島田荘司のレビュー一覧

  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

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    社会派として、本格として、どちらもハイレベルなものではあるんだろうけど、やっぱり両者は相容れないものなのかなと思ってしまった一冊。
    要するに社会派チックな背景を持った頭の切れる犯人が、奇怪な発想で事件を起こした。という構図なわけで、必ずしもそこに“本格”は要らないのでは?と。
    社会派で本格を書く必然性を生み出すのは、早坂吝『誰も僕を裁けない』のように社会派をガジェットとしてネタ扱いするしかないのか…
    島田荘司の小説を書く上手さと、本格を書く巧さが個々で際立ったための世間での高評価なのだと思う。
    いろいろ言ったけど、めっちゃ面白いし引き込まれるからやっぱ島田荘司すげぇ!
    ただ一つ、高木彬光の傑作

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    2016年12月14日
  • アルカトラズ幻想(上)

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    猟奇的殺人を追う刑事、途中で恐竜や宇宙を題材に、学生がかいた重力論文がそのまま載っている。それによりその犯罪の真実が明らかになる。

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    2016年11月25日
  • 切り裂きジャック・百年の孤独

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    島田荘司二冊目。期待してたのは『暗闇坂の人喰いの木』の方だったけどこっちの方が個人的に好きだった。

    内容はとってもグロいので注意。

    かつてのベルリンの様子などが描写から知れて勉強になった。

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    2016年10月14日
  • 島田荘司のミステリー教室

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    技術的な観点から、新人は未熟だからこれはまだ避けるべきというのは望ましくないというスタンスなので作家の腕で片づける場合がちらほら。
    まあ完全に決めてしまったら創作にならないのでしょうがない。
    タイムテーブル(事件の日時)は必須というのは参考になった。
    アイデアはアンテナ立ててかき集める。捨てるアイデアが大量に出るというのは意外だった。
    長く書き続けるならストックを用意するべき。
    アイデアを確保する時間を用意するべきというのは勇気づけられた。
    ミステリー史は興味深かった。

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    2016年10月06日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    ネタバレ

    このミスベスト10、2011年版2位。作者もあとがきで書いてるとおり、現代編は全然中途半端だし、途中退屈な部分が続き全体のバランスも悪く小説としてはダメなんだけど、作者が長年あたためてた、写楽が誰かについての新説にはとても説得力があるし、仮説にもとづいた江戸編は小説としてもしっかり書き込まれてて、無茶苦茶面白い。後半はなんだかすごく泣きました。ただ、前半は現代編の方がやや面白いが写楽の説明が長く、江戸編は時代の背景説明に終始ばかりでしんどかった。この本が出た1年ぐらいあとに、NHKのドキュメントで長年謎であった写楽が誰だか分かったって言いきってる番組があって、それ観た記憶があったから、こっちの

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    2016年09月01日
  • 御手洗潔のダンス

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    相変わらず御手洗さんはすぐに事件を解決してしまうので警察いらずですね。
    題名通り2人でダンス始めたところはなかなか印象的です。石岡さんの心配具合も板についてきているような気もします。

    最後のおまけの部分で御手洗さんの普段とか色々石岡さんが書いていましたが、ほんとに石岡さんがいなかったときはどうやって暮らしていたのだろうというそっちの謎が深まるばかりです。

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    2016年07月16日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    上巻を読み終わって、ちょっとどうしようかという気持ちだったけど、
    下巻は楽しく読めた。

    上巻に比べて、江戸編のボリュームが多く、
    この江戸編がものすごく面白く、よく出来ていて
    島田作品特有の作中作の面白さは健在だった。

    江戸編だけで良かったんじゃないかと思わざるをえない。

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    2016年07月05日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    ネタバレ

    そこで終わりますか!感がすごかったです。
    江戸編の描写は好き。
    高橋克彦や夢枕獏の同時代の作品を読んでると特に。
    現代編はどうも煮え切らない感じがな~。
    子供の事故とか夫婦仲とか謎の美女あたりが消化しきれなかった感じ。
    最初の切っ掛けになった絵もなんだかうやむやだし、それに対する教授の態度も微妙だし。
    続編あるのかなぁ…。

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    2016年07月02日
  • 星籠の海(下)

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    話全体の謎より上巻の小坂井くんの章が回収されたところが面白さのピーク
    急に話がえげつなくなったので少し読むのが苦痛になった
    御手洗さんは昔の方が変人で面白かったな〜
    石岡くんはますます何故いるのか分からない

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    2016年06月26日
  • 星籠の海(下)

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    事件の真相は半ば予期していたものの、読み進むには辛いページだった。できればこの予想は当たらないでほしいとさえ思った。
    それを耐えてたどり着いた星籠の意味が解けるシーンは、孤独な二人が通わせた心情も相まってせつない美しさでいっぱいだ。最後まで読んでよかった。
    星籠の海が奏でる音楽は鎮魂歌なのかもしれない。

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    2016年06月03日
  • 星籠の海(上)

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    瀬戸内の小島に死体が次々と流れ着く。
    御手洗清と石岡和己が現地へ赴く。

    まだ上巻だが、とても面白い。
    色々な話が混じりあっていて、この巻を読み終わる頃、
    少しずつ繋がりだけが見えてくる。

    その一遍、一遍がどう繋がっていくのか全く予想出来ないが、
    それら全てが短編でも面白いと思わせられる島田先生の巧みな筆力。

    どれもこれものめり込んで読んでしまうような話なのに、
    これが最後はどう絡むのか!?

    期待度大で次巻へ続く!!

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    2016年05月21日
  • 星籠の海(上)

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    天才型探偵の御手洗さんが、あらゆる謎を見たそばから解決していく。
    謎の宗教団体と星籠という言葉、幕末の謎。
    それがどう結びつくか、楽しみ。

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    2016年04月21日
  • アルカトラズ幻想(下)

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    猟奇殺人の犯人が捕まった、と思ったら孤島の監獄に収容され、脱出したと思ったら、不思議な世界で、気付けば原爆の話になって……、最後にやっと、オチが分かる。
    解説で伊坂さんが語っていた「何がいるのか分からないジャングルの中に放り投げられたうえ、どこからか物凄い磁石の力で、ぐいぐい引っ張られるような感覚」「物語が線路のように地続きではなくて、ワープに近い」というものがしっくりくる。
    読んでいるうちと、読み終わった直後はもやもやした(特に終盤に差し掛かっているのに訳が分からない時はどうしようかと思った)けれど、読んでから少し経つと「初めての感覚だったなぁ」と少しワクワクしたので星4。
    でも、結局猟奇殺

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    2016年03月17日
  • 奇想、天を動かす~吉敷竹史シリーズ11~

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    初めての島田荘司作品、今さらながらであり今年は島田作品を読み進めることに決めた。

    今作は御手洗シリーズと双璧を成す吉薮刑事シリーズである。タイトルだけは知っていて評判の良さも知っていて、安価であったため初読みをこれにした。安易な理由であり島田作品に申し訳なく思う。が、評判通りのできばえで非常に面白かった。

    作品世界は平成になったばかりの頃、もうけっこうな昔になってしまったが自分には馴染み深い。その頃に30年以上前の未解決事件を追うという筋立てである。ファンタジー然とした挿話が挟み込まれたりして、どんな着地を見せるのか?とはらはらしながら読み進めるも最後はしっかり全てのピースがはまり、謎が解

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    2016年03月05日
  • 龍臥亭事件(上)

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    里見初登場作品。昔の事件を参考に物語を作るという島田氏のお得意なパターン。
    最初の方の女性の描写が島田氏っぽくていい。

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    2016年01月23日
  • 御手洗潔のダンス

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    うーん、島田壮司はやっぱり好みだなぁ。
    突飛の方向性が面白い。
    ラストの2人の日常がいきなり来たときにはちょっと戸惑ったけど(苦笑)。

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    2016年01月08日
  • 水晶のピラミッド

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    御手洗潔シリーズの大作。ボリュームもさることながら、古代エジプト、タイタニック、現代と続く時間と空間の広がりに圧倒されました。ミステリー要素も最後までわからない展開。そしてピラミッドの解釈に驚きです。

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    2015年12月11日
  • 龍臥亭幻想(上)

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    ネタバレ

    龍臥帝事件以来8年ぶりに訪れた貝繁村で伝わる「森孝魔王」伝説
    失踪しコンクリートの下で見つかる少女、両足と首を失い再び現れたナバやんの死体、血溜まりに転がる日照さんの首と右足、人体接合実験を夢見る伊勢やんと獣子として生きた櫂さんのの失踪、鎧を纏って起き上がる片足の死体、動く死体に首を切られた菊川
    上巻は大地震による地割れで少女が出現するまで。巻を締めくくる日照さんとの不穏な会話が彼の内面と事件の火種を物語っている。
    数々の事件を経たことで自己を律し体をはって事件に向き合う石岡先生の成長ぶりたるや。

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    2015年11月24日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    上巻に興奮しすぎただけに、下巻は冷静な評価になったかな。後半のもたつきとすっきりしない感じはちょっと残念。でも上下巻通しての評価はやはり良いです。

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    2015年11月19日
  • 写楽 閉じた国の幻(上)

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    ページをめくる手が止まらないとはこのこと。有名すぎるくらいの浮世絵師なのに、その実ナゾだらけな人物だということはまったく知りませんでした。ノンフィクションとフィクションの融合ほど面白いものはない。

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    2015年11月19日