島田荘司のレビュー一覧

  • 毒を売る女

    Posted by ブクログ

    これは珍しい!島田荘司氏のショートショートなんて初めて読んだ。従来書いているミステリとは違い、論理的帰結のない、SF小説というか幻想文学めいた内容であるのは興味深い。つまりいわゆる幻想的・魅惑的な謎の下地がここにある。
    その他の短編も島田荘司氏ならではの着想がやっぱり面白い。ページを繰る手がもどかしいとはこのことで、その疾走感はたまらない。
    名作名高い「糸ノコとジグザグ」もメタ御手洗物でなかなか良かった。

    0
    2019年06月09日
  • 灰の迷宮~吉敷竹史シリーズ8~

    Posted by ブクログ

    俺は女に弱い。
    特に明るい女に弱い。
    そんな女が死ぬと尚更だ。
    事件には派手さはないが奇矯で、解決は実にアクロバティックであり、つまり島田荘司色を今回も見せてくれるが、それよりも茂野恵美の存在である。
    最初の登場シーンから、このキャラが物語の情の部分を支えるキープレイヤーなのだとは承知していたが、頭が判っていてもやはり心が動くのである。これは『異邦の騎士』の石川良子に一脈通ずるものがある。
    やはり島田氏はこの上もなくロマンティストなのだ。

    0
    2019年05月26日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    外から鍵を閉められた密室もののアンソロジー。
    同じテーマにも関わらず、いろいろな切り口で面白かった。
    無理やりなトリックを使わなくても、ベタなりに新鮮に感じた。

    0
    2019年05月17日
  • 屋上

    Posted by ブクログ

    ミステリーを読みなれていると、半分ほど読めば大体の真相にたどり着く。それでも、散りばめられた伏線を回収し一つの真実が明らかになると、その突飛もない出来事が度重なりたくさんの謎を生んでいたことに驚き、御手洗と同じように哄笑し、ミステリーなのにユーモラスな怪事件に舌を巻いてしまう。さすが、島田荘司先生!非常に面白かった!人間、悪いことはできない。

    0
    2019年04月30日
  • 屋上

    Posted by ブクログ

    事件の真相はトリッキーで、色々と疑問が残るところもある。
    しかし、500ページを越える作品なのに、一気に読むことができるくらい読みやすかった。

    0
    2019年04月20日
  • 屋上

    Posted by ブクログ

    久々の御手洗シリーズ。流石の荒唐無稽ぶりだが、これこそがシリーズの醍醐味。
    オカルト的シチュエーションでも、合理的な回答が得られる。
    連続して、転落死する屋上の謎とは?

    0
    2019年03月18日
  • ゴーグル男の怪(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「ゴーグル男の怪」
    哀しいという言葉を使った意味が分かる。


    タバコ屋の老婆が殺された夜。現場付近でゴーグルで顔を隠した男が目撃された。警察はその男を容疑者として捜査を開始する。深い霧と共に現れるゴーグル男は一体何者か。


    複数の謎が張り巡らされたミステリ。久々の島田荘司であり、時間をかけて読んだ。一つのテーマに複数の人間が絡む。そのテーマはゴーグル男が抱えるトラウマと大きく関係する。過去に縛られ、苦しめられる。そこから脱する為には、殺しを厭わない、殺すしか術が無い。ミステリとしては大きな仕掛けは無い分、ゴーグル男の苦悩と救いに焦点が当たっている。


    もちろん老婆を殺したのはゴーグル男な

    0
    2019年03月11日
  • 踊る手なが猿

    Posted by ブクログ

    目次
    ・踊る手なが猿
    ・Y字路
    ・赤と白の殺意
    ・暗闇団子

    「踊る手なが猿」は、手なが猿の意味が分かれば事件のからくりはわかる。
    だから純子がそれに気づいて泣き崩れるところで話が終わった方が、切れがいいんじゃないかなあと思ったんだけど、猿の種類がハヌマンラングールであることにこだわるのなら、最後のオチまで持って行くしかないのか…。
    その方が動物としての人間の性が感じられていいのかもしれない。
    でも、私なら猿の種類にこだわらずに、猿に気づいたところで終わらせるなあ。
    好みの問題だと思うけど。

    「暗闇団子」はタイトルのおどろおどろしさとは反対に、すごく切ない恋物語。
    お初にとって、人生で立った

    0
    2019年03月05日
  • 御手洗潔の追憶(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「御手洗潔、その時代の幻」「天使の名前」「石岡先生の執筆メモから。」「石岡氏への手紙」「石岡先生、ロング・ロング・インタビュー」「シアルヴィ」「ミタライ・カフェ」「あとがきに代えて」の八篇収録。語り手は島田荘司。石岡君の風貌が遂に語られる!ヒュー・グラントに似てるって、『モーリス』のクライヴじゃん。やっぱりそうだったのね、ハアハア……。島田が分析した里美やレオナの話もあります。御手洗シリーズフアンは必読。「天使の名前」があるからシリーズフアン以外でも読んでOk だと思う。御手洗父は天使が見える ちがい❪敬虔なクリスチャン❫で被曝者救護に奔走する話。

    0
    2019年01月30日
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

    Posted by ブクログ

    島田荘司はすごい。冤罪、強制連行という社会的な問題を取り上げながら、物語をうまく奥深くさせている。それでいてどんどん読ませる。描写が巧みだから、それぞれのシーンをありありと想像できる。結末はやるせないけど、壮大な物語を大いに楽しめたし、島田荘司の文章力に感嘆した。

    0
    2019年01月05日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    同じトリックを使ったアンソロジー。
    先にネタを明かされているので、どうストーリーを進めるかが読むポイントとなっています。
    どの作品も面白かったですが、薄着の女にはやられた!と思いました。
    サンタはトリックが違うのではと思うのは私だけかなぁ。

    0
    2018年12月15日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    同じ密室トリックを使ったアンソロジー。使い古されたものをそれぞれの作家が描く世界。どれも面白かった。似鳥さんのがやっぱり好き。大叔母のことの設定も好きだし、薄着の女のオチも好き。

    0
    2018年11月18日
  • 写楽 閉じた国の幻(上)

    Posted by ブクログ

    名前を聞いたこともあるし、絵も見たこともある。
    でも知っているようで知らない『東洲斎写楽』。
    そもそも写楽別人説が色々語られるほどの謎の人物で有名ってのも初めて知った。
    それ以外にも浮世絵で知っている有名どころ葛飾北斎や安藤広重、喜多川歌麿がある程度近い時代の人達で顔見知り的な存在であったことも。
    読んでる最中から『ゆっくり浮世絵を鑑賞してみようかな?』と興味が湧いてきた。

    物語はその写楽の謎が解き明かされていく流れだけど、まったく予備知識の無い私でも引き込まれていくほどしっかりとした作りの小説。結局は違ったけれど、初期に出てきた『写楽=平賀源内』説はすっかり信じてしまうほど。

    また作

    0
    2018年11月11日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

    Posted by ブクログ

    名前を聞いたこともあるし、絵も見たこともある。
    でも知っているようで知らない『東洲斎写楽』。
    そもそも写楽別人説が色々語られるほどの謎の人物で有名ってのも初めて知った。
    それ以外にも浮世絵で知っている有名どころ葛飾北斎や安藤広重、喜多川歌麿がある程度近い時代の人達で顔見知り的な存在であったことも。
    読んでる最中から『ゆっくり浮世絵を鑑賞してみようかな?』と興味が湧いてきた。

    物語はその写楽の謎が解き明かされていく流れだけど、まったく予備知識の無い私でも引き込まれていくほどしっかりとした作りの小説。結局は違ったけれど、初期に出てきた『写楽=平賀源内』説はすっかり信じてしまうほど。

    また作

    0
    2018年11月11日
  • アルカトラズ幻想(上)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    島田荘司さんの小説を読むのはこれが初めてです。
    自分が好きな作家さんがこの本の名前をあげていらしたので、手にとってみました。

    一部が切り取られた女性の遺体が
    森の中に吊るされているのが発見されたところから物語は始まります。
    猟奇殺人事件と思われたこの連続殺人から
    重力論文へ構成が展開していくわけですが、
    興味深い内容の論文にページを捲る手が止まりません。
    初めは唐突とも思えるある人物の論文の転記に戸惑いますが
    読み進める内に犯人の意図が見えてくるところが恐ろしいです。
    実際の科学者であればこのような論文や、こういった書き方はしないという指摘もありますが
    この辺りは飽く迄もフィクションというこ

    0
    2018年10月26日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    クレセント錠のかかった密室をテーマにしたアンソロジー。島田作品はあまり読んだことないが、密度が違う気がした。好きなのは似鳥さん、彩瀬さん。

    0
    2018年10月24日
  • アトポス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全971ページ中753ページで漸く御手洗が登場するという、今までにも増して焦らしに焦らされ、本統に整然と解決するのだろうかと、シリーズ中最もハラハラさせられた。
    まあ、真相に隠し部屋や専門知識を要求させられたのは、やや失望したが、膨大なるエピソードの山が全て結末に活かされているのは流石!!

    相変わらず、冒頭から惹き込むエピソードの面白さは無類で、思わず童心に帰って物語に浸ってしまった。
    題名も実は謎解きの一部だなんて、ねぇ!

    0
    2018年10月21日
  • 眩暈

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大学2年から数十年ぶりに読み返した今回は、分析的な読み方を心掛けた甲斐もあって、数々の粗、都合の良さや強引さが目立った。

    致命的なのは、インドネシアで殺人を犯す事に、実は何も必然性がない事。これは正に発見だった。
    魅力的な謎の創造のために登場人物が踊らされてしまったのだ。これは作者の傲慢さ以外何物でもない。

    しかし、数十年経っても色褪せぬ内容と、抜群のリーダビリティは確かに存在した。
    読者を愉しませんがための過ちと受取ろう。

    0
    2018年10月17日
  • 最後の一球

    Posted by ブクログ

    悪徳サラ金業者の書類を一時保管していた倉庫が不審な火事により燃え、書類一式が焼失。その原因解明を要請される御手洗探偵。
    その後、プロ野球選手になる事を夢見た青年の手記形式になり、サラ金の火事に繋がる。
    手記部分も面白いが、冒頭と最後に御手洗エピソードが入る事により、ミステリーになっている。
    これはこれで有りかな。

    0
    2018年10月16日
  • 水晶のピラミッド

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    重厚長大という四字熟語がぴったりの、まるで辞書のような小説であったが、少しも疲労を感じさせなかった。

    リーダビリティに関してはもう云うことはないだろう。冒頭のエピソードから、結局事件には直接関係は無かったのだが、物語に幻想味を持たせるためのファクターとなる古代エジプトの挿話とタイタニックの挿話がそれ自体1つの短編として機能するほどの質を備えている。

    よく考えてみたら、なんと贅沢な一冊なんだろう、これは!!

    0
    2018年09月30日