島田荘司のレビュー一覧

  • アルカトラズ幻想(下)

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    上巻で、これからどうなっちゃうんだ〜と思った結果、下巻はミステリーから脱獄サスペンスになり、ファンタジーになり、エピローグで突如全てがまとまった!
    歴史ある劇場で、正統派クラシックを聴こうとかしこまっていたら、はちゃめちゃで楽しいラプソディーが始まり、最後には天井も壁も飛んで行っちゃった!というような読後感。なのに、奇妙な切なさ、なつかしさのようなものが残る。
    巻末の解説で伊坂幸太郎さんが「とにかく、色んな世界を旅する冒険譚だと考えるべき」「島田作品なわけですから、ミステリー的な理屈を付け加えている」「そこがもう、異様といいますか、誰にも書けないもの」と書いてますが、まさにその通りだと思った。

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    2022年06月12日
  • アルカトラズ幻想(上)

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    不思議に魅惑的なタイトルや装丁に負けない、まさに奇想天外なミステリー。なんと途中に「重力論文」が差し込まれる。
    凄惨な猟奇殺人の動機に恐竜の謎が絡んでいることが分かり、多分犯人も分かり、既に満足の内容なのに、まだ上巻とは!下巻はいったいどうなっちゃうんだ〜。
    なんとなくワシントンの空気を感じる(行ったことないけど)刑事たちの軽妙なやりとりも良い。

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    2022年06月02日
  • 改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木

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    西洋館の屋根に跨がった死体が発見される。その前には昔少女を飲み込んだという伝説を持つ大楠があった。
    現在と過去、日本とスコットランドの謎を御手洗が解く!
    久しぶりの御手洗シリーズ。ものすごく雰囲気があるホラー?ミステリー。いやもう、最高でした。→

    御手洗は変わらずかっこいいし(一本筋が通った感じ、最高に好き)石岡は相変わらずかわいい(サイトシーイングのくだりとか最高でしょ)ラストのしんみり感もいいなぁ。余韻がすごい。
    なかなか悲しい物語だよね……。

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    2022年05月06日
  • 御手洗潔のダンス

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    ネタバレ

    奇想天外!

    謎解きは、可能性が全く0でなければ、「あり得る!」と僕には面白く読めてしまう。

    現実界でそれが本当に実現可能か?

    そこまで僕には分からない。

    読んで、「おおっ!」と思えるかどうか、それが総て。

    【謎の概要】
    ①山高帽のイカロス
    地上数十メートルの電線の間で飛ぶような格好で死んでいた画家と・・・。
    ②ある騎士の物語
    秋元静香と4人のバイク便の男たち。大雪で交通手段が遮断されていた夜、彼らの恨みを買う1人の男が十数キロ離れた場所で射殺されていた。
    ③舞踏病
    家族に頼まれ老人に二階を間貸ししたが、この老人が夜になると狂ったように踊り出す。
    ○近況報告(4話目)
    これはミステリー

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    2022年04月28日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

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    吉敷シリーズを数冊読み、緻密な謎解きを堪能してからこの作品に来た。
    面白い!構成が楽しい!
    こんなにユーモアあふれる作風だとは、開いてみるまで分からなかったから、ものすごく得した気分。
    ホームズも漱石も、大満足だろう。
    巻末の特別エッセイは、島田荘司ファンのみならず、小説を愛する老若男女にとって、これだけでお金出して買う価値あり。

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    2022年04月23日
  • 夏、19歳の肖像

    ネタバレ

    一読惚れ…。

    もうかれこれ30年近く経ったんですかね、この作品が出版されてから…。

    確かその頃自分は高校生だったと記憶していますが、テスト勉強そっちのけで読破し、正に「一読惚れ」してしまった作品です。懐かしいなぁ…。

    島田先生は改版がお好きで(これはこれで愛読者にとっては迷惑w)、自分が読んだ頃とは大分変わってる気はしましたが、このロマンチックなストーリーを読むと、熱中していたあの頃の自分を思い出して、恥ずかしくもあり懐かしくもありで、忘れられない作品です。確か直木賞の候補作には入ったんですよね、これで。

    賞とは何故か縁遠かった島田先生ですが、今やミステリ界の大御所と成った今を考えると、コ

    #ドキドキハラハラ #胸キュン #切ない

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    2022年04月02日
  • ロシア幽霊軍艦事件―名探偵 御手洗潔―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    幽霊船とロシア皇女の話がどう繋がるのか気になって、早くページを捲りたいとワクワクしたのは初めてかもしれない。
    好奇心に急かされながら読み進めていった。
    随分変わった名前だったから、その名前には何かしらの意味合いはあるだろうと思っていたけれど、まさかそのような意図があったのだとは思わなかった。
    読みながら自分なりに予想してみたのだが、掠りはするものの「ああそっちか⁈」となってもう楽しくて楽しくて。すっかり御手洗の世界に惹きこまれていた。

    平八はずっとアナスタシアのことを思っていたんだな…と僅かなすれ違いに心がギュッとなってしまった。時代が時代でなければ二人は幸せになれたのだろうか、いや、多分出

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    2022年01月10日
  • 鳥居の密室―世界にただひとりのサンタクロース―(新潮文庫)

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    最高の贈り物

    いつもながらの繊細さと重厚さ。
    悲しく切ない背景があるけど、ちゃんと救いがある。
    現実には救われずに終わることもある弱き者を救いたいという作者の思いがあるのかな。
    島田作品は予想外のトリックに翻弄されるんだけど、
    そのトリックに埋もれないストーリーがいつもある。
    楓があの朝受け取ったプレゼントも素敵だけど、
    最後に国丸が受け取ったものこそ素晴らしい贈り物だった。

    #切ない #感動する #深い

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    2021年12月29日
  • 改訂完全版 火刑都市

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    ネタバレ

    久しぶりに、いいミステリー小説だったなぁ…、って感じ。
    でも、それが島田荘司なのが面白い。
    島田荘司というと、ピタゴラスイッチみたいな殺人事件wを書く人というイメージだったけど、こんなシブいミステリーも書くんだなーと。
    江戸っ子じゃないけど、おっそれ入谷の鬼子母神!とか言いたくなる。←意味不明(^^ゞ


    以下、内容に触れています。

    そういえば、『暗闇坂の人喰いの木』の感想で、“この人はドラマは書けても、メロドラマは書けないんだろうな”なんて書いてしまったが、それ、全面訂正!
    なんだよー! こんないいメロドラマ書けるんじゃん。
    なんで、『暗闇坂の人喰いの木』の後半でそれを書かずに、ピタゴラス

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    2021年11月13日
  • 龍臥亭事件(下)

    購入済み

    実際起こった事件だけに。

    最後に犯人が判明するまで、ドキドキさせられました。
    複雑なトリックにも感心しましたし、偶然にも重なった殺人事件により物語に深みが増し、充足感が得られたように思います。
    本小説の関連本も読んでみたいです。

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    2021年10月12日
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

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    島田荘司さんの作品は御手洗シリーズばかり読んでましたが、吉敷シリーズはこの作品が良いということで読んでみたところ、めちゃくちゃ引き込まれました。
    江戸川乱歩風の気味の悪い導入から始まり、そこからこの先どうなっていくのかと気になってしまい、どんどん読み進めてしまいました。

    読み応えありの非常に満足の一作でした!

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    2021年09月02日
  • Pの密室

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    「鈴蘭事件」と「Pの密室」が収録されています。

    鈴蘭事件は御手洗が女嫌いの理由がわかる話でした。

    Pの密室はトリックよりも犯人の動機と最後の切ない終わり方が印象的でした。

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    2021年08月27日
  • 改訂完全版 異邦の騎士

    購入済み

    面白い

    気がつけば、記憶喪失の男。それが、結構長く記憶喪失のままで、だんだん話しが進んでいって、一体どうなるのかと。完全に騙されてました。作者らしい面白さでした。

    #ドキドキハラハラ

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    2021年07月14日
  • 改訂完全版 異邦の騎士

    最高傑作

    御手洗シリーズの最高傑作。
    それは今後出る作品を含めても変わらないと思う。
    前情報なしで初読で読んだ高校生時代の衝撃は忘れない。
    あとがきも。

    #感動する #カッコいい #ドキドキハラハラ

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    2021年05月26日
  • 御手洗潔のダンス

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    面白い!
    特に最後の「近況報告」が…笑。ファンにとってはボーナス的な存在ですね。

    当時の人気をリアルタイムに知らないからアレですが、、一人の女性である自分自身も御手洗くんと石岡くんのコンビのファンで、腐女子ではないけど少なからず萌えるので、こういった感覚は時代を超えても普遍なんだなと…。

    ただ、このシリーズの魅力はキャラクターだけじゃなくて、ストーリーの間に見え隠れする社会性が大きいと思う。
    現代の医療現場への警笛も踏まえた「舞踏病」からは特に沢山のメッセージを感じた。

    ミステリは本来謎解きを楽しむものだと思うし、綾辻さんの十角館の殺人でもエラリィが"知的な娯楽"とい

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    2021年05月19日
  • 星籠の海(下)

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    もうほとんど御手洗が正解にたどり着いているので、捜査と言うよりもほぼ証拠固めのストーリー。
    人によって好き嫌いがあるかもしれないけれど、間違えないと言う安心感があって好き。
    嫌な女性たちへ容赦なく責めて行くのがスカっとした。

    星籠の意味や登場人物たちの関係性など、一気に事件解決への符号となって組み合わさる展開に興奮した。
    やっぱり御手洗シリーズは面白い!

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    2021年05月15日
  • 星籠の海(上)

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    瀬戸内海のある島に死体が流れ着くという相談を受けて調査に乗り出す御手洗と石岡。
    調べてみると思ったよりもスケールが大きい事件だった。

    御手洗たち以外の視点で書かれた章については、今後どう事件に関わってくるのか待ち遠しい。
    読み進めていくと事件に登場してきたり、まだチラッと出てきただけだったりと、まだまだ謎が多い。
    でも最後で出てきた名前にあっ!となった。
    早く続きが読みたい!

    今回は歴史についての蘊蓄が多く、以前読んだ村上海賊の娘を思い出した。
    この事件に歴史も関係しているのかな?
    下巻が楽しみ。

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    2021年05月14日
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

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    警視庁捜査一課吉敷竹史ものの傑作。有名なトリックでドラマや漫画でもパクられているが話の作り方がオリジナルだけに素晴らしい。島田荘司は時に社会派ミステリを書きたがりますが、読者にはどうでも良いことで、どの方向に進んでも奇想があれば面白さは保証される。

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    2021年04月29日
  • 眩暈

    傑作

    ほんと一番島田荘司らしい作品だと思う
    まずバーンと何か「よくわからない話」を出して
    それをこれは解ける謎だと、徐々に解き明かしていく。
    御手洗作品のいつもの流れ

    眩暈はそのよくわからない話が断トツで不気味で奇妙で気味が悪い。
    そしてこれを「現実ですよ」。と。「これは現実にあった話なのです」。と。

    精神病患者の妄想(ドグラ・マグラっぽいかも)として持ち込まれたあまりにも異様な文章をこれは現実だ、ではゲームをしましょうと。現実か妄想かと。

    これは凄い作品。何度でも読み返したくなる。
    DNAを知らない石岡ももちろん必見だ。

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    2021年03月27日
  • ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(1)

    無料版購入済み

    たくさんのリスナーと共に詩を解読し、電話音声の解析により場所を特定するシーンにとてもワクワクしました。文学的要素も感じさせつつ、マンガとしておもしろい。何より御手洗が超イケメン。

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    2022年09月30日