島田荘司のレビュー一覧

  • 最後のディナー

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    女子大生になった犬坊里美が石岡を訪ねることから始まる短編3作。
    シリーズキャラクター作品のいいところは、いちいち人物像の説明がなくとも、作者と読者が阿吽の呼吸で登場人物を理解し合えているところだ。本作でもすんなり本題に入っていけるし、石岡はまだ初恋の女性をひきずっていることが一文でわかる。
    ミステリー2作は、日常の謎に近いが、どちらもキレがあって味わい深い。大田原老人の執念に感動する。

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    2013年03月17日
  • 切り裂きジャック・百年の孤独

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    以前からこの切り裂きジャック事件については自分なりの仮説を持っていましたが、
    ドキュメンタリー番組やネット上の解説文で得た知識のみであったため、懐疑的でした。

    この作品では作者が実際に現地へと足を運び、様々な資料を調べたうえで書かれた、
    創作という名の一つの有力説です。
    読み終えて自分の仮説に自信が持てたこともさることながら、メディアや民衆によって真実が覆われてしまうことがどんなに恐ろしいことか、身にしみた一冊でした。

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    2013年02月28日
  • UFO大通り

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    中編なので以前レビューしたネジ式ザゼツキーや他の長編ほどではないがなかなかパンチのある謎がやはりのっけから登場し、我らがミタライ先生が物の見事に解決してくれる。物事の関連性をここまで見事に見付け出すことができる冷静で理知的そして天才的な閃きを併せ持つような脳みそが私にあったらなあ!傘を折る女に関してはかなりはんにに同情するけど。ああいう女のせいで人生狂わされたら私だって悪魔に魅入られるかもしれないや。傘で殴る程度ですまない話だし!

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    2013年02月12日
  • 龍臥亭事件(上)

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    ネタバレ

    再読。犯人を覚えてて動機や事件の経過をすっかり忘れてるパターンと、事件は覚えてるのに犯人を忘れてしまってる2パターンあるけどこれは前者だった。
    龍臥亭という舞台と雰囲気は再読でも魅力充分。自分の想像力を試されているかのよう。身近な人が続けて殺されるわ因縁の土地で亡霊も出るわ、結構ビビる出来事が起きてるのに主人公他皆さん落ち着きすぎ~。

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    2013年01月28日
  • 龍臥亭事件(下)

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    ネタバレ

    再読。陰で活躍していたあの人の独白と最後には頭が下がる。こういう気骨はもう過去の物なんだろうなぁ。
    真犯人には作者にやられた感…術中に嵌まってた~。 動機には面食らうが、この恐怖は当事者だからこそで止められないのかもしれない。因縁という言葉が作中よく出てきたのも頷けた。

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    2013年02月05日
  • 水晶のピラミッド

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    古代エジプトとタイタニック号の乗客の話から始まるので、おなじみの主要登場人物が出てくるまでの道のりが長いです。
    主役たる御手洗潔の登場まではさらに長いので、もう今回は出てこないんじゃないかと……
    著者は読者をやきもきさせるのがうまいですね。

    ピラミッド内部の説明など、図がないといまいちうまく想像できない個所もありましたが、全体を通して面白かったです。
    ただタイタニックについては、もう少し後日談なども含めてもっと書いてほしかったかな。

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    2013年07月21日
  • 魔神の遊戯

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    途中で「この人が犯人?」と思ったら当たっていた。やはり前に読んだのかもしれない。面白かったがもっとシンプルにならなかったかな。

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    2012年12月20日
  • 最後のディナー

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    石岡くんと御手洗のシリーズ。短篇集なのでサクサクと読める。相変わらずの石岡先生の自虐調を楽しく読む。

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    2012年11月19日
  • Pの密室

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    御手洗さんの子供時代が描かれているという御手洗さんシリーズのファンにはときめきもののお話です。
    石岡君と里美ちゃんもかわいいですが、里美ちゃんと仲の良い男の人に嫉妬するのはちょっと気持ち悪いと思いました。
    御手洗さんの優しさが表現されていてほんわかしました。

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    2012年11月06日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

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     ロンドン留学中の夏目漱石とシャーロック・ホームズの夢の競演である。二人が同時代人であることにちょっとした驚きを感じたけれど、言われてみたらその通り。この豪華キャストできちんと本格ミステリを書くのだから対したものだ。

     構成もおもしろく、夏目漱石の手記とワトスン医師による記録が交互に出てきて物語を進行していく。漱石の文章はいかにも彼の文章らしくちょっと皮肉なユーモアに満ちている。ワトスン医師の記録は、正編のムードをきちんと醸し出していて贋作としても水準を十分にみたいしてる。

     同じ出来事を二人の筆者がそれぞれの立場から書いているところがいくつかあるのだけど、文体どころか出来事までもうんと異

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    2012年10月10日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

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    ホームズと漱石は出逢っていた!・・・という設定のパスティーシュです。漱石とワトソンの視点が交互に入れ替わって物語が展開します。ワトソンからは正統派のホームズですが、漱石からはホームズがぶっ壊れ気味の男に見えているのが愉快です。

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    2012年10月04日
  • リベルタスの寓話

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    中編2編で、いずれも民族間の紛争が根底にある事件。
    表題作は、謎の提示の仕方が非常にいい。残虐な殺され方をした屍体が発見されるが、それにはきちんとした意味があった。
    さらにその話が、オンラインゲームとつながって、という展開から思いも寄らない真実が。

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    2012年09月29日
  • 透明人間の納屋

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    なんとなく買うときから予感はしてたけど、前に読んでた。
    でも再読してみても面白かった。
    島田さんは初期の作品は文句なく名作揃いだけど、後期はやや当たり外れがあると思う。特に社会派の傾向が強いほどイマイチに感じる。この作品はそれらと比べても独特のテイストがあり、異彩を放っている。
    トリック?はまあさほど重要ではなく、主人公の少年独特の切なさがたまらない。

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    2012年09月24日
  • UFO大通り

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    最近「傘を折る女」がモーニングでコミカライズされましたが、内容をほとんど忘れていたので文庫版で再読。去年の11月に読んだものをここまですっぱり忘れてしまえるのものかというくらい忘れてました。
    やはり馬車道時代はいいなぁ。御手洗も石岡君も生き生きしている。わたしは「傘を折る女」より「UFO大通り」の方が好きなんですが。軍隊気質な猪神刑事のキャラもいいし、その猪神刑事をおちょくって楽しむ御手洗とはらはらする石岡君が面白い。御手洗のペースに巻き込まれて意味不明な啖呵切ったり最終的には涙目になってる猪神刑事が可哀想で好きです。
    漫画にするなら「UFO大通り」の方が向いてたんじゃないかなと思いました。と

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    2015年03月28日
  • UFO大通り

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    御手洗シリーズ。
    久々の石岡コンビでの話。二人の掛け合いが久々に見られて良かった。

    表題作は、スタンダードなストーリー構成。もう一作は、犯人の心情描写も入っていて、このシリーズには珍しい構成。

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    2012年09月16日
  • 龍臥亭事件(上)

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    傑作。前半がまどろっこしいが、徐々に津山事件との因果関係が出てきて、分厚い割りにページが進む。トリックとかは後回し。何を書きたかったのかに集中すれば、非常に面白くて読み応えのある作品。

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    2012年09月05日
  • ネジ式ザゼツキー

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    無数の驚異と疑問を抱いて、真実へ近づくと悲しくなった。こんな心境は「奇想、天を動かす」以来かなぁ。。。

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    2012年08月28日
  • 最後の一球

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    さわやかな感じ。
    割かれているページ数からも明らかだが、謎解きどうのこうのよりも、1人の人間の人生が魅力的に書かれている。

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    2012年08月26日
  • 透明人間の納屋

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    講談社ミステリーランド第1回配本作品の文庫化。

    作品冒頭、ペルセウス座流星群の夜が、なんともいえず美しい。
    主人公の少年と隣人の男性が、真夏の夜の浜辺に腰をおろし星を見上げながら語り合う…というか、主に男性が語る場面なのだが、その一言一言に心を動かし、見えるもの聞こえるものに敏感に反応する少年の様子が、みずみずしくもせつない。
    ミステリーとしては、とてもフェアに書かれているため、謎の核心にあるものが何かは最後の解明を待たずとも察することができる。しかし、それをこの作品のテーマに持ってくるとは、しかもこれほどリリカルに書ききるとは…さすが島田荘司! それに、あっぱれミステリーランド! です。

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    2012年08月19日
  • 羽衣伝説の記憶~吉敷竹史シリーズ12~

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    本書での道子の母親は30歳位との記述ですが、その後の涙流るるままにでは、確か25歳位で自殺する事になっています。
    作者の思考過程の一端を見たようで興味深い一冊でした。

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    2012年08月08日