島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ北朝鮮の内情はニュースで聞きかじるくらいしか知識がなかったから、
理想郷が何を指しているのか想像ができなかった。
してやられたと言うか本当にオカルトチックなオチにならなくて良かったと言うか、
ストンと腑に落ちた読後感でしたね。
ただ、金縛り云々の下りは必要あったのかな(笑)
透明人間に対するミスリードを誘いたかったのか、少年期によくある症状を現したかったのか、
そのどちらも兼ねていたのかはわかりませんが、
さしあたってストーリーにあの場面は必要なかったような気もします。
ちょっとあざとかったかもしれないですね。
でも個人的には好きでしたよ。短さもあいまって小さく綺麗にまとまっている感じ -
Posted by ブクログ
表紙がとってもかっこいい。上下巻並べると一枚の絵になる。
東洲斎写楽は言わずと知れた正体不明の浮世絵師。1794年5月からわずか10カ月の間に150点近い作品を残し、大ヒットを飛ばした後に、忽然と消えた。その中でも第一期の大首絵の構図の斬新さは、当時活躍していたどの浮世絵師の流れも汲まず、そして忽然と消えた後も、誰も写楽の流れを追随しなかった。
現代人から見ればそれほど特異に見えない写楽の浮世絵は、当時の人々には奇怪に映った。例えば、見栄を切る場面を強調したところからもわかるように、様式美が求められる役者絵に、滑稽さを持ち込んだ。それが新鮮だった。
想像してほしい。歌舞伎役 -
Posted by ブクログ
ネタバレ秋好被告は昭和17年、満州生まれ、その生い立ち、特に幼少期は貧困と苦労の連続です。まず、敗戦により帰国するまでの大陸での強烈な体験に始まり、無事帰国しても母の病により、小学1年生で母と乳飲み子・家畜の世話に家事全般と、学童とはいえない働きぶりです。当時はマッチもなく火打石を使っていたとか。「おしん」よりはるかに過酷な子供時代と思います。
優等生で模範生、家族思いの秋好少年は、周囲の大人の信頼も厚く、貧しいながらもすくすくと育っていくのですが…
進学の夢叶わず中卒後に働きだしてから、どうも人生の歯車が狂いだしていくような印象を受けました。
せっかくの海外赴任の話も父に取り消されたり、誤解による