島田荘司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
奇想天外なトリックや、意外性もありつつシンプルな仕掛けに舌を巻くのは当然として、真に格別すべきは抜群に読みやすい文体にあるのではないかと思います。
こんなに読み易く、頭にカッと入ってくる文章も、早々見かけません。
古い作品だし、堅苦しくて読みづらさこそを誇示するような小説かもなと先入観を持っていたのですが、全然そんなことはなかったです…!
読み味というヤツですか(初めて使いますが)それがとても良かった。まさに職人ですね。
これは想像ですが、推理に必要な情報を無駄なく、かつフェアに明け渡すために、簡潔な文章を意識して構成していたんだろうなと思います。
大変勉強になりました。
また、それこそ探偵より事件が主役という、見せ方がとても印象的でした。
探偵がいかに探偵かを説明したり、印象づけたりするのに腐心する作品が数多ある中、まずは事件を面白く見てもらおう、それに翻弄される愚かな登場人物を見てもらおうという遊び心を随所に感じて、これもまた良かった。
ワクワクしたまま、期待してページをめくる楽しい読書ができました。
アリバイからフーダニットを調べるも見当付かず、ホワイダニットは尚のこと見当つかず。
ハウダニットが解けねば分からない、だがハウダニットさえ分かればあとはどうとでもなる。
手がかりは全て掲示している。
たまらないですね。
これはそんな素敵な推理小説です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ※過去作のネタバレも含みます
今作もちんぷんかんぷんの物語からスタートするんだけど占星術で鍛えられたので耐え。
御手洗石岡がなかなか出てこないのだけどそれは斜め屋敷で鍛えられたので耐え。
目次を見ても本編と解説しか書いてないので、この奇妙な物語がいつまで続くのか分からずちょっと苦しんだ。
とにかく二人が出てきてからは、御手洗と石岡が積み上げてきた歴史と絆、そして石岡が御手洗のことをよく理解していることが分かる描写がふんだんに盛り込まれていてニコニコが止まらない。
あまりにもよかったので好きな描写一覧を最後に記録。
石岡の語り口や発言から滲み出る二人の圧倒的な相棒感。この凸凹コンビが本当に好きなんだよなぁと噛み締めながら熟読。
御手洗は嬉しいことに相変わらずで、今回は先生も加わってしっかりカオスな空間が出来上がっているので読んでいて笑ってしまう場面も多々あり。御手洗の無茶苦茶な行動は健在どころかどんどん常軌を逸していくんだけどそれに慣れっこな石岡の全てを諦め受け入れ淡々と対処&描写する姿勢が面白くも愛おしくもあって最高。
何より、誰より御手洗の近くにいて誰より御手洗の奇行に慣れていて誰より被害を被っている石岡が、でも誰より御手洗を信用しているのがいいよね。所々疑ってかかるけど根っこで信頼があるのがよく分かるなぁと。
「近頃は、私が何を話しかけても御手洗は犬の吠え声で返事をする。食事をしていても、本を読んでいても、犬がかん高い鼻声から急に低いるような声になる、あの感じをうまく再現して、一人悦に入っている。別に一人でそうしているのはいっこうにかまわないのだが、私が話しかけた時も犬の声で返事をされると、私程度の知性と会話するのは犬の声で充分と思われているような気がして、なにやら悲しくなる時があった。」
これパッと見ちょっと面白くもあるし石岡の言い方が可愛くすら思えるんだけど、
石岡が御手洗からされた事に対して「悲しくなる」って言葉を使うことが滅多にない気がして、
通常運転だとか呆れるとか慣れっことか日常とかそういう言葉で済まさずに明確に「悲しくなる」と書いているのは、冗談抜きの悲しみなのかとものすごく不安になる。
前作で結構キツいこと言われてたのが思い起こされて胃が痛くなる思い。今でも思い出すと苦しくなる、御手洗の発言と、それを聞いて「捨てられる」と思った石岡の心情描写も。無かったことにしたいくらい、あの時可愛がっていた犬を亡くしてドン底の御手洗から放たれた言葉が刻まれていて、もしかしてそれは石岡もそうなのかと考えずにはいられない、やばい無理すぎる。
実際石岡も「事は深刻だ」みたいに捉えていたし、焦っていたのを読んでいるから、もう本当に気が気じゃなくて。
脳の退化現象とかさ、僕といる事でプラスになっていないみたいなセリフをさ、、、思い出したくないのよこちらは……泣きそう。
頼むから二人で楽しそうにわちゃわちゃしててくれ……。
・論じ合いになった時「病識というのは、自分が病気であると認識する意識ですね?」と御手洗が私のためにそう口をはさんだ。という記述
・当然のように石岡のために冊子を借りるところ
この辺りはやっぱりナチュラルにコンビ愛を感じるなぁと。(BL視点ではなく)
論文を書くから調査は全部石岡に任せるのは、もうそこまで石岡を信頼しきっているんだなぁすごいなぁとここ地味に感動した。
あと石岡は人並みに妻や子供を持ち一戸建てに住むという夢を考えない日はないらしく、これは確かに解釈一致すぎる。
「どうやって入るっていうんだ?管察を呼ばれちまうぜ!」
「最悪そうなったら、ぼくが地元の管察を動かしてすぐに留置場から出してあげるよ」
「冗談じゃない、履歴書に『賞罰あり』になってしまう」
「石岡君、その歳になってまだ就職しようと思ってるんじゃあるまいね、往生ぎわが悪いぜ」
「何と言われようと、逮捕だけはごめんだ」
ここ好き。このテンポの良さ。
「石岡君、ほくは今非常に忙しい。そんな議論はこんとにしよう。君はただぼくを信じてくれればいいんだよ」
ここもねえ、石岡にだからこそ真っ直ぐに「信じてくれ」という言葉が出るんだろうなぁと、二人の築き上げてきた絆や歴史を勝手に感じた。
例の興宿所のインチキ名刺は何かと使えるね!笑
あと、屋上で海を眺めながら、ついに御手洗の幻聴が聞こえるのも笑った。分かる気がする。
旭屋御殿の前で週刊誌の人に声をかけられたのはびっくりだけど、石岡のこと知ってたのかと思うと石岡すごいな。
いろいろ教えてくれるし優秀そうだしありがとうの気持ち。
御手洗が暴れた後の後片付けしてるのに
「あれ?石岡君、ぼくの部屋で何をしているんだ?」
「頑張ってくれたまえ君、夜明けは近い。」
「さあ君、掃除もすんだようだからちょっと出ていってくれ。なにすぐなんだ、すぐすむよ、さあ出口はこちら!」
この辺ほんとーーーに御手洗。笑
「よく眠っていたところを起されたので、かすかな頭痛を感じた。しかし御手洗のような男と暮らしていれば、軽い頭痛などは日常茶飯のことなのだ。この程度で不平を言うようでは、こんな狂人とひとつの玄関ドアの内側で寝起きはできない。」
「何度も言うが、このくらいで驚いていては、御手洗のお相手はつとまらないのである。」
「というわけで、ずいぶん時間がかかったが、ようやく話が進みはじめたらしかった。まったく時間のかかる男である。」
ここもニヤニヤしちゃった。本当にいいコンビすぎる。
「おい御手洗、やろうよ!」
とこれを石岡に言わせた御手洗はナイスだなぁの一言に尽きる。
「ぼくや君を、わくわくさせるような謎だぜ、そうは思わないかい?」
ここもねー!いい!ぼくを、じゃなくて、ぼくや君を、なのが!すごくよい!!!
「だけどさ御手洗、常識で考えてみろよ……」
「常識って何だい?常識なんて信奉してたら、ミステリーなんてどこにも存在しないぜ」
これ御手洗が言うからカッコいい。最高。
「御手洗君、君は自分が天才だと肩じて疑わないのだね? 今の一言は君のそういう心理の露出ととれるね」
「そういう御質問に対するぼくの応えは、常にイエスであり、ノーです。世の中に、天才という人種と、そうでない人種との二種類がいるわけではないのです。確かに今はくには自然界の精霊と交信する能力が与えられています。でもそれは、ほかにこういう役割を担えそうな人物が見あたらないから、たまたまぼくにその役が割り振られているにすぎない。もっとふさわしい人物がほかに現われれば、この役はそっちへ移るでしょう。天才というのはね教授、歴史上のほんの一瞬、大勢の人間がこぞって間違った道へ入り込んでいる時、天がこれを救済できそうな一人の道化に与える、気まぐれの別名なのです」
目から鱗。
渦の右巻きと左巻きの話も難しいけどすごく面白かった。考えもしなかった、知識人はすごいなぁ。
からの二人でインドネシア行ったのかー!暗闇坂の時に作ったパスポート、その後も水晶のピラミッドを経て今回も大活躍でいい!どこに行っても堂々としている御手洗はすごい。何ヶ国語も操るんだもんなぁ本当いつもいつもスペック全部盛りだ。
にしても日本人の海外での売春はずーっと変わらないんだね。萎え。
からの
「ちょっとは自分で考えたらどうだい?」
とかはまあ言いそうだし全然わかるんだけど、
「向上する気力を放棄して久しいね石岡君。」
は、前作を思い出して血の気が引くからやめてほしい、、、!!!涙
あのさ……なんか今後に不穏な展開があることを前提とした上での布石みたいなのやめてください本当に……!!!今のままの関係じゃダメなんですか……?!向上心があると思ったから「異邦の騎士」以降石岡との相棒関係を受け入れたんですか…それが顕著じゃなきゃもう石岡はいらないんですか…うまく言葉に出来ないけど今の石岡じゃ御手洗の側にいる資格はないみたいな感じなんですかなんでなんでと受け入れられない気持ちが先行してしまう。
本当に心底ヒヤッとするからさ……頼むよ…気が気じゃないんだよこっちは、、、!!!涙
肝心の様々な謎については本当にしっかり振り回されて、何もかも理解が追いつかずその後もたっぷり楽しませてもらいました。
藤谷と三人で事務所に集まった時も、藤谷と話しながら突然石岡に対して
「何故いなかったか?石岡君、起きてるかい?何故いなかったと思う?」
とか言うの、怖いよ御手洗なんか前作からちょっと怖いんだよ頼むよ石岡を捨てないで…!!!
辛辣なのはいつもの事なんだけど、それとはまたちょっと違うガチっぽい感じのことを前作も今作もちょいちょい挟むのはなんなの…泣
不穏に感じるのは杞憂ですよね???御手洗石岡コンビは永遠だよね?号泣
中華街で
上機嫌になって石岡の背中をぽんと叩いて乾杯し、
「石岡君、ここはどうして、背水の陣だったんだぜ。」
「ついに尻尾を捕らえた!幽霊女の脚を捕まえたぜ、石岡君」
「ますます結構。凪の後は追い風だ。石岡君、順風満帆といったところだぜ」
と言うの。良い、いちいち石岡に言うのすごくいい。もう最高。
なので、どうかこのまま仲良く相性抜群コンビでいてください頼むから……!!!
石岡が「運ばれてきた料理を二人にとり分けながら」話に加わってるのも良かったし、
藤谷がノリノリでFクビになったら助手にしてくださいとか言うのもいい。
「石岡君、よく憶えておきたまえ。開拓地というのはね、常に問題思想と犯罪者が流れ着く場所なんだよ。これは歴史の定理だ。」
名言。
「口から出まかせが、立板に水の勢いで湧いて出るのも彼だけだ。」
は本当にそう。
「御手洗は、結婚という人類が昔から行なっている風習を、心の底から軽蔑しているために、結婚の話になると必要以上に辛辣になってしまう。」
毎度だけど相変わらず!
稲村ヶ崎駅に着いて雨に降られ始めた時、
「私と藤谷は用意していた傘を開き、こういう時の常で、傘など持とうとしない御手洗に私がさしかけた。」
ここね!!!これもいいよね!!!本当に毎度良い!!!ありがとう!
そしてやっぱり
誰とどこにいても合図は「さあ行こう石岡君!」なんだね。
たったその一言がこっちは嬉しくて仕方ないんだよ〜。
エレベーターで
「御手洗が乗り、急げ、急げ、と右手をあおって私たちをせかす。私と藤谷が乗り込むのを待ちきれず、御手洗はドアを閉めるボタンを押す。」
閉めるんかーい
「御手洗は、しかし開いたドアのところで立ち尽つくしていた。ぽかんと口を開き、放心しているようだった。やがでドアが閉まってきて、御手洗の体をはさみそうになった。私があわてて彼の体を後方に引き戻した。」
こういう何気ない描写が、日頃の二人の生活をそのまま表しているようでニコニコしてしまう。
「ーー欲しくてたまらない、おいしそうな御馳走をついに目の前にするとね、ほくは何故かそのまわりをしばらくぐるぐる廻ってしまうんだ。どうしても知りたい事柄に対しても同じさーー。」
これもすごく解釈一致。言語化天才だなと思う。
「世界一流の登山家を自負する男が、エヴェレストに登らずに一生を終えられるはずがない。そこに大西洋があれば、世界一の飛行家なら、飛び越えようと思わないはずがない」
「目の前に溺れる者がいて、他方に世界一難解なパズルがあったら、君はどちらを選ぶ?」
野辺が言った。
「簡単さ。彼を救けてからパズルを解くよ」
御手洗は応えた。
「彼が溺れている場所は並み大抵の急流じゃない。救けようとすることで、命を落すかもしれないんだぜ」
「それでも救けるさ」
御手洗は即座に応えた。
「見てしまったのなら、それがもう運命というものさ。正直にいえば、次からは別の場所で溺れて欲しいけれどね」
→占星術殺人事件から絶えず描かれてきた御手洗の変わり者っぷりと奇人変人エピソードのオンパレード。だけど、これほどまでに御手洗の本質がどういう人間であるか真っ向から示されたことがこれまであるだろうか。
そうなんだよ、こんな時決してその人を見殺しにしない、見えてしまった以上仕方ないと迷わず人を助けることができる御手洗なんだよな。
その優先順位の明確さは裏を返せば助ける者のために倒すべき相手も明確に認識しているということなんだと思う。
これ普通に感動した。破天荒の無茶苦茶な男なんだけど、本質はずっと同じなんだろうな。
理屈じゃなくて、守るべき者と、そのために戦わなきゃいけない相手を、その相手の命さえ奪う覚悟を決めた人にしかない真っ直ぐさだと感じた。
「おまえのような嫌な奴は見たことがない!鼻持ちならず、図々しく、世界中に自分より頭の良い奴はいないとうぬぼれている。退屈で下等で愚劣なこの世界の、おまえこそが病根そのものだ!」
御手洗を睨みつけ、そう言った。
「光栄だね」
御手洗は言った。
「苦しいことが多い人生だが、そういう言葉をかけられると救われる」
「おまえのような病魔は、退治しなくてはならない」
「そうは思わないね」にやにやしながら御手洗は言う。
このやり取りも御手洗すぎるし、これはもう御手洗と同じ領域に達した人にしか分からない苦悩と救いがきっとあるんだろうなと、凡人は思うのでした。だって咄嗟にこの返しは思い浮かばんて。
「御手洗は、おとなしく二発目が発射されるのを待ってはいなかった。弾丸が発射されると同時に、目の前にある小テーブルを、両手を使って大きくはねあげていた。
続いてソファから腰を浮かせかけた私の太腿に跳び乗ってきて、そこを踏み台にさらにジャンプし、陶太の車椅子の前に着地した。自分の命が危ないとなると、電光石火の身のこなしだった。私は腿の激痛に堪えながら、藤谷と二人でソファの後ろへ隠れた。」
→ここ申し訳ないけど大笑いした。
「殺したのか?!」
「また車の上だ、歴史は繰り返すね。石岡君、ぼくが撃たれた方がよかったかい?」
御手洗が横の私に言った。
→ここもね、御手洗はいつもブレないよね。
自分の中で明確な指針がなきゃこんな風に迷いを見せないでいれないよ、本当に、御手洗だわ。
野辺に続いて三崎陶太に銃口を向けられた時のやり取り。
「ああ、一人すんだらまた一人か!」御手洗が両手を広げ、空を仰いだ。
「一度にすませて欲しいものだね。石岡君、見物してるだけじゃなくて、次から拳銃くらいは拾ってくれ!」
御手洗はこちらを向き、真顔で私をなじっている。
「まったくいつもながら君の間抜けぶりには頭が下がるね!」
「そこまで言うことはないだろう。ああいう場合、あれ以外にどういうやり方があった?!」私もむきになった。
「ぼくも君たちの間に割り込んで、競争してソファの後ろに隠れればよかったかな?そうしたら今頃、三人とも蜂の巣だ」
「あの時ぼくがソファの後ろからとび出したら、間違いなくぼくが撃たれただろう」
「撃たれる危険は全員にある。ここへ昇ってくる時、そう言わなかったか?時として、思きりのよい攻撃は最大の防御だ。まったく君はおめでたいな!たまにはぼくの役にたったらどうだ?」
と言い終るより早く、御手洗の右足が一閃して、陶太の手から拳銃を払い落していた。私への怒りのキックのようだった。脱兎のごとく藤谷が駈け寄り、拳銃を拾った。
「よく見たかね石岡君、君たち交代してもらおうか。明日から君がFの編集部に入ったらどうだい?」
悪態をついておいて、御手洗は駈けだした。振り返って叫ぶ。
「もっともFが要ると言ったらだがね!」
→拳銃向けられてるのにお互いやいやい言い合いしてて大笑いした。テンポ良すぎるのは結構だけどあなたたち今銃向けられてますよ!笑
と、ここまでは笑っていたんです。
「ガラス扉を両手で開けようとしている。しかしロックがされていた。隣りの扉に移る。こちらも動かない。さっと屈むと、足もとにあった植木鉢を持ちあげ、目の前のガラスに叩きつけた。こういう時のために、しょっちゅう部屋のコップを割って練習をしているのかもしれない。」
→ここも声出して笑った。まだ笑えてたんです。
例の文章を綴ったノートを燃やす三崎陶太から奪って貰おうとする御手洗に
「何故?」と問われ
「ぼくも石岡君も、君の文章のファンなんだ」
と答えるのも最高で。そうなんだよ、何作か前の作品の感想でも書いたけどいつだって御手洗は「ぼくと石岡君」が主語なんだよ。
とか!!!思って!!!いたんだけどさ!!!!!
この後に続くやりとりが泣くほど不穏すぎてさ!!!助けてほしい!!!
暗い廊下で、私は御手洗に尋ねた。
「さっきのことだが、本気で言ったんじゃないだろうな?」「さっきのことって?」
御手洗が応える。
「三崎陶太にピストルで脅されている時だよ」
「ピストル?ああ、こんなもの、ここへ置いて帰ろう……」
言って御手洗はポケットからピストルを取り出し、廊下へ置こうとして思い留まった。
「やめとこう。海へ捨てる方がいい。自分を殺すのに一番重宝な器械だからね」そしてまたポケットに戻した。
「あれは陶太を油断させるために、あんなこと言ったんだろう?」すると御手洗は眉をしかめ、宙を見つめた。
「何を言ったっけな……。」
やがて小さく二、三度頷いた。思い出したらしい。しかし依然押し黙っているので、私は重ねて訊いた。
「どうなんだ?」
すると御手洗は、私の方をちらと見てからこう言ったものだ。
「ま、解釈はご自由に」
あの、本当に、この二人のコンビ関係に不穏を漂わせるのやめてもらっていいですか涙
あの!!!本当に!!!なんで?!?!冗談ですよね?!?!本当に、心からこの二人のコンビが好きなんです。もうこれまでの過去作での感想でも死ぬほど綴ってきたので割愛しますが、この二人の掛け合いと関係性とか絆とか歴史とか信頼関係とか気の置けない感じとかが最高に好きなんですよ……!!!
万が一、億が一にでもコンビ解散とかになったらもう正気じゃいられません。頼むからどうか事件に巻き込まれつつ、自ら足を突っ込みつつも、小競り合いして喧嘩しながらも、どうか、、、!どうかこの二人が変わらず穏やかで仲睦まじく暮らしていけますように、、、!!!!!
すみません、松村の奥さんが両性具有者と性交渉したのはなんだったんでしょう???
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▪️以下、コンビの絆や積み上げた歴史と、わかり合っている感を堪能できる石岡のセリフ一覧。
「やがて彼の肩のあたりがかげろうのようにゆらゆらと震動を始め、時おりくすくすと忍び笑いが洩れた。そういう時はいっ時目が細められるが、笑いが鎮まると、目がらんらんと光るようだった。これは御手洗の頭脳が働きはじめ、上物の獲物を眼前にしたライオンのように、気分が上機嫌になっている時の表われなのだった。」
「ありがたいことに御手洗は、本気になると恐ろしい速度で活字を読むことのできる才能を持っていた。」
「邪魔してはいけないと思い、私はしばらく御手洗のことをなすがままにしておいた。これはいつもの私たちの習慣だった。」
「小冊子はばさりと床に落ちた。反射的に私が立ちあがり、身を屈めて冊子を拾った。」
▪️カオスで笑った一覧
「教授もはすがに一般人とは違っていて、肝を潰して私の方を見たりはせず、踊りながら犬の遠吠えなどをやっている御手洗を、ぼんやり眺めていた。」
「ズールー族の勝利の踊りは、この頃よくやるので私には格別珍しくもないので、古井教授が持ってきた文章というものを一人で読んでいた。」
「それが?」「これも重要です」「ああそう」
ほんと、二人とも、変わらずにいてください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
①愛しいチグサ
2091年、謝荷魚(シェホーユー)はモンスターサイクルで事故。
→中国人名やめてほしい。読みを覚えられない。
ほとんど機械になって生き延びる。
普通に生活できるようになるが、人間の顔が鬼のような赤い顔の化け物に見える。
謝はイラストレーター。
美しい女性に出会う。
結婚していた。名前はTin
→?あれ?、これは夢だったのか?、ここよくわからなかった。。
また、女に会う。
結婚してない。名前は、ちぐさ。
ちぐさとデートを重ねる。恋などの感情を知らないちぐさは、徐々に人間味を帯びてくる。
恋人同士になる。
手のひらを、合わせると青い火花が散って、移動?
人々の胸には数字が浮かんでいる。
チグサ7号?
50年も前に作られた旧式のロボット。
ボス「そうか、お前の体の大半は機械だから、機械にたいしてだけ感受性が動くのか」
チグサ、壊れた。
バグで、主人公の名前を呼び続けていた。
人類滅亡?
水だけの惑星に。
でも、いつかまた人類誕生?
もう一度君に会える日まで。
②『愛しいチグサ』と、10代の頃の自分
エッセイ。
外国のミステリ事情。外国にはミステリの賞がない。
愛しいチグサのこと。海外では人気あったとか。
占星術殺人事件のこと。
帯に純愛ミステリとあったが、ミステリ要素あるのか?自分が機械だから、人間のみんなが変に見えてたとか?チグサがロボットだったところとか? どちらも作者はそこまで隠してないと思った。
SF的にはよくあるストーリー。
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Posted by ブクログ
ネタバレ長編ミステリ。一応本格ミステリの範疇かもしれないが、北朝鮮問題や原発問題なども扱っているので社会派ミステリの要素が強いか。吉敷竹史シリーズの方が合っている気がした。
巨大なクジラ。
発電所。原子炉。
怪物、原子炉に突撃。
龍神という本?
藤浪麗羅が石岡の元を訪ねてくる。
女子大生なので里見っぽい女の子。石岡と事件調査に行くのも里見と石岡コンビっぽい。
巨大海中生物。
海自の特殊部隊が伊根に派遣。麗羅のおじいちゃんが元海自。
石岡と麗羅が伊根に行くと、自衛隊。政府要人がくるので特別警備。引き返してくれ。
龍神が車を屋根に乗っけたという人。本当に乗ってた。
夜中に遠くから見たという。
裏山の白骨死体。
乱闘騒ぎ。
南吉氏、死ぬ気?
好子、ロマンにやってくる男性客に対して、体を餌にたぶらかす。婚約を伝えたい身内があるから。と平壌に行き、招待所に連れ込んで監禁し、金日成の愛に目覚めさせた。
ある時期から急に奇形魚があがるようになった。
原発の排水の影響?
南吉、攫われた子供が泣くのを見て、この仕事を辞めようと思う。
好子による、朝鮮の反日感情。
南吉との歴史の認識相違により口論の末、好子がナイフを持って暴れる。好子にナイフが刺さってしまい、亡くなる。
巨大な黒い龍神が石岡の目の前に、湖から現れる。
自衛隊、チョンリマ・ミンバンウィという非合法組織を追っていた。
巨大な怪物、潜水艦だった。日本海軍のもの。伊根は特殊航行の訓練場だった。米軍の空襲もあり、沈んだままの船体もあった。連中はその残骸を使った。
潜水艦かなーとは誰もが思ったことだろう。というわけで、本格ミステリ的にはたいして面白くない。
御手洗登場。遅すぎ。。最後の数ページって。。
石灰石、水がかかると爆発。それで、車が屋根に。
龍神の吠える声。強風。海からの強い風、山の穴から山頂に抜けて笛のような効果。
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Posted by ブクログ
ネタバレ事件の内容自体は過去作ほどのインパクトはなくて、評価3かなぁと思いつつも
重要なのはそこではなく「御手洗潔の挨拶」の名に相応しい「御手洗潔ってこんな人」が書かれた短編集。
個人的には御手洗のこと大好きになってしまったので読んでよかった!
ので詳しく書き留めていく!
▪️数字錠
御手洗思ってた以上に情のある人間だった!!!笑
当然のように空気は読まないし、社交辞令って知ってる?だし、配慮や建前が無さすぎる、まさに変人奇人!みたいなキャラ像に、ガツンとギャップを持ってきたから、これは御手洗好きになっちゃうよねぇ。
夢だったフレンチのコース料理や東京観光。最後まで温情の掛け方がすごくて、それだけに本人も苦しかったろうなぁと。
普段の破天荒っぷりも好きだけど、この情の深さというか、優しさを見せられちゃうとね、ズルいよね〜と思いつつ、
そういえば占星術殺人事件の時も似たようなことあったなと思い返して、決して「誰にでも優しい」ではないけどマイルールや確固たる自分なりの価値観に則って見た時に一部の対象にのみ「情けをかける」が発動されるのかも。
てかトラック降りて乗ってってすごいな?!
ほんで数字錠は根性でなんとかしたんか。それはそれで地味にすごいな。
なんか劇的に、とか超常的な何かが起きるわけではないんだけど、
やるせなさというか、多少救いはある方のバッドエンドというか、殺人は起きてしまったんだけど、でも確実に人の優しさもあって、人の命が奪われた以上取り返しはつかないんだけども、でもなんとなく絶望だけでは終わらない、最後には独特な切なさ残る作品だった。
▪️疾走する死者
あのー、とりあえず一番最初の猿島の事件は何???
「猿島で起こった不思議な事件のことは、いつかお話ししたと思う。あの事件は1980年の初夏の事だったが、1980年と言う年は、僕にとって実にめくるめく年だった。」
てな感じの導入からスタートするんだけど、これは何のことですか?????
占星術殺人事件から順番に読んでるんだけど、これは何???気になって仕方ないんだけど…。
以下感想
・序盤のセールスマンとのやりとりで社交辞令とか一切なく売られた喧嘩を即座に買い容赦なく言い負かした後石岡に嗜められてるの解釈一致すぎる
・ギター弾ける上にただ上手いとかのレベルではなく、それが世界屈指の基準で上手いってどういうこと?ちょっとオーバースペックすぎて、正直こういうの大好きなんですが???
こういう設定はカッコいいとか飛び越えて本当に大好物です!
・リズム感が良すぎでもはや機械的すぎるほどに正確なのも解釈一致すぎる
・石岡に、懐かしかったろう?って言ってるのメロい。
以前見せたことあるのね??すごくいいんですけど!!!
・警察の事情聴取前後あたり、思いの外大人しいなと思っていたら、
推しのライブが迫ってると気づくなり
「あと2時間じゃないか。よし、仕方ない。」とか言い出して、
「ちょっとすいませーん!刑事さん!あのー、犯人を知りたいですか?」なの最高すぎないか???
・戸惑う刑事相手に「ちょっと急ぐもんですから、犯人をお教えします。手錠を今お持ちですか?」とくるからもうね、まいった。なにそれ???カッコ良すぎる。
・「時間がないので、少し急ぎ加減でお話しします。」というどこまでも自分本位なのもいい
・「そこのセールスマンに決まってるでしょう」
この言うまでもなく当然と言わんばかりの感じがいい
・「そういうのを聞いてる時間はないんだ。あとで刑事さん相手にやってくれたまえ。」
痺れた。これも本当痺れた。カッコ良すぎる、どうかしてる。本当に痺れました。
・そんで男性陣から大人気のアサミちゃんに心底うんざりした顔するのも解釈一致
・石岡のまるでわかっていない「あれインチキなのか?」も最高だし、それを聞いて白目を見せて天井を睨む御手洗もとてもいい。噛めば噛むほど味がする。本当にいいコンビ。
・謎解き後、全員置いてけぼりで茫然としてる中畳みかけてさっさと石岡を連れて一緒に帰ろうとする感じがさ〜いいんだよね〜!!!!!!!!!
・御手洗去り際にセールスマンが言った「待てよ!いつオレだって解った?いつ?オレはどんな失敗をやった?」に対して
「いいね、その反省の態度は感心だ。よく反省して、次からはもっとうまくやるとい。」
で心底御手洗に惚れました。天晴れ。これはもう無理。だってカッコ良すぎる。無理だよ何その感じ。全人類落ちるに決まってるじゃん。
結局犯人の問いには答えてないしもう本当何もかも最高。
ちなみにトリックは名探偵コナンでも中々見ないぞ???ではあった。
とにもかくにも、ただのマンションの一室という地味なロケーションにも関わらずどこまでも御手洗がカッコ良すぎた回。ちょろいのでメロメロです。
▪️紫電改研究保存会
前半は、これなんぞや?御手洗はどこ行った???と思ったら隣に座ってたのね。
やっと導入が終わって登場したかと思ったら「まさかさっきの解りきった話で悩んでいるんじゃないでしょうね?」だもんな。これぞ御手洗。
内容自体は派手さはなく、一体なんだんだろう?と思い読み進めたら、殺人とかでもなくまさかの宝くじでしたか!!!
はーなるほど!
地味だけど話聞いただけでわかっちゃうんだから凄いよな〜設定も面白かった。
▪️ギリシャの犬
あのー、「アメリカ在住の英国富豪アレクスン氏が、例の水晶のピラミッド事件のお礼を兼ね、モナコに招待」の件はいったい何???
「疾走する死者」でも思ったけど、なんか知らない物語がどこかにありますか???
以下、感想
・犬好きなの、なんかいいよね〜!!!
動物実験が嫌なのもとてもいい。なんというか見方によってはドライに見えることが多いのに、このギャップがね。すごくいい。
・ほんで京大なのも解釈大大大一致すぎる。最高の設定
・自己顕示欲強いのに大々的に顔が広がるの嫌がるのも解釈一致
・内容自体は、まあ、うーん、まあ、うん!なんか多分すごかったんだと思う!
⚫︎感想まとめ
御手洗がもっと好きになった!!!