島田荘司のレビュー一覧

  • 鳥居の密室―世界にただひとりのサンタクロース―(新潮文庫)

    ネタバレ 購入済み

    人間の弱さ

    人間の弱さを感じる話だった。辛く、気の沈む感じ。それでも、誰かが救われたのは幸いだった。
    あと、中段、ちょっと間延びした展開だったなぁ…。

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    2023年11月05日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    「使い古されたトリック」を用いたアンソロジー。
    若い作家さんによる軽やかな笑いもある作品が続き、最後に島田荘司さんの「世界にただひとりのサンタクロース」。人生で初めてのサンタクロースに涙しました。

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    2023年10月29日
  • 改訂完全版 暗闇坂の人喰いの木

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    久しぶりに長めのミステリーを読んだ。御手洗潔ものは独特の味わいがあっていいね。話としてはホラーっぽい雰囲気たっぷりなのだが、石岡氏がこわがり過ぎというふうにも思えた。トリックは相変わらず作者の作風が表れていてニヤリとする。ちょっとご都合主義的なところもあり。真相は全然想像のつかないものだったが、明かされ方のせいなのか、「そうだったのか!」という驚きはそれほど大きくなかった。

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    2023年10月24日
  • 占星術殺人事件 改訂完全版

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    魅力的なキャラクター

    某漫画に出てくるある物語が、この本のトリックとそっくり…と聞いていたので
    正直最初からトリックは分かりつつ読みました。
    (確かにそっくり!漫画のが後だけど、良くかぶってるからボツ!ってならなかったな)
    それでも独特な魅力のある探偵役と、それに振り回される助手役という、推理小説にありがちな設定の登場人物が魅力的でした。
    同じシリーズの他の本も読んでみます!

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    2023年10月10日
  • 改訂完全版 斜め屋敷の犯罪

    ネタバレ 購入済み

    読みごたえ抜群

    丁寧かつ読者を裏切らないという点でも御手洗シリーズは好みの作品の1つです。犯人は王道と言えば王道だが、ある種の気持ちよさのような感情がある。

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    2023年09月19日
  • 御手洗潔の挨拶

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    読んだ本 御手洗潔の挨拶 島田荘司 20230815

     本日は終戦記念日 黙祷

     御手洗潔シリーズの短編集で、4つのお話が入ってます。
     一話目の「数字錠」では、何の手掛かりもつかめず、種明かしでそこに着目すべきだったのかと、歯ぎしり。
     二話目の「疾走する死者」では、犯人だけはわかったけど、トリックが解けず、ちょっとそれ解けないよって感じで歯ぎしり。
     三話目の「紫電改研究保存会」は、何が事件(被害)なのかもわからず、まあ、読み物としてなるほどと。歯ぎしり無し
     四話目の「ギリシャの犬」では、島田荘司の答えともいうべきヒントに気づけずに歯ぎしり。でも、気づいても何にも解けなかったなって感

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    2023年08月15日
  • 屋上

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    なるほど、そう来たか、という読後感。昔読んだ島田荘司氏のユーモアミステリーそのもの。ただ、御手洗シリーズでは珍しい色合いかなと思いました。

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    2023年07月29日
  • Pの密室

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    御手洗潔の幼稚園〜小学生時代の話。

    鈴蘭事件
    →スナック経営のママの旦那が運転事故で死亡、同時期にスナックはガラスの物が至る所で割れている状態になっていた…

    Pの密室
    →絵の賞の選考を行っている土田冨太郎が愛人と自宅で血の混じった百数十枚の赤い絵が敷き詰められた部屋でめったざしにされた状態でみつかる

    コナン味あるねー

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    2023年07月21日
  • 御手洗潔の挨拶

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    ネタバレ

    「挨拶」というタイトルからも、御手洗潔のキャラ紹介でもあったらしい今作、短編集だからお手軽に読めた。
    殺人、窃盗、詐欺、誘拐…の事件の中で御手洗のキャラがポツリポツリ明るんでくるのが面白い^ ^
    コーヒー飲まない理由、ギターめっちゃ上手い、犬大好き等々微笑ましい^ ^
    けど短編そのものより最後の新・御手洗潔の志が一番印象的だった。
    初対面ではぞんざいに、親しくなると丁寧に。
    お偉方には傲岸に、身分の低い人には丁寧に。
    年上には馴れ馴れしく、年下には丁寧に。
    一見天の邪鬼で捻くれ者の変人に思われるであろう対応だけど、力関係が全てを決定し中身のない威張り屋アホ上司に媚び諂うことを良しとする風潮の日

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    2023年06月28日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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     クレセント錠に糸を掛けて外から引っ張る事で密室にするトリック。そのトリックを使うと最初から明言されていながら、それぞれ違う展開が書かれていて面白かったです。

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    2023年05月26日
  • 御手洗潔の挨拶

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    ネタバレ

    短篇集ではあるものの、御手洗潔の活躍を十二分に楽しめる作品でした。私としては「紫電改研究保存会」が、トリックというよりも、話としてどう着陸するのかワクワクしました。

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    2023年05月24日
  • 屋上

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    近年の作風が性に合わず、長らく遠ざかっていた島田荘司作品を久しぶりに読んでみた。『自分は絶対自殺なんかしない』と言った直後に銀行の屋上から飛び降りた4人の行員。当然、動機は全く見当たらない。謎の婚約者や銀行強盗など、サブのストーリーと徐々に交わっていく。4人のとっていた行動に違和感がありすぎるが、トリックは大胆で面白かった。ただ、あの関西弁はあまりにも酷すぎる。

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    2023年04月15日
  • 上高地の切り裂きジャック

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    ネタバレ

    本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。

    まず本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。
    まず「上高地の切り裂きジャック」は2000年の頃に石岡が解き明かした事件の話。

    次の「山手の幽霊」はまだ御手洗が日本にいた1990年の頃の話。

    この二つの怪奇譚に御手洗の推理が冴える。

    「上高地の~」はスピンオフ作品「ハリウッド~」の創作中に生まれた副産物のような感じだ(あれほどグロテスクではないが)。
    題名の「切り裂きジャック」から連想される残酷なイメージとは違って事件は単発、しかもどちらかといえば死亡推定時刻に関

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    2023年03月26日
  • 御手洗潔の挨拶

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    はい。御手洗潔、面白かったです。
    変わった人ですねぇ。
    短編集だったので、軽ーく読めました。
    トリックが突拍子もなく戸惑います。

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    2023年03月08日
  • ネジ式ザゼツキー

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    ネタバレ

    久々の御手洗物らしい小説を読んだという感じだ。
    『タンジール蜜柑共和国の帰還』という奇妙な内容の童話について解析をする趣向は過去の作品『眩暈』を想起させ、この作品が好きな私にとってなんともたまらないワクワク感があった。特にビートルズの歌が絡んでいるという件には驚かされた。これはビートルズ・フリークである島田氏にとって積年の願望をようやく果たしたのではないだろうか。

    他にも旧作を想起させる箇所があり、人の五体を解体してネジ式の関節をもつ義手・義足をつけ、ゴウレムを作り上げるというのが今回の作品世界を彩るもう1つのモチーフなのだが、これなんかはデビュー作『占星術殺人事件』のアゾートがすぐに浮かん

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    2023年03月07日
  • 龍臥亭事件(下)

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    ネタバレ

    上巻で見え隠れしていた津山三十人殺しが下巻では主役になっていた!
    あまりに詳細で、その章が明けたのち、関係者の名前や関係性を若干忘れかけていたほど。


    以下ネタバレ


    龍臥亭がもぬけの殻になってたところは幻想小説めいて怖かった。石岡くんがとにかくふにゃふにゃしてるので、いい具合に不安さが増した。

    全編通して私はとにかく幼女の無事を祈っていて、4歳の子を連れて夜中に百度詣する母親にマジでやめてほんとやめてと石岡ばりに懇願していた。
    もうクライマックスシーンとか言わんこっちゃなさすぎて…

    石岡くん、ボロボロになりながら頑張ったなぁ。再現実験してたとき、思ったとおりになるかどうかハラハラして

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    2023年02月28日
  • 龍臥亭事件(上)

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    ネタバレ

    よくない星回りで悩んでる女性から「岡山に行ってでっかい木の下に埋まっている手首を掘り出して供養しなくちゃいけないというお告げで出たのでついてきてください」とかいう謎の依頼を受けた石岡くんの珍道中。

    怖いものが嫌いなのにどんどん不気味な展開が続いてその度に石岡くんがこの依頼主の女性とわあわあ騒いでるのが、まあうざ可愛い。そんな末に辿り着いた閉業中の旅館、「龍臥亭」。

    着いていきなりの火事と殺人のどさくさに紛れてこの旅館に居着くことになったはいいが、隣の寺の鐘がなるたび人がどんどん死ぬ!その上死体が消えて、消えた死体の頭が川から流れてくる!何という狂乱。

    その割に、あんまりパニックになったり

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    2023年02月27日
  • 光る鶴~吉敷竹史シリーズ16~

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    ネタバレ

    本作は2002年に当初『吉敷竹史の肖像』として刊行された短編集からエッセイや対談などを取り除き、純粋に吉敷シリーズの短編集として編み直した物で、文庫化に際して新作の「電車最中」という短編が書き加えられている。

    まず冒頭の「光る鶴」はかつて島田氏が物したノンフィクション大作『秋好事件』をモチーフにした吉敷シリーズの中編だ。

    秋好事件が同じく福岡の飯塚での事件、そして一家惨殺事件である事からかなり類似性が高い。
    題名の「光る鶴」とは事件当時、駅のホームに捨てられていた赤子の悟の胸に置かれていた銀の折鶴に由来する。これが冤罪の証拠となるのは自明の理だが、相変わらずの吉敷の粘りの捜査が描かれている

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    2023年02月13日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    密室と聞いてまず何を思い浮かべますか?それは、鍵と糸です。という感じで最初からトリックが判明している状態で読むという企画型短編集。ちなみに、島田荘司さんの御手洗はドラマを見て存在は知ってましたが、全員初読でした。ちょっと思ってた短編集とは違ったが(どの話も最初の「このトリックの問題点」的な感じなんだろうと勝手に推察してしまった)、それなりに楽しめました。似鳥鶏さんの「このトリックの問題点」と芦沢央さんの「薄着の女」が面白かった。あと、ストーリー面だと友井羊さんの「大叔母のこと」も印象的でした。

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    2023年01月13日
  • 漱石と倫敦(ロンドン)ミイラ殺人事件

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    ネタバレ

    推理そのものよりも、最後の帰国による別れのシーンのここで明かされるメモの答えが素晴らしい。ホームズのバイオリンのシーンも含めて。それだけでも読む価値があるものであった。それに、ワトソン目線と漱石目線で細かく違うのがまたいい。解釈なのか言語によるニュアンスなのか忖度なのか、考えるだけでも楽しい。

    松岡圭祐さんの「シャーロック・ホームズ対伊藤博文」の時も思ったことだが、ホームズのシリーズも読みたいものだ。60作もあると言うのでなかなか手をつけるのにも躊躇うところだが、また興味が湧いてきた。

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    2022年12月23日