島田荘司のレビュー一覧

  • 鳥居の密室―世界にただひとりのサンタクロース―(新潮文庫)

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    京都、鳥居といった純和風な舞台で、サンタクロースというアンマッチな題材を持ってきたのが意外とよかった。

    再会のシーンは涙が出ちゃった。
    推理物というより、ヒューマンドラマとして楽しめた。

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    2022年02月23日
  • 御手洗潔の挨拶

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    フォローしている方のレビューを読んで久しぶりに読みたくなった。
    実際に読んだのは単行本だが、文庫本しか登録出来なかったのでこちらでレビューを書く。

    雑誌掲載が1985年~1987年なので、もう四半世紀も前の作品なのだが良い作品は何度読み返しても時代が古くても楽しい。
    この頃の御手洗が一番好き。傲岸不遜でクセが強く周囲を振り回すという、いかにもな探偵キャラクターなのだが彼をフォローする石岡の存在もあって楽しく見守ることが出来る。

    「数字錠」
    3つの数字を組み合わせたリング状の錠前がネックとなり二人の容疑者を逮捕出来ないと嘆く刑事。しかしトリックは斜め上。現代ではルール上できないだろうが。

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    2022年02月18日
  • 御手洗潔の挨拶

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    御手洗潔シリーズの短編集。占星術殺人事件後の話から始まり語り手が石岡くんじゃないものもあり楽しい。三話目がいいな。カラッとしたお話。巻末の島田先生の説明がとても良い。御手洗シリーズを読破しようと決意を新たにした。

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    2022年02月16日
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

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    島田荘司、第二の代表作。
    12円の消費税のために、ボケ老人が店主の女性を刺した。あまりにもつまらないこの事件に、ある男の魂が詰まっているだなんて誰が思うだろう。
    島荘の名にふさわしい現実離れした謎と、露わになる奇想。そこに浮かび上がる、一人の韓国人の人生。

    「この事件を通じ、天が自分に何かを語ってくるような気がした。昭和という時代、そして日本人の過去の罪、あるいは今も犯しつつある罪、また、この人種の本質、といったものではあるまいか。警察官である自分に、これに気づけ、そして把握しろ、天がそう促している気がした。」

    奇想、天を動かす。読み終えたあとに見ると、このタイトルもなんと意味深いことだろ

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    2022年02月15日
  • ネジ式ザゼツキー

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    ネタバレ

    御手洗はストックホルム大の教授になっているが、非常に島田荘司らしい作品。
    現実とは思えない内容の物語を、血なまぐさい現実に落とし込む。解説では最大のカタルシスは「ビートルズの代表曲がベースになっている」と判明するところだと言っていたが、自分はやはりスペースコロニーの中だというところだと思う。
    スキップする大人たち、三メートル近いひまわり、南北方向にはなぜ直線道路がないのか、といった謎が一気に一つにつながる。まさしく"奇想"だ。
    そしてここまでが第一部といった感じだろうか。
    第二部は、切られた首にネジを組み込まれた死体。
    仰角45度で接射され、二つの穴を開けた三発の弾丸に関す

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    2022年02月06日
  • セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴―名探偵 御手洗潔―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    重すぎる小説の連続、積読本のうちライト小説を選択・堪能。ロシア・ロマノフ王朝のダイアモンドの長靴、それを巡る少女誘拐、宝さがし、少女と名探偵・御手洗(みたらい)の対峙、それぞれが結びつく。少女が誘拐され、少女の親がダイアモンドの長靴を繁華街の花壇に埋め、犯人にそれを渡そうとするが、犯人は受け取れず。そこには多くの思惑があった。さらに御手洗の名推理によりミステリーが一気に解決する。エピローグで女帝・エカチェリーナ2世の豪快な行動には驚愕した。また女帝に会うことを許された大黒屋光太夫の話しも興味深かった。④

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    2022年02月03日
  • 鳥居の密室―世界にただひとりのサンタクロース―(新潮文庫)

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    初島田荘司。
    ミステリうんぬんというより、人生ドラマ。状況はイメージしにくかったが、ドラマチックで面白い。

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    2022年01月16日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    ネタバレ

    生き生きと描かれる400年ほど前の江戸町人に、羨ましさを感じる。著者の作品は初めて読んだが、歴史考証が飽きずに読める筆力。重くなりがちな歴史的な謎を、写楽作品への想い入れを消すことなく、娯楽作品として描いておりワクワクしながら読むことが出来た。他作品も読みたい。

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    2022年01月03日
  • 屋上

    nk

    購入済み

    島田荘司さんが提言する本格ミステリーの定義として「最初に幻想性のある謎が提示され、最後にその謎が論理的に解決される」というものがありますが、本作で提示される謎は凄いです。何しろ自殺する理由などこれっぽっちも無い人たちが、その建物の屋上に水を撒きにいくと何故か次々に頭から飛び降りてしまうというものなのですから、尋常ではありません。その内容から「ロウモン街の自殺ホテル」や乱歩の「目羅博士」を想起させまして、それらの作品は実は秘密の抜け穴があったりとかファンタジー性の強い解決だったりとか、ちょっと本格ミステリーと呼ぶには厳しい内容なのですが(そもそもロウモン街の方は実話ベースなので仕方がないのですが

    #笑える

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    2021年12月20日
  • 透明人間の納屋

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    最後のタイトル回収が秀逸。透明人間とは…。

    過去への憧憬とともに語られる、子供の目線だからこそ分からない大人の事情。
    子供だった自分と世界がいかに残酷か、大人になってから気付くやりきれなさ。
    頼り甲斐のある大人の有難さ…。

    子供向けと思い少々見くびっていた。
    漢字にはルビがふってあり、子供向けに作られてはいるが、際どい描写があるにはあるので注意が必要?

    表紙・挿絵のおどろおどろしさも良い。綺麗な装丁と相まって手放し難い一冊。

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    2021年12月15日
  • ネジ式ザゼツキー

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    記憶喪失の男、奇妙な童話、怪奇の事件、全部を合わせて解決に導く。分厚い本でもサクッとあっという間に読めました。御手洗シリーズをほぼ読んだことがなくても繋がりなく読める。
    トリックよりも、雲を掴むような童話から、特定の人と事件を結びつけた鮮やかさと、その事件の奇怪さの衝撃が強い作品。30年の年月とヨーロッパとアフリカとアジアを簡単に飛び越える発想のすごさで、読んでて面白かった。ネジ式ザゼツキーという題名がおどろおどろしくていいなぁー

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    2021年12月12日
  • 漱石と倫敦ミイラ殺人事件 1

    無料版購入済み

    まるでシャーロックホームズが実在の人物であるかのように錯覚してしまう、謎の説得力に満ちた作品。漱石も今後どのように絡んでくるのか非常に楽しみです。

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    2022年09月30日
  • 幻肢

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    島田荘司さんの作品は好きだが、珍しくミステリー感がない作品だと感じた。
    医学の知識がさほどない私だが、難解で読むのに時間が掛かるという訳でもなくページを捲る手が非常に進んだ。
    どうやら映画化されている作品らしいので、そちらも是非鑑賞したい。

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    2021年10月21日
  • アトポス

    購入済み

    最後に空が晴れるような爽快感

    島田荘司さんの作品はほとんど読ませていただいているので、
    どんな不可解なこともすべて説明がつく、ということはわかってはいるのですが、
    今回も挑む気持ちで読みましたが、謎解きまでわからないことだらけでした。
    仕掛けが壮大過ぎて全容を掴むのが難しかった。

    島田作品には作者がいろんな分野に専門家並に詳しいことが反映されていて、
    ついて行けないこともしばしばですが、今回も島田荘司ワールドを堪能しました。
    じっくり読みたい人にお薦めです。

    #深い #切ない #ダーク

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    2021年09月05日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

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    初版の時の 表紙がよくて→中も見ずに買ったけど おもしろかった!ホームズを見守るワトソン さらに見守る日本人漱石の目線。

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    2021年09月01日
  • 最後のディナー

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    龍臥亭事件で登場した犬吠里美が登場。横浜の大学に転入してきた彼女が、石岡くんに連絡を入れてきたところから始まるストーリー。すごい事件が起こるわけではない3つの短編は『進々堂珈琲』的な感じの何気ない話で、ゆったりと落ち着いていて読めました。特に二つ目の『大根奇聞』は江戸時代の鹿児島を襲った大飢饉にまつわる話。飢えに苦しむ人を救うため、打ち首覚悟で大根を盗んだのに何故かそれが発覚しなかったという何でもない謎を御手洗が鮮やかに解決!シンプルすぎて脱帽!

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    2021年07月24日
  • 御手洗潔の挨拶

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    所持しているのは1989年発行のバーコードの記載のないハードカバーのやつなので、もしかすると文庫本とは少し違うかもしれない。短編集で数字錠、疾走する死者、紫電改研究保存会、ギリシャの犬の4編が収録されている。御手洗潔という人物を堪能出来るのは短編だと思っている。

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    2021年07月15日
  • 眩暈

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    ネタバレ

    子供が書いたような大きい字の文章が怖い。
    気味の悪い文章から不自然な部分を抜き出して推理しようと必死になったが、まさかインドネシアの話だったとは…
    御手洗の推理シーンが好き。

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    2021年07月08日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    密室をどうやってお話にするか!作者が違うとここまで違うんだなぁとワクワクするお話でした。新潮文庫nexのアンソロって毎回豪華な上に内容が濃いから読み応えがありますね

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    2021年07月03日
  • 消える「水晶特急」~吉敷竹史シリーズ4~

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    ネタバレ

    島田氏の隠れた名作だと思う。

    列車が山形県で消失。そしてその消えた列車が東京都内に現れる...

    奇想天外トリックの香りがする魅力的な謎に引っ張られ、グイグイ読み進められる。

    そして、"列車はもともと山形にはいなかった"という盲点を突くかのようなトリック。
    "誘拐犯と立てこもり犯両方の要求を満たすため"という動機。

    もっと知名度が高くて良い。
    吉敷シリーズの中だと、今のところ一番面白かった。

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    2021年06月20日