島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ時代は昭和39年。クレセント錠とスクリュウ錠で閉ざされた密室というあたりに時代性を感じさせる。
鳥居の左右が、両側の建物に突き刺さっているシチュエーションは、何とシュールなのだろうと思っていたら、京都市の錦市場では、実際にこのような光景を目にすることができると知って驚く。
そのような状況を見事にトリックに昇華させた著者の手腕はさすがである。
そして、そのトリックがわかったと「ユーレカ」とばかりに駆け出して行った大学生の御手洗は若い!
事件のすべてが詳らかになっても、最後に残った難問は容易に解きほぐすことができないように思えたが、これも解決に導いた御手洗は、既に名探偵の片りんを覗かせる。 -
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ネタバレ久しぶりの御手洗シリーズ。
この間それなりに読書経験を積んだせいで、御手洗がカッコ良く見れなくなってたらどうしよう…と若干の不安があったんだけど、ちゃんとカッコ良くて嬉しかった。
派手で強引な真相で島田荘司らしいストーリー。
面白かった。
超有名俳優の息子にして『占星術殺人事件』の読者でもある青年が、鎌倉の独り暮らしの部屋にある日強盗に入られ、居合わせた父親の恋人と父親の秘書が殺されてしまう。太陽が消えこの世の終わりのような様相を呈する世界で、青年はふとこの二体の死体でアゾートを作ることを思い立ち実行する。するとアゾートが動き出し……という手記が、東大教授によって御手洗にもたらせる。
この手 -
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自殺したピエロは密室から姿を消し、首無し遺体は突如として動き出す。そして天に向かって飛び跳ね脱線する列車…
奇天烈な事件の数々に解決の糸口すら見出せない。どうしたらこんな難解な謎が解けるのだろうか。物語の主人公はもちろん、読者ですら同じ思いを抱いてしまう本書。少しずつその謎が解き明かされ、全貌が明らかになる展開に、ミステリー特有のワクワク感を楽しむことができました。
本書はそんなミステリーでありながら、冤罪や戦中日本が起こした暴挙などに目を向ける社会的な側面もあります。解説を読むにむしろこの社会的な側面こそ重視されたようですが、ミステリーと社会性が絶妙にマッチした作品でした。 -
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ネタバレ島田さんの歴史ミステリはほんとにおもしろい。
2月革命でロマノフ王朝は終わりを迎え、ニコライ2世の末娘アナスタシアは悲惨な運命を辿る。
そんな中出会った日本人と共に、ドイツのドルニエDoxで芦ノ湖に降り立つ。
愛する人とベルリンではぐれ、以降アナアンダーソンとして生き、アナスタシアの真偽裁判が行われ、認められずに生涯を終える。
ボルシェヴィキによる虐待やイパチェフ館で行われたとされる虐殺は読んでてほんとにしんどかった。
ロシア革命や、アナスタシア論争のことは全く知らなかったけど、フィクションとしておもしろく読めた。
幽霊軍艦のパートもとてもワクワクした。湖に巨大軍艦が現れるなんて、これぞ -
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ネタバレなるほど。島田荘司らしい、ドラマチックで派手なストーリーだった。タイトルも含めて。
吉敷シリーズの傑作をつまみ読みした中で、本作品が一番好き。
浮浪者が12円の消費税を払いたくなくて女店主を発作的に刺した、という一見下らない事件の、隠された背景に迫るストーリー。いわゆるホワイダニットになるのかな。
真相が明かされたところで、浮浪者が女店主を刺した、という事件の表層は変わらないんだけど、昭和の闇の犠牲になった哀しく壮絶な背景は、読み応えあった。
死体が消えただの轢断死体が歩いただの白い巨人が云々だの、昭和三十二年の北海道札沼線に起こった奇天烈としか言いようのない事件は、これさすがに合理的な説明 -
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ネタバレ面白かった。
鮎川哲也先生への献辞があるのは、鎌倉が舞台だからかな。
御手洗と石岡くんの大立ち回りって珍しい。私が今まで読んだものだと「舞踏病」くらいのような気がする。
小学生のガールフレンドがいるのかとからかったり、女の子とお茶をしたり、お互いの浪費癖についてお婆ちゃんに言いつけあったり、2人が楽しそうで良かった。やたら抜け道に詳しい御手洗もすごいな。自分では知らなかったらそんなに覚えられないと思うんだけど…。
江ノ電と北朝鮮の下りも面白かった。なんというか、作家の先生って本当にいろんなことに精通しているんだなぁと…。
鎌倉を走り回る「UFO大通り」とは対照的な安楽椅子探偵もの「傘を折る女