島田荘司の作品一覧
「島田荘司」の「占星術殺人事件 改訂完全版」「それはそれはよく燃えた」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「島田荘司」の「占星術殺人事件 改訂完全版」「それはそれはよく燃えた」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
1948年広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。 1981年、『占星術殺人事件』でミステリー界に衝撃のデビュー。以後、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』などの「御手洗潔」シリーズ、『寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁』『奇想、天を動かす』などの「吉敷竹史」シリーズを中心に、人気作品を多数生み出し、本格ミステリーの旗手として不動の地位を築きます。 2008年、第12回日本ミステリー文学大賞を受賞。 また綾辻行人さんを嚆矢とする新本格ミステリーの黎明期に、その擁護者として多くの作家のデビューに尽力。現在は「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾で「島田荘司推理小説賞」を主宰。新人発掘に力を注ぐ姿勢は変わりません。 「ゴッド・オブ・ミステリー」として敬われ、現代日本の本格ミステリー界に君臨する巨匠です。
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時代に取り残された男の悲劇
満州で生まれ、家族と共に日本に帰り着いた秋好であるが、不運につきまとわれ、戦後の好景気に取り残されたために貧困のスパイラルにとらわれ、それが後の犯罪につながったのではないだろうか。むろん、全てが本人の責任ではないが。
その原因は主に病弱の(かつては神童と呼ばれた)母、次々と死んでいく弟妹、父の突然死など…。
無論家族が悪いわけではない。だが、これらのどれがひとつでもなかったら、真面目な性格だった秋好英明は、ごく普通に人生を送ることができたかもしれない。
とは言え、本人がいくら真面目に働いても、いい加減な親戚や周囲の関係者たちが足を引っ張る。(いい人間もいるが…)
そして本人の内気で断れない性格や、厳しく叱責されたことがなかった経験(この辺りは現代の人にも当てはまりそう?)から、謝罪や都合の悪いことは口にできず、また、それらから何度も逃げる。
そして、自分に借金があることを隠して金遣いの荒い妻を娶り、ようやく借金を返し終わったと思ったらまた金をピンハネされたり浪費癖のある妻が数十万もする時計を勝手に買ったりと、要するに彼の人生は貧しさと、流されやすい性格、また逃亡癖、逮捕、投獄により最愛の娘を失い…と、とにかく積もり積もって人生の坂を転げ落ちていく。
英明はしょっちゅう金をなくす。落としたり騙されたり立て替えたのを返してもらえなかったり、盗まれたり…。最終的にはスロットマシンに手を出し、のめり込んでしまいには借金に追われる羽目になる。(とは言え、借金は踏み倒さずなんとか返していこうというのが彼の真面目さを表しているが…)借金を誤魔化すために嘘に嘘を重ねていく。
そして…。
内縁の妻となった女性の家族を殺害したとして死刑囚となるが、未だ執行されないのは何か理由があるからなのか。
秋好英明の凄絶な半生も緻密に書いてあり、また、逮捕されてから裁判、判決までについて、実に1/4近くを費やしている。
この本に書いてあることが全て真実かどうかはわからないが、文庫にすると、全編800ページ近くもあるという。
推理作家の島田荘司にこのような著者があるとは知らなかった。
司法の裁きが妥当か、戦後頻発した冤罪については、もしやこれもそうなのか…と色々と考えさせられる。
興味があれば、是非一読を。