黒面の狐

黒面の狐

小説・文芸
1,119円 (税込)

5pt

4.3

あの真っ暗闇の奥から、何かが私を凝っと覗いている!
ホラーミステリーの旗手による新シリーズ、ここに開幕。

戦後まもない混乱期。
主人公の物理波矢多(もとろい・はやた)は満洲の建国大学から日本に帰国し、足の向くままに北九州の炭鉱で炭坑夫となって働き始める。
波矢多は同じ炭鉱で働く美青年・合里光範(あいざと・みつる)と意気投するが、彼もまた朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に罪悪感を負っていた。

やがて同室の合里が落盤事故で坑道に取り残されたのを皮切りに、炭坑夫が次々と自室で注連縄で首を括るという、不気味な連続怪死事件に遭遇する。
現場からはいつも、黒い狐の面をかぶった人影が立ち去るのが目撃され……。
敗戦に志を折られた波矢多は、相次ぐ変死体と“狐面の女”の謎を解けるのか。

細密な炭坑の描写の中から、じわじわと迫ってくる恐怖と連続する密室殺人の謎。
本格ミステリとホラーの魅力を併せ持った、著者の本領発揮の傑作長篇。

解説・辻真先

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黒面の狐 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    三津田氏の本では『どこの家にも怖いものはいる』がダントツで一番好きだったのだが、この『黒面の狐』はそれに並んだ印象。

    ただ、その要因の多くは単に私が個人的に好きな炭鉱という世界観が全面に出ているからというのが否めないので、炭鉱に興味のない人が本書を手にした場合にどのくらいのめり込めるのかはちょっと分からない。

    逆に言えば、まぁイマドキという表現をするのもナンだが、歴史系の本でもないのに炭鉱を舞台にしたエンタメ小説が読めるなんて、これはもうそういう方面が好きな人には滅多にないラッキーチャンスなのではないか。かつての日本の一大産業であった炭鉱という、独特の文化や社会の雰囲気を存分に味わいながら、民俗学やホラーやミステリの要素を堪能できる。西の方言が使われているのも良い。現地の人はどうか知らないが、関東の人間からするとこの方言もまた作品の世界観の構築に貢献している。

    冒頭の小話や、主要登場人物の一人である南月氏の語る過去の体験談などが何気に全体の雰囲気作りに効いている。どこかで何かの点と繋がりそうな、やはり繋がらなさそうな、でも何かしら共通するゾクゾク感があって、これらがどう作中の事件と絡んでくるのかワクワクする。

    ちょっと強引な解決方法だな、と感じる点もあるが、総合的な評価には影響ない感じ。そのマイナスを引いても余りあるエンタメ性がある。早速次の作品が読みたくなった。

    0
    2026年02月27日

    Posted by ブクログ

    けっこうな厚さで読めるかなと心配しましたが、話が面白く作品に惹き込まれてサクサクと読めてしまい、流石だと思いました。特に炭坑関係の話は読んでいてかなり勉強になりました。きちんと調べて書かれている文章は安心して読めます。
    すでに続編も刊行されているみたいですので早く読みたいと思いました。

    0
    2020年02月24日

    Posted by ブクログ

    文庫版で再読。
    初読時にはとにかく怖いということが先に立っていて、いろいろ気づけなかった面があったかも。この時代における歴史的背景や、その中で起こっていたさまざまな悲劇や。辻真先さんが解説で書かれておられるように、たしかにこういうことがあったというのは、あまり知られていないことなのかもしれません。とても重要なことなのだけれど。
    ミステリとしても、当時の事情を描いた小説としても、重厚な作品。……だけれど、一番の感想はやはり「怖い」ですよねえ。文庫版で新たに収録された「ある老炭鉱夫の話」がまた怖いのなんのって! ああ、やっぱり炭鉱は好きになれません。絶対行きたくない。

    0
    2019年04月25日

    Posted by ブクログ

    満州の地の最高学府、建国大学を出自としながら敗戦のショックにより地方を放浪する物理波矢多。九州にて炭鉱夫になる道を選んだ彼の前に現れた合里光範。自身と重なる部分の多い合里を中心に物理は炭鉱内での交友を深めていく。しかし鉱山内での爆破事故を契機に炭鉱夫たちは恐怖に見舞われる。事故と同時に行われた密室殺人、そこには炭鉱関係者のおそれる黒い狐のお面の人物がいたという・・・。

     元々刀城言耶シリーズの一作として考案されたということで事件解決への流れは非常に似ている。終盤の三転四転する推理のインパクトは抜群です。そして終戦の時代背景と炭鉱という社会をミステリー内に取り入れた歴史ミステリとしても非常に興味深い内容になっている。どうやらシリーズとしては各地を漂泊する物理がその場所での風土とともに不可思議な事件を解決していくというものらしい。また面白い探偵を見つけてしまった。さぁ次は灯台だ。

    0
    2023年03月02日

    Posted by ブクログ

    炭鉱が舞台の小説は初めて読んだし、炭鉱に関する知識は全く無かったのですが、著者の広い知識と説明のおかげで世界に入っていくことができました。

    後半は怒涛でほとんど一気読み!

    0
    2021年08月30日

    Posted by ブクログ

    犯人の推理が二転三転したり、説明のつかない謎の存在を残すところなど刀城言耶シリーズを彷彿とさせる。新しさは感じないものの誰が犯人なのか最後の最後まできりきり舞いさせられ、後半に進むほどおもしろかった。
    全体的なホラー要素は控えめだけれど、“地の底で誘惑してくる白い肌の魔性の女”という怖淫靡なゾクゾクと冒頭の老炭鉱夫の話だけで十分刺激的。
    炭鉱という歴史に生きた人々の運命の悲哀がいつまでも尾を引くラストで、かの青年の手記のような時代を再びくり返すことこそ真に恐ろしいとしみじみ思う。

    0
    2019年05月07日

    Posted by ブクログ

    相当時間を掛けて、6割程度読んで挫折。だいぶ前にも三津田信三さんは挑戦して駄目だったが、今回も挫折。

    0
    2020年06月25日

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