あらすじ
嵐の夜、マンションの11階から姿を消した男が、13分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。男は殺されるために謎の移動をしたのか? 奇想天外にして巧妙なトリックを秘めた4つの事件に名探偵・御手洗潔が挑む短編集第1弾。
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御手洗潔の人柄や性格、人間性がとてもよく伝わる短編集。短編集とは思えぬ満足感!
御手洗潔という探偵が好きだった自分としては、御手洗潔は人間としても愛せるのだと再実感しました。
どの短編も素晴らしいものだが、特に「数字錠」がお気に入りです。
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御手洗潔シリーズの最初の短編シリーズ。「数字錠」という作品で、少年にフランス料理をご馳走するシーンに痺れました。御手洗潔シリーズ全体にも色濃く反映されている異色の勧善懲悪の視点。かっこよさのお手本です。
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マンションの11階から消えた男が全力疾走でも間に合わない距離の電車に飛び込んで死ぬ。首には絞殺の痕。「疾走する死者」。
この頃の御手洗と石岡君がやっばり好き。「数字鍵」の切ない感じや「紫電改研究保存会」の事件の面白さに御手洗の奇人ぶりとか面白くて好き。
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御手洗シリーズをよみはじめたが、ストーリーはすごいが、もともと密室が苦手なのと、御手洗さんが出てくるのがあまりに遅いのが好みではなかったので、こちらはジャスト。御手洗さんと石岡のかけあいの面白さも心地よく読める
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好きだった順
①ギリシャの犬
②数字錠
③疾走する死者
④紫電改研究保存会
トリックや事件そのもの云々はもちろん、御手洗潔という人間を知るのにとても良い作品でした。
ここまでシリーズを読んできて、御手洗潔に対しては何となく取っ付き難い感じがしていたのですが、本作でぐっと人間味が増したような、親近感が湧くようなそんな印象を持ちました。
最後のあとがきは、御手洗潔がこのような人物設定になった所以が書かれています。
個人的には「この宣言は必要か?」と思いましたが、今から40年近く前に書かれたことを考えると腑に落ちた気がします。当時読んでいたらどんなふうに感じただろう。
ある意味で今の日本においては認められる人柄なんですよね、逆に。
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面白かったな〜!
「数字錠」がトリックもストーリーも一番良かった。「占星術殺人事件」でもそうだったけど、犯人のどうしようもない気持ちを書いて、それと真摯に向き合う御手洗の考え方が好き。
「疾走する死体」は、ええ〜!?と言いたくなるトリック(名探偵コナン的な)だった。
新聞社の人の話はホームズの「赤毛連盟」を彷彿とさせた。
「ギリシャの犬」もトンデモトリックだったけど、犬が活躍したので良かった。
最後の「御手洗潔の志」は、御手洗が日本人の性格を分析して、それと真反対の行動や発言を「選んでいる」という事実に、なぜかとても感動した。
あのキャラクターは御手洗が自身で構築したものなのか、と。
この志が「凝り固まった日本人の価値観にメスを入れてやろう」というもので、それが作者の志か、あるいは御手洗のものか、それはどちらでもいいけれど、変人変人と言われ続けてきたキャラクターに意味があり、魅力を感じる理由がちゃんとここにあったんだな、と思った。
「御手洗潔の志」はこの先シリーズを読み進めても、定期的に読み返したい。
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「御手洗潔」を知る一冊。
(数字錠)での「御手洗潔」に胸アツになりました。
これまで占星術殺人事件、斜め屋敷の犯罪、異邦の騎士と順番通りに読んできましたが、私には何処となく、ぼんやりというかモノクロの人物でした。
この一冊を読んで「御手洗潔」に温かい血が通って、色彩を持ったような感覚です。
ダイナミックで一歩間違えると・・・なトリックの(疾走する死者)で石岡君に掛けた「懐かしかったろう?」の一言。 いいですよね。
何処となく、かの有名な同盟を思い出す(紫電改研究保存会)や、犬好きが微笑ましい(ギリシャの犬)も楽しめました。
「御手洗潔」が読まれる理由が判った気がします。
あと、巻末の新・御手洗潔の志は必読です。
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殺人事件や誘拐事件、日常の謎まで楽しめる短編集
御手洗潔のキャラクターがおもしろい 慇懃無礼だけど根はまともな人というかんじ
クリスマスイブを楽しむ話でジーンとして不可解な話の真相に舌を巻く 紫電改の話が一番好き 謎の爺さんの夢を真剣に語ったり、憎めないところがよかった
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絞殺死体が全力疾走して電車に飛び込む事件。全員がアリバイのある不可能密室殺人事件。会ったこともない男に、封筒の宛名書きをさせられる事件。犬と暗号とタコ焼き屋と子供の誘拐事件。奇想天外にして巧妙なトリックを秘めた事件に御手洗潔が挑む。
御手洗潔シリーズ第三弾。今回は四つの事件に挑む短編集。四つの事件を通して、変人(?) 御手洗潔とは、どういう人物なのかを掘り下げたエピソードが揃っている。
特にお気に入りの事件は、”数字錠”。いかに御手洗潔という人物が魅力的なのか、が詰まったお話。
「こんな罪まで、暴かなければならなかったんだろうか。」
御手洗潔の人柄、情の深さ、優しさの深さを知れるとともに、事件を解決することの苦悩や葛藤を見事に表現されている。御手洗潔がコーヒーを飲まなくなった理由も明らかに…!
また、絞殺死体が全力疾走して電車に飛び込む事件のような想像するだけでワクワクできるような殺人事件もあれば、現場に残された暗号から子供の誘拐事件を解決するといった、探偵者っぽい内容のものも含まれていて、ミステリ作品として大満足の一作でした。
「占星術殺人事件」、「斜め屋敷の犯罪」ときて、本作「御手洗潔の挨拶」まで読まれた方は、誰もが”御手洗潔”の虜になっていること間違いなしです。興味があれば、ぜひ、手に取ってみてくださいね。
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フォローしている方のレビューを読んで久しぶりに読みたくなった。
実際に読んだのは単行本だが、文庫本しか登録出来なかったのでこちらでレビューを書く。
雑誌掲載が1985年~1987年なので、もう四半世紀も前の作品なのだが良い作品は何度読み返しても時代が古くても楽しい。
この頃の御手洗が一番好き。傲岸不遜でクセが強く周囲を振り回すという、いかにもな探偵キャラクターなのだが彼をフォローする石岡の存在もあって楽しく見守ることが出来る。
「数字錠」
3つの数字を組み合わせたリング状の錠前がネックとなり二人の容疑者を逮捕出来ないと嘆く刑事。しかしトリックは斜め上。現代ではルール上できないだろうが。
だが事件の肝はトリックではなく、背景にある哀愁。これ程優しい御手洗はなかなか見られない。何しろこの事件を機に、コーヒーは飲まなくなるのだ。
「疾走する死者」
読者への挑戦状付き作品。台風の夜、マンションの十一階から駆け降りた筈の男が、僅かな時間で道路を隔てた高架線路上で他殺体となって発見される。
こちらは純粋にトリックを楽しめる…筈が、台風が鍵だった。
そうそう、御手洗はギターの腕も上等だったことを思い出す。事件をサクッと解決してチック・コリアのライブ放送に間に合わせるとは、さすが。
「紫電改研究保存会」
突然現れた謎の男に〈紫電改研究保存会〉から資料を送る宛名書きを頼まれた新聞記者。半ば強制的にやらされたあの半日の出来事は何だったのか…。
シャーロック・ホームズシリーズの『赤毛同盟』を彷彿とさせる話なのだが、新聞記者の被害が意外で、そのためにここまでするかという設定が面白い。それにしても大事な情報はくれぐれも取り扱い注意。
「ギリシャの犬」
少年の誘拐事件に乗り出す御手洗。手掛かりは事件前に起きた、たこ焼き屋の店舗小屋消失事件と盲導犬毒殺事件と謎の暗号メモ。
御手洗が一人先回りし、石岡や刑事たちはただ犯人と御手洗に振り回されている。事情が分かっているなら説明してあげたら良いのに…と思うが、それをやったら小説にならない。
御手洗がもう一つ優しい相手が犬だということが分かる作品でもある。
事件は少年探偵団シリーズみたいで面白い。
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御手洗潔シリーズの短編集。占星術殺人事件後の話から始まり語り手が石岡くんじゃないものもあり楽しい。三話目がいいな。カラッとしたお話。巻末の島田先生の説明がとても良い。御手洗シリーズを読破しようと決意を新たにした。
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所持しているのは1989年発行のバーコードの記載のないハードカバーのやつなので、もしかすると文庫本とは少し違うかもしれない。短編集で数字錠、疾走する死者、紫電改研究保存会、ギリシャの犬の4編が収録されている。御手洗潔という人物を堪能出来るのは短編だと思っている。
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御手洗シリーズ短編集
短編集なので当然長編と比すれば一つ一つの謎は薄味になるが、それでも充分過ぎるほどに味付けが濃い。
中でも個人的には巻頭の「数字錠」が全てにおいてバランスが良いと感じ気に入った。
そして何より読む毎にあのコンビが愛おしくなってくるのが良い。
この後待ち受ける長編に向けてのモチベーションも高まるというものだろう。
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ミステリーとしては物足りない気もするけど、どのエピソードからも御手洗くんの人となりが伝わってきてよかった!
文章も軽めで読みやすく、筆者のユーモアがところどころ入っていてクスッとしてしまった。ケンタッキーフライドチキン…。
数字錠
…御手洗くんの人情が溢れている( i _ i )
映像化したらすごくいいものになりそう。
疾走する死者
…読者への挑戦が少しでも分かったので嬉しかった。確かに他の作品に比べると易しいかも!
紫電改研究保存会
…阿刀田さんのショートショートみたいな不思議な世界観だった。でも言われてみればちゃんと伏線回収している…!なるほど。
ギリシャの犬
…犬好きの御手洗くん可愛い。こういう神話めいた話、ロマンがあって好きだなあ。
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御手洗潔シリーズの短編集。
「数字錠」
切ない真相と人間ドラマでリーダビリティ抜群でした。
ただトリックは小粒。
小学生レベルの嘘に大人2人(しかも片方は警察官)が騙されるのはどうかと思ったが。
「疾走する死者」
なかなかのバカミス的発想ですき。
けれど、どうやら同作者の別作品のトリックを使い回してるらしい。
なんの作品か知らんけど。
トリックのサンプリング?リマスター?
「紫電改研究保存会」
コナン・ドイルの「赤毛連盟」的なお話。
あちらよりも更に捻くれた展開で良かった。
「ギリシャの犬」
スピーディで緊迫感のある誘拐劇と、後半の息も付かせぬ大捕物が面白かった。
話の途中で「水晶のピラミッド」についての言及があるけど、当時はまだ発売されてなかったらしい。
横溝正史の本陣殺人事件と獄門島みたいなもんか。
今回は全体的に長編と違って、御手洗潔というキャラクター性をフォーカスした作品という印象があった。
奇人変人なのは変わらないけど、彼の意外な一面がところどころに垣間見えて、長編作品とはまた違った魅力があった
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数字錠、疾走する死者、紫電改研究保存会、ギリシャの犬。全体的に短編でそれぞれ関連性もないので肉付けなくサラッと読んでサラッと終わる。疾走する死者というイメージと犯人の小物感が一番良かったかな。もっとおどろおどろしい事件の方が好み。
本編の短編よりも後書きの「新・御手洗潔の志」でなぜ御手洗潔を映像化しないのかを述べている方が必読の価値あり…?
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本格ミステリ短編集でした。
シャーロックホームズとワトソンのような、二人の掛け合いは健在です。
どの事件も御手洗潔にとっては、ほんの挨拶がわりということでしょうか(笑)
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1987年
・数字錠 犯人がピュアだなと思った
御手洗がキザな感じで
この時代にあっていると思った
・疾走する死者 挑戦状出てくる所が良かった
・紫電改研究保存会 戦争中飛んでいた飛行機
保存会の男に宛名書きを
頼まれる新聞記者の男
当選宝くじを取られていた話
・ギリシャの犬 モナコで青葉と知り合う御手洗
日本で青葉の子が誘拐され
取り返す話
御手洗潔シリーズは4冊目
小説は綺麗だなと思うところ
出てくるので..読み進めたけれど..
挑戦状とか好きだし..
(3冊目は好みではなかった)
最後の"新・御手洗潔の志”の
日本人論にゲンナリした
西洋外国好きで..自虐..日本下げ..
と感じて共感できなかった
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短編が4作品。
どれもトリックがそれホントにできるか!?と思われるようなものだった。
毎度おなじみ御手洗のキャラクターもあり、面白くサクサクとは読めたが。
御手洗がコーヒーではなく紅茶しか飲まなくなったルーツがわかり納得した。
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読んだ本 御手洗潔の挨拶 島田荘司 20230815
本日は終戦記念日 黙祷
御手洗潔シリーズの短編集で、4つのお話が入ってます。
一話目の「数字錠」では、何の手掛かりもつかめず、種明かしでそこに着目すべきだったのかと、歯ぎしり。
二話目の「疾走する死者」では、犯人だけはわかったけど、トリックが解けず、ちょっとそれ解けないよって感じで歯ぎしり。
三話目の「紫電改研究保存会」は、何が事件(被害)なのかもわからず、まあ、読み物としてなるほどと。歯ぎしり無し
四話目の「ギリシャの犬」では、島田荘司の答えともいうべきヒントに気づけずに歯ぎしり。でも、気づいても何にも解けなかったなって感じでした。
アガサクリスティー好きの僕にとっては、島田荘司はちょっとトリッキーすぎるところもあるんですが、なんか挑戦したくなるんですよね。
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「挨拶」というタイトルからも、御手洗潔のキャラ紹介でもあったらしい今作、短編集だからお手軽に読めた。
殺人、窃盗、詐欺、誘拐…の事件の中で御手洗のキャラがポツリポツリ明るんでくるのが面白い^ ^
コーヒー飲まない理由、ギターめっちゃ上手い、犬大好き等々微笑ましい^ ^
けど短編そのものより最後の新・御手洗潔の志が一番印象的だった。
初対面ではぞんざいに、親しくなると丁寧に。
お偉方には傲岸に、身分の低い人には丁寧に。
年上には馴れ馴れしく、年下には丁寧に。
一見天の邪鬼で捻くれ者の変人に思われるであろう対応だけど、力関係が全てを決定し中身のない威張り屋アホ上司に媚び諂うことを良しとする風潮の日本で、敢えてそういう姿勢を貫こうとするのは格好良いなぁとしみじみ…
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短篇集ではあるものの、御手洗潔の活躍を十二分に楽しめる作品でした。私としては「紫電改研究保存会」が、トリックというよりも、話としてどう着陸するのかワクワクしました。
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『数字錠』で御手洗潔の思いに胸を熱くし、『疾走する死者』ではその大胆なトリックに驚き、読者への挑戦にニヤニヤし、『紫電改研究保存会』ではそのロマン溢れるやり口に心を打たれ、『ギリシャの犬』では、最後までドキドキワクワクの活劇を楽しむ。
4話それぞれが、それぞれに個性的な短編集でした。
特に『数字錠』を読んで、御手洗潔の事が大好きに。
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各話にリンクのない短編集。でも、御手洗清という人間を理解するためには必要な話しも入ってて読み応えあり。自分は御手洗探偵が好きなんだなあと思う。
Posted by ブクログ
御手洗潔の人に対する愛情深さが垣間見える一冊。島田荘司氏は日本語が美しく安心して読める。
このシリーズ、順番に読んで無くて目につくものから適当に読み始めてしまってて若々しい二人がとても新鮮。御手洗の肩書きがちょこちょこ変わってるようだけど本人の才能の多彩さには毎回驚く。