダークな物語集。

    深緑野分は「オーブランの少女」「「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」を読んでいる。後の2作は戦争もの、戦時もので外国人が主人公。どちらも直木賞候補作となった。今作は女性ばかりの「オーブランの少女」と真逆、すべて男性が主人公の物語集となっている。

    危害を加えないストーカー行為、SNSにある情報から個人を特定してリアルに顔を見ることを趣味としている男は、今回もターゲットを絞り、その男のアパートへ出向く。しかし、身を隠そうとして入った藪で、ターゲットの男の部屋を盗撮している男を見つけるー。(ストーカーvs盗

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    2026年05月26日
  • この本を盗む者は

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    映像化のポスターに惹かれて手に取った一冊。
    次々と謎が押し寄せる展開に、
    「最後はどう着地するのだろう」と先を急ぐように読み進めた。

    ただ、普段から読んでいる小説に比べると、
    全体的に少しライトすぎる印象があり、
    個人的には物足りなさが残った。
    とはいえ、設定や世界観は非常に魅力的。
    だからこそ、これから新しくファンタジー小説を読み始めたいという人には、
    最初の入門書としておすすめできる作品だと思う。

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    2026年05月16日
  • 戦場のコックたち

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    一人一人の登場人物の個性、役割がはっきりしていて感情移入しやすかったです。

    戦時中の日常の謎時を題材にしているのがとても斬新でした。

    戦争のお話が中心なのかミステリーが中心なのかちょっと焦点がぼやけてる気がします。どちらもちょっともの足りませんでした。

    ただ、登場人物のキャラクターや心理描写が良く、ヒューマンドラマとして楽しめました。

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    2026年04月15日
  • 注文の多い料理小説集

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    キャッチーなタイトルに惹かれて読んでみた。アンソロジーは読んだことのない作家さんに出会えるよい機会なので、ときどき読むようにしている。

    よかった順に、「夏も近づく」、「味のわからない男」、「好好軒の犬」、「どっしりふわふわ」、「エルゴと不倫鮨」。

    「夏も近づく」に出てくる料理はどれもシンプルで美味そう。塩むすびとか、筍ご飯とか。可哀想な生い立ちの葉月くんが、叔父さんの料理で癒されていく姿が清冽でよい。

    「どっしりふわふわ」は年の差20位のパン職人カップルのお話。ラスト2頁で種明かしされるミスリードについては、これがあるのとないのとでは、どれだけ読後感が違ってくるのか、オチを知ってしまった

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    2026年04月13日
  • この本を盗む者は

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    本が中心のお話だけあって、作中作がたくさん登場。ちょっと設定があやふやに感じるところもあったけど、映画化もされたみたいだし、映像で見た方がそれぞれの物語の世界観がもっと伝わりやすいかも。

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    2026年04月06日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    本の町 読長町にある巨大な書庫「御倉館」は本の盗難を防止するための警報装置を有しているが、それは普通のものではない。「御倉館」を管理する御倉家のひとり深冬は本が好きではないが、その警報装置によって物語の世界を巡ることとなる。
    2021年度本屋大賞ノミネート作品。2025年にはアニメ映画化もされている。ファンタジーな内容がすごくアニメ映画に合っているなあと思う。
    結局、たまきと契約しておかしな警報装置を作り上げてしまったのは、読長神社の神様だったという話だけど、元は稲荷として奉られていたものが、本の町としての町おこしによって別の神様を祀るようになったという経緯も影響してそうだなあと思った。なんか

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    2026年04月05日
  • 注文の多い料理小説集

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    「夏も近づく」がかなり好きだった。自然の中でできることだけをして暮らしていく姿が素敵。葉月がのびのび過ごせますように。
    「しっとりふわふわ」はパンが食べたくなる。人を思う気持ちの大切さ。

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    2026年03月28日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    う~~~~~ん、長かった……。いつだかの本屋大賞にノミネートされていたので読んでみたんだけど、今アニメ映画にもなってるみたいだし映像映えしそうだから映画だけ見れば十分だったかもね……。
    舞台設定は現代寄り。本が盗まれるとブックカースが発動して本の世界に閉じ込められる。ベースが現代っぽいローファンタジーなので読みにくくはなかった。(私は世界観が作り込まれたハイファンタジーはハリーポッター以降手をつけてないほど苦手だ)
    どなたかのレビューで書いてあったけど確かに全員のキャラが薄いし魅力的には映らなかったな。それでも深冬の書いた物語としてふたりと再会するラストはわりとグッときた。

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    2026年03月22日
  • カミサマはそういない

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    不気味で不可思議な世界感が楽しめる作品でした。

    一つ一つの世界観が作り込まれており、不気味な世界にすぐに没入出来るのか魅力的だと思いました。

    短編ではなく長編で読みたい作品と幾つかあり、そこがちょっと勿体無いと思いました。

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    2026年03月12日
  • この本を盗む者は

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    1冊の小説で、色んなジャンルの物語を味わえる!登場人物がイキイキしていて、補足も説明くさくなく、とても読みやすかったです。

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    2026年03月04日
  • 注文の多い料理小説集

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    ネタバレ

     タイトルで買ってしまった。
     北信の湯田中の古本屋併設のフレンチのお店「やまブイブイ」。読書好きの女将さんの、おそらく読んだ本だろう。
     折しも、宮沢賢治の『注文の多い料理店』という短編集を読んだところだったので、目について、思わず手に取ってしまった。きれいな古本。200円はお買い得♪

     さて、誰から、どの作品から読むか?
     折しも、短編集を編むなら、作品の掲載順はどうあるべきかを読み友たちと語る機会があったので、果たして順番は大切か、それとも……、という思いを確かめる意味でも、この短編集は、今、読むべきだとも思ったのだった。

     結果、最初に読んだのは柚木麻子から。「エルゴと不倫鮨」
     

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    2026年03月03日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    身近で当たり前の「食」のあり方、描かれ方が、それぞれの作家によって考えもしなかった描かれ方をしていてついつい引き込まれてしまった。

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    2026年02月18日
  • 空想の海

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    音楽アルバムみたいな一冊。

    「海」は、まるでインストゥルメンタル。
    もちろん、本だから文字はあるのだけど。
    静かに、広く、海に漂う人を想う。

    個人的には「耳に残るは」が一番好きだった。
    「聴く」ということを巡るミステリー。
    声や音色、聴き覚えのある「それ」に、立ち止まる。
    今流れているものと、思い出す記憶が重なる、どっちにもなりきれない自分が立ち尽くしてしまう、不思議。

    深緑野分の選ぶ言葉は、懐かしい文学を纏っているように思う。
    しっかりとした物語が始まることに、いつもどこか安心に近い気持ちがある。

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    2026年01月31日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理に関する短編小説集。

    どの話も美味しそうで、ストーリーにも一癖あったり味がある。

    その中でも一番のお気に入りは
    伊吹有喜の「夏も近づく」。

    複雑な家庭の事情で、家を追い出された葉月という少年と、主人公の拓実。
    ぎこちなかった彼らの関係が、
    拓実の作った美味しい料理を二人で食べることで新しい人間関係が作られていく。

    夏の風景の清涼感もあり、大のお気に入りとなった。
    この作者の他の本も読んで見たくなった。
    こういう新しい世界が広がるのも、小説集の醍醐味ですね。

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    2025年12月30日