【感想・ネタバレ】眩暈のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

傑作

ほんと一番島田荘司らしい作品だと思う
まずバーンと何か「よくわからない話」を出して
それをこれは解ける謎だと、徐々に解き明かしていく。
御手洗作品のいつもの流れ

眩暈はそのよくわからない話が断トツで不気味で奇妙で気味が悪い。
そしてこれを「現実ですよ」。と。「これは現実にあった話なのです」。と。

精神病患者の妄想(ドグラ・マグラっぽいかも)として持ち込まれたあまりにも異様な文章をこれは現実だ、ではゲームをしましょうと。現実か妄想かと。

これは凄い作品。何度でも読み返したくなる。
DNAを知らない石岡ももちろん必見だ。

1
2021年03月27日

Posted by ブクログ

なぜかファンの間でも、もう一つ評価が高くないのだが、島田荘司らしさが最も出ているのが「眩暈」という作品だろう。狂人の妄想としか思えない奇想天外な出来事が論理的に解き明かされて行く快感が、お腹いっぱいになるまで堪能できる。とにかく古今東西、推理作家は数多くいるが、こんな話を書けるのは島田荘司ただ一人しかいないのだ。

1
2013年01月27日

Posted by ブクログ

『だからウロボロスなんです。蛇が尻尾をするすると飲み込んでいくと、すぽんと異次元の空間へと消滅する、そういう現象を思惟的に結論しても、さして意味はない。何故なら現実にそういうことは起こらない。

海の水の総量が茶匙何杯であるかを知ることが可能かと問われれば、明らかにイエスであり、明らかにノーでしょう

脳の機能を物質レベルで解明したという時、これが何を意味するかといえば、ほかならぬ脳自身がこれを理解したということです。これはパラドックスなのですよ。

自分自身とは、永久に握手はできないのです。』

島田荘司は重たいけど面白いなぁ。

そもそも島田荘司は重たいので避けてきたけど、そろそろ本気で読み漁りたいな。『暗闇坂の人喰いの木』と『アトポス』あたりをとりあえず読みたいな。

0
2016年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

非現実的な手記を主軸に掘り出される奇怪な事件
食品公害、サリドマイド児、太陽消滅、世界の終わり、あるはずのない四階、両性具有、アゾートの実現、、、?
バイオレンス、セクシュアル両面でシリーズのなかでも刺激強めな内容。
馬車道からインドネシア、北海道の果てまで今回もよく動き回ります。
いつもながらダイナミックでエキセントリックな仕掛ですが、謎めいた悪夢的手記の内容をすべて現実世界で説明してみせるつくりに満足!手記と現実、マンションでの出来事、順序も含めて飽きさせない構成でとても楽しめました。

0
2014年12月06日

Posted by ブクログ

まだ読んでない人へ。かなり分厚くて読むのに時間がかかりますが、その分満足が得られるでしょう。読み終えた自分に拍手を送りたい。内容にはあえて触れません。一読あれ。

0
2022年07月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子供が書いたような大きい字の文章が怖い。
気味の悪い文章から不自然な部分を抜き出して推理しようと必死になったが、まさかインドネシアの話だったとは…
御手洗の推理シーンが好き。

0
2021年07月08日

Posted by ブクログ

「占星術殺人事件」の愛読者が書き残した日記が意味するものは?どこまでが現実でどこから妄想なのか。不気味な日記に始まりプロローグから一気に引き込まれる。そして御手洗よ、早く出て来い!と思いながらページをめくる。島田荘司の本の読みながら不安にさせる要素は何なんだろう。言うまでもないが「占星術殺人事件」を先に読んだ方が良い。

0
2021年04月29日

Posted by ブクログ

あの現実とは思えない手記が論理的に解明されていくさまは圧巻。
島田荘司は最初に提示される謎が本当に魅力的である。

ただ、一応説明はつけられるものの、両性具有者のことについては少し曖昧な部分がある気がした。(私の読みこみが浅いだけだったらすいません。)

0
2021年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの御手洗シリーズ。
この間それなりに読書経験を積んだせいで、御手洗がカッコ良く見れなくなってたらどうしよう…と若干の不安があったんだけど、ちゃんとカッコ良くて嬉しかった。
派手で強引な真相で島田荘司らしいストーリー。
面白かった。

超有名俳優の息子にして『占星術殺人事件』の読者でもある青年が、鎌倉の独り暮らしの部屋にある日強盗に入られ、居合わせた父親の恋人と父親の秘書が殺されてしまう。太陽が消えこの世の終わりのような様相を呈する世界で、青年はふとこの二体の死体でアゾートを作ることを思い立ち実行する。するとアゾートが動き出し……という手記が、東大教授によって御手洗にもたらせる。
この手記は何を示すのか。教授は筆者の脳の障害を疑い、御手洗は実際に起こった事件だと主張する。
その実証のため、石岡は現地調査に派遣される。

死体を分断するシーンのとてもリアルな表記は確かに現実に起こった事件に思えるけど、夜だけの世界とか変わり果てた鎌倉の風景とかアヤシイ人間とか恐竜とか、さすがに現実としては説明できないでしょみたいな、これどう落とし前つけるんだ的な相変わらずの島田荘司ぶりだった。
渦の右巻きと左巻きには気づいたけど、まさかインドネシアまで飛ぶとは思わなかった。ここのところの御手洗シリーズは世界を股にかけてる。

9階程度のマンションじゃ階数は誤魔化せないだろうな(今ならタワーマンションにするだろう)とか、謎の死を遂げたサラリーマンの未亡人を襲った美青年は結局誰だったんだろうとか、いろいろ都合良すぎるところも含めて突っ込みどころ満載だったけど、大枠は面白かった。
手記の謎が一応合理的に説明されて、一応スッキリ。
あと、知的好奇心が一番で決して正義の側にいるわけじゃない御手洗のスタンスを堪能できて満足。
本来の形に組み戻された手記を読む時に自分の集中力が持たなかったのだけ残念だった。



(以下、京極堂シリーズにかぶれた人目線の感想)
久しぶりに読む御手洗は、榎木津と中禅寺を足して2で割ったような人物として私の前に立ち現れてきた。
他人を全く気にしないところと外見のカッコ良さは榎木津で、合理的な思考と丁寧な口調で他人を翻弄するところは中禅寺。
そして石岡君は、鬱じゃない関口(笑)。
特に御手洗の命で鎌倉を調査する石岡君は、榎木津に無茶振りされて現地調査させられる関口と、超シンクロしてる。御手洗に馬鹿にされて嫌味を言われるところも、中禅寺と関口の関係に置換可能。
畸形児とかバラバラ死体とか、エピソードにも京極堂シリーズのエッセンスが感じられる。
直接影響を受けたとまでは言わないけど、私何読んでるんだっけ?と思ったくらい混乱した(笑)。

0
2021年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。
サリドマイド。この時代って、こういう問題があったな、と思う。今でもなくなったわけではないと思うけれど。
覚えていたのは、左巻き右巻き、マンショントリック。
再読して、なるーと思ったりする。
そしてホントにめまいがする。どれがホントなんだろう?どうつながってるんだろう?読みかえりたくなる。が厚いのだ、本が。
またいつか読もう。

0
2021年02月01日

Posted by ブクログ

ミステリー初心者ですが、このミステリーは面白いと思いました。

ホラー小説を連想させるおどろおどろしい文章が、天才探偵の元に持ち込まれたとき、どんな事件が明らかになるのか。

トリックとしてはちょっととんでもない部分もありましたが、そうか、そう言うことだったのか! と言わせる説得力は十分にあります。

0
2020年04月19日

Posted by ブクログ

『ネジ式ザゼツキー』を高校生のときに読んで、その時の感動をもう一度味わいたいと思い読んでみたのですが…
少し期待外れでした。というのも、謎の提示から1回目の解答までがすごく短く、もっと焦らして欲しいと思います。
謎の手記の書き手を探しに行くのですが、彼らのやっていることがとしても非現実的でちょっと引き気味な姿勢で読んでしまいました。それでもやはり、島田荘司らしい大胆なトリックは好きですね。御手洗の変人キャラも今回かなり濃く描かれていて素敵です。

0
2019年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学2年から数十年ぶりに読み返した今回は、分析的な読み方を心掛けた甲斐もあって、数々の粗、都合の良さや強引さが目立った。

致命的なのは、インドネシアで殺人を犯す事に、実は何も必然性がない事。これは正に発見だった。
魅力的な謎の創造のために登場人物が踊らされてしまったのだ。これは作者の傲慢さ以外何物でもない。

しかし、数十年経っても色褪せぬ内容と、抜群のリーダビリティは確かに存在した。
読者を愉しませんがための過ちと受取ろう。

0
2018年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやはや凄い。どう考えても現実とは思えないことを論理的に説明していく。御手洗がこれは事実だと気づくきっかけとなった渦巻きの考察も素晴らしい。なぜ乾燥機がついているのかとかなぜレモンを香織が絞ってあげたのかとか細かいところが全て一つの真実を構成する要素だったなんて。これぞ本格ミステリ。

島田さんの著作は、絶対リアルとは思えない摩訶不思議で非現実的な物事を僅かな隙間から論理で崩していく作品が多い。しかし、それらの中でも特に今回の事件は本格性を強く感じた。

0
2018年07月29日

Posted by ブクログ

中々の混乱から始まるが、ラストにすべての複線を回収するとこが島田壮司らしくていい。
結構無理やり感はあるが。
もっと言えば『占星術~』もっと強調してくれても良かったかなぁ??

0
2017年02月21日

Posted by ブクログ

最初の百数ページがとても怖かった。不気味でグロテスクで、わけがわからなくて怖い。『占星術殺人事件』を愛読する青年が記した妄想としか思えない手記の内容が、御手洗の推理によって現実味を帯びてくる。提示される謎のうちのいくつかは、じっくり考えれば読者でも解答に辿り着ける。色々な可能性を自分なりに考えるのが楽しかった。石岡が江ノ電に乗って調査に向かう場面が好き。数年前に旅行で訪れた、鎌倉の独特の景観が懐かしい。

0
2013年10月03日

Posted by ブクログ

島田荘司のすごいところは掴みの良さとリーダビリティーじゃないかと思われます(私見)。


セルフパロディーで「占星術殺人事件」が取り扱われています。
こういう斬新な発想すごいなー。
あと、なにげに御手洗シリーズは旅モノだなぁと思いました。
今回もあれこれと飛び回りますが、それがなんだか楽しい。
そうやって最後まで読者を引っ張っていってくれるところが好きです。


オチは…なんていうか、ものすごいですけれども(笑)
でも作中の風景を追うだけでもわくわくしちゃいます。

0
2013年08月30日

Posted by ブクログ

冒頭の荒唐無稽な手記に対し、御手洗がズバズバと言い当てるのですが、何がどうなっているのか全く理解不能です。どうやって結びついて行くのかどんどん期待が膨らみ、最後まで一気読みでした。
マンションとエレベーターのトリックは疑問符がつく内容で尻すぼみした感がありますが、突飛な題材をまとめ上げる著者の剛腕っぷりは流石です。御手洗シリーズらしい雰囲気は十分に楽しめると思います。

0
2013年08月15日

Posted by ブクログ

御手洗シリーズ。

奇想天外なトリックは島田さんならでは。
御手洗潔の頭脳明晰ぶりも気持ちいい。

ただグロ系がダメな人、島田作品は初めて
っていう人にはオススメしかねる。

最後の手記はちと読むのが面倒だったけど
すべてわかった上で再読するのもまた楽しい。

0
2013年06月10日

Posted by ブクログ

「この本を見たとき石岡君は何か思わなかったかい」
「確か本の厚さと値段を見たときに目の前がぐらりと・・・あっ」
「そうだよ石岡君。この題名は、この本を買おうとしている読者の気持ちを表しているんだ」

0
2012年10月29日

Posted by ブクログ

母がこの作者が好きで、眩暈のあらすじを母から聞いて、え、面白そう!?と思ってようやく読んでみた。
正直期待していたほどの衝撃はなかったが、全体的に面白く読めた。
私の頭ではなかなか腑に落ちない箇所が何箇所かあった。

0
2022年09月10日

Posted by ブクログ

やはり島田荘司は面白い。しかし謎の文章が序盤に長々と続くパターンは少々辛いとこだけどね。島田荘司には良くある気がするが、、、、御手洗と石岡くん、いつ出るのーってなる。
それでもとても楽しめた一冊だ。
怪奇な文章がちゃんと説明つくとか、爽快。

小説って書かれた時代によっては差別的な表現が罷り通るところがあるけど、
その中でも御手洗自身は偏見による発言をすることはなく常にフェアで気持ちがいい。
そんな所も作者の先進的な思考がみえる。

0
2022年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いきなり、大きい字の子どもの手記から始まってちょっとぎょっとした。
叙述トリックなんだろうなあ、これどうやって実際にあったことになるんだろう、と最初から思いながら読んだけど、分かったのはひとつだけだった。

隠された4階っていうのはわくわくする。
でも内情はかなりグロテスクで、なんていうか、耽美みたいなのが足りなくて残念。

御手洗が石岡くんに対して酷い。
石岡くんも御手洗に対するトキメキ?がなくなった風だけど、それより御手洗が酷いし、藤谷を出しちゃったら石岡くん要らなくなっちゃう


別に面白かったんだけど、なんとなく後味が悪い。

0
2019年09月01日

Posted by ブクログ

「占星術殺人事件」を愛読する青年の戦慄すべき日記。そこには荒涼たる世界の終焉が広がり、切断された男と女が合成され両性具有者となって彼に語りかける。醜悪な現実と蠱惑の幻想世界が今、驚天動地のトリックによって大いなる融合をはたす---------新たなミステリーの空域を雄々しく飛翔する島田庄司の圧倒的傑作!

-----
背表紙に書いてあった上記の文章を見たら読まずにいられないでしょう、ヤッパリ。あまりにも突拍子なく強引な推理展開。でも面白かった。細かい部分が結構そそる。

0
2018年10月15日

Posted by ブクログ

御手洗潔シリーズ。重厚な作品。どのように展開されていくのか、不安になりながら読んでいきました。最初に提示された文章からミステリアスに進んでいきます。本当に何が起こったのか、気にしながら読み続けられました。

0
2016年01月06日

Posted by ブクログ

御手洗潔シリーズ、8作目。

相変わらずというか、最初の導入部は狂人妄想的な手記から始まる。その、いかにもあり得なさそうな妄想ごとを、御手洗が見事に現実ごととして証明していくところは興味深く読めた。確かに御手洗のようにワールド的な視野を持っていないと、思いもつかないかも。無理に小難しく、かつ、グロテスクな描写を多用するのはちょっと苦手、、、と思うが、結局最後まで一気に読み進めてしまっているんだもんな。それだけ島田作品の魅力に嵌ってしまってるのかも。

0
2014年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

三崎陶太という人物が書いた、現実とは思われない手記。
強盗が押し入り、二人の男女が殺され、外に出ると
世界の終わりのような光景が広がっていた。
男女の死体を切断して、合成し両性具有者として蘇らせる。

この手記を現実にあったことだろうと調査開始。

ハイム稲村が崎の、幻の4階。
死んだと思われた香織が生きていたこと。
インドネシアにある、稲村が崎と同じつくりのマンション。

最後に、足りなかった文、正しい順序に直された手記が入って終わる。

そういえば、葬式に現れた両性具有者と思われる人は何だったんだろう。

0
2013年10月03日

Posted by ブクログ

読み終わっても、何だかモヤモヤ。
分が悪い勝負に思えたけど、見事に御手洗さんが謎を解き明かしたのはさすが!
しかし、自分が100パーセント理解した自信を持てず。かと言って、再読するつもりも意欲も持てず…。そこまで好きな内容じゃないんですね、きっと。
御手洗さんファンなので、本の分厚さにも負けず頑張って読んだけれど、私にとってはそんなに魅力的なお話ではなかった。

0
2013年06月19日

Posted by ブクログ

大胆かつ物凄く無理矢理なトリックに唖然となりましたよ。とは言え、マンションの中の秘密の階っていうシチュエーションは結構好みで、わくわくしました。日常の中の異界的な場所が好きなんですわ。

0
2012年12月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<ネタバレ有り>
   


++++++++++++++++++++++++++++++++



御手洗シリーズ。以前ハードカバー版で読んだものを文庫版で再読。
眩暈。まさに眩暈。やっぱり読んでてくらくらきました。
古井教授の難解な講義の後の石岡君の「聞いていて意味が十分の一も解らなかった」という一文によってもたらされる安心感がすごい。
初読時どうしても理解できなかった部分があって、今回はその辺りをじっくりと読んだつもりなのですが、やっぱりわからない部分もありました。香織お母さんの胸が小さい云々のくだりは文庫化にあたって最後に加筆されていたので理解しましたが、結局未亡人を襲った両性具有者は一体だれだったかという謎は残りました。解説にもあったようにその辺りは読者の想像にお任せという感じなのかな。
その解説ですが、つまらなすぎてびっくりしました。難しい言葉を並べてるだけで意味がさっぱりわからず、長いので読み飛ばしてしまいました。解説が本文より難解って…。解説までを含めて1冊の本だと思うのでちょっと残念。

眩暈の御手洗のエキセントリックさには息を呑むものがあります。そんな御手洗に付き合いきれる石岡君も只者じゃないとあらためて思いました。

0
2015年03月28日

Posted by ブクログ

導入部がえぐすぎてくじけそうでした・・

そこを乗り越えればあとは気になってどんどん読めちゃう。


それにしてもいつもにまして猟奇的な・・
だから事件のインパクトはすっごいんだけど、謎がとけてみると拍子抜け感が否めません。


でも御手洗のキャラクターはすき!

0
2012年07月27日

「小説」ランキング