島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ動物好きとして表紙に惹かれて読破(^^)
中国の作者さんが書いてる?ということで要所要所で中国っぽい漢字の使い方が出てきますが個人的には全然気にならなった。逆に独特なキャラ名の人が結構いたように思えたので新鮮な気持ちで読み進めることができました。
気に入った点として深くは描かれてはいなかったですが、知能を得た動物VS人間という構図を上手く使っている。それでいて実際には人間がほぼ登場しない!そして知能を得たからこそ人間っぽくなってしまっている動物達の苦悩も描けている(動物の種類で下に見るような感じ)。こういった話は~という国があって…~という戦いがありましたと記号だけで世界観を広げる手法が多いで -
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ネタバレ記憶喪失モノって、なんでこうもドキドキするんだろう。九広の家の「生まれる前の胎児の泣き声のような、糸を引く不安の叫び」「生まれる前と死んだ後とはこんなふうに結ばれ、繋がっているのかと誰もを気づかせずにはおかない、悲しみとも嘆きともつかぬ霊波の躍動が、輪を作り、ひゅうひゅうと音をたててこの息の詰まるような空間を駆け巡っていた」の描写など、読んでいて、実際胸の窄むような思いがした。一体何なんだという興味と不安と、好奇心にドキドキする感じがたまらない。
好きなシーンについて
一つ目は、
「ねえ君、一目惚れって信じるかい?」
「信じるわ。だって私も経験あるもの」
「そう?」
「うん」
「いつ?」
彼 -
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島田荘司氏の作品として突出した高評価ではないのですが、それでも★5とせざるを得ません。最大の理由は、圧倒的な文章力です。特別美しい言葉や巧みな表現が際立つ訳ではないのですが、実際はそれらが散りばめられているのにもかかわらず、余りに物語に引き込む力が強すぎて気が付きません。文脈、表現、句読点の位置などに不自然さや引っかかる所が無さすぎて、目から入った瞬間にイメージに変換されてしまうからです。
氏の作品には人の弱さや社会の影の部分を書いたものが多い印象ですが、それらをぶち壊す個性と魅力を持つ探偵を合わせることで万人に愛される作品へと昇華されているのが御手洗潔シリーズかと思います。それと比較すると、 -
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これぞ、島田荘司というようなトリック山高帽のイカロス。
不思議な雰囲気のあるお話でした。
そういえば、ドラマの最後で石岡が「男が空を飛ぶ」というようなことを口にしていたので続編があるとしたらこれなのかなぁと思っているのですがはてさて。
数字錠は、御手洗シリーズにおいてかなり重要というか、彼らが珈琲を飲まなくなった理由のお話だと聞いていたので楽しみにしていました。
切ないお話です。
作品に纏わるエピソードで、島田氏が同人誌について把握していて、あまつさえそれを励みになるということまで語っていて懐の深い御仁だなと思いました。
確かに同人でも、後日談やアナザーストーリーなど面白いものもありますよね。 -
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糸ノコとジグザグのスピード感が圧巻。
漫画を読んでるとは思えないぐらいの引き込み方でした。
あの詩は文体破壊のようでゾクゾクするものがあります。
原作小説を読んでいないので、そのうちに読んでみようと思います。
傘を折る女は先日ドラマでやっていたので大筋はわかっていましたが、最後の「女は中途半端ではいられない」という台詞にグッときました。
力ではどうすることもできない、無力さ。
やるかやられるかになった時、自分ならどうするかーー。
島田荘司氏の作品に纏わるエピソードも一読の価値あり。特に傘を折る女を書いた時の編集の女性の話はこの作品を象徴しているかのようで面白かったです。