島田荘司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリー作家のなかでは唯一読むと行っていい島田荘司。
でも、いつも謎解きの部分にはあまり興味が無く(笑)、その叙情性ある作風に惹かれて読んでいる。
わけだけど、この作品にはミステリー要素自体がなかった。
言ってみればこれは御手洗版紀行文だな。
4つのエピソードが綴られている。
その中で印象的なのは第3話。
作者らしいミラクル要素が込められた曼珠沙華のお話。
いつも、こういうお話をどうやって思いつくのかと思う。
いくつもの人生の波瀾万丈が描かれて、ミステリー要素がないだけに、いつもよりより淡々と胸に響くものがある。
個人的には舞台の京都の街角や進々堂はなじみの場所なので、懐かしく思い出し -
Posted by ブクログ
ネタバレ『進々堂ブレンド1974』喉スプレーから想起される浪人生の初恋
『シェフィールドの奇跡』イギリスの知的障害差別を克服しようとした重量あげ金メダリスト
『戻り橋と悲願花』大戦下の日本で虐げられた朝鮮人姉弟の過酷な労働生活。希望と絶望、悲しみと恨みが鮮烈。物語をまとめる彼岸花の存在感もよい。
『追憶のカシュガル』侵略の時代を経たムスリムの街でパンを売る少年、路上に寝起きする老人の過去。浪人生が語る御手洗の昔語り、に登場する人々の告白、とマトリョーシカのような語りの連鎖。
総合的にみて差別や迫害の存在がテーマになっているかんじで物悲しい。探偵ではない御手洗を語り部に据えて、より自由に物語をしているよ -
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御手洗潔シリーズ。
「UFO大通り」「傘を折る女」の中編2作。
2作とも、御手洗がちょっとした取っ掛かりから事件の大筋を推理出来てしまうのは流石としか言いようがないものであったが、事件状況そのものが普通でないというか、強引に作り出してきたなぁという印象。まぁ、普通でないヘンテコな現象を現実のものとして論理的に説明されるのが、このシリーズの面白いところなのだけれど。
あと、これはわざとなのだろうか、両方とも被害者の死因が同じときた。この2作だけじゃなくて、他の作品でもあったような。御手洗の専門分野と重なるからなのだろうが、島田センセー自身がお得意なのかな。 -
Posted by ブクログ
大正時代の日本、箱根芦ノ湖に突如現れ、一夜にして姿を消した巨大軍艦の謎に御手洗潔が挑む。相変わらずスケールが大きくて夢のあるミステリだなあ。ロマノフ王朝最後の皇女、アナスタシアの生存説も、ロマンがある。
自らをアナスタシアだと主張した「アナ」という女性が実在したことは知らなくて、読み終わるまで島田さんの創作かと思っていた。思ったより史実が含まれていて驚いた。
(小説内の)真実は切なくて、救いがなくて辛い。アナスタシアの過去はただでさえ重たいのに、ちょっと描写がくどいかも・・・。ところどころ展開が無理やりな感じもしたけど、歴史ミステリーとしても楽しめた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ御手洗シリーズ。「UFO大通り」と「傘を折る女」の中編2作収録。
どちらも強引なところが多々ありますが、これはこれで楽しかったです。
【UFO大通り】密室で異様な姿のまま見つかった男の死体、近所の老女からは戦争する宇宙人を見たというまさかの目撃情報。乱暴な刑事も登場して、かなり派手な事件となっています。
異様な事ばかりで何が何だか、いきなり思わぬ犯人登場で驚きましたが、真相はなかなかおもしろかったです。
いろいろと無理矢理な部分もありますが、派手で軽快で、謎解きというよりはエンターテイメント寄りだったので楽しく読めました。
【傘を折る女】ラジオで聞いたちょっとした謎から、御手洗が安楽椅子