島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ読み終わったあと、ホームズと漱石と、そして島田荘司の作品を「他のも読んでみようかしらん」となる作品であると思う。
正直著者の他の作品を読んでいる方であれば、甲冑が出てきた辺りでなんとなくトリックの肝自体は気づけてしまうような気もするが。
ただ最後の別れのシーンの美しさも然ることながら、未来の小説家に向けた特別エッセイは何故かは分からないがとても心に染みた。
「経験から言えることですが、世の中のことがすっかりわかるまで、書くのを待たなくてはならない理由なんてなにもありません。いくつになってもわからないことはあるし、若い頃にはよくわかっていて、次第に失われる世界や知 -
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好きだった順
①ギリシャの犬
②数字錠
③疾走する死者
④紫電改研究保存会
トリックや事件そのもの云々はもちろん、御手洗潔という人間を知るのにとても良い作品でした。
ここまでシリーズを読んできて、御手洗潔に対しては何となく取っ付き難い感じがしていたのですが、本作でぐっと人間味が増したような、親近感が湧くようなそんな印象を持ちました。
最後のあとがきは、御手洗潔がこのような人物設定になった所以が書かれています。
個人的には「この宣言は必要か?」と思いましたが、今から40年近く前に書かれたことを考えると腑に落ちた気がします。当時読んでいたらどんなふうに感じただろう。
ある意味で今の日本にお -
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ネタバレんんんこれは評価が難しい。
いや面白いことは面白かったのだが。
夏目漱石の渡英時期・下宿先がホームズの活躍時期・ベイカー街に近しかったことから、両者が邂逅する物語。
夏目視点とワトスン視点が交互に描かれるが、同じ出来事なのに描写が大きく食い違う。
特に夏目視点のホームズは酷いの一言で、完全な狂人、しかも周囲はそれを踏まえて腫れ物のような接し方。
ここに何か大きな仕掛けがあるのかと読み急いだが、そうではなかった。
中でもショッキングなのが、モリアーティは架空の人物だとワトスンに言わせたこと。頭がおかしくなる前のホームズの活躍は確かだがモリアーティ関連はワトスンの創作だと言う。最後まで読んでも -
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ネタバレ上巻から合わせて一気呵成に読み終えられます。非常に読みやすいです。
看護師辰巳洋子はベビーシッター中に子供をあやまって殺してしまう。小坂井はそれを隠蔽しようとし、ネルソンパクはそれをさらに指導する。そして巨悪である日東第一教会(統一教会)を御手洗潔が裁くお話。
教会のトップであるネルソン・パクを星籠を使って捉え、胸が空くような結末となります。
ただし、従来の御手洗物でよくある、ミステリーの大仕掛けを御手洗が解き、読者がカタルシスを得られるといったことはないです。
大掛かりの謎はなく、面白いながらも淡々と話は進みます。
ちょっと一風変わった御手洗物です。
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ネタバレ面白かったな〜!
「数字錠」がトリックもストーリーも一番良かった。「占星術殺人事件」でもそうだったけど、犯人のどうしようもない気持ちを書いて、それと真摯に向き合う御手洗の考え方が好き。
「疾走する死体」は、ええ〜!?と言いたくなるトリック(名探偵コナン的な)だった。
新聞社の人の話はホームズの「赤毛連盟」を彷彿とさせた。
「ギリシャの犬」もトンデモトリックだったけど、犬が活躍したので良かった。
最後の「御手洗潔の志」は、御手洗が日本人の性格を分析して、それと真反対の行動や発言を「選んでいる」という事実に、なぜかとても感動した。
あのキャラクターは御手洗が自身で構築したものなのか、と。
この