深緑野分のレビュー一覧

  • オーブランの少女

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    日本人が日本語で書いているはずなのに、
    ディケンズの翻訳ものを読んでいるような
    「高貴な」感じが漂っている。

    舞台設定も、どことも分からぬ異国
    (後に判明しますが)だったり、
    大正時代(?)の女学校の寄宿舎だったりと、
    今となっては誰も「正解」を知らない世界で...
    中々の「異世界」感(^ ^;

    でもその設定の中で、
    揺れ動く登場人物の心象が丁寧に綴られており、
    また日常の何気ない生活の一コマが
    ありありと眼に浮かぶリアリティがあって(^ ^
    ものすごい「名作感」がにじみ出ている(^ ^;

    創元推理文庫だし、一応はミステリに分類しましたが、
    「謎解き成分」は主ではない感じ。
    何と言うか、

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    2020年07月30日
  • オーブランの少女

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    少女にまつわる5つの短編ミステリー。
    それぞれ全く異なった時代や国を背景にし、その描かれる世界観が魅力的。ミステリーだけれどファンタジーを読んでいる気分になる。
    とくに自然の風景を伴う描写が好きでした。
    解説でモチーフや発想の起点となった作品が紹介されていたのも個人的に嬉しいポイントでした。

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    2020年06月17日
  • オーブランの少女

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    ネタバレ

    短編集だが、各話とも異なる世界観があり、長編になってもおかしくない。次は、どんな時代のどこの話だろうとワクワクしながら、読むことができる。

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    2020年05月24日
  • オーブランの少女

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    「戦場のコックたち」を読んで、この本も読んでみたいと思った。
    異なる時代、異なる場所を舞台にした“少女”を巡る5つの物語。
    ひとつにテーマを決めて書くのはなかなか難しいと思うが、これが変幻自在。
    どの話も捻りが利いているが、謎解き以前に、設定に合わせてガラリと変わる文体やせりふ回しでそれぞれの時代や舞台を醸し出す語り口に惹かれた。

    オーブランの少女…「戦場のコックたち」を読んだ後なので、作者が第二次世界大戦下のヨーロッパについて何かしら書かねばならないという思いが強いことを改めて知れる。
    仮面…時代の雰囲気といった点ではこの作品が一番。哀れな男とそれを利用する少女の強かさが際立つ。
    大雨とト

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    2020年05月05日
  • オーブランの少女

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    解説にあった「物語の起爆剤としてのミステリー」という言葉がこの作品を表していると思う。

    凝ったトリックやあっと驚く仕掛けだけがミステリではない。
    物語に深みを与えるフレーバーとしてのミステリ要素はもっと評価されて欲しい。

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    2020年03月09日
  • オーブランの少女

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    あれこれと雑事に時間をとられているうちに、すっかり久しぶりのブックレビューとなってしまいました。。
    手元立て込みやすく、読書すすみ難し……などと、思わずマイ慣用句をつぶやいてしまいたくなりますが、負けずに、めげずに、今年も少しずつ読んで、書いていきたいと思いますっ!

    というわけで、新年1冊目のレビューは深緑野分(ふかみどり のわき)『オーブランの少女』です。
    もともと、皆川博子さんがインタビューで今気になる若手作家として名前を挙げられていて、読んでみたいな〜と思っていた作家さん。
    本屋大賞にノミネートされていた『ベルリンは晴れているか』にもひかれつつ、ちょっと仕事や生活のタイミング的に大作に

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    2020年01月05日
  • 分かれ道ノストラダムス

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    ネタバレ

    自分の人生に確かにある分かれ道。
    何処へ行ったら、どうなるのか。
    考えたことのない人はいないだろう。

    でも、そこから始まったはずのあさぎの行動は思ってもいない方向へ向かって、犯罪に巻き込まれてしまう。

    深緑野分らしい青春ミステリー、面白いと同時にあの頃を思い出してほろ苦い。

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    2019年12月09日
  • この本を盗む者は

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    「戦場のコックたち」「ベルリンは晴れているか」を以前に読んだことがあり、ヒロインが、日本人のおはなしもあるのか、と、文庫になったのもあって読んでみました。なんだかアニメっぽい感じのファンタジーでした。中学生向きなのかも。

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    2025年11月30日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    SFアンソロジー。須賀しのぶ目当てで読む。私好みなのは竹岡葉月の『E.ルイスがいた頃』かなー青春って感じ。正直食欲をそそられる話は無かったw

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    2025年11月26日
  • ベルリンは晴れているか

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    本の厚さもそうだけど、文字も小さめで結構なボリュームだった。ナチス・ドイツ。敗戦して米国の兵員食堂で働く主人公アウグステ。
    当たり前だけど、名前が横文字でなかなか覚えれなくて苦戦。
    印象に残ったアウグステの一面。戦争というものがそうさせてしまったのだろう。
    ”敵よ、この街を燃やせ。私から父と母、そして妹を奪ったこの国を燃やし・・・人間の形をしたこの罪深い害虫を薙ぎ払い、鉄槌を下せ”少女の言葉とは思えないですよね。「鉄槌を下せ」なんて。

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    2025年11月24日
  • この本を盗む者は

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    主人公と一緒に追体験しているような作品だと思う。何が何やらな状況からこのファンタジーの世界が理解できるようになり、最後にはどんな結末が待っているのかワクワクさせてくれる。

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    2025年11月21日
  • 旅する小説

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    ネタバレ

    ・宮内悠介 「国境の子」
    対馬生まれ韓国人とのダブルの話
    ・藤井太洋 「月の高さ」
    〇小川 哲 「ちょっとした奇跡」
    自転がほぼ止まった地球で明暗境界を移動するカティサーク号の少年は、地球の反対側で同じことをしている車へと出発する。
    ・深緑野分 「水星号は移動する」
    〇森晶麿 「グレーテルの帰還」
    グレーテルはヘンゼルに誘導され魔女(祖母)を焼き殺す。
    〇石川宗生 「シャカシャカ」
    地表が突然シャッフルを始め、時間と空間が円環する。

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    2025年11月09日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理をテーマにした7人の作家さんによるアンソロジーです。

    こちらのお目当ては柚木麻子さんと伊吹有喜さん。あと未読の井上荒野さんが気になってました。装丁のデザインとタイトルがなかなか洒落てますよね。

    『エルゴと不倫鮨』柚木麻子
    最初は不倫の話かぁ…ちょっと嫌だな、と思いきや、さすがの柚木さん。吹き出しそうになるくらい痛快でおもしろかったです。

    『夏も近づく』伊吹有喜
    自然の中で食べるちゃんと手をかけた料理が本当においしそうでした。

    『好好軒の犬』井上荒野
    初めましての井上荒野さん。最初から最後まで独特で不穏な雰囲気のあるお話でしたね。

    『色にいでにけり』坂井希久子
    こちらも初めましての

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    2025年10月28日
  • カミサマはそういない

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    男主人公しか出て来ないイヤミス短編集
    とっても読みやすい7篇、著者初読
    正直読みやす過ぎる上、敢えてなのか不明だが何を書きたいのか理解出来ずこの本のタイトルで無理矢理自己完結しながら読む
    1、伊藤が消えた
    2、潮風吹いて、ゴンドラ揺れる
    3、朔日晦日
    の前半3篇でげんなり。イヤミス書こうとしか考えてないのかと思うほどツッコミどころ満載

    4、見張り塔
    でおろろろろろ
    手塚治虫×星新一のような世界観と捻りの効いたオチに姿勢を正す(SFだからとか思いたくない)
    5、ストーカーvs盗撮魔
    はまさに世にも奇妙な物語な内容は普通だったが
    6、饑奇譚
    は大好物の救いのなさにええやん!シューッ!は?
    とな

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    2025年10月27日
  • 旅する小説

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    「旅」をテーマに、気鋭の作家陣が短編を寄稿したアンソロジー。とはいえ旅の解釈はそれぞれであり、SFだったりミステリーだったり、各人の特徴が出ている内容となっている。

    個人的な好みは藤井太洋さんの「月の高さ」。ご本人の経験を踏まえた舞台芸術の置かれた現状、地方巡業のドタバタ感、枯れたおじさんと若い女性の緩い連帯といった内容が小気味よくロードムービー的に展開されていて面白かった。

    一方で石川宗生さんの「シャカシャカ」については正直よく理解できなかった。地表がシャッフルされるという話のメタ構造として、各章の順番もシャッフルされていく流れなのだけど、いきなり話と場所が飛んでしまうためについていけな

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    2025年10月13日
  • この本を盗む者は

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    ネタバレ

    個人的には詰め込みすぎ感があって、もう少しあいだあいだにひと休みがあれば読みやすかったと感じました。
    作中の物語とか、話の基盤にはわくわくしました。

    映像になった方が頭に入って行きやすそうな気がするので、映画化はいいと思います。

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    2025年09月25日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    8人のSF作家による、食をお題にした短編集。

    新井素子氏以外、全く知らない。
    人それぞれの発想で、普通に読める。くらい。

    一世風靡し、世の中の一角を一変させてしまった、素子構文健在。昔どハマりした。
    相変わらず、笑顔で人間を解体するような人。
    舞台がSFっぽいが、内容がSFでも何でもないところが何だか。ちょっと期待と違った。

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    2025年09月19日
  • この本を盗む者は

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    すらすらと読めた。

    フェアをやってたから読んでみたけど、なかなか面白かった。

    『嘘の木』が好きな人ならこの本も好きになるだろう。その逆も。

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    2025年09月14日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    新井素子さんの「切り株のあちらに」はSFとしながらも、現実の少子化、移民、食糧問題、戦争などの問題の根本がとこにあるかを著者流の考えで示していて、私にはまったく考えていなかった視点があり蒙を啓かれた。
    とくに主人公の行動により以降に起こるかもしれないと祖父が考えている危機については、人を助けるということでも裏の裏まで考えて行動しなければいけない、という示唆が素晴らしかった。

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    2025年09月05日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    『E.ルイスがいた頃』はちょっとノスタルジックで良かった。
    『切り株のあちらに』はちょっと考えさせられる。

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    2025年09月03日