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昭和52年夏、密室状態のホテルの部屋から一人の女性が消え失せ、海岸で死体となって発見された。孤独な少年・ヨウイチの隣人で、女性の知人でもあった男は「透明人間は存在する」と囁き、納屋にある機械で透明人間になる薬を作っていると告白する。混乱するヨウイチ。心優しき隣人は犯人なのか? やがて男は外国へ旅立ち、26年後、一通の手紙がヨウイチのもとへ届いた。そこには驚愕の真相が記されていた! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
島田荘司の長編ミステリー。余りにも不可思議な密室、そして殺人事件と、切なすぎるラストが印象的な作品。島田荘司は御手洗シリーズばかり読んできたが、御手洗のいない作品でもこれ程の衝撃的な物語があるのかと驚愕。また、最後は余りにも悲劇的な結びに絶句してしまった。それ程に印象的な作品。 小学生のヨウちゃ...続きを読むんと彼の家の隣にたつ印刷所で働く真鍋さんとの物語。ヨウちゃんは学校生活が上手くいかず、家庭もシングルマザーの母親が夜の街に出ており深夜まで不在。そんな中、隣の印刷所で働く真鍋と仲良くなり、様々な事を教えてもらう。 小学生からすれば三十歳位は物凄く大人で、憧れや尊敬を抱いている。彼が印刷所の納屋で謎の機械を動かしているが、その中には透明人間になる薬が入っていて、日本では唯一だと知らされる。 一方、彼らの周りでとある失踪事件が発生する。全く不可解な状況下、女性がホテルから消失してしまう。そして数日後、海で散らかされた彼女の死体が発見される。 ヨウちゃんと真鍋の関係は、小学生時代にだれでも感じた大人への憧れを見事に再現している。どことなくノスタルジーを感じるのは世界線もそうだが誰もが体感したであろう経験に基づく。 また、透明人間が全くの幻想という家事では無く、きちんと意味をなし、伏線回収している部分にこの作品の深みがある。 解決編はヨウちゃんが大人になり、彼の母親も年老いてからになる。ヨウちゃんが小学生時代にした「罪」は、確かに真鍋さんを苦しめたのかもしれないが、真鍋の人生は一変の悔いがなくヨウちゃんと母親に愛情が向けられている。 現実的な目線で余りにも不条理な悲劇であるが、現実においてもおそらく同じことが起きている可能性もあり、島田荘司の社会に対する問題提起が発売当時どのくらい世間に浸透したのかなぁ。 真鍋さんが描いていた理想郷がいつか訪れる事を願いつつ。余りにも悲しい結末でやるせない思いになるが、ヨウちゃん達は自分達を責め続ける事がない様に祈るばかりだ。
世界を判断するには、知識という補助線が必要だ。 けれど子どもには、それがない。 ないからこそ、無知で無垢で残酷だ。 その無垢な残酷さで、悪意もなく何かを傷つけていたと気付くのは大人になってから。 虫の足をむしるのも、誰かの心を壊すのも、本質的には同じ行為だ。 取り返しのつかない失敗を、社会や次の世...続きを読む代に繋ぐことで償っていく。 これはそんな物語だと思う。
最後のタイトル回収が秀逸。透明人間とは…。 過去への憧憬とともに語られる、子供の目線だからこそ分からない大人の事情。 子供だった自分と世界がいかに残酷か、大人になってから気付くやりきれなさ。 頼り甲斐のある大人の有難さ…。 子供向けと思い少々見くびっていた。 漢字にはルビがふってあり、子供向けに...続きを読む作られてはいるが、際どい描写があるにはあるので注意が必要? 表紙・挿絵のおどろおどろしさも良い。綺麗な装丁と相まって手放し難い一冊。
時代は昭和52年の夏、孤独な少年ヨウイチの唯一の楽しみは、家の隣で印刷所を営む真鍋との語らい。身近なこと、宇宙のこと、将来のこと、様々な事柄を真面目に語り合った二人だが、一人の女性の消失事件が二人の運命を変えることになる。 島田荘司氏らしい奇想と、昭和50年代という某国がまだ理想郷と一部に思われてい...続きを読むた時代背景がマッチして、良質なミステリーに仕上がっている。少年向け作品らしいが、時代を知っている大人のほうが味わい深いかも。
透明人間は何を意味するのか。真鍋の正体は? 最後に明かされた真実に、そういうオチか!と納得。トリックとかないミステリーも楽しめました。
なんとなく買うときから予感はしてたけど、前に読んでた。 でも再読してみても面白かった。 島田さんは初期の作品は文句なく名作揃いだけど、後期はやや当たり外れがあると思う。特に社会派の傾向が強いほどイマイチに感じる。この作品はそれらと比べても独特のテイストがあり、異彩を放っている。 トリック?はまあさほ...続きを読むど重要ではなく、主人公の少年独特の切なさがたまらない。
講談社ミステリーランド第1回配本作品の文庫化。 作品冒頭、ペルセウス座流星群の夜が、なんともいえず美しい。 主人公の少年と隣人の男性が、真夏の夜の浜辺に腰をおろし星を見上げながら語り合う…というか、主に男性が語る場面なのだが、その一言一言に心を動かし、見えるもの聞こえるものに敏感に反応する少年の様...続きを読む子が、みずみずしくもせつない。 ミステリーとしては、とてもフェアに書かれているため、謎の核心にあるものが何かは最後の解明を待たずとも察することができる。しかし、それをこの作品のテーマに持ってくるとは、しかもこれほどリリカルに書ききるとは…さすが島田荘司! それに、あっぱれミステリーランド! です。
ミステリーランドの一冊と言うことで、児童書との事です。確かに理解しやすかった様に思います。 でも、しっかりとミステリィで楽しめました。
「透明人間の存在」を作り上げた工作員の技は小さな窓からでも自由に出入りでき、そこにあった「蜘蛛の巣」は証拠を隠滅するに十分だった。蜘蛛の巣は「1時間もあれば1年も前からそこにあるような厚いものになる」という事実を警察は見逃していた。蜘蛛の巣の習性を知る、知らないでこの事件は大きく動いたのだ。
読み終わってこその満足でした。 すっきりする話は良いですね。 ファンタジーとミステリーの融合、 素敵な世界観でした。
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透明人間の納屋
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島田荘司
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