日本のフェルメールシンジケートなる人物、秦新ニ氏による、フェルメール解剖本。
フェルメールは謎が多い。知られた作品は37作品ほどで、その人物像も多くは語られていない。そして、日本にもファンが多い。
私もフェルメール、好きです。
フェルメールの作品もカラーで大きく一枚ずつ紹介されており、ビジュアル
...続きを読むも楽しめる。
フェルメールの作品をめぐる歴史や、作者自身がどうやってフェルメールの世界に足を踏み入れたか、世界に散らばるフェルメール作品を、いかに交渉して借り、日本に運び展示することができたか、その過程も知ることができる。
また、フェルメール研究の世界的権威の人物の話や、今現在、フェルメールの絵を旅させることができる、世界の限られたシンジケート(画家によってそれぞれシンジケートのグループはあるらしい。印象派やレンブラントなど。レンブラントのシンジケートは、同じオランダ画家ということでほぼメンバーは同じとのこと)の人々のことなど、フェルメール作品の裏面史を知ることができるのも面白い。
この前NHKの特集で見たメーヘレンによる贋作事件や、Netflixに入っているガードナー美術館の盗難事件により盗まれた合奏などの話もあり、フェルメール作品は、そのエピソードも濃厚なものがあると改めて感じた。
巻末には、フェルメール全作品をどうやったら見ることができるか、ヨーロッパやアメリカの美術館を巡るための旅の参考行程も詳しく記載されていて、とても親切。
私が興味深く感じた作品は、2枚しかない風景画の、「デルフトの眺望」と「小路」。
2枚しかない男性モデルの絵、「地理学者」と「天文学者」。
2枚しかない頭部のみの肖像画、「真珠の耳飾りの少女」と「少女」。
これらをそれぞれ見比べてみたい。
(並んで展示されることは、門外不出の作品もあるので難しそうだけど)
作者が2018年、10点のフェルメール作品を集めて展示を企画した。
来日させるべく交渉していたのは、「窓辺で手紙を読む女」だったが、修復間に合わず断念したらしい。
そしてその完成された作品は、今年、東京都美術館で見ることができましたね!(写真のパンフレット)
秦さんがこの企画に関わっていたら良いなと思って調べてみたけど、不明だった。
フェルメール。これからも知っていきたい画家の一人です。