島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ御手洗&石岡君コンビ5本目。中篇2作。
【UFO大通り】…自宅の前をUFOが良く通る。早朝近所の山で宇宙人が戦争し得ていた、と話すおばあちゃんの話と、白いシーツにくるまってヘルメット手袋マフラーという完全装備のまま密室で死んでいた男の謎。
【傘を折る女】…不思議な話というラジオの投稿番組で聴いた深夜にわざわざ雨の中走ってくる車に、自分が持っている赤い傘を轢かせて折る女がいた、という話の謎。バスジャック事件との絡み。
比較的最近の話なので文体が若干読みやすくなっていてありがたい。
2つの中篇のネタが同じって言うのが少し残念。UFOのネタバレもあっさりしすぎていて残念。 -
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ネタバレミステリ界の巨匠・島田荘司の作品。
実は島田荘司の作品をほとんどまともに読んだことがなく、純粋なミステリ作品としては本作がほぼはじめてという点をまず断っておく。
物語は「ヨウちゃん」と呼ばれている人物の視点から語られ、その人物がこうであって欲しいと思っている願望のフィルターを通して描かれているが、そこはミステリ界の巨匠だけあってきちんとフェアに情報を与えてくれており、元々ミステリーランドという子供向けミステリとして出版されたとはいえ本格派の体裁を整えてあるあたりはさすがである。
ヨウちゃんが語る隣人の「真鍋さん」は何でも出来る人で、いつもヨウちゃんのことを気にかけてくれる優しくて頼れる人だった -
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ネタバレちゃんとワクワクしながら最後まで楽しめたので★4つ。
浅草で、老人が店の女主人を刺殺した。一見、消費税分の12円を催促されたことに腹を立てた老人が思い余って殺してしまったように見えるが、この老人と女主人との過去を吉敷刑事を追及するという話。
舞台は北海道。謎は5つ。
・札沼線の1両目が突然上に持ち上がり脱線事故を起こす
・ピエロが札沼線のトイレで自殺するが30秒後に死体が消える
・札沼線に飛び込んだ人間の死体が歩き出して最後には消えてしまう
・同時刻、函館本線で暴力団組員が銃殺されるが犯人が挙がっていない
・脱線時赤い目をした白い巨人が現れた
小説では上記5つとは違う謎を提示しているが、 -
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ネタバレ以前読んだ『吾輩はシャーロック・ホームズである』と同様ホームズと漱石のコラボものであるが、個人的にはこちらの方が断然面白かった。
謎は少し簡単で、すぐトリックとかがわかってしまうので純粋にミステリとして読むと甘い感じがするけど、読ませる文章力と、何よりワトソン視点と夏目視点でのホームズの違いが面白かった。
夏目視点でのホームズは中盤まで(特に序盤)はえらいことになってる。
あまりにワトソン視点と違うのでどっちが真実に近いんだろうと悶々とする。
なのでホームズは完璧な人じゃなきゃいやだ!って人は読まない方がいいかと…。
私はこんなホームズだとしても好きなんですが。
最後は感動もあり、気持ちの -
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作品は現代編と江戸編で構成される。現代編は元大学講師佐藤貞三が主人公で語られ、江戸編は出版元蔦谷重三郎。この二編が交互に語られ写楽の真相を追究する。
現代編は、佐藤貞三が事故で息子を失い、その後一緒に謎を追究する片桐教授と知りあうところから始まる。そして写楽のあらたな正体を提示していく。
江戸編は、写楽の浮世絵を出版した蔦谷重三郎に語らせている。蔦谷が歌麿を育てたことや、江戸時代の鎖国の様子、徳川政治の様子を描き、写楽の絵に出会って感動した様子が生き生きと描かれている。
江戸時代10か月間だけ表れた写楽という謎の人物について、正体を探求する話だが、真相は誰もわからないところにロマンを感じる。