あらすじ
昭和61年8月18日、上野駅の隣接するホームに相前後して到着した上越、東北新幹線の中から、女と男の服毒死体が発見された! 男は盛岡の中学教師、女はその教え子の母親であった。二つの死体の側にはなぜか花束が……。自殺か? 他殺か? 警視庁捜査一課の吉敷竹史は、不可解な事件の謎を追い盛岡へ――。いじめ問題を素材に、著者が渾身の筆で描いた本格推理!
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Posted by ブクログ
作品的な評価としては、それほど高くはならないと思う。
ただ、個人的にこの作品けっこう好きかな。
最初から最後まで吉敷竹史が出ずっぱりで登場していて
「吉敷竹史」の物語としては楽しめたから。
捜査や推理は迷走してしまうし、
今回に限ってはかっこいい見せ場もないけれど
こういう吉敷竹史もあるんだなあというのが
読んでいてなかなか新鮮だった。
Posted by ブクログ
相変わらず謎は派手だが、トリック自体は驚くほどではない。
が、それによって本作の評価が落ちることはないだろう。
この作品の主題は子どもたちの間での「いじめ」であり、そしてそれに対して吉敷竹史がどう向き合っていくかという一人の刑事の物語でもある。
しばらく島田荘司作品を読んでいなかったが、読む度に島田さんの"読ませる力"を思い知らされる。
ふと御手洗潔が恋しくなった。あまりしたことがないのだが、再読しようかなぁ...
Posted by ブクログ
本作のメインとなる殺人事件は、実はさほど興味深いものではなく、真相もショッキングではあるが、私自身が予想していたそれとほぼ同じだった。
だが読後の余韻は漠とした何かを残した。
菊池刑事の、木山法子が瀕死の重体であるにも拘らず、傍にいられない無念さか、古川教諭の、生徒を思う心か、鳥越ゆかりの孤独か、それ以外かどうか判らない。それらは所謂ステレオタイプな設定だと思うからだ。
しかし、何かは確かにある。
やはり子供が人を殺したという事実への疎ましさだろうか。
Posted by ブクログ
謎自体は魅力的ですし、クライマックスもそこそこ盛り上がり楽しめたのですが、吉敷刑事の行動が目に余りました。強い思い込みのせいで捜査を行き詰まらせたり、意味深な発言をする人物を保護せず見殺しにするなどの大失態を冒します。吉敷刑事は「不器用で真っすぐな人間味があるタイプ」というイメージでしたが、ここまで短絡的で間抜けな人間だとは思いませんでした。吉敷ファンとしては非常に残念でした。
Posted by ブクログ
いじめ問題を取り上げた、吉敷シリーズ列車もの。
途中で犯人について、もしかして?もしかして……?と思っていたけれど、半分当たって半分はずれでした。
現実のいじめ問題もよく反映されているのではないかと思いました。
やりきれないです。