浅見雅男の一覧
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ユーザーレビュー
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作者は近代の皇族・華族に関する著作を多く手がけ、本書は同名の単行本の文庫化。
国家の藩屏としての皇族達がどのように拡充され、また特に旧日本軍においてどのように優遇されてきたかが如実に表されており、勉強になる本です。
制度を作る側にあった伊藤博文ほかの元老たちの苦悩、あるいは高松宮殿下が軍隊にあって自
...続きを読むらへの厚遇にいらだちを強めていたさま等、かなり意外なエピソードも多く、近代皇室史を知る上では是非読むべき一冊と思います。
Posted by ブクログ
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岩倉具視の曾孫が「赤化華族」として検挙、釈放後自殺・・・
以前から気になっていた、戦前の昭和を騒がせた事件。
以前おもしろく読んだ、林えりこ『日本女子大桂華寮』について
批判的な部分もあり、襟を正して読む。
「皇族の藩屛たる華族」の制度が消えた令和の御代、
皇族の結婚に世間は大騒ぎ・・・
隔世の
...続きを読む感。
Posted by ブクログ
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明治以降の皇室通史かと思ったのだけれど、少々違った。でも、
これはこれで面白い。
明治以降の皇室について「皇室典範と宮家」「皇族という人々」
「皇室と結婚」「皇室と外国」「皇室と財産」の5章に分けて解説
している。
小泉政権下で女性天皇・女性宮家に関する議論が行われたが、
秋篠宮悠仁
...続きを読む親王殿下ご誕生で皇統継承の心配が解消されて
から立ち消えになった。
しかし、振り返ってみれば明治からずっと皇統への不安は常に
存在していたんだ。
明治天皇の唯一の皇子であった大正天皇は幼少期より病弱で
あり、明治天皇はこれを心配されていた。だから、江戸期より
伏見宮、桂宮(三笠宮家次男の故・桂宮殿下とは無関係)、
有栖川宮、閑院宮の四親王家だった宮家は、明治期になって
急激にその数を増やした。
皇統への心配と、明治天皇の皇女の嫁ぎ先として新たな宮家が
必要だったからなのだが、この宮家急増が後に様々なゴシップを
も生み出す結果になる。
その一番の例が昭和天皇の后であった香淳皇后のご実家であった
久邇宮家。
当時、皇太子であった昭和天皇と香淳皇后のご婚約に対し、一部の
人々の間で「香淳皇后の家系に色覚異常の遺伝あり」を理由にして
婚約解消を迫った「宮中某重体事件」の概要は知っていた。
この時、大正天皇は既に病厚く公務から退いてはいたが、婚約解消
に抗議する手紙を久邇宮家は大正天皇宛にではなく、后である貞明
皇后宛に送っていたのか。
大正天皇を敬い、宮中の規律を重んじる貞明皇后を激怒させている
とは知らなかった。そりゃそうだよな。病床に就ているとは言え、大正
天皇はその位におわすのだから。
そうかと思えば早くから決まっていた久邇宮家の朝融王の婚約につい
ては相手方のありもしない噂を根拠に解消しようとするし。もしかした
ら、昭和天皇ご夫妻と貞明皇后との間がぎくしゃくしていたというのに
はこの辺りの事情もあるのかな。
天皇家をお守りするはずの皇族なのだけれど、明治・大正・昭和と、
天皇家を困惑させた皇族が必ずいたんだな。
ゴシップ多めなので皇室に興味のない人でも巻末の皇族の系譜図を
参照にしながら楽しめると思うし、明治の皇室典範を明治天皇自ら
反故にしている点にもびっくり。
近年の皇室では皇太子妃殿下と秋篠宮妃殿下の、ご実家の対比が
興味深かった。結婚に伴い宮内庁から支度金として3000万円と1000
万円が用意された。金額の違いは皇太子妃と宮妃の違いから来る
ものだが、紀子妃殿下のご実家・川嶋家は嫁入り道具購入の請求書
や領収書で清算することを希望し、全額は使用しなかった。
一方、東宮妃殿下のご実家・小和田家は現金で3000万円を受け取って
いる。ご成婚前、嫁入り道具のひとつとしてワイドショーなどで紹介され
ていたあの金箔箪笥もお支度金から購入されたのかしらね。小和田家
では受け取らな かったようだけれど。
尚、「明治天皇の玄孫」「旧皇族」「元宮家」などと言ってタレントまがいの
活動をしている竹田某。元皇族だったのは彼のおじい様であって、彼の
父親も臣籍降下してから誕生しているので「明治天皇の玄孫」以外は
詐欺行為である。
Posted by ブクログ
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日本の首相がコロコロと変わっていた頃、情報バラエティ番組で「戦後
の短命内閣」に必ず出て来たのか敗戦直後の東久邇宮内閣である。
日本の憲政史上唯一の皇族総理大臣であり、「一億総懺悔」を唱えた
人くらいの認識しかなかった。現在と違って戦前は宮家や皇族が多く
て覚えきれないのだもの。
最初
...続きを読むで最後の皇族総理大臣であった東久邇稔彦王の、総理大臣辞職
までを描いたのが本書である。著者である浅見氏の作品はどれも饒舌
なのだが本書もそうだ。
稔彦王は102歳と長寿だったので、臣籍降下後までを浅見氏が描いた
のなら、とんでもないページ数になるんじゃないか。だって、本書でさえ
参考文献リストまで入れたら500ページ近いのだから。
父は久邇宮朝彦親王。宮家は長男が跡を継ぐのだが、明治天皇の皇女
の降嫁先確保の為にいくつかの宮家が創設された。朝彦親王の九男で
ありながらも稔彦王は独立した宮家を営むようになった。
それなのに「内親王との結婚は嫌」とか駄々をこねたりしているし、皇族
であるからこそ潤沢な予算を与えられているのに、事あるごとに「皇族、
辞めたい」と言い出すわでけったいなお人である。
フランスに留学させれば日本にいる時には味わえなかった自由な空気に
触れたせいか、なんのかんのと理由をつけて留学期間を伸ばそうとする。
日本政府が難色を示すと、またまた「帰国するから皇族辞めさせろ」と
脅しまくり。稔彦王帰国の説得には秩父宮殿下まで駆り出されている。
お気の毒である。秩父宮殿下が。
一言で片づけてしまえば「我がまま」。だけれど、その我がままを許さなけ
ればならなかった事情が当時の日本の皇族の在り方だったのだろうなとも
思う。
2.26事件の際、青年将校たちが秩父宮殿下を担ごうとしたように、クーデタ
ーを目論む輩が稔彦王に近づいたりして、木戸幸一や西園寺公望の秘書
であった原田熊雄をハラハラさせている。稔彦王自身、先鋭化していた
時代もあって昭和天皇批判なんてしちゃってるし。
戦後もさまざまなスキャンダルに巻き込まデているのは、稔彦王自身の
性格に拠るところが大きいのじゃないかと思った。
時系列が行きつ戻りつするので読み難さはあるものの、昭和史を生きた
皇族の記録としては為になる部分が多かった。
しかし、著者自身、稔彦王があまり好きではないのかな。文章から対象へ
の愛情が感じられなかった。読んでいても確かに稔彦王みたいな人が
身内にいたら嫌だろうなとは思った。
だって、皇族だからこそ好き勝手できたはずなのに「特別扱いは嫌」で
臣籍降下を切り札にするのだもの。
Posted by ブクログ
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新書で「150年史」などというタイトルは大風呂敷を広げ過ぎであろう。内容は皇室典範、皇族の変遷、結婚、外交、財産などカテゴリー別にエピソードを集めた内容である。興味深かったのは、なぜ皇室とベルギー王室が仲が良いのかという下り。ナチスに屈服し、戦争責任を問われる立場だった父の譲位を受けたボードワン1世
...続きを読む、そして、昭和天皇の息子である皇太子が、共に肩身の狭い立場から国際社会での地位向上を目指したという指摘はよく理解できる。江沢民に謝罪し、紀元節に反対した「赤い宮様」、三笠宮の事績もコンパクトに紹介されている。皇室にも相続税がかかり、昭和天皇の遺産は約20億円で、今上天皇が約4億3千万円を納税したことなども興味深く読んだ。途中、東宮批判が入るのは、筆者岩井氏の思いが強く反映されていると言えよう。
Posted by ブクログ
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