島田荘司のレビュー一覧
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御手洗なしで事件解決に挑む石岡和己の孤軍奮闘ぶりに涙。
御手洗が天才である故に、普通の人である石岡は劣等感を抱き、孤独を抱えていたのだが、確かにあんな人間離れした男と二十年近くそばにいたら、自分が取るに足りない存在に思えてならなかっただろう。
前作「アトポス」では全く彼の出番がなかったので、非常に寂しい思いをしたので、今作は石岡が主役であることが嬉しかった。
御手洗なしでこの難事件に挑む石岡の心境が細かく描かれているので、ただひたすら彼を応援する。
とはいえ、作中で知らされる事件がすごすぎて、私はその事件のことは以前ネットでちらりと読んだ程度の知識しかなかったので、フィクションとノンフィ -
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「占星術」「斜め屋敷」で御手洗シリーズのファンとなったので、このシリーズは読む前からホクホクとしてしまう。
今作は横浜とスコットランドが舞台。かなりホラーチック。グロテスクな描写に恐れをなしつつも、分厚い文庫本の頁を繰る手が止まらない。
個性的で魅力的なキャラクターたちと毎度ながら事件よりも謎めく探偵御手洗潔、そして心のオアシス石岡和巳。
トリックの奇抜さ、物語の面白さはもちろんだが、彼らひとりひとりの人間が生き生きとして存在していることが、読み手の私には嬉しい。かなり昔の作品だけれども。
以前の作品で、海外に行っていた、というような記述があったが、これがそれに該当するのだろう。こんな -
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ネタバレ面白かった。
ロンドン留学中の漱石が、下宿の幽霊もどきに困ってホームズに相談にゆき、そこから一緒に殺人事件の捜査に当たる、って設定からして面白くないわけがない。
密室の中で一夜にして人がミイラになるという殺人事件も、島田荘司ならではの不可能設定だし、漱石視点とワトスン視点で描かれるホームズの様子の違いもユーモラスだし、いやさすがに読ませるなあという感じ。
漱石視点の「ホームズさん」ほんとにやばくてねえ……。ワトスン視点も、漱石視点と合わせるとオイオイって感じで。どちらの文体もこってりしていて島田節全開。
トリック自体にはそこまでの目新しさもないんだけれども、設定と描写の妙で面白さが増している -
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ネタバレ(上巻の感想からの続き)
そして吉敷。
この男はシリーズを重ねるたびに存在感を増しており、しかも言葉遣いも心なしか変わってきているようだ。登場当初は単なる刑事に似つかわしいダンディという設定以外、何の特徴もなかったが通子の登場、上司との軋轢、殺人課での孤立という状況変化を経て、その人と成りがヴィヴィッドに浮き上がってきている。
今回、刑事が冤罪事件を調査するという仲間の手柄を覆す裏切り行為を行うことをやってはならないことを知りながら行うことで、吉敷の刑事辞職という設定を持ってきたのはよかったが、最後の最後で救われることが自分的によかったのか悪かったのか判断がつかない。
刑事を辞めれば通子と -
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ネタバレ吉敷竹史シリーズの第一部完結編とでも云える本書、その中でもとりわけずっと謎めいた存在で登場していた元妻、加納通子との関係への総決算的作品となっている。
加納通子の生い立ちから述べられる本書は今までの『北の夕鶴2/3の殺人』、『羽衣伝説の記憶』、『飛鳥のガラスの靴』、そして『龍臥亭事件』全てを一貫して補完する形で、これらの作品の間に隠されたサイドストーリーを余すところなく、描いている。摑み処のない悪女といった感じの加納通子という女性が、今回ではじっくりと描かれる。その描写は、「業」と表現されるある種呪われた血が流れている途轍もない生い立ちを以って語られるが故に匂い立つほどの存在感を醸し出してい