島田荘司のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
人間の弱さ
人間の弱さを感じる話だった。辛く、気の沈む感じ。それでも、誰かが救われたのは幸いだった。
あと、中段、ちょっと間延びした展開だったなぁ…。 -
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魅力的なキャラクター
某漫画に出てくるある物語が、この本のトリックとそっくり…と聞いていたので
正直最初からトリックは分かりつつ読みました。
(確かにそっくり!漫画のが後だけど、良くかぶってるからボツ!ってならなかったな)
それでも独特な魅力のある探偵役と、それに振り回される助手役という、推理小説にありがちな設定の登場人物が魅力的でした。
同じシリーズの他の本も読んでみます! -
ネタバレ 購入済み
読みごたえ抜群
丁寧かつ読者を裏切らないという点でも御手洗シリーズは好みの作品の1つです。犯人は王道と言えば王道だが、ある種の気持ちよさのような感情がある。
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読んだ本 御手洗潔の挨拶 島田荘司 20230815
本日は終戦記念日 黙祷
御手洗潔シリーズの短編集で、4つのお話が入ってます。
一話目の「数字錠」では、何の手掛かりもつかめず、種明かしでそこに着目すべきだったのかと、歯ぎしり。
二話目の「疾走する死者」では、犯人だけはわかったけど、トリックが解けず、ちょっとそれ解けないよって感じで歯ぎしり。
三話目の「紫電改研究保存会」は、何が事件(被害)なのかもわからず、まあ、読み物としてなるほどと。歯ぎしり無し
四話目の「ギリシャの犬」では、島田荘司の答えともいうべきヒントに気づけずに歯ぎしり。でも、気づいても何にも解けなかったなって感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「挨拶」というタイトルからも、御手洗潔のキャラ紹介でもあったらしい今作、短編集だからお手軽に読めた。
殺人、窃盗、詐欺、誘拐…の事件の中で御手洗のキャラがポツリポツリ明るんでくるのが面白い^ ^
コーヒー飲まない理由、ギターめっちゃ上手い、犬大好き等々微笑ましい^ ^
けど短編そのものより最後の新・御手洗潔の志が一番印象的だった。
初対面ではぞんざいに、親しくなると丁寧に。
お偉方には傲岸に、身分の低い人には丁寧に。
年上には馴れ馴れしく、年下には丁寧に。
一見天の邪鬼で捻くれ者の変人に思われるであろう対応だけど、力関係が全てを決定し中身のない威張り屋アホ上司に媚び諂うことを良しとする風潮の日 -
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ネタバレ本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。
まず本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。
まず「上高地の切り裂きジャック」は2000年の頃に石岡が解き明かした事件の話。
次の「山手の幽霊」はまだ御手洗が日本にいた1990年の頃の話。
この二つの怪奇譚に御手洗の推理が冴える。
「上高地の~」はスピンオフ作品「ハリウッド~」の創作中に生まれた副産物のような感じだ(あれほどグロテスクではないが)。
題名の「切り裂きジャック」から連想される残酷なイメージとは違って事件は単発、しかもどちらかといえば死亡推定時刻に関 -
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ネタバレ久々の御手洗物らしい小説を読んだという感じだ。
『タンジール蜜柑共和国の帰還』という奇妙な内容の童話について解析をする趣向は過去の作品『眩暈』を想起させ、この作品が好きな私にとってなんともたまらないワクワク感があった。特にビートルズの歌が絡んでいるという件には驚かされた。これはビートルズ・フリークである島田氏にとって積年の願望をようやく果たしたのではないだろうか。
他にも旧作を想起させる箇所があり、人の五体を解体してネジ式の関節をもつ義手・義足をつけ、ゴウレムを作り上げるというのが今回の作品世界を彩るもう1つのモチーフなのだが、これなんかはデビュー作『占星術殺人事件』のアゾートがすぐに浮かん -
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ネタバレ上巻で見え隠れしていた津山三十人殺しが下巻では主役になっていた!
あまりに詳細で、その章が明けたのち、関係者の名前や関係性を若干忘れかけていたほど。
以下ネタバレ
龍臥亭がもぬけの殻になってたところは幻想小説めいて怖かった。石岡くんがとにかくふにゃふにゃしてるので、いい具合に不安さが増した。
全編通して私はとにかく幼女の無事を祈っていて、4歳の子を連れて夜中に百度詣する母親にマジでやめてほんとやめてと石岡ばりに懇願していた。
もうクライマックスシーンとか言わんこっちゃなさすぎて…
石岡くん、ボロボロになりながら頑張ったなぁ。再現実験してたとき、思ったとおりになるかどうかハラハラして -
Posted by ブクログ
ネタバレよくない星回りで悩んでる女性から「岡山に行ってでっかい木の下に埋まっている手首を掘り出して供養しなくちゃいけないというお告げで出たのでついてきてください」とかいう謎の依頼を受けた石岡くんの珍道中。
怖いものが嫌いなのにどんどん不気味な展開が続いてその度に石岡くんがこの依頼主の女性とわあわあ騒いでるのが、まあうざ可愛い。そんな末に辿り着いた閉業中の旅館、「龍臥亭」。
着いていきなりの火事と殺人のどさくさに紛れてこの旅館に居着くことになったはいいが、隣の寺の鐘がなるたび人がどんどん死ぬ!その上死体が消えて、消えた死体の頭が川から流れてくる!何という狂乱。
その割に、あんまりパニックになったり -
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は2002年に当初『吉敷竹史の肖像』として刊行された短編集からエッセイや対談などを取り除き、純粋に吉敷シリーズの短編集として編み直した物で、文庫化に際して新作の「電車最中」という短編が書き加えられている。
まず冒頭の「光る鶴」はかつて島田氏が物したノンフィクション大作『秋好事件』をモチーフにした吉敷シリーズの中編だ。
秋好事件が同じく福岡の飯塚での事件、そして一家惨殺事件である事からかなり類似性が高い。
題名の「光る鶴」とは事件当時、駅のホームに捨てられていた赤子の悟の胸に置かれていた銀の折鶴に由来する。これが冤罪の証拠となるのは自明の理だが、相変わらずの吉敷の粘りの捜査が描かれている -