島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ秋好被告は昭和17年、満州生まれ、その生い立ち、特に幼少期は貧困と苦労の連続です。まず、敗戦により帰国するまでの大陸での強烈な体験に始まり、無事帰国しても母の病により、小学1年生で母と乳飲み子・家畜の世話に家事全般と、学童とはいえない働きぶりです。当時はマッチもなく火打石を使っていたとか。「おしん」よりはるかに過酷な子供時代と思います。
優等生で模範生、家族思いの秋好少年は、周囲の大人の信頼も厚く、貧しいながらもすくすくと育っていくのですが…
進学の夢叶わず中卒後に働きだしてから、どうも人生の歯車が狂いだしていくような印象を受けました。
せっかくの海外赴任の話も父に取り消されたり、誤解による -
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ロンドン留学中の夏目漱石とシャーロック・ホームズの夢の競演である。二人が同時代人であることにちょっとした驚きを感じたけれど、言われてみたらその通り。この豪華キャストできちんと本格ミステリを書くのだから対したものだ。
構成もおもしろく、夏目漱石の手記とワトスン医師による記録が交互に出てきて物語を進行していく。漱石の文章はいかにも彼の文章らしくちょっと皮肉なユーモアに満ちている。ワトスン医師の記録は、正編のムードをきちんと醸し出していて贋作としても水準を十分にみたいしてる。
同じ出来事を二人の筆者がそれぞれの立場から書いているところがいくつかあるのだけど、文体どころか出来事までもうんと異 -
Posted by ブクログ
最近「傘を折る女」がモーニングでコミカライズされましたが、内容をほとんど忘れていたので文庫版で再読。去年の11月に読んだものをここまですっぱり忘れてしまえるのものかというくらい忘れてました。
やはり馬車道時代はいいなぁ。御手洗も石岡君も生き生きしている。わたしは「傘を折る女」より「UFO大通り」の方が好きなんですが。軍隊気質な猪神刑事のキャラもいいし、その猪神刑事をおちょくって楽しむ御手洗とはらはらする石岡君が面白い。御手洗のペースに巻き込まれて意味不明な啖呵切ったり最終的には涙目になってる猪神刑事が可哀想で好きです。
漫画にするなら「UFO大通り」の方が向いてたんじゃないかなと思いました。と