あらすじ
失われた過去の記憶が浮かび上がり、男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。やっと手にした幸せな生活に忍び寄る新たな魔手。名探偵・御手洗潔の最初の事件を描いた傑作ミステリー『異邦の騎士』に著者が精魂こめて全面加筆した改訂完全版。幾多の歳月を越え、いま異邦の扉が再び開かれる。
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著者の作品は「占星術〜」、「斜め屋敷の〜」に続いて3作目となった。毎回感想の最初に「長い!」と書いているが最早この長ささえも御手洗のぶっ飛び具合と同様クセになってしまった笑
今作はこれまで読んだ2作とは異なり犯人やトリックを解いていくというよりは物語としての側面が強く、様々なシーンで気持ちが暖まったり冷えたり苦しくなったりと、今回の主役である「記憶を失った男」の様にとにかく感情を揺さぶられる作品だった。
この作品は御手洗潔シリーズの3番目の作品ではないが少なくとも自分が読んだ前2作を読んだ後の方が楽しめる作品だと思う。
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目覚めるとベンチの上だった。そして、「俺」は自分が記憶を失っていることに気づく
御手洗潔シリーズ4作目
明かされた真相にびっくり!!!
島田荘司、恐るべし!
この作品で完全にシリーズにハマった感。
御手洗潔シリーズ最高かよ!
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はぁぁぁ……(T^T)
御手洗潔が今までて一番かっこいい〜
シリーズ4作目、今まで読んできた推理小説ものとは打って変わって今回はミステリー小説だった。
しかしね…これ、めっちゃ面白い!!
物語は記憶を無くしてしまったある男の視点から始まっていく。次々に明かされる記憶を無くした男の正体。マジでハラハラドキドキが止まらない!!
そして真実が明かされた時思わず…マジか…と声に出してしまった。
全体的に悲しい物語なのだが、優秀すぎる良作!
これはね〜マジでシリーズを順番に読むことをおすすめする!
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記憶喪失モノって、なんでこうもドキドキするんだろう。九広の家の「生まれる前の胎児の泣き声のような、糸を引く不安の叫び」「生まれる前と死んだ後とはこんなふうに結ばれ、繋がっているのかと誰もを気づかせずにはおかない、悲しみとも嘆きともつかぬ霊波の躍動が、輪を作り、ひゅうひゅうと音をたててこの息の詰まるような空間を駆け巡っていた」の描写など、読んでいて、実際胸の窄むような思いがした。一体何なんだという興味と不安と、好奇心にドキドキする感じがたまらない。
好きなシーンについて
一つ目は、
「ねえ君、一目惚れって信じるかい?」
「信じるわ。だって私も経験あるもの」
「そう?」
「うん」
「いつ?」
彼女はちょっと俺を見てから目を伏せ、恥ずかしそうにこう答えた。
「ゆうべよ」
のシーン、胸キュンすぎた!このまま月9持っていこう!!
二つ目は真相ターンの、鉄の馬に跨り、颯爽と夜の荒川土手に現れた御手洗さん。
このシーン、すごくカッコいいのに、
「淋しかった、一人ぼっちだったからな。君などには永遠に解らない感情だ。自分にとってすべてだった良子との生活、それを汚されるってことがどんなにひどいことか、君には解るまい!」
「君、僕だって一人ぼっちだ。」
この、「孤独」を持ってる感じなの、たまらない。しかも「ナイフの前に身をかざした彼女の気持ちが分かったからさ」「君、僕だって一人ぼっちだ」とか、この辺の台詞、石岡君への告白か何か?
「君はきっと僕に謝りたくなるだろう。そうしたら、恥ずかしがらなくていいからね。僕は今夜も明日も、ずっと部屋にいるよ」、愛か?
いや、愛なのだろうな。占星術殺人事件でもポロッと言ってたけど、「僕の孤独は君が埋めてくれる」だから「君の孤独も僕が埋めたい」的な、そういう愛なんだな……。んんブロマンス!ありがとう(感謝)
三つ目は、細かいけれど「自分の涙で小さな水たまりが出来ていた。それを見ると、わずかに笑いがこみあげた。」最後の方のこの描写。共感できる。良いなあ。(ちょっとした描写なんだけど)。思いっきり泣いた後ってちょっと自分が滑稽に思えて、自己嫌悪とかそういうことも忘れて、自然と笑えるんだよね。生きるための人間の本能だろうけど、石岡君、そのまま幸せになってくれ!
他にも好きなシーンはもろもろありますが、とにかく、クライムサスペンスから「いつもの」御手洗シリーズ、ミステリに収斂していくのが最高でした!良かった!
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傑作。名作。
最初から最後まで、ずっと空間に吸い込まれるように惹き込まれた。次々に展開する怒涛のストーリー。圧倒的なリアリティ。息つく暇もない。頭の中で考えていた結末も、闘牛士のマントの様に覆された。ミステリー小説の醍醐味が、凝縮した一冊だった。
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御手洗潔と石岡君の出会いのお話。
所謂本格ミステリとは違うけど、記憶を失くした男の行動を辿る形で次々物語が発展していくのが面白かった!
…と言っても前半部分は、記憶を失くすことがどれほど恐ろしいかや千賀子の日記の内容がショッキング過ぎて読んでてだいぶ辛かったから面白いというよりはハラハラした…
最後に名前が出て全部思い出すところ良かったなぁ〜。途中で薄々気になってはいたけど記憶を失くした主人公が石岡君だったとは…!
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御手洗潔最初の事件。最後を読むと発表順に読んでおけば良かったと後悔。それでもサスペンス展開で話は面白い。
記憶喪失な主人公が見つけた亡き妻の日記を読んだあたりで感情が揺らぐのも上手く計算されているように思う。トリックもスッキリした意外性もあるし人間ドラマとしても印象に残った。個人的には傑作。
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御手洗潔、かっこいい!最高!
推理小説ではなかったけど、一つの小説としてとても面白くて、泣けた。
後書きを読んで知ったけど、作者の私小説的もあったとのこと。こんなにセンチメンタルな作品に仕上がっているのも納得という感じ。
面白い
気がつけば、記憶喪失の男。それが、結構長く記憶喪失のままで、だんだん話しが進んでいって、一体どうなるのかと。完全に騙されてました。作者らしい面白さでした。
最高傑作
御手洗シリーズの最高傑作。
それは今後出る作品を含めても変わらないと思う。
前情報なしで初読で読んだ高校生時代の衝撃は忘れない。
あとがきも。
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これまでの御手洗シリーズとは一味違う感じで読み易く面白かった。
トリックや内容については作中から約30年後の現代では私自身の仕事と関連もあり、あり得ない中身なので想像にも及ばなかったがその頃ならあり得るのかなぁどうなんだろうと思わせる感じだった。
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今後の創作の参考資料として読んだ。大変読みやすい。人間関係(登場人物)は広げすぎず、真相に至る為のヒント・伏線などはしっかりと確立している。しかして探偵役の推理は一見突飛に思えるが、物語が進むにつれ、頷きざるを得ない不思議がある。登場人物の末路を予言しつつ、それを繰り返したり下手に防いだりせずひとつの診断結果として、また伏線として残しておくのがお洒落だ。
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お勧めされたので読んだ本。
記憶喪失の男がどうして記憶喪失になったのかを考えながら読んだが記憶喪失の男と一緒に騙されてた。
今でも嘘が本当のことだったのではないかと思うほど印象が強くてこんがらがってる。
この本では御手洗潔の友情深さを見ることができて、こんな友人が出来る人生そうそうないよなと思った。
御手洗の記憶喪失の男に対して思いやりが台詞を通じてしみじみと沁み渡る感じを抱いた。
記憶喪失の男と良子や御手洗のやりとりが私にとってじんわりと響くような会話(台詞)が多くて心を震わせながら読んだ。
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ミステリ好きにお勧めされた本人の人生を勝手に作られると言う事はこれほど恐ろしいことなのかと思った。少し現実離れしてるような物語だけれども、いろいろな奇跡が積み重なったらこれが現実になるのかもしれないと思わせてもらえるとは言え、情緒的な表現が多かったので、読むのに時間がかかった。続編もあるというかシリーズ化されているものらしいので聞くのはありかなぁと思う。
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感無量。オチがある純文学のような感じで非常に楽しめた
何となく、この頃の女性というのはヒステリーを起こしがちなのかな?と思った
御手洗が特異点のように登場人物の価値観から隔絶しているところが面白かった
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面白い。
読み進めている間はとてもしんどくて、辛いまであるけど、読後感は良い。
漠然とした不安感、寄る辺なさ、若さ。暗さ。そんな感情を揺さぶられる。
そんな時に御手洗がいたらと作者も思ったのだろうか。
御手洗シリーズに連なる作品だが、御手洗が主ではない。読者が主人公たり得る作品のように思う。
しんどいけどおすすめ。
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御手洗と石岡の出会いと絆が生まれるエピソード0の物語。御手洗のどんな行動にもついていく石岡の理由が分かり、改めて御手洗と石岡の関係が好きになりました。
これは、御手洗シリーズを読んだり人絶対読むべき作品です!
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御手洗潔シリーズ最初の事件
(実際は占星術殺人事件の発行の方が早いため実際の時系列とは異なるが)
読後は余韻を充分に浸れる非常に良い作品
序中盤辺りまでは正にドラマを見ているような感覚。悪く言えば盛り上がりに欠ける部分があったが、ある展開をきっかけに物語が180度変化していく
そこからは怒涛の展開でラストは非常に切ない...
そして後の作品へと繋がっていくんだなぁと
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島田荘司が生み出した探偵・御手洗潔最初の事件。失った過去の記憶が蘇り、その記憶に翻弄され、迷える男の前に颯爽と現れた騎士こそ、御手洗潔だった。壮絶な真実に立ち向かう男たちがとにかく強くて格好良く、そして優しい。読む度に泣きます。
島田荘司、真のデビュー作!!
御手洗潔シリーズが大好きで、ずっと読み続けています。
「異邦の騎士」はシリーズ長編としては3番目ですが、時系列的にはそれより前のお話し。
実際の執筆も最初に書かれたので、文章も若々しく感じますね。
何度か読み返してますけど「主人公、石岡君だったの!!!」っていう驚きが味わえるのは初見だけなのが残念(笑)
読み物としての御手洗潔
御手洗潔シリーズの中では異色な、トリックよりもストーリーに重きが置かれた作品とおもう。
他のシリーズと比べて「やられた!」って感じは少ない。読者への挑戦状もないし。
主人公に感情移入しているだけに、ストーリーが強く印象に残る。意外性だけが読者に衝撃を与える訳じゃないんだなと思わせる。いい小説だと思う。
でも、まずは「占星術~」あたりを読んでから、こっちに来てほしいかな。おはお話が御手洗潔の本流と思われるのはなんかちがう。
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「記憶喪失の人に過去を誤認させ、人を殺すように仕向ける」というのは、本来大胆で意外性のあるトリックなのだろうと思うけれど、あまりにお話として綺麗なので、逆になんだか大したことのないように思えてきてしまう。また、主人公が精神錯乱している状態のにあるときの一人称視点の文章は、筆が乗っていて描写が多彩だが、ミステリとしての面白さには繋がっていないように思えた。
御手洗潔についても、素の人間性を一旦置いておいた探偵としての立ち振る舞いは全体として穏やかで、ミステリ小説として読むとなんとも物足りず、人情小説として読むとありきたりに思える。
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全体的にはとても面白かったけど、ネタバレしたあと、それまでに腑に落ちなかった部分がすべて回収されず残ってしまったのでそこが残念だった。
こちらで想像を膨らませて辻褄を合わせることもできるけど、合わせるのではなくて自ずと合って欲しかった。当時は免許証のケースは一種類だったのだろうか?たまたま二人の免許証のケースが同色だったのだろうか?もし色違いなら西尾久と西荻以前の問題になってしまうのと、九広にたどり着いたときに感じた既視感。これはやはり思い込みが見せた産物なのか。
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おもしろかった。序盤からのめり込んで読んだ。
ある意味島田荘司的容疑者Xの献身みたいな。(話は全然違うけど)
他に比べてトリックとかミステリー要素低めに思うので-1。
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島田さんの御手洗シリーズ長編3作目。一般的にここまでの初期3部作が代表的になるだろうか。記憶をなくした男を巡る物語に若き御手洗が絡んでいくという流れ。本格ミステリというよりサスペンス調の作品でどんどんと読める。一般的には「愛の物語」と読めるのだろうが私としては「友情の物語」ととれた。次第に親密になっていく主人公と御手洗の関係性が非常によく、確かに御手洗は変わり者だが全うな人物だと思える。当時は奇抜な設定だったろうが様々な探偵役が表れている今になってはそうでもないと思うね。
Posted by ブクログ
先に占星術や斜め屋敷を読んだけど、こちらはそういった大掛かりなトリックを用いたミステリではなくむしろ心理的な要素が強い内容だった。大掛かりな仕掛けがある方が島田荘司らしい感じはするけどエピソードゼロとして読んでおいてよかった。
Posted by ブクログ
まさか主人公=石岡(ワトソン役)の過去編だとは思いもしなかった。
御手洗と石岡にこんな過去があり絆が生まれたというのはエモいが、石岡は故意ではないにせよ殺人を行っているわけで、少し見る目が変わってしまう。
Posted by ブクログ
はじめ、ちょっと無駄な描写が多いように感じ、なかなか入り込めませんでした。免許証が出てきた辺りから一気に物語が展開し始め、目が離せなくなった。最後の巻き返しはテンポも良く、爽快でした。どうやら、シリーズ物(?)らしいので、他も読んでみたいのですが、順番が分からず悩み中…
Posted by ブクログ
全て読み終わった後、なるほどなぁ……!とよくできた物語のつくりに感嘆しました。
まさか良子とその家族が事件を仕組んだ真相だと知った時は、とても驚いた。ただの復讐劇に終わらず、主人公と良子が確かな愛情を育んでいたのも良かった。特に主人公にとって、その後の人生を生きる上での大切な記憶になったに違いないと思います。
御手洗のキャラクターが凄く良かった。
タイトルの異邦の騎士とは、まさに彼のことだったのだと全てを読んでから気付きました。面白かったです。