島田荘司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
島田荘司氏の作品として突出した高評価ではないのですが、それでも★5とせざるを得ません。最大の理由は、圧倒的な文章力です。特別美しい言葉や巧みな表現が際立つ訳ではないのですが、実際はそれらが散りばめられているのにもかかわらず、余りに物語に引き込む力が強すぎて気が付きません。文脈、表現、句読点の位置などに不自然さや引っかかる所が無さすぎて、目から入った瞬間にイメージに変換されてしまうからです。
氏の作品には人の弱さや社会の影の部分を書いたものが多い印象ですが、それらをぶち壊す個性と魅力を持つ探偵を合わせることで万人に愛される作品へと昇華されているのが御手洗潔シリーズかと思います。それと比較すると、この作品の読後感はあまりいいものではないですし、読んでいる間の“やがては御手洗潔に癒される”という安心感もありません。それでもページをめくる手が止まりません。
もちろん★5なのは文章だけでなく、ストーリーやミステリとしても、しっかり楽しめます。また後味もそれほど悪いものでもないので、あまりネタバレに触れる前に読むのが正解かと思います。 -
Posted by ブクログ
これぞ、島田荘司というようなトリック山高帽のイカロス。
不思議な雰囲気のあるお話でした。
そういえば、ドラマの最後で石岡が「男が空を飛ぶ」というようなことを口にしていたので続編があるとしたらこれなのかなぁと思っているのですがはてさて。
数字錠は、御手洗シリーズにおいてかなり重要というか、彼らが珈琲を飲まなくなった理由のお話だと聞いていたので楽しみにしていました。
切ないお話です。
作品に纏わるエピソードで、島田氏が同人誌について把握していて、あまつさえそれを励みになるということまで語っていて懐の深い御仁だなと思いました。
確かに同人でも、後日談やアナザーストーリーなど面白いものもありますよね。
こちらも原作は未読なので今後読む予定です。 -
Posted by ブクログ
糸ノコとジグザグのスピード感が圧巻。
漫画を読んでるとは思えないぐらいの引き込み方でした。
あの詩は文体破壊のようでゾクゾクするものがあります。
原作小説を読んでいないので、そのうちに読んでみようと思います。
傘を折る女は先日ドラマでやっていたので大筋はわかっていましたが、最後の「女は中途半端ではいられない」という台詞にグッときました。
力ではどうすることもできない、無力さ。
やるかやられるかになった時、自分ならどうするかーー。
島田荘司氏の作品に纏わるエピソードも一読の価値あり。特に傘を折る女を書いた時の編集の女性の話はこの作品を象徴しているかのようで面白かったです。 -
Posted by ブクログ
エジプト、ギザの大ピラミッドを再現したアメリカ、ビッチ・ポイントのピラミッドで起こる怪事。
ピラミッドに併設した塔の地上30メートルにある密室で発見されたのは溺死した男?
古代エジプトとタイタニック号の物語の先にある事件に、御手洗潔が挑む!
これこれ!これが読みたかったんだよ〜!!島田荘司氏の大胆なトリック!!いやもう最高!!バカミスなんだよー!!こういう力技大好き!
前半の古代エジプトのミクルの話も読んでいて引き込まれるし、タイタニック号の描写も!!大好きだぁぁぁぁ!!!脳内セリーヌディオンんんんっっ!!→
エレナというキャラも、この時代なら全然アリ(というか、魅力的)だし、御手洗は相変わらず御手洗だし、石岡も相変わらず(以下略)
前半の歴史ストーリーから一転、中盤のエレナパートで謎が提示されてからの御手洗よ……いやぁ、相変わらず変人だわ(褒めてます)
ラストも良い。次が楽しみ!!
以下、実況ツイート
おおお……?208ページ目で二つの物語が終わったんだが……?笑
700ページ超えの作品なんで、たぶんここからが本編?
いやぁ、すごいもん読んだわ。もうすでに満足。
さて、ここからどう繋がるのか……わくわく。
(水晶のピラミッド、読書中)
レオナ出てきたー!!
そういえば私、御手洗潔シリーズ読んでたわ。
なお、まだ御手洗も石岡も出てきてませんね。(236ページ現在)
主要メンバーがなかなか出てこないシリーズは例の鈍器本シリーズで慣らされているから大丈夫 -
Posted by ブクログ
ネタバレ石岡君の石岡君による石岡君の為の物語である。
見所は果てしなく、石岡君の葛藤、御手洗の手紙、犬吠里美との恋路(?)、津山事件をモチーフにしたその舞台背景などなど数多あるが、なんと言っても一番は石岡君の推理を龍臥亭の面々や、警察連中に披露するシーンだろう。
個人的にはそこが一番心配で一番感動したと言える。
お疲れ様石岡君。頑張った石岡君。
まぁ、別れの最後まで健康的な腿がどうとかって言ってんな大丈夫かこいつ(笑)とも思ったが。
こりゃ御手洗も呆れて当然だろう
「石岡君、今からぼくが言うことをよく聞き、よく考えて欲しい。今日本には、君のような人がとても多い。能力はあるのに自分が無能だと確信し、勝手に劣等感の井戸の底に落ち込んでいるような人たちだ。そして自分の今の位置が、道徳的だなんて馬鹿げた勘違いをしている。こんな勘違いを助長したがるような輩に、決して耳を傾けてはいけない。連中は取るに足らない小物だからね。
劣等感に落ち込むことは、全然美徳なんかじゃない。周囲に迷惑をかける、ただの怠惰さにすぎないんだよ。君たちは揃って、早くそこから這いあがらなくてはいけない。そのための手助けなど、ぼくは決してしないぜ。また、誰にもできはしないんだ。一人でやらなくっちゃね。そのために、ぼくが今君をおだてることもしない。
君に言うべきことがもうひとつある。その場にいる多くの人たちは、まだ君が救世主だということを解っていない。口にも出せずにいる。しかし君の力が発揮されるのを、羊のようにじっと待っている。みな、君の救けを期待して、辛抱強く待っているんだよ。大衆とはそういうものさ。この一件は、君の力が試されている。君は運命にきちんと応えなくていけない。それは君の義務だ。人命がかかっているんだぜ、自分にはそんな力はないなんて勝手な屁理屈をこねて、楽をしないでくれたまえ。
一生井戸の底にじっとすわっていたいのなら何も言わないが、そこだって居心地がいいばかりじゃなかったはずだ。そろそろ立ちあがって、井戸をよじ昇る頃合いだ。君がまごまごしている間に、また人が死んでしまう。必要なら、ぼくのやり方をよく思い出してくれたまえ。繰り返すが、君はもう充分に経験を積んでいる。一課殺人班の若手刑事なんかよりも、今や君の方がずっとベテランなんだ。材料の集め方も、分析の必要性も、直感の大事さも、すべて君は知っている。あと君に必要なものは、自信だけだ。成功することを信じているよ。頑張れ。」