島田荘司のレビュー一覧
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伊根湾にUMAの龍神が出現した?! 石岡君が現場に向かうと… 御手洗潔シリーズ最新作 #伊根の龍神
■あらすじ
伊根湾に龍神が出現した? UMA研究会である女子大生の麗羅から噂話を聞きつけていた石岡は、一緒に現地に赴こうと計画していた。石岡が御手洗に相談すると、生命の危険があるから絶対に行ってはならないと咎められてしまう。
麗羅と石岡が伊根湾に到着するも、物々しい自衛隊に近づいてはいけないと制止を受け…
■きっと読みたくなるレビュー
御手洗潔シリーズの最新作、久しぶりに拝読するので楽しみだったんです。UMAものですか? と、思いながら読み進めるも、なるほどこういうお話なんですね。さすがは島田荘司先生、今まさに我々が一番考えないといけないテーマでしたね。
まず序盤、女子大生の麗羅と石岡君のかるーーい会話が緩くて好き。麗羅のキャラが天然で無鉄砲なところが可愛い、なかなかどうして惹かれてしまうんです。
まさかこのノリで最後までいくんじゃねぇだろうなと若干不安になりましたが、決してそんなことはありません。振り返ってみれば小気味いい導入、するするさくさく読めてGOODですね。
龍神が出現するいう伊根湾に到着してからがミステリーの本番。舟屋があるような観光地だし、なんとなく旅情気分で読み進める。しかしこんな田舎なのに自衛隊がいたり、村民たちは何かを隠しているようだし、そしてついにはあらぬものまで発見してしまう。
龍神って何なのかというより、この村や人々がミステリーなんですよね。頭の上に?マークがいっぱい浮かぶんですよ、それが突然、ある人物の視点で物語が語られていくと… 後半にはその人物による心の叫びが放たれるのですが、おそらくここが本書一番の読みどころなんでしょう。
本作はもちろんフィクションです、でもこれと同じようなことはいっぱいあったのでしょう。えらい大人たちは、決して本当のことは言いません。都合のいいことだけに聞く耳を立てるのではなく、現実を知ろうとするということが大切なんですよね。
そして物語を読み終わった時、ファンとしては幸せな気持ちでいっぱいになれました。
■ぜっさん推しポイント
もはや孫と爺さんという年齢差の麗羅と石岡のコンビが思った以上に良かった。名コンビ!
特に本作のテーマ性を描く背景には、この社会問題に対する世代を超えた意識が重要だと語っているんでしょう。年齢を重ねてきたこそ人生を振り返り、未来世代の幸せに貢献したくなりますね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ御手洗シリーズ長編。
御手洗シリーズ内でも幾つかの作風が存在するが、よもやこのパターンの物語だとは思っていなかった。石岡くんが語り手として物語が進行するのはいつ以来ぶりだろう。『屋上の道化たち』ではほんの少しの登場だった為、かなり以前になるだろう。
時間軸が現在であり、石岡も御手洗もおそらく60代に近い年齢だろう。冒頭のやりとりは懐かしくもありながら何処となく御手洗が丸くなった印象がある。石岡くんは何歳になっても相変わらずで、途中あまりの軟弱な印象に辟易してしまうが、確か彼はこんな性格だったなぁと思い出す。
今回は麗羅という女子大生が石岡のパートナーとして行動するが、若さ溢れる、溌剌とした魅力に富んだキャラクターである(筆者が若い力に溢れた女性を描きたいのだろうなぁ)。無鉄砲である反面、我々年配の読者には元気をくれる魅力的なキャラクターだ。願わくば里美ちゃんにも参戦して欲しかったが、石岡がこの調子なら愛想を尽かして離れてくれた方が嬉しい様な気もしてしまう(笑)
今回はUMA探索というかなり幻想的な部分からスタートするが、序盤から中盤にかけての物語の密度、そして終盤に向けての怒涛の展開は正しく御手洗シリーズの面白さが詰まっていた。石岡は麗羅のUMA探しに振り回される訳だが、伊根の人々は優しい人達が多く実際で考えるとかなり無茶苦茶な環境下にあるはずだが石岡と麗羅を迎え入れてくれる。
無駄にどんでん返しなどがあっても読みにくいが、もう少し麗羅に裏があってもよかったのかなと思う。一時、麗羅のおじいちゃんの正体だったり、彼女自身に特殊な設定があるかなと勘繰ってしまったがそんな事はなく、どうやら本当にUMAを見たいが為に命掛け、無鉄砲だった様だ。
御手洗の活躍も見事で、途中からもしや!と思っていたが期待通りだった。おそらく石岡が御手洗の助言と裏腹に若い女性に引っ掻き回されることも想定していたのだろう、素晴らしい役割だ。
今作ではかなりの社会風刺を入れており、朝鮮の拉致問題に対しての筆者の問題提起が感じられる。とある登場人物について、どれだけの生涯を歩んできたのか、人との繋がりを感じ、思想が変化し、最後は悲しい結末だが信念故の行動だろう。彼の息子達は何を思ったのかはわからないが、改心することがあれば素晴らしい未来だと思う。
石岡パートの登場人物たちは久しく見ていないので、次回作でぜひ出してほしい。御手洗はとても長い期間スウェーデンに住んでいるのでこちら側のミステリーも期待する反面、いよいよ日本に帰還する考えもある様なので、ぜひ、リアルタイムの事件は日本で活躍してほしい。 -
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冒頭から島田荘司ワールド全開。
物語は東京都下の架空のある街を舞台に、タイトルにある得体の知れない不気味な「ゴーグル男」の出現から殺人事件の発生、主人公の一人である「ぼく」の一人語り、その街で起こった臨界事故と3つの別々の視点から始まっているが、最後には全て一つに収束していく・・・。
「ゴーグル」とその中にのぞく顔は、皮膚が無く、赤黒く爛れた筋肉のように見える、そんな男が霧の中から現れるなんて恐ろしすぎる。
前述の臨界事故は、1999年に発生した「東海村JCO臨界事故」をモチーフにしていると思われ、本作の中で重要な背景として扱われている。実際の東海村の事故はニュースで起こったことは知っていたが、その後二人の作業員の命が失われたことまでは記憶していなかった。改めてWikiを読んで事故の状況を知ることができた。
兎にも角にも最後にどんでん返しがあると思って早々に犯人を考えるのを諦めて、純粋に読み物として読み進めることにした笑
案の定、想定外の結末。犯人の言い分は共感できず。この犯人のような生い立ちの設定は筆者の登場人物に多いような気がする。
このところYoutubeばかり見ていて日本語の文章の乱れについて心配になってきたところにこの本の正しい日本文を読んでホッとしたり。 -
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ネタバレやっぱり島田荘司のミステリってクセあるよな〜と思いつつ楽しく読めた。
今回は読者であるわたしは完全に石岡くんと同化してて、事件の謎について考える暇もなく、踊り歌いまくる御手洗を見てたら解決してたわ、みたいなスピード感だった。
そしてこのスピード感じゃないとびっくりしてしまう種明かしというか、例えば「ある騎士の物語」で電車のレールの上をカートが爆走してる場面は、具体的に想像したらかなり変な絵面だ。
ところで、自分が考えた通りのことが起こっていたと分かったときの御手洗が踊りまくるから、このタイトルなのかな?だとしたら相当面白い。
今作は御手洗と石岡くんの共同生活や一緒に事件を追う様子が楽しかったけど、島田荘司の本でよく感じる、社会や人間に対する得体の知れない恐怖感、みたいなのもしっかりあった。
最後の「近況報告」で、小さい女の子に優しい御手洗はずるかったな… -
Posted by ブクログ
「占星術殺人事件」を愛読する青年の日記から始まる物語。
私たちが今読んでいるこれは夢が現か。読み進めるほどに目の前が揺れてぐらぐらしてくる、まさに眩暈を起こしそうな御手洗潔シリーズ長編6作目。
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冒頭のインパクトがすごい!
占星術殺人事件も冒頭がとにかく入りにくかったんだけど、今作もしっかり冒頭で選別されている感じある(笑)
でも、二章で御手洗たちが出てくるので、まだ読みやすい……いや、御手洗と教授の会話もまぁまぁわからんな……。
石岡くんが活躍?する三章あたりからは→
グイグイ読める。ホラー味もあるし、夏にピッタリ(ほんまに?)
トリックは今回もすごい。毎回ダイナミックな力技!島田先生といえばこれやよ。大好き!
ちゃんとハピエン?やし、読後感は良い……?(?が多いな!)
次はアトポス!!分厚い〜!楽しみ〜!! -
Posted by ブクログ
密室にまつわる5編の作品が載っている。
第一話は「このトリックの問題点」。密室事件にまつわる白玖の推理と俺(真中)の、麦ちゃんをめぐる突飛な行動が面白い。
第二話は「大叔母のこと」。すでに亡くなっている天才ケーキ職人だった大叔母が残したもの(遺産)を主人公である女性とその彼氏の二人で、密室での盗難事件を解いていく。
第三話は「神秘の彼女」。突然枕元に現れた盧遮那仏像の話。現実と夢が交錯する。同室の玄馬先輩の仮想の彼女と工学部の美人女子大生鴻巣の意外な関わりが面白い。
第四話は「薄着の女」。女優として少しずつ仕事が増えていく中で、過去の繫がりが引き起こした殺人事件。どう逃げ切るか。
第五話は「世界にただひとりのサンタクロース」。これは面白い。さすが島田荘司の作品。したがって邪念を与えず読む人の楽しみとしておこう。