あらすじ
御手洗潔が日本を去って一年半。彼の友人で推理作家の石岡は、突然訪ねてきた二宮という女性の頼みで、岡山県まで悪霊祓いに出かけた。二人は霊の導くままに、寂しい駅に降り立ち、山中に分け入り、龍臥亭という奇怪な旅館に辿り着く。そこで石岡は、世にもおぞましい、大量連続殺人事件に遭遇した。推理界の奇才が、渾身の筆致で描く本格ミステリー超大作!
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いや〜怖かった。背筋がぞわっとする!
でもやみつきになる怖さ。
島田荘司ワールドにどっぷり浸かりました。
御手洗に振り回される石岡さんが大好きですが、今回は女性に振り回される石岡さん。
なかなか御手洗清出てこないなーと思いつつ全然出てこない!
探偵出ないパターンのやつか?!
石岡さんがんばれーっ!
でも内容はとてもシリアスで、実際に起きた「津山事件」が元になっています。津山事件という名前は聞いたことがあったんですが、内容について詳しくは知らなかったので戦慄した。
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この作品の世界観をもう一度味わいたくて再読。
一種独特な幻想的な雰囲気を持つ作品というイメージが強く殺人事件には似つかわしくない感想かもしれないが、美しいという感覚が強い。
次々に登場人物が消えていき、全く先が読めないまま上巻が終了。御手洗潔のようなキレのある解決ではないが石岡の穏やかに少しずつ進む奮闘が好ましい。
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これは新たなる島田氏の代表作だと云っても過言ではないだろう。『秋好事件』のノンフィクションタッチがこの作品でいかんなく発揮されており、島田氏がただ単純にノンフィクションを書いたのではないことも判った。
巨匠にして新たなる手法を生み出す、この貪欲さは新本格第1期組の、なかなか新作を出さない輩共に見習って欲しい姿勢である。
『津山30人殺し』をモチーフに、というかそのものを題材にかの御手洗潔のパートナー、石岡和己を主人公にして陰惨な連続殺人事件を繰り広げるというこの設定からして斬新だ。最初は単なる横溝正史へのオマージュだと思っていたが、いやいや、やはり島田氏、オリジナリティー溢れる作品となっており、島田作品以外何物でもない。
上巻に高木彬光へ、下巻で彼の生んだ名探偵神津恭介に賛辞を表しているが、これはこの作品そのものが彼の作品に対するオマージュではなく、恐らく当時彼が亡くなられたことによるものだろう。
今回特徴的なのは下巻の中間で都井睦雄の30人殺しへ至る経緯がその生涯と共に語られており、しかもそれが物語の謎の中心であるが故、フィクションとノンフィクションの境がぼやけ、真にあったかのように錯覚させられることだ。
『秋好事件』でもそうだったがこういうノンフィクションを語らせると島田氏は抜群に上手い。臨場感と睦雄の人となり、そして事件の引き金となった経緯が非常に説得力を持って語られるのだ。
(下巻の感想に続く)
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犬坊里美の冒険を読むに際して、里美のキャラクターがうろ覚えだったため、再読。
上下巻かなりの長さで、じっくり読むと結構な時間がかかるが、それもまたよし。
御手洗潔不在の中という舞台設定で描かれる、石岡さんの、石岡さんによる、石岡さんのためだけの物語。
御手洗潔シリーズのなかで、特に好きな作品です。
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ちょっと待って、なんでこんな分厚さでまだ分からないんですか!?御手洗さん、早く来てーっ!と叫びたくなりました。それにしてもあの二宮というお嬢さんはなんだったのだろうか。続きがものすごく気になります。
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半分なので簡単に。
字が小さい。。。
石岡さん、ひさしぶり。いいね。
石岡さん、情緒不安定なのは前からだけど、何故か恐怖感が薄れて、逆に女子高生によって浮かれてきてる。ヘンテコ。
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御手洗潔シリーズ。今回も御手洗は中々出てきません。石岡さんが頑張ってます。
犬坊里美と言う魅力的なキャラが登場しました。彼女の動向が気になります。
事件は次々と起こります。起こり続けます。
下巻も楽しみ。
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昔一度読んだんですが、今回はオーディブルで。
御手洗シリーズがオーディブルで聴けるとは〜!と嬉しくなりました。
と言いつつ、この作品は石岡さんのための物語ですね。
不気味な舞台、謎に次ぐ謎、下巻に期待は膨らみます。
石岡さん、頑張ってくれ!と応援しつつ下巻へ。
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御手洗シリーズを刊行順に読むというのがなかなか大変で、手に入ったものから、なるべく刊行順になるように読んでっているのだけれど、この「龍臥亭事件」が御手洗渡欧が初めて明らかになる話なのかな。
石岡くん45歳と思うと、確かにちょっともう少しばかりしっかりしていてもいいような。御手洗は50近くなって日本を飛び出したのかと思うとそれもまたすごい。天才は環境を変えることをいとわないんだなあ。ちょっと見習いたいような気もする。
上巻は二宮佳世という女性のオカルトじみた話から始まり、石岡君が岡山の貝繁村に連れていかれるところから始まる。面白い!
明らかに津山30人殺しをモチーフにしているけど、なかなかそれに至らないというか、石岡くん、仮にも推理小説を発表しているのになぜ知らないんだー!と思ってしまった。ホームズもあんなに語れるんだから、横溝だって読んでるでしょうに。
まあ、読者に説明の要があるのだから仕方がないというか、本来助手がいれば助手に探偵が説明する、あるいはその逆パターンという事もできるけど、今回何しろ助手が探偵役だから大変だあ。こうした連続殺人ものは、確かに御手洗がいたらこんなにたくさん殺される前に事件解決されるはずだから、御手洗の不在は事件のため……なんてメタ視点で見てしまうが、御手洗がいなくても面白い。
石岡くん、45歳が女子高生にキスされて動転してたらだめだよ……。というか、里美ちゃんの体つきがどうのこうのと内心にしてもそんなこと思ってたらちょっと気持ち悪いよ……。スマートじゃないよ。まあ、スマートじゃなくて美人好きなのが石岡くんなのだけど。
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島田荘司の本は設定がすごくいいなと改めて思った。
龍臥亭の説明だけでもうわくわくしてしまう。
架空の旅館なのに行ってみたい気持ちになる。
(事件は悲惨だけど…)
詳しい感想は下巻で。
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今回は御手洗は出てこず、石岡くんが山奥の村で猟奇的な連続殺人事件に巻き込まれ一人で頑張る話。
猟奇性もあり、ホラー要素も強いのでそういったのに耐性がない方は少し怖く感じる場面もあるかもしれないが、個人的にはこういうのは好みなので面白く読めた。
上巻だけでも600ページ弱とボリュームがすごいが、過去に起こった事件を少しずつ知りながら現在の事件も多発していくので良い意味であまり厚みを感じずにスラスラと読めた。
上巻だけではまだわからないことだらけなので下巻でどう纏めるのかが楽しみ。
幽霊現象にもきっと現実的な解決があることを祈って。
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御手洗シリーズだけど、御手洗潔は登場しません。
石岡君がくじけそうになりながらも、事件解決に向けて苦心する話でした。
グロテスクで奇怪な犯罪は、島田荘司さんの得意とするところなので、どんな残忍な描写が出てきても平気、という意気込みで読み始めたのですが、本書はそうした犯罪のほかに亡霊だの怨念だの因縁だの呪いだのと言ったおどろおどろしい話が執拗に登場するので、怪談が苦手な私は少々怖じ気づきそうに。
いやでも島田さんの書く本だもの、亡霊の仕業でしたなんて結末はないはず。人間の起こしたトリックがあるに決まっていると自分自身を奮い立たせ、読み進めました。
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本格好きとしては島田荘司の作品は外せないのだけど、今まで3冊ほど読んでどれも面白く感じれなかったので、その後読んでいなかった。今回何気なく手に取って久々に読んでみたところ、これが面白い。館モノながら、連続殺人に怪しい人間関係、そして津山事件をモチーフにしたおどろおどろしい雰囲気が物語とマッチしてとても面白い。探偵役の御手洗潔が登場しないのも新鮮だが、この後の展開が楽しみ。ただこのページ数はスゴイ。
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再読。犯人を覚えてて動機や事件の経過をすっかり忘れてるパターンと、事件は覚えてるのに犯人を忘れてしまってる2パターンあるけどこれは前者だった。
龍臥亭という舞台と雰囲気は再読でも魅力充分。自分の想像力を試されているかのよう。身近な人が続けて殺されるわ因縁の土地で亡霊も出るわ、結構ビビる出来事が起きてるのに主人公他皆さん落ち着きすぎ~。
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傑作。前半がまどろっこしいが、徐々に津山事件との因果関係が出てきて、分厚い割りにページが進む。トリックとかは後回し。何を書きたかったのかに集中すれば、非常に面白くて読み応えのある作品。
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御手洗潔シリーズ・・・とはいえ上巻には御手洗は登場せず石岡が珍しく事件に主体的に関わってそれを記録しているというスタイル。
御手洗という超人的な能力をもった存在が介入していないことで、ミステリとして一般的なストーリー展開になっていると言えるでしょう。そのことにより同シリーズの他作品と比べて読みやすいと言えるかもしれません。少なくとも私はそう感じました。
下巻でどのようにして石岡が事件を解決に導くのか、御手洗はいつ物語に加わってくるのか・・・楽しみにさせる展開で早く下巻を読みたい、という気分にさせられます。
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横溝正史へのオマージュだろうか?
暗闇坂の人食いの木は、タイトルがオマージュっぽかったけど。
岡山の山奥の僻村で起こる連続殺人。
幽霊、因習、伝説、と内容が横溝作品っぽい。
しかし、御手洗さん無しでこんな事件解けるだろうか?
謎は深まるばかり。
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石岡君がひとりになって、始めて出会う業の深い事件。
私が読んだのはカッパノベルズ・上下巻(1996.1.発行)でした。
登録している画像は光文社の文庫本ですので、後書きに違いがあると思います。
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これまた長い長い。
趣味ですかね、この長さは。
びっくりしてしまいますよ。
そしてページ数の長さゆえ
上下巻に。
この作品、実は
御手洗不在の作品です。
そのため石岡が
解決する事件となります。
しかしいわくつきっぽい事件です。
何しろ周りが排他的ですしね。
それに黒い歴史も存在しますし。
雰囲気重視の作品で
おとくいの薀蓄がないので
この作品は
冗長に感じそうですね。
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不思議な館、幻想的な雰囲気…
岡山・琴・怪奇的雰囲気といわれたら
横溝しかイメージできないのですが、
献辞は高木彬光と神津さんなのですよね…?
「彼がいなければ僕は『占星術殺人事件』を書かなかった」と
いうようなことを島田氏は云っておられますが、
なぜこの作品を選んで献辞されたのか、知識不足で分かりません^^;
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あまりに有名な、現実に起こった「あの事件」をモチーフとした作品。これは超大作。なんといっても「龍臥亭」が凄すぎる。これはぜひ、訪れてみたいような館だなあ。
密室?トリックもさながら、動機には唸らされたなあ。ひとつひとつは単純そうに思えても、複雑に絡み合った様がなんともいえず魅力的。後半に入ってからは一気読み間違いなしの作品。しかし御手洗……あの電報だけで解れってのはあまりに酷な話でしょう(笑)。
ちなみに個人的には、見立て殺人?のユーモアがかなり好きだったりも。この解釈にはかなり笑えた。だから鳥の絵だったのか……(爆笑)。
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。やはり御手洗が海外にいて石岡君1人での事件は物足りない部分かあるな~。とくに御手洗がいなくなって石岡君がかなり弱ってしまってるので読んでいて痛々しい。再読だけど読むのに苦労してしまった。
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よくない星回りで悩んでる女性から「岡山に行ってでっかい木の下に埋まっている手首を掘り出して供養しなくちゃいけないというお告げで出たのでついてきてください」とかいう謎の依頼を受けた石岡くんの珍道中。
怖いものが嫌いなのにどんどん不気味な展開が続いてその度に石岡くんがこの依頼主の女性とわあわあ騒いでるのが、まあうざ可愛い。そんな末に辿り着いた閉業中の旅館、「龍臥亭」。
着いていきなりの火事と殺人のどさくさに紛れてこの旅館に居着くことになったはいいが、隣の寺の鐘がなるたび人がどんどん死ぬ!その上死体が消えて、消えた死体の頭が川から流れてくる!何という狂乱。
その割に、あんまりパニックになったり逆上する人もいないのが不思議な雰囲気。
津山三十人殺しのことをチラチラ垣間見させつつ、上巻了。
石岡おじさんがいい歳して高校生にムラムラしているのが気持ち悪いなぁ。
どうなるのかなぁ。
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御手洗が出てこないので、面白くなるのかなと不安だったが、おぞましい連続殺人、密室、謎の男、深まる闇で興味を掻き立てられた。てんこ盛りでかなり分厚い本だが、読み終えることができた。
Posted by ブクログ
一応読み終わったけど、時間的にだいぶ飛び飛びで読んでいたせいか、いまいち世界観に入りきれず。
下巻を読む前にしっかり読み直した方が後半楽しめるよ、と本能に言われている気もする。ので、たぶん読み直す。笑
感想はそれから書こうかな。
Posted by ブクログ
上下巻一気に読んだので、感想は下巻にまとめまっす\(^o^)/
しかし相変わらず、死体の損壊具合が異常に怖い…(u_u)
朋友・御手洗が日本を去って一年。ひょんなことからうら若き女性に岡山県まで随行することになった石岡は、辿り着いた奇っ怪な旅館で恐るべき連続猟奇殺人に遭遇した。
密室の中での銃殺、損壊され弄ばれる遺体、そして戦前に村で発生したという、史上空前の「三十人殺し」との関連…そして遂に、石岡の目の前にも殺人鬼の亡霊が姿を現す!
Posted by ブクログ
主人公は石岡君。
君、とか言ってるけど石岡君は45歳(たぶん)
龍がとぐろを巻いている形の元旅館・龍臥亭で起こる連続殺人事件。
突然訪ねてきた女性に付き添いを頼まれ岡山までやってきた石岡が
この事件に巻き込まれる。
村にはかつて、30人を一晩で殺したという都井睦雄という人物がおり、
現在でもたびたび目にされる睦雄の幽霊。
皆が口にする”因縁”とは。