Posted by ブクログ
2016年01月05日
ミステリー作家のなかでは唯一読むと行っていい島田荘司。
でも、いつも謎解きの部分にはあまり興味が無く(笑)、その叙情性ある作風に惹かれて読んでいる。
わけだけど、この作品にはミステリー要素自体がなかった。
言ってみればこれは御手洗版紀行文だな。
4つのエピソードが綴られている。
その中で印象的なの...続きを読むは第3話。
作者らしいミラクル要素が込められた曼珠沙華のお話。
いつも、こういうお話をどうやって思いつくのかと思う。
いくつもの人生の波瀾万丈が描かれて、ミステリー要素がないだけに、いつもよりより淡々と胸に響くものがある。
個人的には舞台の京都の街角や進々堂はなじみの場所なので、懐かしく思い出しながら読んだ。
あと、語り手の受験生君は、もっと勉強した方がいいのではないかと思う(爆)