秋好英明事件

秋好英明事件

小説・文芸
1,119円 (税込)

5pt

4.0

昭和51年に福岡県で発生し、日本列島を震撼させた「一家四人惨殺事件」。満州で生まれ、極貧のなかに育ち、あらゆる辛酸を嘗め尽くしたあげく事件に至った一人の男の姿は、読むものの心を揺さぶらずにはおかない。ミステリー界の雄が渾身の力で対象に肉薄し、その謎と背景とを解き明かした、日本版『冷血』ともいうべき大著。

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秋好英明事件 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    軽い気持ちで読んだだけにこの本には驚かせられました。文字通り心がナイフでエグられるような感覚を味わされました。脱帽。

    0
    2014年12月14日

    購入済み

    いい意味で見てきたような

    昔図書館でこの原著の「秋吉事件」を読んだ。聖書2冊分くらいのすごい本だったけど
    さらっと読んじゃえるのが島田荘司の文章力。
    いい意味で見てきたように細部まで書くから。その場にいるような感覚になるのかも。
    再読中。

    #ドキドキハラハラ

    0
    2023年09月29日

    Posted by ブクログ

    すべてが環境のせいだとは思わない。
    島田さんの取材が正しいとするならば、英明が一人とはいえ殺人を犯している。
    でも、正しい裁きを受ける権利は守られなくてはならない・・・と思う。
    誰しも自分が一番かわいいのかもしれない。
    極限の状況に立てば、もしかしたら他人よりも自分を守ることに精いっぱいになってしまうのかも。
    でも、富江の行動はホラー小説以上の怖さがある。
    そもそもの原因となった川本家の人たちの非常識さは、誰が糾弾してくれるのか。
    ひとり貧乏くじを引いたような英明に、公正な裁判を・・・と願いたくなる。
    無視された数々の証拠。なされなかった空白の時間の検証。消えてしまった記録。無視された英明の供述通りのメモが発見される。
    事件からかなりの時間が経過し、何故か証拠のたぐいも散逸してしまったものがある現状。
    何かがおかしい・・・と思う。

    0
    2017年02月21日

    Posted by ブクログ

    昭和51年6月13日未明、福岡県飯塚市で一家4人を殺害した凄惨な殺人事件が起こる。派出所に駆け込んだ唯一の生存者川本富江の供述により殺人は内縁の夫秋好英明によるものと推測された。
    だが、真実はどうだったのか? そこには富江が共犯である可能性があった。
    その謎を読み解くために、満州、九州、東京、大阪、九州へと職を転々としながら殺人事件へと近づいてゆく秋好を生い立ちから追った非常に読み応えのある作品。

    この作品は秋好を中心に取材が進められ、彼に有利なストーリーによって構成されている。しかし、それを差し引いても、富江の証言には破綻があり、警察と検察の捜査にはいくつか欠陥があったといえよう。
    それにもかかわらず、この男に素直に同情できないのは何故だろうか? エピソードの端々から彼の人格に相当な問題があったことが窺える。殺人事件に至ったのは、彼の言うような人格破綻者がひしめく川本家と出会ってしまった偶然が引き起こしたものだったろうか? それとも彼自身がそのような人々に近づき、巻き込まれ、殺人に至るような人格を有していたからだろうか? その疑問は川本家に出会わなかった秋好が存在しない限り解けないであろう。

    彼が転落したのは人生の選択を誤ったからである。そのことだけは教訓にしたいと思う。

    0
    2011年07月28日

    Posted by ブクログ

    小説のようなノンフィクション。
    もっと、小説っぽいのを想像していた。
    でも、ただ淡々と、生い立ちから事件~裁判などが書き連ねてあるものだった。

    「殺人鬼フジコの・・・」を読んだときも思ったけれど、どうしても負スパイラルっているのはあるんだなぁ。
    思考の問題なのかもしれない。

    0
    2013年04月04日

    Posted by ブクログ

    ノンフィクションだったのか。知らずに読んでいたので、なぜここまで生い立ちを詳細に書くのかと……。
    私にはちょっと文章が読みにくかった。とっつきづらいというか、たぶんそれもノンフィクションだからなのでしょうが。

    0
    2010年03月19日

    ネタバレ 購入済み

    時代に取り残された男の悲劇

    満州で生まれ、家族と共に日本に帰り着いた秋好であるが、不運につきまとわれ、戦後の好景気に取り残されたために貧困のスパイラルにとらわれ、それが後の犯罪につながったのではないだろうか。むろん、全てが本人の責任ではないが。

    その原因は主に病弱の(かつては神童と呼ばれた)母、次々と死んでいく弟妹、父の突然死など…。
    無論家族が悪いわけではない。だが、これらのどれがひとつでもなかったら、真面目な性格だった秋好英明は、ごく普通に人生を送ることができたかもしれない。
    とは言え、本人がいくら真面目に働いても、いい加減な親戚や周囲の関係者たちが足を引っ張る。(いい人間もいるが…)

    そして本人の内気で断れない性格や、厳しく叱責されたことがなかった経験(この辺りは現代の人にも当てはまりそう?)から、謝罪や都合の悪いことは口にできず、また、それらから何度も逃げる。

    そして、自分に借金があることを隠して金遣いの荒い妻を娶り、ようやく借金を返し終わったと思ったらまた金をピンハネされたり浪費癖のある妻が数十万もする時計を勝手に買ったりと、要するに彼の人生は貧しさと、流されやすい性格、また逃亡癖、逮捕、投獄により最愛の娘を失い…と、とにかく積もり積もって人生の坂を転げ落ちていく。

    英明はしょっちゅう金をなくす。落としたり騙されたり立て替えたのを返してもらえなかったり、盗まれたり…。最終的にはスロットマシンに手を出し、のめり込んでしまいには借金に追われる羽目になる。(とは言え、借金は踏み倒さずなんとか返していこうというのが彼の真面目さを表しているが…)借金を誤魔化すために嘘に嘘を重ねていく。
    そして…。

    内縁の妻となった女性の家族を殺害したとして死刑囚となるが、未だ執行されないのは何か理由があるからなのか。

    秋好英明の凄絶な半生も緻密に書いてあり、また、逮捕されてから裁判、判決までについて、実に1/4近くを費やしている。

    この本に書いてあることが全て真実かどうかはわからないが、文庫にすると、全編800ページ近くもあるという。
    推理作家の島田荘司にこのような著者があるとは知らなかった。

    司法の裁きが妥当か、戦後頻発した冤罪については、もしやこれもそうなのか…と色々と考えさせられる。
    興味があれば、是非一読を。

    #深い #怖い #ダーク

    0
    2026年09月21日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    秋好被告は昭和17年、満州生まれ、その生い立ち、特に幼少期は貧困と苦労の連続です。まず、敗戦により帰国するまでの大陸での強烈な体験に始まり、無事帰国しても母の病により、小学1年生で母と乳飲み子・家畜の世話に家事全般と、学童とはいえない働きぶりです。当時はマッチもなく火打石を使っていたとか。「おしん」よりはるかに過酷な子供時代と思います。
    優等生で模範生、家族思いの秋好少年は、周囲の大人の信頼も厚く、貧しいながらもすくすくと育っていくのですが…

    進学の夢叶わず中卒後に働きだしてから、どうも人生の歯車が狂いだしていくような印象を受けました。
    せっかくの海外赴任の話も父に取り消されたり、誤解による盗難で逮捕されたり、運がないというか間が悪いというか。ただ、秋好自身の弱さが引き起こしていることも多いのですが。都合が悪くなると、会社を無断退職してますし、あらぬ疑いをかけられても仕方ない面もありますから。

    最大の運の尽きは、やはり富江と出会ってしまったことでしょうか。
    とにかく川本一家が強烈。堀越主幹の言葉にもありますが、このような家族がついていては幸せは望めないと思います。それにしても、いい年した男女がどうしても結婚に家族の承認を求めようとすることには疑問を持ちました。両性の合意のみで成立するんですけど、やはり
    地域性、時代背景、生育環境の影響が大きかったんでしょうか。

    結局、昭和51年に川本一家殺害事件が発生してしまいます。秋好被告が殺人犯であることは明確であり庇うわけではないのですが、捜査と判決に問題あり過ぎと思います。富江も秋好逮捕後は保身に終始し、おそらく共犯と思われる節は数々あるのにお咎めなし? 
    冤罪事件は今でこそ表に出てくるものもありますが、これは氷山の一角で闇に葬られた冤罪はいったいどれくらいあったんでしょうか。
    被害者のためにも、公正な捜査と裁判を説に望みます。

    昭和という時代は、直接的・間接的に戦争の影響が時代にも人間にも及んでいたように思います。秋好にも富江にも川本一家にも。

    0
    2013年03月26日

秋好英明事件 の詳細情報

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