島田荘司のレビュー一覧
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冒頭、読者への挑戦状を突きつけられ、気合いを入れて読み始めたものの、開幕早々に難解で大量の情報による暴力に圧倒され、しんどさを感じる。中盤以降も情報は多いが、御手洗と石岡の掛け合いのコミカルさに案外スラスラと読み進められた。
読者への挑戦を謳うだけあって、本作はフェアさに極めて忠実である。作者の提示するボーダーまでに謎を解くための十分な手掛かりが与えられていた。自分なりに拾えた手掛かりと見逃した手掛かりが多く、何か形になりそうでならない。が、探偵役の御手洗が言うようにピンを一本引き抜かれた瞬間にパタパタカラカラと、スッキリした形に収まっていく。この瞬間の気持ち良さには満足。
フェアに忠実である故、安易などんでん返しや衝撃の展開で誤魔化すのではない、作者対読者の純粋な闘いを楽しめる作品であった。今思えば、冒頭の情報量の暴力ですら、あえて読者を幻惑するために配置された作者の技なのだと感じる。 -
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消費税が導入されて間もない1989年、浅草で乾物屋の女店主が殺された。犯人として逮捕された老人の素性はまったく分からず、彼の身元を追って調べていくと、殺人の罪で収監されていたことが分かる。消費税の導入を知らなかった元受刑者が消費税に腹を立てて殺したのか。いやこの事件にはもっと根深いものがあるはずだ、と確信した吉敷は女店主と老人の過去を追っていく。
ということで消費税導入の年に書かれた本書は、当時おそろしくタイムリーな作品だったんだろうな、と思います。そんな(当時)タイムリーな題材を扱いながらも決して目新しさだけが強調される物語になっておらず、あくまで彩りのひとつとして大きな世界が広がっていくのが魅力的でした。長い長い旅路の果てには、思いもよらない結末が待っていて欲しい。そんな作品を求めるひとにおすすめしたい作品です。 -
購入済み
久しぶりの島田荘司作品
一時期ハマって、よく読んでいた吉敷竹史シリーズ。初めて読んだのは、そのとき通っていた大学の教授の本の整理で、気になるのは持って行っていいよとその教授のクラスを取っていた学生たちに譲ってくれた時。占星術殺人事件とか、夜は千の鈴を鳴らすとか、そういう本をもらったと思う。最近の島田作品より、読みやすいと思う。列車を使ったトリックは得意じゃないけど、これは楽しめました。途中、時刻表のあたりや時間の説明のところはさら~っと読み流してしまったけど。冒頭はかなり入り組んだ印象を受けたけど、事件の構造はいたってシンプル。脇役だと思っていた人物が最後にいい立ち回りをしたとことか、読後感がその人物のおかげで救われた感じ。受け入れがたい納得のいかない状況におかれても、どんなに憎い相手がいても、やっぱり大事にすべきはそこじゃない、と思った。
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ネタバレ 購入済み
題名が気になって読んだのですが
題名に惹かれて読んでみたのですが、想像していたより何倍も面白い作品でした。
まさか、軍艦からラブストーリーに発展するとは意外も意外!
以前、何も知らず、富士屋ホテルに行ったことがあり、(その時は宿泊ではなく、お茶をしようかとおもったのですが、あまりに混んでいて、ケーキを買って帰りました)変わった作りのホテルだなーって思いました、是非一度宿泊したいと思います。
色んなフィクション要素が詰まった作品ですが、本当の事のように思ってしまうのは、作家さんの力ですよね、とても面白かったです、他の作品も読みたいとおもいまし。 -
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ネタバレ通子から久しぶりに電話。
汽車で帰るつもり。
ゆうづる?7号か9号かと思って駆けつけるが、乗らなかった。
別れて5年。
9号が出て行く。車両の中に通子を見る。
青森で、ゆうづる9号から死者。
鶴の彫金のスプーンをバッグに所持。
遺書と見えるメモ。
吉敷竹史、現場に行く。
通子の字だった。
スプーンは通子の作品だと思った。
しかし、死体は通子ではなかった。
水戸を出てから仙台まで4時間。その間に殺した。
仙台で降りた客はいない。
盛岡のよく通子と行った喫茶店に行く。
通子から手紙を預かっていた。
自分にもうかかわらないでくれ。自分は病気なんだと。
→吉敷竹史は未練たらたら過ぎだし、通子は構ってちゃん過ぎるのが気になった。
釧路。
女を二人殺して逃げている女。通子。
三ツ矢マンション。一号棟、二号棟、三号棟。
小池くん、頭部を強打され倒れる。
何者もいなかったし、立ち去らなかった。
傍にあった夜鳴き石がすすり泣く音だけした。
凶器なし。
霧は濃い。
雪の日。
大きな音。
夜鳴き石。
鎧兜。
鎧武者遠ざかっていく。
写真撮る。
殺されたのは、二号棟の藤倉次郎の奥さんと、三号棟の藤倉一郎の、奥さん。
藤倉市子、藤倉房子。
2人は刺し違えている。抱き合って死んでいた。
1号棟5階、通子の部屋。
一号棟の管理人、被害者が上がったのを見なかった。
包丁の二本とも通子のもの。通子の指紋。二人の被害者の指紋も。
通子は行方をくらましている。
保険金かかっていた。夫は二人ともアリバイあり。
藤倉令子、行方不明。
写真に、写った鎧武者の亡霊。
雪の足跡なし。
通子の部屋503号室(犯行現場)羽鍵がかかっていた。
肉眼では見えないが、写真には映っていた鎧武者の亡霊。
かつて夜鳴き石の近くでなくなった小池くん、窃盗癖があった。
藤倉兄弟の姉、令子、青森の霊安所。ゆうづる9号の死体。
吉敷竹史、車をぶつけられる。
藤倉兄弟?
風邪と相まって、吉敷竹史、ボロボロ。
藤倉兄弟が通子を殺そうとするところを助ける。
藤倉兄弟逃げる。
通子、ゆうづる9号、寝台にいたはら令子が襲ってきた。もみ合ううちに殺してしまう。
遺書に見えたメモ。以前、部屋で書いたものを藤倉たちにとられた。
通子、藤倉兄弟には何されても文句を言えない理由ある。
通子、死にたかった。令子を殺したし。
藤倉たちに殺してもらおうと思った。
藤倉兄弟と子供の頃からの知り合い。
あの時は、藤倉に弟いた、良雄。
通子、良雄に外で見つけた瓶のなかの水を飲ませた。
良雄、体調悪くなる。医者、農薬かなんか飲んだんじゃないか。
翌日、良雄、死亡。
昔、吉敷竹史の元から去ったのは、東京で偶然藤倉兄弟戸再会した。
藤倉は、通子の部屋の合鍵を作ってた。
子供の頃、藤倉の家に鎧があった。
一号棟と二号棟と三号棟は三角形で結べる。三ツ矢の形をしているので、一号棟から二号棟と三号棟が見える。
ロープで振り子。死体を重し。三ツ矢の角を視点にして、巨大振り子。
市子と房子の死体が飛んでくる。
金属の手すりが鳴ったのが夜鳴き石。
死体に甲冑を着せた。死体がぶつかって損傷しないように。
令子は、通子の部屋で死体を受け取る役。
令子、甲冑で外に出る。
このとき、見られた。
かつて、練習した。レンガで。それでたまたま当たって死んだのが小池くん。
甲冑は一組。一つ死体から脱がせたあと、もう一つの棟に甲冑をロープにつけて送りつける。
このとき、写真に撮られた。
甲冑逆に死体を着せていたので、髪で黒く見えて、空に見えた。
エピローグで、吉敷竹史、通子に、俺は君を待っていると言う。
→ロープの巨大振り子がなんじゃそりゃという感じのトリックではあるが。。振り子の練習でかつて無関係の人が亡くなった事件なども絡んでいたりしているからいいかな(ぶつけ本番だったら、ありえないし)。また、鎧を被せてぶつかっても死体に傷つかなくしたり、夜鳴き石の伏線など色々絡んで複雑になって島田荘司っぽい奇想が完成しているので、★5 -
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ネタバレ電車に忘れ物。
両腿、両足、両腕、胴体、7つ。
指紋、濃硫酸で消されている。
胴体の入ったバッグに豆と麦の粉。
伝説。出雲国風土記に出てくる国引きという説話。
八俣の大蛇退治。出雲系の神話。
本星と思われた女性、当日は出雲一号ではなく(出雲一号からは、今回死体
がみつかった全ての死体に遺棄できる)、富士に乗っていた。
証拠の写真もある。
車掌にも聞いてみたが、問題の女性のことは覚えていた。何度も一号車から後方の車両に行っていた。
青木恭子。被害者? 行方不明。
家には毛髪一つ落ちていなかった。
野村操。出雲の史実の考えについて。青木恭子と対立。
野村、車掌の証言では、富士を広島で降りている。
出雲一号を八俣の大蛇の胴体と見ると、それぞれ大蛇の頭を現しているかのように分かれて線路が続く。
野村の乗っていた富士に青木恭子が当日乗っていたという証言。最初はいたが、すぐにいなくなった。
出雲一号は、20分遅れで富士のあとをついていく。
出雲一号の死体をばらまいたとおぼしき若い男。野村毅。野村操の弟。
野村毅、何も持っていなかった。切断どうやって?
途中で連結される電車があることに気づく。
但馬二号は途中で後に3両連結する。
胴体だけは、野村操自身が但馬二号に乗せた。広島から引き返して。
野村操は野村毅に手足を引き渡すときに、ホームのゴミ箱を利用。
富士が停車すると、野村操はホームに行き、切断した死体の一部が入った紙袋をゴミ箱に入れておく。15分後にやってくる出雲一号の毅がこのゴミ箱かは紙袋を取り出しら車内西戻る。
野村操は、首の処理を
飛行機で出雲→東京→鹿児島と行くことで時間を使った。
出雲木次町の八本杉。
野村操にとって、青木恭子は八俣の大蛇だった。だから、八つ裂き。
吉敷竹史、池地由紀夫を使い罠をはり、野村操に首を掘らせようとする。
池地由紀夫、野村のために、吉敷竹史の罠の計画にのった。野村が好きだった。
ただのトラベルミステリではなく、本格ミステリでもあるのがすごい。本格ミステリなのに、刑事ものでもあるので、徐々に事件が解ける様を読者と吉敷竹史が共に歩んでいくのもいい。
このシリーズ、最後に犯人に罠をかけるパターン多すぎるのは気になるが。。またそのパターンかと。 -
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ネタバレ北海道、雪の中。
夜汽車の中の通路、踊るピエロ。
ピエロ、隣の車両に去ったあと銃声。
鍵のかかったトイレ。
開けるとピエロの死体。頭を銃で撃った痕。
周りにロウソク。
調べている最中、死んだはずのピエロから銃が発射。
みんな、逃げる。
戻ってくるとピエロ消えている。
消費税12円のために殺人。
刺したのは、浮浪者。
消費税殺人容疑者、行川という男。みんなが目撃しているので、行川かも犯人なのは間違いない。
行川はかつて、子供の営利誘拐で牢屋に入ってた。
元、廃品回収の浮浪者。
かつての行川の罪、便山という刑事が冤罪でっち上げた?
世の冤罪事件について。
行川、牢屋で小説を書いてた。
行川の小説。
白い巨人に掴まれ、上空に持ってかれた。童話のようなもの?
ピエロの謎も、行川の小説。
初読の時は、なんだ作中作か、とがっかりしたものだが、実はファンタジーじゃなく解決できることをラストに知る。
消費税殺人、行川は被害者桜井佳子をかつてから知ってた?他に動機があった?
行川の小説、実際の事件?
飛び込み(?)自殺。首と手ない。列車に入れる。
動くピエロの死体。消えたピエロの死体。
ブーンという音。
列車が持ち上がって、脱線事故。
動く飛び込み死体。
白い巨人。
並行して走る列車でも射殺死体。
サーカス。
行川はかつてそこで働いていた。
桜井佳子(消費税被害者)もサーカス
呂兄弟。韓国籍。
行川、日本人ではない?呂兄弟?
でっち上げ刑事が呂に、行川の戸籍勝手に与えた。
桜井、呂をサーカスから抜けるのに利用。
ブーンという音、飛行機。
列車の上にピエロの死体の写真。
桜井佳子、サーカス脱走後、お目当ては源田平吾(反社の人っぽいが、金はあ?)と一緒になる計画。源田の命を受け、荒正も列車に。
荒正、列車内で殺害された。
桜の木の下から死体が発見される。呂?
小麦粉が爆発。そして、列車が持ち上がった。
くびなしで死体の怪物に向かって、小麦粉を投げた。
源名寺の火事のすぐよこを列車が通ったときに、引火。
列車にひかれた死体、頭部と手首なかったが、それを利用して道化服を着たピエロを作った。ロウソクは死体を近寄らせないため。頭に銃のあとがあったので生死を確認する必要なかった。
呂泰明(弟)の体の一部。
兄弟はここで入れ替わったりアリバイのため。
兄の呂泰永が源田組の荒正を殺したから。
呂泰明の体がひかれたところ、列車止まった。その時に泰永は列車に乗り込んだ(荒正殺害後)。
桜井佳子、サーカス殻脱出、荒正と弟の呂泰明もめた。泰明、騙されてたと知った(桜井と駆け落ちするつもりだった)。もみ合いになり、殺される。
行川は、呂泰永(兄)。
弟の復讐のため、荒正を殺した。
その後、弟の死体を持って、列車の外へ出た。
弟の死体を下りの列車にひかせることで停めるため。
頭部と手首を切断させるため列車を利用。ひもをつけておいた。それでパーツを手に入れた。
列車に乗り込む。
ピエロメイク、兄弟の顔を見分けがつかなくするため。
もう一着のピエロ服には雪をつめた。頭部と手首は紐で結んで、勉強穴から下に垂らした。
列車が止まったあと、便器から垂れている紐を拾ってら外側の手すり似結ぶ。
ピエロの踊りで通路を進み、乗客にアピール。もう一つの列車へのアリバイのため。
ドアはラッチを上向きに立てて勢いよく閉めることでロック。
列車の屋根に登る。
死体、死後硬直で拳銃を撃った。
みんなが逃げたあと、紐で屋根上に死体を回収。
みんな戻ると死体消えてる
化粧落とす。
社内に戻る。
車掌が運悪く来てしまう。これが轢断死体が動いた事件。
みんなパニック。小麦粉投げる
火事の近く通って、爆発。
サーカスで、鍛えていたのでたいさた怪我せずに済んだ。
列車脱線の騒ぎに乗じて、逃げる。
白い巨人、煙が巨人の形。セスナ機の尾灯が目。
まさに奇想。犯人(呂の兄)が、一瞬でここまで考えてやるのが奇人過ぎる。呂の計画だけでも奇想なのに(弟の死体を利用してアリバイを得ようとしたり)、爆発やら死体動いたと思われる騒動、巨人に見える現象とか、偶然重なり過ぎているのがやりすぎ。
変なトリック過ぎて面白いのか迷うが、この奇想を考えた作者は間違いなく、奇人(天才?)だろう。 -
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昔読んで感動した小説を読み直すと当時の感動がいまいちなく、あれ、こんな話に感動したのか、となりがちだが、本作に関しては杞憂であった。
推理小説と言うとどうしてもトリックやどんでん返しが主で、その他のドラマ、人物描写に関しておざなりになりがちだ。その印象を一発でひっくり返したのが本作だった。再読して尚、その衝撃は忘れられなかった。推理小説はトリックだけではない。人間を描ける。これである。
本作を読んで、チック・コリアを、リターン・トゥ・フォーエヴァーを、ウェス・モンゴメリーを聴いた。未だに聴いている。
それにしても本作に宿る熱量、文章の鋭さは素晴らしい。熱病に感染したような興奮がある。 -
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この作品はミステリーではないと思います。
御手洗潔は出てきません。
私は前情報なしで読んだので、最初の方を読んでいるときは一体何の話なのかさっぱりわかりませんでした。
ジャンルとしてはSFの純愛ものの中編小説でした。
ストーリーはネタバレになるので書けません。
巻末の
『愛しいチグサ』と、十代の頃の自分ーという作者の島田荘司さん自身の文章が興味深かったです。
この作品は2020年にロンドンのレッド・サークルという小さな出版社から刊行された『One Love Chigusa』という本らしいです。
私はこの作品では涙こそ出ませんでしたが妙に心の琴線に触れてくる部分はありました。
星4か5で迷いましたが、5にします。 -
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御手洗潔が好きなので評価高いです。
長編だと後半にしか出てこない御手洗が存分に演説して、存分に奇人ぶりを発揮してくれます。
た、たまんねぇ!こういうのでいいんだよ!という探偵像です。
短編だとライトな事件をさくさく読めていいですね。
御手洗くんが化け物みたいなスペックの探偵で、その辺はちょっと笑えます。探偵してる場合ではないだろうと突っ込まざるを得ない。
本当にシャーロックホームズと進行が一緒です。様々な分野に造詣深く、とにかく天才……。お約束っちゃ、お約束なんですが、裏切られず、安心して探偵ものを読めるってのはいいことだと思います。
舞台が日本なのでホームズより読みやすく、親しみが湧くのもいいところ。
数字錠、ギリシャの犬がお気に入りです。