島田荘司のレビュー一覧

  • 星籠の海(下)

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    やや強引な展開。面白いし、先の気になる展開だが、あっさりした謎。
    シリーズっぽいと言えばぽいのかもしれない。
    星籠とカルト教団の謎が、絡まりあってるようでそうでもない。特に交差していなかった。

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    2016年04月28日
  • 魔神の遊戯

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    う~ん、特に引き込まれるような内容でも展開でもないし、読後感としても余りインパクトは大きくないかな?
    それと、作者の社会的主張が、この頃の作品としては感じなかった。

    いつもの女性論とか、都市論、薬害や先天性の病気、歴史的背景などはなく、
    スコットランドの雰囲気を味わうという作品なのかな?

    暗闇坂の人喰いの木で列車でロンドンからスコットランド方面へ行く途中の美しい描写があったけれど、やはり島田荘司さんはイギリスの田園風景とかネス湖やスコットランドによい印象があるんだな!
    ということがわかります。
    確かに自分でもイギリスはロンドンを離れて田舎に行くとその美しさが印象に残るというのは感じているの

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    2016年04月26日
  • 星籠の海(下)

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    ネタバレ

    御手洗初映画化ということは喜ばしい限りだが、どうしても「小さい」印象。
    時間的空間的に広がりを持たせようとしているみたいだが、事件やその見せ方が結局「ご近所さん騒動」になっている。
    どうせなら「暗闇坂の~」や「摩天楼の~」といった超弩級を映像化してほしかったものだ。

    一休みして映画の公式サイトで予告版を見て。
    あちゃーこりゃ駄目じゃないかなー、ミタライとか脳科学者とか石岡不在とか。
    それに原作もそうだが、ミステリでも活劇でもなく「観光してる」ようにしか見えない悠々さ。
    それにしても島田御大は、どうしてこう運が悪いというか間が悪いというか。
    腐女子連への目配せも読者へのサービスもどこか上滑りし

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    2016年04月04日
  • 写楽 閉じた国の幻(下)

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    ミステリの巨人の奇想がついに歴史を捉え、真実を掴み、常識をひっくり返したか。
    あまりにも膨大な歴史のテーマは、到底ミステリ小説1冊に収まりきれるものではなく、そこは島田節といつもの力業で何とかエンタメ小説の体裁を整えた感が強い。
    写楽の謎を解明する目的の達成を優先したのために、ストーリーや人物たちがほとんど着地できずに終わってしまった。
    島田ファン、ミステリファンの読み手としては不完全燃焼この上ない。
    新潮の責任でしょ。
    ライフワークとして積み上げていってもよかったのじゃないか。
    船戸さんの満州国演義みたいに。
    テーマが許さなかったのかなあ。
    とりあえず出しとかなきゃみたいな、作中の出版と同じ

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    2016年04月03日
  • 写楽 閉じた国の幻(上)

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    ネタバレ

    色々言いたいことはあるものの、
    総じては、面白かった本。

    江戸、寛政の時代、突然現れ世間をあっと驚かせ、10カ月という短い期間に多数の作品を残しながらも、忽然と消えた、「東洲斎写楽」。本名も生まれも、存在自体が謎、の写楽の正体について、フィクションとノンフィクションを織り交ぜながら、描いた意欲作。

    そう、意欲作、という言葉がぴったりだと思います、この作品は。「一番に伝えたいこと」がとても壮大で、スリリングだからこそ、その他のことが若干粗い仕上がりになっています。

    たとえば冒頭、写楽の肉筆画、に記載された欧文でのサイン。平賀源内?と思わせ、途中から一切でてこなくなったこの話はどこへ行ったの

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    2016年03月19日
  • アルカトラズ幻想(上)

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    最初は海外刑事モノくらいの気持ちで読んでいたが、猟奇殺人の捜査の間に突然の長い論文が挟まれてきて驚いた。
    惑星の話とか、恐竜の話とか、特に後者は興味をそそられたので難なく読めたが、興味のない分野だったら辛そう。
    上巻でほとんど犯人が確定、みたいな流れだったけれど、下巻ではどんな展開になるのか。気になる。

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    2016年03月17日
  • 最後のディナー

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    ネタバレ

    以前読んだ「ミステリー・セラー」でこの方の短編が面白いと思ったのが動機。御手洗潔シリーズというシリーズ物の一冊らしい。この本はある事件の「後日譚」に当たる短編集。そういう位置づけなので、これまでにこのシリーズを読んだことが無くても「一冊の本」としての話は概ね理解することができたが、やっぱりシリーズの他の作品を読んでからこの作品を見た方がより楽しめたと思う。その点では失敗したなと思った。他の本を読む兼ね合いもあるが、時間を見つけてシリーズを追いかけていこうとも思う。

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    2016年03月15日
  • 透明人間の納屋

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    なんと!!!?普段怪奇大好きな自分としては「透明人間」なるものも怪奇ミステリとして言葉のままに受け入れて読み進めていたが、いやはや社会派ミステリではないですか。しかし、ジュブナイルな部分がとてもうまくキレイに描かれており、感動の作品です。個人的には思いもよらぬラストだったため、読み終えたあとの動揺がハンパありません!

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    2016年02月16日
  • 魔神の遊戯

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    御手洗が出てくるんだけど、メインじゃない長編小説。
    結構初期の段階で、これはちょっとおかしいな。と気がつく。んで最後はやっぱりかーって思う。
    でも、一番初めの話に戻らないままお話終了しちゃう。
    とある外国の村で起きる連続猟奇殺人事件、その犯人は……という話。
    アル中よっぱらいの人が、今回はワトスン役をやってる。

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    2016年02月13日
  • 写楽 閉じた国の幻(上)

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    ぼちぼちですね。
    初めて島田さんの作品を読みますが、
    とても、惜しいような感じですね。
    とりあえず、上巻を読んだ時点での印象ですが、
    題材は面白そうですが、全体の方向性に対するしまったものが見えないように感じますね。
    とりあえず、下巻に期待します。

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    2016年01月25日
  • 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

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    この作品が、「星籠の海前後」の御手洗潔を描いてるなら得心が入ったと思うんです。

    でも、どう考えても占星術の前なんですよね〜。 その時代の御手洗潔が、こんな風に穏やかに語るっていうキャラ設定が既に違和感だったし、「御手洗潔=本格ミステリ」という方程式が成立してる偏屈なファンには、本作はどう贔屓目に見ても物足りないと言わざるをえません(汗)。ほんっと損な性分ですよ…。

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    2016年01月12日
  • 眩暈

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    御手洗潔シリーズ。重厚な作品。どのように展開されていくのか、不安になりながら読んでいきました。最初に提示された文章からミステリアスに進んでいきます。本当に何が起こったのか、気にしながら読み続けられました。

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    2016年01月06日
  • 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

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    ミステリー作家のなかでは唯一読むと行っていい島田荘司。
    でも、いつも謎解きの部分にはあまり興味が無く(笑)、その叙情性ある作風に惹かれて読んでいる。
    わけだけど、この作品にはミステリー要素自体がなかった。
    言ってみればこれは御手洗版紀行文だな。

    4つのエピソードが綴られている。
    その中で印象的なのは第3話。
    作者らしいミラクル要素が込められた曼珠沙華のお話。
    いつも、こういうお話をどうやって思いつくのかと思う。

    いくつもの人生の波瀾万丈が描かれて、ミステリー要素がないだけに、いつもよりより淡々と胸に響くものがある。

    個人的には舞台の京都の街角や進々堂はなじみの場所なので、懐かしく思い出し

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    2016年01月05日
  • 御手洗潔のメロディ

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    御手洗潔シリーズの短編です。必ずしもミステリーのみではありません。御手洗潔の人物にフォーカスをあてた感じでしょうか。もっとミステリー色が強い方が好みです。

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    2015年12月21日
  • 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

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    医学生時代の御手洗潔が、世界を旅した経験を浪人生、サトルに語る、短編4つ。イジメ、差別、戦争、韓国、ウイグル族、イスラム。そんな社会ネタで攻めるのは島田荘司ならでは。ただ、御手洗潔の重厚なミステリーを期待していたので、どうしても肩透かしを食らった感は否めない。御手洗潔モノとして扱わなくてもいいんじゃ…と思ってしまい、消化不良で終わってしまった。けれど、おもしろくないわけではない。

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    2015年12月09日
  • 御手洗潔のダンス

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    御手洗潔シリーズの短編です。短編のシンプルな展開が好きです。御手洗潔の普段についても知ることができます。

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    2015年12月03日
  • 御手洗潔と進々堂珈琲(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    『進々堂ブレンド1974』喉スプレーから想起される浪人生の初恋
    『シェフィールドの奇跡』イギリスの知的障害差別を克服しようとした重量あげ金メダリスト
    『戻り橋と悲願花』大戦下の日本で虐げられた朝鮮人姉弟の過酷な労働生活。希望と絶望、悲しみと恨みが鮮烈。物語をまとめる彼岸花の存在感もよい。
    『追憶のカシュガル』侵略の時代を経たムスリムの街でパンを売る少年、路上に寝起きする老人の過去。浪人生が語る御手洗の昔語り、に登場する人々の告白、とマトリョーシカのような語りの連鎖。
    総合的にみて差別や迫害の存在がテーマになっているかんじで物悲しい。探偵ではない御手洗を語り部に据えて、より自由に物語をしているよ

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    2015年11月24日
  • UFO大通り

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    御手洗潔シリーズ。
    「UFO大通り」「傘を折る女」の中編2作。

    2作とも、御手洗がちょっとした取っ掛かりから事件の大筋を推理出来てしまうのは流石としか言いようがないものであったが、事件状況そのものが普通でないというか、強引に作り出してきたなぁという印象。まぁ、普通でないヘンテコな現象を現実のものとして論理的に説明されるのが、このシリーズの面白いところなのだけれど。
    あと、これはわざとなのだろうか、両方とも被害者の死因が同じときた。この2作だけじゃなくて、他の作品でもあったような。御手洗の専門分野と重なるからなのだろうが、島田センセー自身がお得意なのかな。

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    2015年11月13日
  • ロシア幽霊軍艦事件―名探偵 御手洗潔―(新潮文庫nex)

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     大正時代の日本、箱根芦ノ湖に突如現れ、一夜にして姿を消した巨大軍艦の謎に御手洗潔が挑む。相変わらずスケールが大きくて夢のあるミステリだなあ。ロマノフ王朝最後の皇女、アナスタシアの生存説も、ロマンがある。

     自らをアナスタシアだと主張した「アナ」という女性が実在したことは知らなくて、読み終わるまで島田さんの創作かと思っていた。思ったより史実が含まれていて驚いた。

     (小説内の)真実は切なくて、救いがなくて辛い。アナスタシアの過去はただでさえ重たいのに、ちょっと描写がくどいかも・・・。ところどころ展開が無理やりな感じもしたけど、歴史ミステリーとしても楽しめた。

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    2015年11月08日
  • UFO大通り

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    やっぱりミタライものは面白い!サクっと名探偵の頭の回転を見せ付けられます。島田荘司の作品は、普通じゃあり得ないような現象も論理的に説明できて実際起こり得ることなんだと、なるほどと思うことが多い。

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    2015年11月05日