島田荘司のレビュー一覧

  • 龍臥亭事件(下)

    Posted by ブクログ

    龍臥亭事件という作品が自分のなかで大好きで、思い入れの深い作品なのは、石岡さんが、事件を解決したいと深く願い、他には誰も頼れないとなんとか自分の頭で必死に、本当に必死に考え、推理し、ボロボロになりながらも、事件の謎を解いていく姿が描かれているから。

    御手洗潔という超人の活躍をその傍で振り回されながら見守るしかない石岡さんの姿はそこにはなく、必死な凡人のもがきが私の心を打ちました。

    霧のなかの幻想的な舞台にて行われる犯人との格闘、そして終幕、石岡さんの手による真相披露が描かれる第12章からエピローグにかけては、御手洗シリーズ屈指の名シーン名場面の連続でした。

    0
    2012年01月29日
  • 龍臥亭事件(上)

    Posted by ブクログ

    犬坊里美の冒険を読むに際して、里美のキャラクターがうろ覚えだったため、再読。

    上下巻かなりの長さで、じっくり読むと結構な時間がかかるが、それもまたよし。

    御手洗潔不在の中という舞台設定で描かれる、石岡さんの、石岡さんによる、石岡さんのためだけの物語。

    御手洗潔シリーズのなかで、特に好きな作品です。

    0
    2012年01月29日
  • 帝都衛星軌道

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    お、面白かった。表題作は前後編に分かれており間に中編が入る構成。中編について賛否両論があるようだが個人的には、あってよかったと思う。前編において謎が掛けられ読んでいてわくわくした。中編で態勢を立て直して後編で一気に謎を解く。流石ベテラン飽きさせないなぁと思った。著者の作品を読むのは中学のとき以来だが今の方が面白く感じたのではないかと少々残念だ。他の作品も是非読んでみたい。

    0
    2011年11月16日
  • 天に昇った男

    Posted by ブクログ

    冤罪での死刑執行から奇跡的に生き延びた男。
    九州の元炭鉱での情緒あふれる風景と、
    そこで出会った少女との交流を回想する。

    オチが突拍子も無いです。
    びっくりする。
    社会派小説なんだろう、これは。

    0
    2011年11月02日
  • アトポス

    Posted by ブクログ

    御手洗潔シリーズ。
    ハリウッドに血に爛れた顔の怪物が出没する。またホラー作家が首を切断され殺害され、一方で嬰児が次々と誘拐される事件が発生。
    16世紀に実在した『血の伯爵夫人』と異名を持つ連続殺人鬼・エリザーベト・バートリの話を前奏として組み込み展開される鬼才・島田荘司のミステリー小説。

    1
    2011年05月15日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

    Posted by ブクログ

    ホームズにドップリハマっていた中学時代に読んで、いい意味で度肝を抜かれた作品^^

    漱石視点で見る新しいホームズ像と、お馴染みワトソン君の伝記スタイルで描かれる旧来のホームズ像の落差が、面白おかしく描かれています。


    英国留学中の漱石が、宿で夜な夜な「出ていけ〜」と亡霊に囁かれたことをホームズに相談したのをきっかけに、名探偵の活躍譚に一役買う、というパロディ。
    中国で呪いをかけられた男が一晩でミイラになってしまう、という謎にホームズ&ワトソンと漱石が挑むんですが、

    漱石くん、どんだけホームズのこと嫌いなの?

    てツッコミたくなるような、変人ホームズがこれでもかと登場します。

    ホームズの活

    0
    2025年08月12日
  • アトポス

    Posted by ブクログ

    長い。でもバラバラに思えたいくつもの謎が、最後一気に結びついたときの快感はものすごい。島田流本格ミステリーの到達点。

    1
    2011年05月12日
  • 最後の一球

    Posted by ブクログ

    トリックは場所を見たら直ぐに分かってしまった。ので、トリック自体はそう難しいものじゃないけど、物語はいいね。感動だよ。けどなぜかこれを読んでいると、伊坂幸太郎さんのあるキングを思い出して仕方なかった。好みでいけば、こっちのが好き。欠点をあげるとしたら、御手洗さんたちの出番少ないってことかなあ。

    0
    2011年01月15日
  • 龍臥亭幻想(下)

    Posted by ブクログ

    御手洗さんの電話探偵の姿よりも私的にはもっと動く御手洗さんが読みたいなあ。けどこの事件はなんとなくだけど、犯人が分かってしかもそれが当たっていて嬉しかった。

    0
    2010年12月10日
  • 龍臥亭幻想(上)

    Posted by ブクログ

    一体こんな状態の死体をどうやったんだろう。そして誰が犯人なんだろう。探偵役はいつ現れるんだろう。それにしても龍臥亭って事件が絶えないなあ。
    石岡くんの切ない場面にまたそのときの本が読みたくなってしまった。

    0
    2010年12月07日
  • ネジ式ザゼツキー

    Posted by ブクログ

    このシリーズは好き。中でもこの本は麻薬中毒者のような世界観、例えるなら江戸川乱歩が好きそうで夢野久作が足をバタバタさせそうな世界観。そんなのを含みながら完全にチェアーディテクティブ。キヨシがウプサラに居るってのもなんかいい。

    0
    2010年12月05日
  • 龍臥亭事件(下)

    Posted by ブクログ

    長かったです。
    それにつきますね。
    この作品は無理に真相を暴こうとしても
    無駄骨になる作品なので
    おとなしく読んだ方がいいですよ。

    しかし、とある多人数殺人事件は
    悪しき習慣の蓄積だったんですね。
    確かにあの人は鬼畜だったけれども
    よく読むと無関係な人には
    鉄槌を落とさなかったのです。

    そう、落としたのは
    けなしたものだけ。

    そして現代の犯人に関しては…
    一番悲しい事実が出てきましたね。
    そして真相部分にも悲しいものが…
    皮肉にも…

    御手洗なき事件でしたが
    なかなかおもしろかったです。

    0
    2010年11月19日
  • 上高地の切り裂きジャック

    Posted by ブクログ

    表題作と「山手の幽霊」が入った本作。私は話的には山手~のほうが好き。御手洗さんが日本に居るし、ね。あまりにも切なすぎる、動機。こんなヤツ大嫌いだー。と思うけど、矢張り殺してはいけないよ。だから切なかった。

    0
    2010年11月17日
  • アトポス

    Posted by ブクログ

    ながーーーーーーーーい。
    これは読むのが遅い人には
    「涙目クラス」な作品でしょう。
    1000ページ近いミステリーなんか
    初めて読みましたわ。

    だけれどもそんなにお堅い
    ミステリーではないですし、
    歴史背景とかも知ることができるので
    総合的には面白い作品です。

    しかし、長さがネックなのは
    確かです。
    しかもその要素のいくつかを押さえないと
    楽しめない「読まざるを得ない」作品です。
    ある意味著者の策ですね。
    感服いたしました。

    ちなみに怪物の正体は…
    これはある程度勘が冴えていれば
    わかるかも…
    法則どおりフィクションの生物じゃありません。

    0
    2010年11月16日
  • 龍臥亭事件(下)

    Posted by ブクログ

    石岡くんのリハビリ?だけど、最後まで読んでるとなんだか切なくなってしまった。石岡くんなりに一生懸命な解決しようとするその姿に思わず、頑張れと応援しながら読んでいました。

    0
    2010年11月11日
  • 龍臥亭事件(上)

    Posted by ブクログ

    ちょっと待って、なんでこんな分厚さでまだ分からないんですか!?御手洗さん、早く来てーっ!と叫びたくなりました。それにしてもあの二宮というお嬢さんはなんだったのだろうか。続きがものすごく気になります。

    0
    2010年11月07日
  • アトポス

    Posted by ブクログ

    御手洗さんの出番の遅かったこと。長かったー。レオナだけでは正直やばかったです。有名な吸血鬼女夫人の話はなんとなく知っていたけど、こんなのだったんだあと勉強になった。けど、御手洗さんの登場がなあ。そして御手洗さんはレオナが好きなんだなとも。恋愛感情ではなくて、石岡くんと同じく友情の好きなんだろうと感じました。

    0
    2010年11月03日
  • アトポス

    Posted by ブクログ

    中世の吸血鬼伝説(エリザベート・バートリ)、上海の頽廃、嬰児誘拐、砂漠でのハリウッド映画「サロメ」ロケとその戯曲・・・さまざまな地域の、たくさんの物語が並列で語られる。


    分厚い!
    しかも肝心の探偵は終盤まで出て来ない!
    (石岡さんも出て来ないが、レオナが出て来る)
    途中何度となく「わたしは今、何の本を読んでいるんだろう?」という疑問を持つ程の、惑わされ様だ。


    しかし最後にそれがちゃんと収束される快感があるので、御手洗シリーズが好きなら分厚いのを乗り越えて読んで欲しい。

    御手洗さんの登場シーンが、王子様なのも見物。

    今回もあれだけヒントをもらいながら、ほとんど謎は解けなかったのが口惜

    0
    2010年10月07日
  • Pの密室

    Posted by ブクログ

    御手洗潔の幼少期の事件(短編集)。
    もちろん彼の天才的ひらめきによる解決なのだけど、ヒントは読者にやはり確実に与えられている。
    しかもまだ少年である御手洗にもちゃんと解けるだろう、と納得できる伏線もある。
    そのフェアなところが島田荘司のすごいところ!

    0
    2010年10月07日
  • 切り裂きジャック・百年の孤独

    Posted by ブクログ

    ひさしぶりに一気読みするほどスピード感のある展開でした。スプラッタな描写にはお腹のあたりがむずむずしましたが、真相は説得力があり鮮やかでスカッとしました。

    0
    2009年10月04日