島田荘司のレビュー一覧

  • 写楽 閉じた国の幻(下)

    Posted by ブクログ

    下巻はとても面白かった。上巻を読んでいるときは、けっこう惰性で読んでいましたが、下巻はすごかったですね。何がよかったかと言うとこの小説の仮説の説得力。後書きまで読むとこの物語のすごさがわかります。伏線やらあのときの話はどこにいかされたの?必要だったの?と思われるところもありましたが、それを含めても読む価値があったと思います。島田さんの作品は初めてでしたし、この仮説の信憑性もわかりませんが、かなりの満足感でした。

    0
    2016年02月03日
  • 占星術殺人事件 改訂完全版

    ネタバレ 購入済み

    本格ミステリーの傑作

    島田荘司の代表作として最も名の知られた作品。自分の中のミステリーブームの内に触れることに相成りました(^ ^)40年前に起きた不可能としか考えられない猟奇的連続殺人。友人の石岡から事件のあらましを説明された御手洗がこの謎に挑戦します。徐々に示される事件の内容は複雑に絡み合い、難解としか言えません。果たしてこの事件の真相はなんなのか?








    以外ネタバレ
    この小説はあまりに有名です。事件の大元のトリックには間接的に金田一少年の事件簿で触れていました。読み始めて、アゾート事件の死体切断の顛末からあれ?と感じ、このトリックにいち早く気づいてしまったのは痛恨ではあります。元々こちらが先なので

    0
    2015年12月14日
  • ロシア幽霊軍艦事件―名探偵 御手洗潔―(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これはまた大作だ。
    導入部に石岡先生が語るとおり、奇抜なトリックや奇怪な館や凄惨な殺人事件に巻き込まれるわけでなく、なのにこれまでの作品に優るとも劣らない大きな謎と壮大なストーリーが秀逸な異色作。石岡先生曰く、御手洗探偵の学者としての一面を垣間見たというけれど、こちらとしては著者の知性と問題意識、学者性を垣間見たというかんじ。
    第一次対戦下、ロシア革命とロマノフ政権、処刑された皇帝一家の生存者と名乗る女性の真偽。史実に残る不可思議から、戦争と政治に翻弄された女性の壮絶な生涯を描き出した見事な作品。後書きもとても有意義。ほんとなんでも書ける方なんだなー。

    0
    2015年11月24日
  • 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    若かりし頃の御手洗潔の短編。世界を旅した御手洗の思い出を予備校生サトル目線で描かれている。追憶のカシュガルがやはり一番印象深く心に響いた。

    0
    2015年05月09日
  • アルカトラズ幻想(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <あらすじ>
    1939年
    ワシントンDC近郊で中年女性の死体が発見される。
    その死体は手と首をロープで縛られ、首吊りのように木に吊るされていた。
    しかも性器が切り取られ、そこから内臓がぶら下がっていた。
    検視の結果、死因は心臓麻痺だった。

    しばらくして、今度は若い女性の死体が発見される。
    死体は1件目の事件と同様に木に吊るされていたが、
    今度は腹が切られ、骨盤がノコギリで切断されていた。
    検視の結果、死因は交通事故だった。

    2つの事件を異常者による犯行とみて調査するも捜査は難航する。

    そんな警察のもとに、最初の事件の第一発見者から、
    事件に関するものかもしれないから確認してほしい、と

    0
    2015年05月06日
  • 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    御手洗潔のシリーズ。若かりし頃の御手洗が京大そばの進々堂で世界放浪の際の思い出を語るという形。ミステリでもなく旅行記のような形式。歴史の出来事と、民族/国家の悲哀とを絡めて描いた作品。なかなか印象深く自分には面白かった。

    0
    2015年04月30日
  • 龍臥亭幻想(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    異邦の騎士を思い出した

    日照さんは魅力的な人物だと思う
    二子山さんが日照さんへの思いを語るとき
    もらい泣きした

    0
    2015年04月26日
  • ロシア幽霊軍艦事件―名探偵 御手洗潔―(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    おもしろかった! というか、すごく興味深いお話だった。こういう形での推理モノもあるんだなあ…。もう一つのも買ってみようと思いました。

    0
    2015年04月10日
  • UFO大通り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久々の御手洗シリーズ。2編ともにアナフィラキシーショックをトリックに使った斬新な切り口がとてもおもしろかった。

    0
    2015年03月31日
  • 光る鶴~吉敷竹史シリーズ16~

    Posted by ブクログ

    御手洗シリーズより吉敷ものが好きな自分には嬉しい作品。
    『吉敷竹史、十八歳の肖像』ではまた宮沢賢治が出てくる。
    島田荘司は宮沢賢治が好きなんだなと思った。
    宮沢賢治は読んだことがないので今度、読んでみようと気になった。
    吉敷ものは御手洗ものに比べて流れを追って話しが進むので読みやすくてよい。
    また、『電車最中』の最後に、いつもの女性論がかいまみえたのも嬉しい描写だった。

    0
    2015年02月05日
  • ネジ式ザゼツキー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ミステリーのようなファンタジーのようなSFのような作品。

    この非現実感を世界に結び付けていく感覚がとても好きだ。ただ、人によっては好きになれないのかもしれない。

    記憶を失った男が見たネジが埋め込まれた死体。あり得ないはずのものが存在してしまった理由は何か。

    まさか、そんなことあるはずがない。と考えてしまう読者の遥か上を超すアイディアに脱帽させられるのみである。

    もう、文句をつけるとしたら、御手洗の超人ぶりにのみであろうか。そんな話であった。

    0
    2015年01月24日
  • 龍臥亭事件(下)

    Posted by ブクログ

    津山三十人殺しをベースにした一連の殺人事件が結末を迎えます。
    下巻は大部分が都井睦雄に関する記述でした。ここは創作ではなく、筑波昭氏の「津山三十人殺し」を参考に、ほぼ事実であることがあとがきに記されています。
    津山三十人殺しは有名なので知ってはいたものの、内容はうろ覚え。
    このようなことが起こっていたのかと、悲しいような息苦しいような気持ちになりました。

    これまでも、島田さんの描き出す「日本人論」は鋭く核心を突いていると感じていましたが、ここでもその本領を発揮しています。
    私が幼少の頃から、なんとなく感じ続けていた「日本人」というもの、そして「田舎」というものの、感覚では分かるのだけどうまく

    0
    2015年01月18日
  • 秋好英明事件

    Posted by ブクログ

    軽い気持ちで読んだだけにこの本には驚かせられました。文字通り心がナイフでエグられるような感覚を味わされました。脱帽。

    0
    2014年12月14日
  • 眩暈

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    非現実的な手記を主軸に掘り出される奇怪な事件
    食品公害、サリドマイド児、太陽消滅、世界の終わり、あるはずのない四階、両性具有、アゾートの実現、、、?
    バイオレンス、セクシュアル両面でシリーズのなかでも刺激強めな内容。
    馬車道からインドネシア、北海道の果てまで今回もよく動き回ります。
    いつもながらダイナミックでエキセントリックな仕掛ですが、謎めいた悪夢的手記の内容をすべて現実世界で説明してみせるつくりに満足!手記と現実、マンションでの出来事、順序も含めて飽きさせない構成でとても楽しめました。

    0
    2014年12月06日
  • 水晶のピラミッド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ピラミッドの新解釈にまさかの真相。
    レオナと御手洗の関係は、すこし不思議。
    古代エジプト、タイタニック号それぞれを舞台に語られる悲劇が前半を占め、現代起こる事件への因果を連想させられる構成。現代の事件にいたるまで別世界のお話にかなりのページが割かれるので、3作品分の物語を読んだような充実感。。然るに全体でかなりの長編ですが、遺跡ロマン、華やかな業界、鬱病に謎に冒険にと盛り沢山でどんどん読めちゃいます。
    個人的には古代エジプトでの物語が悲しくて、現代までに起こる事件の端々に遺された想いの強さを存在を感じさせるような持ってきかたも楽しめました。
    現代において、最後まで事件との特別な関わりを持たなか

    0
    2014年10月30日
  • 御手洗潔のメロディ

    Posted by ブクログ

    IgE、ボストン幽霊絵画事件は展開がある程度想像出来る。うまいこと重なるもんだと思うが、可能性はゼロではないし、そうなるべくしてそうなっている。
    SIVAD SELIMに関しては、石岡君のビートルズの選曲がズバリ的を射ているので、とても清々しい。
    さらば遠い輝きは御手洗石岡コンビが大好きな私はもう何も言わない。御手洗潔を横浜の馬車道に戻そう(提案)

    0
    2014年10月28日
  • 写楽 閉じた国の幻(上)

    Posted by ブクログ

    島田荘司さんは初めて読みました。とっっても面白いです。やっぱり巧いです。社会風刺や、歴史的観点からの見方、それでいてミステリってなかなかできないことと思います。しかも写楽の謎に迫るって、誰もが正体を知りたい人ナンバーワンの日本史の人ですからね。早く下巻も読みます。

    0
    2014年04月17日
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

    Posted by ブクログ

    島田荘司の吉敷竹史刑事シリーズ、第11作。本格ミステリと社会派を巧みに融合させた、読みごたえのある作品です。
    物語は平成元年、春の浅草で起きた殺人事件で幕を開けます。仲見世の乾物屋の女主人が、消費税の支払いを拒否した浮浪者に衆人環視の中で刺殺されるという、一見けちな事件。消費税の導入が始まったばかりで話題性があることを除けば、特別に難しい事件ではないと思われました。
    念のために捜査を開始した吉敷はしかし、よだれを垂らしてにやにや笑うばかりのぼけ老人としか見えない容疑者を前に、ふと疑念を抱きます。これは本当に、消費税のコンセプトを理解できないぼけ老人が、(商品の値段以上のものを要求されて)カッと

    1
    2014年01月28日
  • 写楽 閉じた国の幻(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    回転ドアの事故で息子を失った佐藤。妻と義父との対立。息子の事故から回転ドアの安全性を高めるための会合に参加した佐藤。会合で出会った片桐教授。川に飛び込み自殺を図った佐藤を助けた片桐教授。妻と義父の起こした裁判に巻き込まれ週刊誌で叩かれた佐藤の浮世絵研究。佐藤が手に入れた肉筆がに書かれたオランダ語を訳した片桐教授。写楽の正体を探る佐藤の研究。

    0
    2013年10月23日
  • ネジ式ザゼツキー

    Posted by ブクログ

    凄惨な殺人に度肝を抜かれる。
    しかし、驚くのはそれだけじゃない。
    そんな殺し方をしたのにはわけがある。
    感情を揺さぶり、思考を麻痺させる。
    最後に論理的思考の痛快さを思い知らされる。

    0
    2013年10月11日