島田荘司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新本格ミステリの傑作ということで、興味を持ち読ませていただきました。
やっぱり凄かった。トリックの発想は言わずもがな、平吉の手記のおぞましさや、御手洗を筆頭に交わされる小気味の良い会話が自分の懐にぐっと深く入り込んできました。40年間未解決の事件に挑むという設定であり、物語の起伏という面ではそこまで無かったように思いますが、数々の素人ホームズの考察や、豊富で分かりやすい図もあったことでそれでも最後まで飽きずに楽しむことができました。悔しかったのはすでにトリックの一部を知っていたという点でしょうか。知らなければもっと楽しめたのになぁと残念に思います。とはいえ、トリックの細々とした点、特になぜその -
Posted by ブクログ
ネタバレ光文社文庫で改めて再読すると、世にも不気味なアゾート殺人と占星術のギミックがこのトリックを伝説にしていると痛感する。あと、あろうことか真犯人を登場させるという大大大ヒントを真相解明前に出していることに気づいた。読んでいて「おいおいヒント出しすぎだろ…そんなあからさまだとバレるぞ!」と謎の老婆心がはたらいた。それでも初読時は1ミリも脳裏をよぎらなかったことが不思議。
冒頭の難解な手記で挫折することやトリックが有名になりすぎてしまったことなど、本作を勧める障壁は大きいが、やはりミステリーを読む人なら一度は目を通すべき不朽の名作であると断言したい
最近は特殊設定を好むのも、この世界の法則に従う限 -
Posted by ブクログ
ネタバレかなりおもしろかった~~~!!!
かたっくるしい本かなーって思ってたけど文章めちゃくちゃ読みやすい!
人間対動物の争い、動物間でもある格差はどうしても頭がよくなっちゃうとそーゆーのが生まれちゃうんだろうなと心が痛くなった。
結論は、あ、それもあり?って感じだった。先入観があったからそれを裏切られたって感じ。
設定が本当に面白かったし、動物を人間化するとこんな感じになるんだーって、例えば爬虫類が虐げられているなかでネロ軍曹は爬虫類界でのスターみたいになってるとか、王様はマスコットで親しまれるようにという願いを混めてカピバラだったりして、読んでて面白かったし、リアルだった! -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人差ありそうな作品だけど個人的には好き!そしておもしろかった!!
以下感想。
・冒頭約50ページは耐え。ひたすら耐え。
のっけから悪魔がどうだ処女がどうだ星座がどうだ不倫だなんだとうるせえ!!!
女を馬鹿にすんのも大概にしろ。
「殺戮に至る病」でもそうだったけどなんでこういう狂ったやつって、狂ってるくせに自分が勝てないマッチョの男には挑まず自分よりも力の弱い女性に加害すんの?自分が反撃受けてボコボコにされる相手は冷静に避けるんだよなぁ生存本能と言われればそれまでだけどさ〜。
そんで不倫しといて「この頃では妙多を懐かしく思う」「従順なだけが取り柄の、何の面白みもない女であったが」とか言い -
Posted by ブクログ
1987年に出た本らしい。
ということは、タイトルの「網走発」というのは、当時全盛だったトラベルミステリーを踏まえてということなのだろう。
ただ、この改訂版が出たのは、3話目(本の中では三章と表記)の「乱歩の幻影」の映画化がきっかけだったようだから。
であれば、これを機会にタイトルも「乱歩の幻影」にした方が時代に即してたんじゃないのかな?
もっとも、江戸川乱歩が関係したお話は、その「乱歩の幻影」だけだけど。
4つのお話で構成されている、この本だが。
それは、あるお話に出てくる登場人物が、別のお話の主人公になっていたりするからで。
だからなのか、第一話、第二話…ではなく、一章、二章、三章、