島田荘司のレビュー一覧

  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    東洲斎写楽の謎を解き明かす歴史ミステリ。

    島田氏自身が導き出した独自の考察なのだろうか、これまで著者の御手洗シリーズなどを読んできただけに、江戸時代の浮世絵や歌舞伎などの分野にも造詣が深いことを知り、驚嘆した。実際の考察についても、素人ながら十分説得力があるように思えたし、読んでいて楽しかった。作中にもチラと名前が出てくる高橋克彦さんの浮世絵シリーズといい、私はこの時代の文化とか歴史がすこぶる好きみたい。
    にしても、後書きを読むと、というか後書きをつけないといけなかったくらい、現代編のストーリーが中途半端。いろいろ裏事情があったみたいだけど、、、連載時はともかく、単行本として出版する際はもう

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    2015年10月28日
  • リベルタスの寓話

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    ネタバレ

    リベルタス~もクロアチア人~も面白かった。
    どっちも他国の人ゆえのグロさと難解さがあった気がする。
    義手はちょっとトリッキーすぎる感じもあるが、嫌いじゃない。

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    2015年10月17日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

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    もし、夏目漱石がロンドン滞在中にシャーロック・ホームズに出会っていたら、、、。

    ワトソン目線と漱石目線でホームズ像が交互に描かれる。漱石目線のホームズがかなりトリッキーではあるんだけれど、これはこれでアリ、と思わせてくれるのが凄い。むしろ、ワトソンが描いたホームズ像の方が実は脚色付きなんじゃないかな、なんて。にしても、ワトソンが書いた記録の方は、コナンドイルが書いた本物のホームズの作品を読んでいるかのように違和感がなかった。かの御手洗潔を生み出した方なので、ホームズ好きなのは想像できたけど、ここまでとは思わずちょっと感動。

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    2015年10月13日
  • 龍臥亭事件(下)

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    ネタバレ

    龍臥亭事件下巻。

    島田荘司の本を読むたびにこの人のトリックってトンデモだよなぁと思う。実際にやろうと思っても絶対できんだろ、という。でも、それが全然嫌じゃないのがすごい。むしろ、「待ってました!」という気持ちになる。もはやお家芸だと思う。

    それはわくわくするような設定と上巻から下巻にかけて着々と積み上げられてきた情景描写によるものだと思う。ロマン溢れる人里離れた温泉宿、そこにある伝説、謎の死…そういった現実離れした設定にのめりこんでいると、最後トリックがトンデモだったとしてもむしろOKとなる。そういう世界観だから、という感じだろうか。

    けなしているように感じるかもしれないけれど、私は島田

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    2015年09月29日
  • 龍臥亭事件(上)

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    島田荘司の本は設定がすごくいいなと改めて思った。
    龍臥亭の説明だけでもうわくわくしてしまう。
    架空の旅館なのに行ってみたい気持ちになる。
    (事件は悲惨だけど…)

    詳しい感想は下巻で。

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    2015年09月29日
  • 切り裂きジャック・百年の孤独

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    DNA鑑定によりジャック・ザ・リッパ-の正体に迫る試みが行われ、正体が確定されたという報道も目にすることがあるが、作家的構想力でリッパ-の正体に迫る。

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    2015年07月11日
  • ネジ式ザゼツキー

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    分厚い推理小説は、複雑な筋立てや登場人物の多さに途中で投げ出すことが多いんだが、本書はほとんど息継ぎなしで読み切れた。首にネジが埋め込まれた死体という異様きわまりない状況が、まさかああいう解決になるとは。島田荘司、さすがの名人芸。

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    2015年06月20日
  • 最後のディナー

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    ネタバレ

    『里美上京』里美からの好意、常にうしろむきでとぼけたかんじの石岡語が和む。最後の会話の真意が掴めなくて悔しい~
    『大根奇聞』里美を介して知り合った大学教授が追いかける謎。酒匂帯刀が幼少期経験した天保の飢饉と薩摩の大根、嘉婆の人情。過去の物語の臨場感、物語性が相変わらず秀逸。
    『最後のディナー』
    里美に連行され通い始めたNOVAで出会った大田原老人の人となりと死について。異常に英語を苦手とする石岡先生の言動心理がすさまじくて笑える。老人と親しくなる過程の描写がゆったりとして、石岡先生の視線の暖かさが印象的。

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    2015年06月08日
  • アルカトラズ幻想(下)

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    猟奇殺人事件の犯人・バーナードは、凶悪犯の巣窟アルカトラズ刑務所に収監され、やむ得ず脱獄劇に巻き込まれる。その行き先は不思議な街・パンプキン王国だった。
    解説の伊坂幸太郎氏の「僕には書けない」という言葉が的を得ている。まさか、まさかの展開が次から次へと起こり、最終的にはストーリーが破綻することなく、見事な着地を見せる。特に本作品は島田荘司氏の底力がをまざまざと見せつけられた。感服の一言。

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    2015年05月11日
  • 最後の一球

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    最後の一球、読み返したら人にオススメしたいくらいにはおもしろかった。前編は御手洗石岡くんのやりとりが楽しめるし、後編はばったり御手洗さん出てこなくはなるけど御手洗シリーズのテーマの一つとも言える「社会的な弱者に寄り添う」ということが端的に表されている。優しさに溢れた作品だと思います。
    そして文庫版のこの表紙は秀逸!派手さやおしゃれさはないけど、じっくり見てしまいます。

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    2015年05月11日
  • アルカトラズ幻想(上)

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    1939年、ワシントンDCで猟奇殺人事件が発生する。しかし、その犯行は常識では理解不能な意図が隠されていた。
    目を覆いたくなる残虐な事件に、恐竜の謎、そして「重力論文」。奇想この上ない島田ワールド全開の一作です。下巻にどんな繋がりを見せ、どんな展開に導かれるのか。予想することは絶対不可能な、これがほんとのミステリー。

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    2015年05月10日
  • ロシア幽霊軍艦事件―名探偵 御手洗潔―(新潮文庫nex)

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    ”ロシア幽霊軍艦事件―名探偵 御手洗潔―”島田荘司著 新潮文庫nex(2015/01発売)
    (イラスト:toi8 2001/10発売 原書房、2004/01発売 講談社ノベルス、2004/10発売 角川文庫もあり)

    ・・・箱根、富士屋ホテルに飾られていた一枚の写真。そこには1919年夏に突如芦ノ湖に現れた帝政ロシアの軍艦が写っていた。四方を山に囲まれた軍艦はしかし、一夜にして姿を消す。巨大軍艦はいかにして"密室"から脱したのか。その消失の裏にはロマノフ王朝最後の皇女・アナスタシアと日本を巡る壮大な謎が隠されていた――。御手洗潔が解き明かす、時空を超えた世紀のミステリー。(

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    2015年04月30日
  • 水晶のピラミッド

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    ネタバレ

    今回も長いお話だったけれど全く退屈しませんでした。ただ前半の所がもう少し暗闇坂のようにのちのち関連するのかと思ったからそれは残念。最後はお見事
    御手洗の愛犬が死んだことがショック…御手洗が欝になるのもわかるよ

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    2015年04月28日
  • アルカトラズ幻想(上)

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    身体を切り裂く事件から恐竜や重力に関する論文が出てきて下巻にてどのようにまとめられるんだろうかと期待してしまう。

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    2015年04月29日
  • 龍臥亭事件(下)

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    ネタバレ

    下巻も600ページ近くあるが、先が気になってスラスラと読めた。

    ただ、そのうち200ページ程を実際の事件『津山三十人殺し』についてに割いている。
    この事件は日本の事件史上インパクトがかなり強いものなので知ってる人も多いと思う。
    そういう人が読むとこの部分はこんなに必要だったのか?と思うかもしれない。
    私も途中石岡くんのこととかを忘れて、違うものを読んでる気分になった。

    それでも事件についてはおおよそは知ってはいたが、細かいところまでは知らなかったのでなかなか興味深く読めた。
    睦雄がしたことはどんな同情の余地があっても許されるものではないと思うが、それを引き起こす原因にもなった周りの差別や村

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    2015年04月18日
  • 龍臥亭事件(下)

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    ネタバレ

    津山事件のことが詳しく書かれている
    津山事件はインパクトがあったので以前から知っていたが
    他の事件は猟奇的なのに知らなかった

    御手洗からの手紙は石岡への愛が感じられるのに
    石岡がネガティブ過ぎてイライラした
    最終的には石岡も御手洗の気持ちを分かっていたようだが

    里美ちゃんもやっぱり育子さんの血を引く娘さんなのだな

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    2015年04月18日
  • アルカトラズ幻想(下)

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    ネタバレ

    先行する島田作品で連想できるものはある。
    が、より自由でよりワンダーがある。
    つまり異世界に飛び込んでしまった戸惑いや、そもそも恐竜についての考察も単純にわくわくする。
    ミステリとしての前半部って、要るか?
    という素朴な疑問もないわけではないが。
    それこそ伊坂幸太郎のいう「ミステリという枠にはくくれない」というものなのだろう。
    とにかく読書の快楽とはこれだ。

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    2015年04月14日
  • 龍臥亭事件(上)

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    今回は御手洗は出てこず、石岡くんが山奥の村で猟奇的な連続殺人事件に巻き込まれ一人で頑張る話。
    猟奇性もあり、ホラー要素も強いのでそういったのに耐性がない方は少し怖く感じる場面もあるかもしれないが、個人的にはこういうのは好みなので面白く読めた。
    上巻だけでも600ページ弱とボリュームがすごいが、過去に起こった事件を少しずつ知りながら現在の事件も多発していくので良い意味であまり厚みを感じずにスラスラと読めた。

    上巻だけではまだわからないことだらけなので下巻でどう纏めるのかが楽しみ。
    幽霊現象にもきっと現実的な解決があることを祈って。

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    2015年04月13日
  • 切り裂きジャック・百年の孤独

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    なろほどねぇ、確かにそんな説があってもいいじゃない?と思える内容でした。

    同様の事件が100年後におきて、動機もほぼ一緒だったっちゅー話で、今回のはきちんと解決するわけですが、なんとも救いきれない結末で。

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    2015年04月10日
  • アトポス

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    人魚の挿話が秀逸。妖しくて残酷。御手洗のヒーローっぷりも爽快。
    が、ほかの挿話はいただけない。いくら内容にリンクしているとはいえ、長すぎる上に人魚の挿話ほど本筋に厚みを持たせたとも思えない。作者が書きたかっただけ、もしくは内容を水増ししたかっただけという印象。

    「こんなことが現実にあるのかな?」と思わせる事件の数々からの、謎解きは見事。ここまで書かれると「え、それに気付かないとかある?」て疑問も吹き飛ぶ……

    長ーく長ーく頁を重ねることには魅力を感じない。
    例え長くて厚くても、書かれた描写や伏線や挿話が、どれも物語全体の太い骨組みになっていることを期待する。ただ長いだけの大長編はキツイ。

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    2015年03月25日