深緑野分のレビュー一覧
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深緑先生のデビュー短編集。
まずそのバラエティ豊かさに驚かされる。第2次世界大戦下のフランス、ヴィクトリア朝時代のイギリス、昭和初期のの女学校の寄宿舎、中世北欧の辺境地と舞台も時代も自由自在だ。飽きることなく読ませていただきました。以下、特に印象に残った感想を
「オーブランの少女」
表題作。非常に映像喚起力の高い文章。
緑の庭園、白い館、マロニエ並木、キングサリの藤棚、白いスカート、青い瞳、赤いリボン、軋む歩行具。
なぜ海外が舞台?と思いましたが、なるほどこの残酷な世界はフランス郊外がしっくりきます。
そして残酷な世界には少女達がぴったりなのです。
「仮面」
本当に最終番になってから、ただ -
Posted by ブクログ
ネタバレ第二次世界大戦敗戦直後1945年7月のドイツ。
ヒトラーは自死を遂げ、英米仏露の連合軍に分割統治されるベリリン。
幼い頃から英語版『エーミールと探偵たち』を読み耽っていた主人公アウグステは、その英語力のおかげでアメリカ領のダイナーで職を得ることができ、なんとか食いつなぐ生活基盤を持つことができた。
くたくたに疲れて帰ったある夜中、ロシア軍管轄の警察に有無を言わさず連行され、NKVDの将校ドブリギンに告げられたのは、かつて世話になったクリストフの毒殺死。
クリストフは戦時中はその富を隠蓑に反ナチ地下活動を支持し、戦後は同志文化部のチェロ奏者としてロシア軍の庇護下にあった。
妻のフレデリカが疑 -
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『オーブランの少女』
オーブランの美しい庭園で、ここの女管理人の老婆が殺される。その死体の近くにいた犯人とおぼしき人物は、人というにはあまりにも朽ち果てた姿で立っていた。たまたま娘と二人でこの庭園を散歩している途中、その惨劇に遭遇した「わたし」は、とある事情で入手した昔の日記を読み、ここで当時起きた恐ろしい出来事と、それが引き起こしたこの殺人の真相を知る。
『仮面』
霧深く、凍えるような寒さのロンドンの深夜。
貧乏で冴えない風采の町医者が、患者である女性を殺害するシーンから始まる。その動機は、あどけなく可憐な幼い踊り子の少女を救うため。彼に人殺しを持ちかけた人物の本当の目的は。。。
『大雨 -
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料理をテーマにしたアンソロジー。
女性作家ばっかりかなと思ったけど、中村航さんは男性かな?色んなテイストの作品が詰まっていて、美味しくて嬉しいアンソロジーでした。
以下お気に入り作品。
柚木麻子「エルゴと不倫鮨」
不倫を嗜む男たちの隠れ家的鮨屋に、明らかに場違いなくたびれたおばさんが襲来する。そのおばさんはなぜかとても料理に詳しく、次々と美味しそうなオリジナル創作鮨をオーダーしはじめ…まさにタイトル通り注文の多い料理小説。ラストのオチも痛快でよい。
伊吹有喜「夏も近づく」
悠々自適な田舎暮らしをしている主人公が、兄から半ば押し付けられる形で甥っ子を預かることに。田舎の豊かな自然と触れ合うこ -
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重厚なストーリーと、細部までこだわった緻密な描写で定評のある深緑野分さんのデビュー作品集。深緑さんというと長編のイメージがあるけれど、本書はタイトル作品をはじめとする5編の短編小説で構成される。共通項は「少女」である。
大人でもなく、子どもでもない、どこか不安定な存在である少女。そして、大人の狡知と、子どもの残酷さを兼ね備えた存在である少女。本書は、時代も国も、はたまた住む世界さえ違う少女たちを描き、そのどれも高い物語性を帯びている。さすが深緑さん、デビュー作からしてこれか!
深緑さんの作品は、不思議とどこか海外文学のような雰囲気が漂う。考証を重ねて構築された世界観がそう感じさせるのか、ど