島田荘司のレビュー一覧

  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    最初に密室トリックが明示される、変わった作品集。トリックが分かっているからこそ使える謎や伏線、どんでん返しが魅力的だった。特に、「薄着の女」は最後の一行で物語の真相が明かされて驚いた。

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    2024年10月18日
  • 動物城2333

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    ネタバレ

    動物好きとして表紙に惹かれて読破(^^)
    中国の作者さんが書いてる?ということで要所要所で中国っぽい漢字の使い方が出てきますが個人的には全然気にならなった。逆に独特なキャラ名の人が結構いたように思えたので新鮮な気持ちで読み進めることができました。
    気に入った点として深くは描かれてはいなかったですが、知能を得た動物VS人間という構図を上手く使っている。それでいて実際には人間がほぼ登場しない!そして知能を得たからこそ人間っぽくなってしまっている動物達の苦悩も描けている(動物の種類で下に見るような感じ)。こういった話は~という国があって…~という戦いがありましたと記号だけで世界観を広げる手法が多いで

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    2024年10月08日
  • 改訂完全版 異邦の騎士

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    ネタバレ

    記憶喪失モノって、なんでこうもドキドキするんだろう。九広の家の「生まれる前の胎児の泣き声のような、糸を引く不安の叫び」「生まれる前と死んだ後とはこんなふうに結ばれ、繋がっているのかと誰もを気づかせずにはおかない、悲しみとも嘆きともつかぬ霊波の躍動が、輪を作り、ひゅうひゅうと音をたててこの息の詰まるような空間を駆け巡っていた」の描写など、読んでいて、実際胸の窄むような思いがした。一体何なんだという興味と不安と、好奇心にドキドキする感じがたまらない。

    好きなシーンについて
    一つ目は、
    「ねえ君、一目惚れって信じるかい?」
    「信じるわ。だって私も経験あるもの」
    「そう?」
    「うん」
    「いつ?」

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    2024年09月17日
  • 改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木

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    怖かった。うん。怖かった。
    けど御手洗シリーズで1番好きかもしれない。
    ぶっ飛んでるけど理にかなってるトリックがクセになる。
    とりあえず御手洗がすき!

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    2024年08月14日
  • 改訂完全版 斜め屋敷の犯罪

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    評判通り、めちゃくちゃ面白かったです!
    犯人もトリックも全然読めなくて非常に驚かされました。
    ただ序盤からじっくり時間をかけて考察していたら真相に気付いてしまっていた気がするのでこれから読む方は頭空っぽにしてどんどん読み進めることをオススメします!

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    2024年08月07日
  • 龍臥亭事件(上)

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    この作品の世界観をもう一度味わいたくて再読。
    一種独特な幻想的な雰囲気を持つ作品というイメージが強く殺人事件には似つかわしくない感想かもしれないが、美しいという感覚が強い。
    次々に登場人物が消えていき、全く先が読めないまま上巻が終了。御手洗潔のようなキレのある解決ではないが石岡の穏やかに少しずつ進む奮闘が好ましい。

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    2024年08月07日
  • 御手洗潔のダンス

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    ネタバレ

    やっぱり島田荘司、もとい御手洗潔シリーズは短編集でも全く物足りなさを感じさせない面白さがある。むしろ短編なのにそれなりに長めの話を読んだような満足感。
    舞踏病が特に面白かった!
    毎夜踊る狐憑きの老人の話が大正時代の宝石強盗絡みの話に繋がるとは…
    真相を聞いた時の石岡君と同じくして「なあるほどーっ!」と心の中で手を打った笑

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    2024年07月30日
  • 龍臥亭事件(下)

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    石岡くんが事件を解き明かす。ちょっと控えめな回答編かとても好ましかった。
    ただ事件自体はとても悲しいもので日本の閉鎖地域での同調圧力によるある種イジメのような状態が引き金となっている。
    凝った館にふさわしい難解な事件でとても楽しめた。

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    2024年07月21日
  • 龍臥亭幻想(上)

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    あれから8年の時を経て、残っていたメンバーが龍臥亭に集結。またもや凄惨な死体の出現。思わせぶりな日照の言動が気になりながら上巻は終了。
    龍臥亭事件のときと同じような事件の発生に、こちらではどんな展開が待ち受けているのかがとても気になる。

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    2024年07月01日
  • 改訂完全版 異邦の騎士

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    傑作。名作。
    最初から最後まで、ずっと空間に吸い込まれるように惹き込まれた。次々に展開する怒涛のストーリー。圧倒的なリアリティ。息つく暇もない。頭の中で考えていた結末も、闘牛士のマントの様に覆された。ミステリー小説の醍醐味が、凝縮した一冊だった。

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    2024年06月27日
  • 改訂完全版 斜め屋敷の犯罪

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    奇想天外なトリック。小説だなーと思わないでもないけど、作者の発想に頭をぶち抜かれた!
    あと、何気ない会話に登場人物の個性が滲み出る文体。すきすきすー。

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    2024年06月11日
  • 改訂完全版 異邦の騎士

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    ネタバレ

    御手洗潔と石岡君の出会いのお話。
    所謂本格ミステリとは違うけど、記憶を失くした男の行動を辿る形で次々物語が発展していくのが面白かった!
    …と言っても前半部分は、記憶を失くすことがどれほど恐ろしいかや千賀子の日記の内容がショッキング過ぎて読んでてだいぶ辛かったから面白いというよりはハラハラした…

    最後に名前が出て全部思い出すところ良かったなぁ〜。途中で薄々気になってはいたけど記憶を失くした主人公が石岡君だったとは…!

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    2024年06月03日
  • 網走発遙かなり 改訂完全版

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    島田荘司氏の作品として突出した高評価ではないのですが、それでも★5とせざるを得ません。最大の理由は、圧倒的な文章力です。特別美しい言葉や巧みな表現が際立つ訳ではないのですが、実際はそれらが散りばめられているのにもかかわらず、余りに物語に引き込む力が強すぎて気が付きません。文脈、表現、句読点の位置などに不自然さや引っかかる所が無さすぎて、目から入った瞬間にイメージに変換されてしまうからです。
    氏の作品には人の弱さや社会の影の部分を書いたものが多い印象ですが、それらをぶち壊す個性と魅力を持つ探偵を合わせることで万人に愛される作品へと昇華されているのが御手洗潔シリーズかと思います。それと比較すると、

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    2024年05月04日
  • 改訂完全版 異邦の騎士

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    御手洗潔最初の事件。最後を読むと発表順に読んでおけば良かったと後悔。それでもサスペンス展開で話は面白い。
    記憶喪失な主人公が見つけた亡き妻の日記を読んだあたりで感情が揺らぐのも上手く計算されているように思う。トリックもスッキリした意外性もあるし人間ドラマとしても印象に残った。個人的には傑作。

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    2024年03月12日
  • 北の夕鶴2/3の殺人

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    すごい

     トリックがすごくて現実離れしていますが、島田作品を読むならそれは折り込み済みです。気にしません。それより吉敷さんの状況描写、特に心情描写が胸に沁みてきて一生懸命読んでしまいました。
     そして、道子さんとのラストもとっても気になって、読み終えたとき、ただのミステリーでなかったことに感じ入ってしまいました。

    #胸キュン #ドキドキハラハラ

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    2024年02月28日
  • 改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木

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    この分厚さを苦にせず読ませる完成度に⭐︎5!
    ホラー演出、コミカル石岡君、相変わらず大がかりなトリックに、カッコ良さが増し続ける御手洗潔!
    挿話のバランスも良し!
    御手洗シリーズの一つの到達点って感じだね

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    2024年02月01日
  • ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(3)

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    どうやったら美女失踪と便器盗難事件が結びつくのか、島田氏の頭の中を覗いてみたい…。
    疾走する男は新たな御手洗がみられて面白かった。
    とはいえ、疾走する男の遺体はあんなに運良く吹っ飛ぶものなのか…。

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    2024年01月20日
  • ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(2)

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    これぞ、島田荘司というようなトリック山高帽のイカロス。
    不思議な雰囲気のあるお話でした。
    そういえば、ドラマの最後で石岡が「男が空を飛ぶ」というようなことを口にしていたので続編があるとしたらこれなのかなぁと思っているのですがはてさて。
    数字錠は、御手洗シリーズにおいてかなり重要というか、彼らが珈琲を飲まなくなった理由のお話だと聞いていたので楽しみにしていました。
    切ないお話です。
    作品に纏わるエピソードで、島田氏が同人誌について把握していて、あまつさえそれを励みになるということまで語っていて懐の深い御仁だなと思いました。
    確かに同人でも、後日談やアナザーストーリーなど面白いものもありますよね。

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    2024年01月20日
  • ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録(1)

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    糸ノコとジグザグのスピード感が圧巻。
    漫画を読んでるとは思えないぐらいの引き込み方でした。
    あの詩は文体破壊のようでゾクゾクするものがあります。
    原作小説を読んでいないので、そのうちに読んでみようと思います。
    傘を折る女は先日ドラマでやっていたので大筋はわかっていましたが、最後の「女は中途半端ではいられない」という台詞にグッときました。
    力ではどうすることもできない、無力さ。
    やるかやられるかになった時、自分ならどうするかーー。
    島田荘司氏の作品に纏わるエピソードも一読の価値あり。特に傘を折る女を書いた時の編集の女性の話はこの作品を象徴しているかのようで面白かったです。

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    2024年01月20日
  • 切り裂きジャック・百年の孤独

    購入済み

    資本主義の闇を描く

    ⚫️30年以上前の高校担任国語教諭(K高T先生)による授業内での紹介本である。30余年越しの初読だが、一読驚愕。性と暴力描写が甚だしく教師が生徒に勧める本ではない。⚫️往事は、ソ連崩壊間際で社会主義の敗北と資本主義の勝利が喧伝されていた。本書は、ビクトリア朝ロンドンと1980年代西ベルリンを舞台とし、一見華やかな資本主義が持つ貧富の格差といった闇を執拗に描く。担任教諭は時流に抗し、資本主義の諸悪を適示したかったのだろう。⚫️なお、上野千鶴子「スカートの下の劇場」も推していた。パンク過ぎる。

    #ドキドキハラハラ

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    2024年01月11日