島田荘司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻で、これからどうなっちゃうんだ〜と思った結果、下巻はミステリーから脱獄サスペンスになり、ファンタジーになり、エピローグで突如全てがまとまった!
歴史ある劇場で、正統派クラシックを聴こうとかしこまっていたら、はちゃめちゃで楽しいラプソディーが始まり、最後には天井も壁も飛んで行っちゃった!というような読後感。なのに、奇妙な切なさ、なつかしさのようなものが残る。
巻末の解説で伊坂幸太郎さんが「とにかく、色んな世界を旅する冒険譚だと考えるべき」「島田作品なわけですから、ミステリー的な理屈を付け加えている」「そこがもう、異様といいますか、誰にも書けないもの」と書いてますが、まさにその通りだと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ奇想天外!
謎解きは、可能性が全く0でなければ、「あり得る!」と僕には面白く読めてしまう。
現実界でそれが本当に実現可能か?
そこまで僕には分からない。
読んで、「おおっ!」と思えるかどうか、それが総て。
【謎の概要】
①山高帽のイカロス
地上数十メートルの電線の間で飛ぶような格好で死んでいた画家と・・・。
②ある騎士の物語
秋元静香と4人のバイク便の男たち。大雪で交通手段が遮断されていた夜、彼らの恨みを買う1人の男が十数キロ離れた場所で射殺されていた。
③舞踏病
家族に頼まれ老人に二階を間貸ししたが、この老人が夜になると狂ったように踊り出す。
○近況報告(4話目)
これはミステリー -
ネタバレ
一読惚れ…。
もうかれこれ30年近く経ったんですかね、この作品が出版されてから…。
確かその頃自分は高校生だったと記憶していますが、テスト勉強そっちのけで読破し、正に「一読惚れ」してしまった作品です。懐かしいなぁ…。
島田先生は改版がお好きで(これはこれで愛読者にとっては迷惑w)、自分が読んだ頃とは大分変わってる気はしましたが、このロマンチックなストーリーを読むと、熱中していたあの頃の自分を思い出して、恥ずかしくもあり懐かしくもありで、忘れられない作品です。確か直木賞の候補作には入ったんですよね、これで。
賞とは何故か縁遠かった島田先生ですが、今やミステリ界の大御所と成った今を考えると、コ -
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ネタバレ幽霊船とロシア皇女の話がどう繋がるのか気になって、早くページを捲りたいとワクワクしたのは初めてかもしれない。
好奇心に急かされながら読み進めていった。
随分変わった名前だったから、その名前には何かしらの意味合いはあるだろうと思っていたけれど、まさかそのような意図があったのだとは思わなかった。
読みながら自分なりに予想してみたのだが、掠りはするものの「ああそっちか⁈」となってもう楽しくて楽しくて。すっかり御手洗の世界に惹きこまれていた。
平八はずっとアナスタシアのことを思っていたんだな…と僅かなすれ違いに心がギュッとなってしまった。時代が時代でなければ二人は幸せになれたのだろうか、いや、多分出 -
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ネタバレ久しぶりに、いいミステリー小説だったなぁ…、って感じ。
でも、それが島田荘司なのが面白い。
島田荘司というと、ピタゴラスイッチみたいな殺人事件wを書く人というイメージだったけど、こんなシブいミステリーも書くんだなーと。
江戸っ子じゃないけど、おっそれ入谷の鬼子母神!とか言いたくなる。←意味不明(^^ゞ
以下、内容に触れています。
そういえば、『暗闇坂の人喰いの木』の感想で、“この人はドラマは書けても、メロドラマは書けないんだろうな”なんて書いてしまったが、それ、全面訂正!
なんだよー! こんないいメロドラマ書けるんじゃん。
なんで、『暗闇坂の人喰いの木』の後半でそれを書かずに、ピタゴラス -
購入済み
実際起こった事件だけに。
最後に犯人が判明するまで、ドキドキさせられました。
複雑なトリックにも感心しましたし、偶然にも重なった殺人事件により物語に深みが増し、充足感が得られたように思います。
本小説の関連本も読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
面白い!
特に最後の「近況報告」が…笑。ファンにとってはボーナス的な存在ですね。
当時の人気をリアルタイムに知らないからアレですが、、一人の女性である自分自身も御手洗くんと石岡くんのコンビのファンで、腐女子ではないけど少なからず萌えるので、こういった感覚は時代を超えても普遍なんだなと…。
ただ、このシリーズの魅力はキャラクターだけじゃなくて、ストーリーの間に見え隠れする社会性が大きいと思う。
現代の医療現場への警笛も踏まえた「舞踏病」からは特に沢山のメッセージを感じた。
ミステリは本来謎解きを楽しむものだと思うし、綾辻さんの十角館の殺人でもエラリィが"知的な娯楽"とい -
傑作
ほんと一番島田荘司らしい作品だと思う
まずバーンと何か「よくわからない話」を出して
それをこれは解ける謎だと、徐々に解き明かしていく。
御手洗作品のいつもの流れ
眩暈はそのよくわからない話が断トツで不気味で奇妙で気味が悪い。
そしてこれを「現実ですよ」。と。「これは現実にあった話なのです」。と。
精神病患者の妄想(ドグラ・マグラっぽいかも)として持ち込まれたあまりにも異様な文章をこれは現実だ、ではゲームをしましょうと。現実か妄想かと。
これは凄い作品。何度でも読み返したくなる。
DNAを知らない石岡ももちろん必見だ。
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無料版購入済み
たくさんのリスナーと共に詩を解読し、電話音声の解析により場所を特定するシーンにとてもワクワクしました。文学的要素も感じさせつつ、マンガとしておもしろい。何より御手洗が超イケメン。