島田荘司のレビュー一覧
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消費税が導入されて間もない1989年、浅草で乾物屋の女店主が殺された。犯人として逮捕された老人の素性はまったく分からず、彼の身元を追って調べていくと、殺人の罪で収監されていたことが分かる。消費税の導入を知らなかった元受刑者が消費税に腹を立てて殺したのか。いやこの事件にはもっと根深いものがあるはずだ、と確信した吉敷は女店主と老人の過去を追っていく。
ということで消費税導入の年に書かれた本書は、当時おそろしくタイムリーな作品だったんだろうな、と思います。そんな(当時)タイムリーな題材を扱いながらも決して目新しさだけが強調される物語になっておらず、あくまで彩りのひとつとして大きな世界が広がって -
購入済み
久しぶりの島田荘司作品
一時期ハマって、よく読んでいた吉敷竹史シリーズ。初めて読んだのは、そのとき通っていた大学の教授の本の整理で、気になるのは持って行っていいよとその教授のクラスを取っていた学生たちに譲ってくれた時。占星術殺人事件とか、夜は千の鈴を鳴らすとか、そういう本をもらったと思う。最近の島田作品より、読みやすいと思う。列車を使ったトリックは得意じゃないけど、これは楽しめました。途中、時刻表のあたりや時間の説明のところはさら~っと読み流してしまったけど。冒頭はかなり入り組んだ印象を受けたけど、事件の構造はいたってシンプル。脇役だと思っていた人物が最後にいい立ち回りをしたとことか、読後感がその人物のおかげで救われ
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ネタバレ 購入済み
題名が気になって読んだのですが
題名に惹かれて読んでみたのですが、想像していたより何倍も面白い作品でした。
まさか、軍艦からラブストーリーに発展するとは意外も意外!
以前、何も知らず、富士屋ホテルに行ったことがあり、(その時は宿泊ではなく、お茶をしようかとおもったのですが、あまりに混んでいて、ケーキを買って帰りました)変わった作りのホテルだなーって思いました、是非一度宿泊したいと思います。
色んなフィクション要素が詰まった作品ですが、本当の事のように思ってしまうのは、作家さんの力ですよね、とても面白かったです、他の作品も読みたいとおもいまし。 -
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ネタバレ通子から久しぶりに電話。
汽車で帰るつもり。
ゆうづる?7号か9号かと思って駆けつけるが、乗らなかった。
別れて5年。
9号が出て行く。車両の中に通子を見る。
青森で、ゆうづる9号から死者。
鶴の彫金のスプーンをバッグに所持。
遺書と見えるメモ。
吉敷竹史、現場に行く。
通子の字だった。
スプーンは通子の作品だと思った。
しかし、死体は通子ではなかった。
水戸を出てから仙台まで4時間。その間に殺した。
仙台で降りた客はいない。
盛岡のよく通子と行った喫茶店に行く。
通子から手紙を預かっていた。
自分にもうかかわらないでくれ。自分は病気なんだと。
→吉敷竹史は未練たらたら過ぎだ -
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ネタバレ電車に忘れ物。
両腿、両足、両腕、胴体、7つ。
指紋、濃硫酸で消されている。
胴体の入ったバッグに豆と麦の粉。
伝説。出雲国風土記に出てくる国引きという説話。
八俣の大蛇退治。出雲系の神話。
本星と思われた女性、当日は出雲一号ではなく(出雲一号からは、今回死体
がみつかった全ての死体に遺棄できる)、富士に乗っていた。
証拠の写真もある。
車掌にも聞いてみたが、問題の女性のことは覚えていた。何度も一号車から後方の車両に行っていた。
青木恭子。被害者? 行方不明。
家には毛髪一つ落ちていなかった。
野村操。出雲の史実の考えについて。青木恭子と対立。
野村、車掌の証言では、富士を広島で -
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ネタバレ北海道、雪の中。
夜汽車の中の通路、踊るピエロ。
ピエロ、隣の車両に去ったあと銃声。
鍵のかかったトイレ。
開けるとピエロの死体。頭を銃で撃った痕。
周りにロウソク。
調べている最中、死んだはずのピエロから銃が発射。
みんな、逃げる。
戻ってくるとピエロ消えている。
消費税12円のために殺人。
刺したのは、浮浪者。
消費税殺人容疑者、行川という男。みんなが目撃しているので、行川かも犯人なのは間違いない。
行川はかつて、子供の営利誘拐で牢屋に入ってた。
元、廃品回収の浮浪者。
かつての行川の罪、便山という刑事が冤罪でっち上げた?
世の冤罪事件について。
行川、牢屋で小説を書い -
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昔読んで感動した小説を読み直すと当時の感動がいまいちなく、あれ、こんな話に感動したのか、となりがちだが、本作に関しては杞憂であった。
推理小説と言うとどうしてもトリックやどんでん返しが主で、その他のドラマ、人物描写に関しておざなりになりがちだ。その印象を一発でひっくり返したのが本作だった。再読して尚、その衝撃は忘れられなかった。推理小説はトリックだけではない。人間を描ける。これである。
本作を読んで、チック・コリアを、リターン・トゥ・フォーエヴァーを、ウェス・モンゴメリーを聴いた。未だに聴いている。
それにしても本作に宿る熱量、文章の鋭さは素晴らしい。熱病に感染したような興奮がある。 -
Posted by ブクログ
これは素晴らしい、衝撃を忘れられません。
色々なミステリー小説を読んだ後、ようやくこの小説を手に取りました。
最初、本の題名にある占星術という言葉に「うーん、、なんか難しそうなのかな、、」と思ってなかなか手を出せずにいましたが、もっと早く読めば良かったと後悔しました。
最初だけ読みにくさはありましたが、そこだけ我慢すれば後はスラスラと読むことができました。
この小説で使われたトリックが、もう凄すぎて、感動しました。
決してややこしいものでもなく、読み終わった後には何で思いつかなかったんだろとなるトリックですが、そこが凄いと思います。単純だけど思いつかない、ミステリー小説って面白いなと、こ -
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この作品はミステリーではないと思います。
御手洗潔は出てきません。
私は前情報なしで読んだので、最初の方を読んでいるときは一体何の話なのかさっぱりわかりませんでした。
ジャンルとしてはSFの純愛ものの中編小説でした。
ストーリーはネタバレになるので書けません。
巻末の
『愛しいチグサ』と、十代の頃の自分ーという作者の島田荘司さん自身の文章が興味深かったです。
この作品は2020年にロンドンのレッド・サークルという小さな出版社から刊行された『One Love Chigusa』という本らしいです。
私はこの作品では涙こそ出ませんでしたが妙に心の琴線に触れてくる部分はありました。
星4か -
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ネタバレ今まで読んだミステリで一番面白かった。
最初は占星術という馴染みのない書き出しで挫折するかもしれないが、そこを越えれば少しずつ面白くなっていく。
決定的に面白くなったのは、竹越の手記からで、事件の謎が一部見えたことで五里霧中といった感じから、きっかけが見えることになる。
その後の京都でのミスリードも良かった。
謎も思いつけば本当に簡単で、だからこそ面白いと思う。
また、この本の真骨頂は最後の時子の手紙だろう。登場人物が結構淡白なのとは対照的に、事件の当事者の内情がドラマティックで、ミステリなのに最後は感情面に揺さぶりをかけられる造りになっている。