島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレミステリ界の巨匠・島田荘司の作品。
実は島田荘司の作品をほとんどまともに読んだことがなく、純粋なミステリ作品としては本作がほぼはじめてという点をまず断っておく。
物語は「ヨウちゃん」と呼ばれている人物の視点から語られ、その人物がこうであって欲しいと思っている願望のフィルターを通して描かれているが、そこはミステリ界の巨匠だけあってきちんとフェアに情報を与えてくれており、元々ミステリーランドという子供向けミステリとして出版されたとはいえ本格派の体裁を整えてあるあたりはさすがである。
ヨウちゃんが語る隣人の「真鍋さん」は何でも出来る人で、いつもヨウちゃんのことを気にかけてくれる優しくて頼れる人だった -
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ネタバレ以前読んだ『吾輩はシャーロック・ホームズである』と同様ホームズと漱石のコラボものであるが、個人的にはこちらの方が断然面白かった。
謎は少し簡単で、すぐトリックとかがわかってしまうので純粋にミステリとして読むと甘い感じがするけど、読ませる文章力と、何よりワトソン視点と夏目視点でのホームズの違いが面白かった。
夏目視点でのホームズは中盤まで(特に序盤)はえらいことになってる。
あまりにワトソン視点と違うのでどっちが真実に近いんだろうと悶々とする。
なのでホームズは完璧な人じゃなきゃいやだ!って人は読まない方がいいかと…。
私はこんなホームズだとしても好きなんですが。
最後は感動もあり、気持ちの -
Posted by ブクログ
作品は現代編と江戸編で構成される。現代編は元大学講師佐藤貞三が主人公で語られ、江戸編は出版元蔦谷重三郎。この二編が交互に語られ写楽の真相を追究する。
現代編は、佐藤貞三が事故で息子を失い、その後一緒に謎を追究する片桐教授と知りあうところから始まる。そして写楽のあらたな正体を提示していく。
江戸編は、写楽の浮世絵を出版した蔦谷重三郎に語らせている。蔦谷が歌麿を育てたことや、江戸時代の鎖国の様子、徳川政治の様子を描き、写楽の絵に出会って感動した様子が生き生きと描かれている。
江戸時代10か月間だけ表れた写楽という謎の人物について、正体を探求する話だが、真相は誰もわからないところにロマンを感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北朝鮮の内情はニュースで聞きかじるくらいしか知識がなかったから、
理想郷が何を指しているのか想像ができなかった。
してやられたと言うか本当にオカルトチックなオチにならなくて良かったと言うか、
ストンと腑に落ちた読後感でしたね。
ただ、金縛り云々の下りは必要あったのかな(笑)
透明人間に対するミスリードを誘いたかったのか、少年期によくある症状を現したかったのか、
そのどちらも兼ねていたのかはわかりませんが、
さしあたってストーリーにあの場面は必要なかったような気もします。
ちょっとあざとかったかもしれないですね。
でも個人的には好きでしたよ。短さもあいまって小さく綺麗にまとまっている感じ