島田荘司のレビュー一覧
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水上都市の冒険
御手洗シリーズ最新作。御手洗が中学生じ代の話。短編が連作で繋がっている。
汐汲坂の殺人
子供時代の御手洗は「Pの密室」以来だろうか。「Pの密室」ではかなりのこども時代をテーマにしているが、今作では中学生時代の御手洗が描かれておりまだ毒気の少ない(笑)純粋な御手洗少年を読む事が出来る。彼は幼少期から天才であり、今回も水上生活者という古き時代の日本のとある地域を舞台にしながら、殺された画家と逮捕されてしまった友人の父親の無実を証明しつつ、画家の婚約者のホステスの依頼で真犯人を暴く。暴くというか、御手洗少年はあっという間に真相をしるが、周りの大人や警官達は全く取り合わない。御手洗少年は友人達と協力しながら警察官を担ぎ上げ、じけんの解決に人力する。
犬が登場する作品か数あるが、今作程犬の存在を上手に使った作品は久しぶりだ。
踊る人形
シャーロックホームズ「踊る人形」をモチーフにした作品。御手洗少年筆頭に中学生達の冒険が描かれている。作中の踊る人形の意味については同じような動機を目にしたことがあり想像はついていたが、中学生である彼らがどのように事件を解決するかが最も見物だった。
戦後間もない時代の背景と相まって、犯罪に手を収める少年少女の生き方や御手洗少年の葛藤がとても響く様な物語だ。
火事マニア
小火の現場に居合わせたえり子は現場から走り去る同級生を目撃する。その後、別の火事現場でも彼の姿を目撃する。また、えり子はクラスメイトで学校を休みがちな康子の家に、学校からのプリントなどを届けに彼女の住むアパートを訪れる。
別の日には学校で火災報知器が作動するトラブルがおき、教室が水浸しになる事件が起き・・・。
一見何の関係もない二つの事柄が実はかなり重要な関わりがあり、御手洗の解決により登場人物達の見方が変わる。
野本君のお母さんが余りにも不憫だ。
マジシャン御手洗くん
やはり戦後間もない横浜という地域の不穏さがありながら、そこから新しい街へという復興が行われている時間軸。御手洗はマジックの腕前もそれなりであるが、そんな彼が不良少年達に神の如き奇跡を見せると豪語する。
真相を知ればなんて事はない結末であるが、それをあたかも奇跡の様に見せる御手洗の手腕が面白い。
歯磨きチューブの謎
御手洗シリーズの刑事達は当然だが素人からの意見は聞かないし、ましてや少年の話など全く聞く耳はない。御手洗も事件の真相を解き明かす事は全く問題ではないのだが、それを頭の固い大人に伝える事が最も難解だと話す。
今回も捨てられた大量の歯磨き粉の謎を冒頭で語られながら、ホステスの殺人事件にどのように関わるかが肝になる。
短編だからこそ面白いミステリー。
刑事は相変わらず腹立たしい限りだ。
少年御手洗は久しぶりで新鮮。御手洗シリーズの世界観はまだまだ読みたい内容が沢山あるので、スピンオフ含め今後も待ち遠しい。
シリーズ通しての読者にこそ楽しめる作品だと思う。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの島田先生の長編小説‼️
石岡先生がUMA研究会の大学生麗羅と二人、伊根湾に現れたと噂される龍神を確かめに伊根に行くことになる。
スェーデンにいる御手洗に電話で話すと、危険だから絶対に行ってはならないと警告されてしまう
伊根の舟屋に着くと、自衛隊が警戒しており舟屋の
主人も何か事情がありそうな雰囲気が出てくる
テーマがUMAの龍神ということだが、龍神が現れる展開はなく、伊根全体の不穏なエピソードで物語が進んでいく
ネタバレになりそうなので詳細は伏せるが、ラストで伊根湾で起きた不思議な現象が御手洗がサラッと解説するくだりが最高だった?
原発を巡る環境汚染や外事問題が本編の核になっていて、考えさせられた
麗羅と石岡先生のやり取りの描写から、石岡先生も
歳を重ねたなーと実感した^_^ -
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ネタバレ名探偵・御手洗潔の最初の事件
過去の記憶を失った男は一人の女性と出会い、ささやかながらも幸せな生活を始めるが、自身の過去と相対したことで背後で進行する事件に巻き込まれていく。
まず記憶喪失の主人公が公園で目覚めるところから始まり、主人公と一緒に状況がわからないとなるところから始まる。良子との幸せな生活のパートでは上司との飲み会の話であったり、日常を強く感じさせるような流れだったけど、自身の過去に向き合い始めてからは一気に展開が変わっていく。前半で散りばめられていた、鏡が見れないといった伏線が、自身の顔を誤認させるというとんでもないトリックで回収され、最後には謎が一気に解き明かされる。記憶喪失の男に創作の日記を読ませて過去の記憶を刷り込んでいたというのも驚きで、あんな臨場感あふれる筆致で描かれると、実際に経験したものだと信じ込んでしまうなあと思った。
情景描写が多く、それもあって文量も多い面はあるが、最後の展開には引き込まれて一気読み不可避だった。 -
Posted by ブクログ
昭和52年夏、9歳だった少年ヨウイチはいつだって真鍋さんと一緒にいた…
友だちもいないヨウイチは学校が終わると、すぐに真鍋さんの印刷工場に行き、時には仕事を手伝ったり、一緒に食事をしたり、真夜中まで一緒にいることさえあった
ヨウイチは母子家庭で育ち、母は深夜にならないと帰って来なかったからだ…
ヨウイチは真鍋さんからたくさんのことを教えてもらった!
そんな物知りな真鍋さんのことが、ヨウイチは大好きだった
そんな時、一人の女性が密室から消えてしまう…という事件が起こる
真鍋さんから「透明人間は存在する」と聞いていたヨウイチは、事件に真鍋さんが関係しているのではないか?と不安になる
やがて、あることがきっかけで真鍋さんは海を渡り、ヨウイチの前から姿を消してしまう…
そして26年後、ヨウイチの元に一通の手紙が届く
そこには驚愕の真実が…
途中から作品の雰囲気がガラリと変わる…
そして密室のトリックも、どんでん返しも「こういうのもあったか!」と新鮮だった
そしてタイトルがもう秀逸
『ひとつのものを別の角度から見れば全然別の顔が見える』
深いメッセージのある作品でした -
Posted by ブクログ
大根奇聞:薩摩で桜島の灰で作物が全滅し人々はバタバタと死んでいく。ある一角の畑で巨大な大根が実るが、役所は人々には分け与えずに盗んだものには死罪を言いわたす。死にかけた矢七と和尚、お嘉婆さんは2人を救いたいために畑から大根を盗み料理して2人に分け与える。大根を食して2人は家まで婆さんが大根を引きずって持ってきた後が家から畑まで灰の道ができてることに気づく。隠したい2人と死を覚悟した婆さんがを救う手立てはあるのか。
奇跡が起きる感動の話。
最後のディナー:NOVAで知り合った男と石岡、里美の3人は交流を深めたが、突然田舎に行くという男が後日神社で殺された。悲しき真実は。
事件より石岡が里美から英会話教室に誘われるもダメダメな状態になる悲しき石岡が愛おしい。