あらすじ
失われた過去の記憶が浮かび上がり、男は戦慄する。自分は本当に愛する妻子を殺したのか。やっと手にした幸せな生活に忍び寄る新たな魔手。名探偵・御手洗潔の最初の事件を描いた傑作ミステリー『異邦の騎士』に著者が精魂こめて全面加筆した改訂完全版。幾多の歳月を越え、いま異邦の扉が再び開かれる。
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Posted by ブクログ
どうしよう、御手洗シリーズここまで全て星5になってしまう。やはりこういったロマンがないと。殺人という人情のないような行為には、人情が必要なのです。全体的に、詩的な表現が素晴らしい。私も深海魚でありたい。絵にしたくなる文章は良い文章。御手洗が格好良いんだな。美しい人間たちが、美しい文章で描かれていく、読んでいて気分が良い。
Posted by ブクログ
信じられないしんどすぎる。4年前まだ高校三年生だった私はもう辛すぎて受け止められなかった。愛する人が自分を罠にかけるためにハニートラップをしていて、出会いから何まで嘘だったとわかった時、石岡くんが気を狂わせなかったのは御手洗のおかげなんだよな……良子をさしてしまったときの石岡くんの悲痛さったらないよ。
兄は憎たらしいやつだと思うけど、「うっとうしいやっかい事に、頭のてっぺんから爪先までまとわりつかれた運のない男なんだよ。いってみれば、ノミに体中たかられた大みたいなもんだ。いつでも後足で休を描いてなきゃならない。だけどな、ノミが一匹もいなくなったら、俺は犬だってことを忘れるだろうよ」って言うセリフはかっこよすぎて痺れた。
みんな御手洗潔視点の御手洗潔の挨拶を読んで……
Posted by ブクログ
名探偵・御手洗潔の最初の事件
過去の記憶を失った男は一人の女性と出会い、ささやかながらも幸せな生活を始めるが、自身の過去と相対したことで背後で進行する事件に巻き込まれていく。
まず記憶喪失の主人公が公園で目覚めるところから始まり、主人公と一緒に状況がわからないとなるところから始まる。良子との幸せな生活のパートでは上司との飲み会の話であったり、日常を強く感じさせるような流れだったけど、自身の過去に向き合い始めてからは一気に展開が変わっていく。前半で散りばめられていた、鏡が見れないといった伏線が、自身の顔を誤認させるというとんでもないトリックで回収され、最後には謎が一気に解き明かされる。記憶喪失の男に創作の日記を読ませて過去の記憶を刷り込んでいたというのも驚きで、あんな臨場感あふれる筆致で描かれると、実際に経験したものだと信じ込んでしまうなあと思った。
情景描写が多く、それもあって文量も多い面はあるが、最後の展開には引き込まれて一気読み不可避だった。
Posted by ブクログ
今後の創作の参考資料として読んだ。大変読みやすい。人間関係(登場人物)は広げすぎず、真相に至る為のヒント・伏線などはしっかりと確立している。しかして探偵役の推理は一見突飛に思えるが、物語が進むにつれ、頷きざるを得ない不思議がある。登場人物の末路を予言しつつ、それを繰り返したり下手に防いだりせずひとつの診断結果として、また伏線として残しておくのがお洒落だ。
島田荘司、真のデビュー作!!
御手洗潔シリーズが大好きで、ずっと読み続けています。
「異邦の騎士」はシリーズ長編としては3番目ですが、時系列的にはそれより前のお話し。
実際の執筆も最初に書かれたので、文章も若々しく感じますね。
何度か読み返してますけど「主人公、石岡君だったの!!!」っていう驚きが味わえるのは初見だけなのが残念(笑)
Posted by ブクログ
前半は読むのにかなり時間がかかってしまったけど、免許証の住所に訪ねるところからは一気に読んだ。
意外な展開ではあったけど、良子の家族にはムカついたし、石岡は「悪人はいなかったんだ」みたいなことを言ってたけど、いや無関係の人間にここまでやらせるのは普通に悪人だろ、と思った。
占星術殺人事件は前に読んでたんだけど、御手洗がどんな感じなのかすっかり忘れてたのでまた再読してもいいかも。他のシリーズも読んでみたさはある。
Posted by ブクログ
「記憶喪失の人に過去を誤認させ、人を殺すように仕向ける」というのは、本来大胆で意外性のあるトリックなのだろうと思うけれど、あまりにお話として綺麗なので、逆になんだか大したことのないように思えてきてしまう。また、主人公が精神錯乱している状態のにあるときの一人称視点の文章は、筆が乗っていて描写が多彩だが、ミステリとしての面白さには繋がっていないように思えた。
御手洗潔についても、素の人間性を一旦置いておいた探偵としての立ち振る舞いは全体として穏やかで、ミステリ小説として読むとなんとも物足りず、人情小説として読むとありきたりに思える。
Posted by ブクログ
全体的にはとても面白かったけど、ネタバレしたあと、それまでに腑に落ちなかった部分がすべて回収されず残ってしまったのでそこが残念だった。
こちらで想像を膨らませて辻褄を合わせることもできるけど、合わせるのではなくて自ずと合って欲しかった。当時は免許証のケースは一種類だったのだろうか?たまたま二人の免許証のケースが同色だったのだろうか?もし色違いなら西尾久と西荻以前の問題になってしまうのと、九広にたどり着いたときに感じた既視感。これはやはり思い込みが見せた産物なのか。