【感想・ネタバレ】伊根の龍神のレビュー

あらすじ

御手洗潔シリーズ書き下ろし長編。伊根湾に「龍神」が出たという噂を受けて、石岡は伊根に赴こうとするが、御手洗はなぜか驚いて行かせまいとする。「大怪我するよ」と。その後の大事件と御手洗が伝えた「昏い真実」に震撼する。

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Posted by ブクログ

つい先日、あるTV番組で伊根の舟屋を観た。
今の日本にもこんな舟屋があるなんて知らなかった。
伊根ブルーと言われる海の透明さに驚き、舟屋の並んでいる光景に何故か郷愁を感じた。

…で、この「伊根の龍神」が積読になっているのを思い出し速攻で読む。

石岡先生と麗羅が、伊根の舟屋に泊まりUMAだろうと思われる怪物を見ようとするまでは軽快な感じで進むのだが、この伊根に伝わる海の守り神が龍神という伝説だろう…と思われたが。
1970年のよど号ハイジャックや拉致事件などに触れつつ進んでいくのは、工作員絡みでもあったのだが、最後の最後になり御手洗登場でさらさらっと全ての謎を解いてしまう。

南吉さんの人生は、本人にとってどうだったのかと考えてしまった。
妻の嘉さんと一緒にいるときは幸せだったと思いたい。





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2025年05月07日

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ミステリーというと密室トリックなどの王道が好きなので、石岡くんの冒険的な内容で最初はあまりのめりこめなかったが、大風呂敷のしまい方は見事。
大物ミステリー作家が、現役で長編をお届けしてくれるのが何より嬉しい。
御手洗も日本に戻って来るようだし、(もう現在の御手洗の交友関係を知るとひっそりとは暮らせないだろうけど)次作に大期待。

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2025年05月03日

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新人の作品であれば、メチャメチャに貶されるのかも知れないが、島田荘司先生の作品なら、コレが読みたいのでOKだというパターン
愛憎漂う哀しいストーリーを背景に、怪奇なエピソードと大胆な物理トリックが炸裂する
今回は、石岡君の巻き込まれ型冒険ストーリーでした

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2025年11月27日

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学生の頃に出会って以降、ずっと新刊を追い続けてうん十年、出るたびに嬉しく読んでます。
今回は社会的な色が濃く、リアルと重ねて色々考えてしまう話でした。後半に行くにつれ面白くなってきて、最後は一気に読んでしまいました。久しぶりに御手洗に会えた事も嬉しかったです。
次はどんな話になるのか、まだまだ新刊読み続けたいので先生には頑張ってほしいです。

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2025年11月02日

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ネタバレ

日本海の小さな入り江で目撃された龍神。知り合いの女子大生に連れ出され現場に赴いた石岡和巳。伊根周辺は自衛隊により封鎖されるなか、石岡らが泊まる宿の女将が消え、洞窟で女性の死体が…。

久々の御手洗潔シリーズ。とりあえず時代が2020年…。御手洗も石岡君もかなり年に…。読みやすく面白いとは思うけど、正直こっち方面に戻って欲しくないな〜って気持ちが。
最初、麗羅が里美かと思ってしまった。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

ミステリーというか、トリックというか、そこに重点を置けばいささか荒唐無稽な感は否めない。龍神に纏わる描写やエピソードもかなり恣意的なもので、さすがにやりすぎな感はある。わざとなのか無意識なのか、石岡氏と麗羅2人の行程はあまりにだらだらと書きすぎな気もする。
だがしかし、島田さんの確かな構成力と独特のロマンチシズムに溢れ、何よりここに及んで新しい御手洗物が読める喜びが勝ってしまった。
怪獣伝説で終わるはずがないとわかってはいたものの、徐々にあまりに思いがけない方向へ話が進み、読後には人生や時代への皮肉と悲哀と追憶を感じさせられた。石岡氏の独り語りからのこの流れは「異邦の騎士」を思い出した。
感傷的な気分にもなったけれど、この題材をここまで真っ正面に書いた島田さんの気概にもまた感動してしまったのである。

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2025年06月10日

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ある意味社会派というか、現在進行形の世界を取り入れつつ島田荘司らしい派手なことをしてるって甘めだけど、面白かった。

2899冊
今年127冊目

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2025年05月05日

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伊根湾にUMAの龍神が出現した?! 石岡君が現場に向かうと… 御手洗潔シリーズ最新作 #伊根の龍神

■あらすじ
伊根湾に龍神が出現した? UMA研究会である女子大生の麗羅から噂話を聞きつけていた石岡は、一緒に現地に赴こうと計画していた。石岡が御手洗に相談すると、生命の危険があるから絶対に行ってはならないと咎められてしまう。

麗羅と石岡が伊根湾に到着するも、物々しい自衛隊に近づいてはいけないと制止を受け…

■きっと読みたくなるレビュー
御手洗潔シリーズの最新作、久しぶりに拝読するので楽しみだったんです。UMAものですか? と、思いながら読み進めるも、なるほどこういうお話なんですね。さすがは島田荘司先生、今まさに我々が一番考えないといけないテーマでしたね。

まず序盤、女子大生の麗羅と石岡君のかるーーい会話が緩くて好き。麗羅のキャラが天然で無鉄砲なところが可愛い、なかなかどうして惹かれてしまうんです。

まさかこのノリで最後までいくんじゃねぇだろうなと若干不安になりましたが、決してそんなことはありません。振り返ってみれば小気味いい導入、するするさくさく読めてGOODですね。

龍神が出現するいう伊根湾に到着してからがミステリーの本番。舟屋があるような観光地だし、なんとなく旅情気分で読み進める。しかしこんな田舎なのに自衛隊がいたり、村民たちは何かを隠しているようだし、そしてついにはあらぬものまで発見してしまう。

龍神って何なのかというより、この村や人々がミステリーなんですよね。頭の上に?マークがいっぱい浮かぶんですよ、それが突然、ある人物の視点で物語が語られていくと… 後半にはその人物による心の叫びが放たれるのですが、おそらくここが本書一番の読みどころなんでしょう。

本作はもちろんフィクションです、でもこれと同じようなことはいっぱいあったのでしょう。えらい大人たちは、決して本当のことは言いません。都合のいいことだけに聞く耳を立てるのではなく、現実を知ろうとするということが大切なんですよね。

そして物語を読み終わった時、ファンとしては幸せな気持ちでいっぱいになれました。

■ぜっさん推しポイント
もはや孫と爺さんという年齢差の麗羅と石岡のコンビが思った以上に良かった。名コンビ!

特に本作のテーマ性を描く背景には、この社会問題に対する世代を超えた意識が重要だと語っているんでしょう。年齢を重ねてきたこそ人生を振り返り、未来世代の幸せに貢献したくなりますね。

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2025年03月28日

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ネタバレ

まさかこんな結末になるとは。
中央線沿線のレイラの回想から、わりとぐだぐだの展開を経て、一転国際謀略ものに。ついにはNATOが登場する奔放さ。
拉致関係のノンフィクション部分と個人の見解を織り込みながら島田先生らしい大胆な飛び道具で楽しめました。
北の血統について…大丈夫なんでしょうか。

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2025年03月28日

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仲良くなった女子大生に半ば拉致(!)される形で伊根に現れるという龍神を見に行くことになった石岡さんがメインの話。なので彼のファンは必見。
最初は単なるUMA探しみたいな感じだけど、伊根に滞在中、不穏な出来事が起こり始める。
決してクローズドサークルではないんだけど、登場人物が少ないことと、行動範囲が狭いこと、悪天候などが相まって、閉じた世界で起こる非現実的な出来事という雰囲気がすごかった。
個人的には龍神の真相より、ある人物の人生に胸を打たれた。

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2025年03月23日

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ネタバレ

御手洗シリーズ長編。
御手洗シリーズ内でも幾つかの作風が存在するが、よもやこのパターンの物語だとは思っていなかった。石岡くんが語り手として物語が進行するのはいつ以来ぶりだろう。『屋上の道化たち』ではほんの少しの登場だった為、かなり以前になるだろう。
 時間軸が現在であり、石岡も御手洗もおそらく60代に近い年齢だろう。冒頭のやりとりは懐かしくもありながら何処となく御手洗が丸くなった印象がある。石岡くんは何歳になっても相変わらずで、途中あまりの軟弱な印象に辟易してしまうが、確か彼はこんな性格だったなぁと思い出す。

 今回は麗羅という女子大生が石岡のパートナーとして行動するが、若さ溢れる、溌剌とした魅力に富んだキャラクターである(筆者が若い力に溢れた女性を描きたいのだろうなぁ)。無鉄砲である反面、我々年配の読者には元気をくれる魅力的なキャラクターだ。願わくば里美ちゃんにも参戦して欲しかったが、石岡がこの調子なら愛想を尽かして離れてくれた方が嬉しい様な気もしてしまう(笑)

 今回はUMA探索というかなり幻想的な部分からスタートするが、序盤から中盤にかけての物語の密度、そして終盤に向けての怒涛の展開は正しく御手洗シリーズの面白さが詰まっていた。石岡は麗羅のUMA探しに振り回される訳だが、伊根の人々は優しい人達が多く実際で考えるとかなり無茶苦茶な環境下にあるはずだが石岡と麗羅を迎え入れてくれる。

 無駄にどんでん返しなどがあっても読みにくいが、もう少し麗羅に裏があってもよかったのかなと思う。一時、麗羅のおじいちゃんの正体だったり、彼女自身に特殊な設定があるかなと勘繰ってしまったがそんな事はなく、どうやら本当にUMAを見たいが為に命掛け、無鉄砲だった様だ。

 御手洗の活躍も見事で、途中からもしや!と思っていたが期待通りだった。おそらく石岡が御手洗の助言と裏腹に若い女性に引っ掻き回されることも想定していたのだろう、素晴らしい役割だ。
 
 今作ではかなりの社会風刺を入れており、朝鮮の拉致問題に対しての筆者の問題提起が感じられる。とある登場人物について、どれだけの生涯を歩んできたのか、人との繋がりを感じ、思想が変化し、最後は悲しい結末だが信念故の行動だろう。彼の息子達は何を思ったのかはわからないが、改心することがあれば素晴らしい未来だと思う。

 石岡パートの登場人物たちは久しく見ていないので、次回作でぜひ出してほしい。御手洗はとても長い期間スウェーデンに住んでいるのでこちら側のミステリーも期待する反面、いよいよ日本に帰還する考えもある様なので、ぜひ、リアルタイムの事件は日本で活躍してほしい。

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2025年03月14日

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そういや暫く御手洗シリーズの新刊探してないなっておもって調べたら出てたので勢いでゲット。
読み始めてすぐ、最近の作品は社会派・政治色強めなの思い出し「しまったなあ〜今重い話読みたくないな〜…」と思ってたらやっぱりその流れでしたわ。
ラスト1/3くらいから。ずっと。あ、ミステリー部分はもう私みたいな何も考えない読者ですら、それまでになんとなく「あ〜こういう事なんだろうなあ」程度には答えが分かってしまう……。

そして御手洗はやはり空気。
それでも喜んじゃうファン心理……。

エンタメ本格ミステリー御手洗石岡くんものが読みたいよ〜!
ははあ!って言って一人テンションぶち上がる御手洗とそれに若干引く石岡くんコンビが読みたいよ〜!
やっぱ読ませる力はあるしさあ!なんか都市伝説的な、因習村的なロマンあって良かったよ最初の方!もう絶対これ絶対政治的なやつやーって思いつつもワクワクしたよ!
メッセージ性強いのはもう良いよ〜しんどいよ〜フィクション本くらい楽しく読みたいよう

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2025年10月09日

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御手洗シリーズ相変わらず面白かった。
今回はちょっと毛色が変わっていたなぁ~
ストーリーテラーは変わらずグイグイと読ませるのが上手ですな。

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2025年08月28日

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久々の御手洗潔!
恐竜や重力、惑星の自転の話や、始皇帝と徐福にまつわるエピソードのひとつひとつが面白い。
龍神というファンタジーな要素を上手く田舎の舟屋と絡めリアリティをもたせる世界観の描き方はさすが島田先生。政治色も強く社会派ミステリは得意ではない私ですが臨場感でするすると読めました。
御手洗の登場でいつものことながら安堵。
涙腺ゆるんじゃう情けない石岡くんが好きだなぁ。
麗羅ちゃんも良い起爆剤になってくれました。石岡くんが未来の幻と評した彼女が私は存外好ましいです。

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2025年08月19日

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御手洗シリーズ。
女子大生のキャラと彼女に振り回されすぎる石岡さんにはちょっとイラっとした。
最近の御手洗シリーズは歴史の勉強になるような、知らなかった詳細についての驚きもあるし怖さもある。その辺りはさすがです。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

京都の伊根にUMAと思わしき巨大な何かが。UMAマニアの若い女子にいいように丸め込まれ連れていかれる石岡くん。「危険だから絶対に近寄るな」と御手洗に釘を刺されたにもかかわらず。

御手洗潔シリーズの最新刊。なにやってんだ石岡くん。「御手洗に怒られるのが嫌だから」と携帯の電源を切る・・・子供か。
もはやシリーズが途切れてないことだけでもうれしく思ってしまう往年のファン層ではありますが、それでもやっぱりもうちょっと・・・二人のやりとりというか掛け合いが欲しいですね。真相には届かないまでも奮闘する石岡くんとか、あと御手洗の奇人っぷりとかもう長らく見てないですしねえ。すっかり常識人っぽくなっちゃって・・・年齢的にコメディリリーフはもう難しいんでしょうか。
そして内容も、最近は本格ミステリからすっかり社会派ミステリに。。。このあたりは好みなんでしょうけど、どうしても読み口が暗くなりがちだからなあ。。。

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

御手洗潔シリーズの最新作。内容としては社会派ミステリー。密室トリックものではないけれど、さまざまな謎は終盤に豪快さをもって解かれていく。
豪快さとは反対に、伊根の情景がとても繊細に描かれていて、とても美しいところなのが伝わります。
島田荘司さんの新作が読めて感無量。御手洗さんも石岡くんも健在なので次もまた読みたい!

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2025年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

御手洗……もの。相変わらずちらっと出ていいところをもっていく。
石岡も相変わらず若い女の子に振り回されていて情けないことこのうえない。そうじゃないと話が始まらないわけだが、それにしても……
女の子の強引さを始め、ストーリーの運びがいつものごとくの力業だが、御手洗シリーズだから許される……のか。

治的社会的な主張については、途中から薄目で読む。
結局のところ、御手洗の石岡に対する世話焼きがかっこよく、ファンとしてはそれだけで満足。年を取って丸くなったのか、当たりがソフトなのもよい。

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2025年04月09日

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